週間情報通信ニュースインデックスno.784 2010/12/04

1.真面目が“バカ”を見る?! 日本社会の未成熟(12.2 nikkeibp)
“当たり前”をこなす人を大切にしない会社に未来はない
 河合 薫
 私は工場(あるいは生産現場)に行くと、無性に感動する。取材の時だけでなく、講演会などに呼んでいただいた時も、可能な限り工場を見学させてもらうの だが、現場に足を踏み入れると決まって胸が熱くなるのだ。つい先日も、ある電力会社の発電所を取材させていただいたのだが、やはり同じだった。 恐らく工 場で働く人たちの実直なまでの真面目さに、心が揺さぶられるのだと思う。

 ひたすら頑固なまでに、彼らは決まった仕事を決まった時間に繰り返す。何事も起こらないように働くことが、彼らに課せられた最大の使命だ。だから、彼ら は決められたことを、ミスのないように、徹底的に真面目にやる。彼らからは、「上司に評価してもらおう」とか、「いいところを見せよう」とか、「他人をお としめてやろう」といった、卑しさや野心を微塵も感じることがない。
 「日本という国は、こういう人たちに支えられているんだよなぁ」とつくづく感じるのだ。

 多くの現場では、ちょっとした気の緩みが大きな事故につながることがある。つまり、彼らにとって真面目であることは生命線でもあるわけだ。だから余計 に、彼らはひたすら真面目に、腹の底から真面目に働くのである。

真面目より不真面目がもてはやされる不思議
 ところが、世間では真面目であることは、必ずしも評価されない。「真面目だよね」と言われると、からかわれているような気分にさえなることがある。

 真面目すぎて、つまらない。
 真面目すぎて、融通が利かない。
 真面目すぎて、息が詰まる。

 そんな決してポジティブとは言えない言葉が続く。不良がモテ始める中学生くらいだろうか。真面目な人はバカにされ、相手にされなくなる。真面目さより、 不真面目さ。真面目さより、テキトーさ。真面目はダサい、悪いのはカッコいい。真面目だった青年が、無理やり不真面目に振舞うようになることだってある。

 また、社会に出ると、「真面目さ」は、物事がうまくいかなかった時や、何か問題が生じた時の都合のいい言い訳になることがある。
 上司から評価されないのは真面目すぎるから、同僚に好かれないのは真面目すぎるから、組織で出世できないのは真面目すぎるから───。「僕が真面目すぎ るのですよね」などと、自分を納得させるための手段に使う人もいる。

 でも、きっとそういう人は、本当は真面目なんかじゃないのだと思う。
 だって、本当に腹の底から真面目な人は、言い訳なんかしないし、真面目でいることは当たり前のことだから、わざわざアピールしたりしない。

 それに本気の真面目さは、人を感動させるエネルギーを持っている。だから、うまくいかないことの理由などにはならないはずだ。工場に行くたびに、私がひ たすら感動するように、人の心を揺さぶる力が、真の真面目さ、にはある。

 そこで今回は、真面目であること、について考えてみようと思う。

真面目は真剣勝負の証なのに…
 「発電所の方たちは、停電を起こさないように、ひたすら毎日働きます。でも、そのことはなかなか評価されないんですよね」

 これは発電所内を案内してくださった方が語っていたことだ。

 日本の1世帯あたりの年間停電時間は10分未満で、これは世界的にもダントツに低い。それを支えているのが、高い技術力と、日々真面目にミスをすること なく、寡黙に働く工場の人々の努力だ。

 「真面目とは、真剣勝負である」との名言を残したのは文豪の夏目漱石だが、彼らの仕事はまさしく真剣勝負。

 「停電を起こさない」ためには、決められたことを真剣にミスなくやり続けるだけでなく、先を読む力、それに伴う行動力が必要となる。ロボットのように決 められたことをやるだけでは、安定的に電力を家庭に供給することはできない。だから、ただひたすら「停電させない」ためだけに、真剣勝負を続けるのだ。

 ところが、停電しないことは、もはや当たり前のこととして、世間に受け止められている。そのため、社会でも、そして電力会社の社内でさえも、そのことが 評価されることはない。

 確かに私たちも、「あ〜、あそこの電力会社は停電しないから、たいしたもんだ」などと評価することはないわけで、停電しなくて当たり前、停電するのは異 常事態。そんな日常が出来上がっているのだ。

 しかし、そこで働く人にとって停電しないことは決して当たり前のことではない。そうならないために日々、汗を流す。なのに、その努力の評価はゼロ。

 どんなに99回、いや999回、いやいや99万9999回、何も起こらないように真剣勝負してきても、たった1回、何かが起きるだけで徹底的に非難され る。何も起こらなかった99万9999回は完全に無視され、たった1回だけで下されるマイナス評価。その理不尽さを案内してくださった方は分かっていたの だろう。

 「救いなのは、今の経営陣の中に技術出身の方が増えてきました。やっと彼らのそういった努力をどうにか評価しようという試みが始まっているんです。僕も 何度となく、この現場に来ているんですけど、彼らは頑固なまでに真面目です。現場は危険とも背中合わせですから、少しでも彼らがやりがいを持てるような評 価制度になればいいと思っています」

  真面目は疲れる。でも、何かと要領のいい人が評価されがちな世の中だからこそ、頑固なまでに真面目たれ! と思うのであった。

2.18カ月以内にスマートフォンなどがPC出荷台数を超える---IDC予測 (12.3 nikkeibp)
 米IDCは米国時間2010年12月2日、IT業界の展望に関する調査分析を発表した。それによると、モバイルコンピューティングは 2011年も引き続き爆発的な成長を見せ、スマートフォンやメディアタブレットなど、アプリケーションを使用可能な非PCモバイルデバイスの出荷台数が今 後18カ月以内にパソコンを上回るという。モバイルアプリケーションのダウンロード本数は、2010年の約100億本から2011年には約250億本に急 増する。

 同社は、クラウドコンピューティング環境を利用したサービス、モバイルコンピューティング、ソーシャルネットワーキングといった技術が、2011年に早 期導入の段階から本格導入の前期段階に移ると見ている。

 さまざまな規模の企業がビジネスアプリケーションをクラウド環境に移行するため、2011年のパブリック・クラウド・サービス市場は前年と比べて30% 成長する。中規模企業におけるクラウドサービス導入率は2011年末時点で33%を超える。

3.「iOS」と「Android」が接戦、米携帯電話ユーザーが次に選ぶ端末OS (12.2 nikkeibp)
 米Nielsenは現地時間2010年12月1日、米国スマートフォン市場に関するユーザー調査の結果を発表した。米国の携帯電話ユー ザーに次に使いたいスマートフォンのOSを尋ねたところ、米Appleの「iOS」と米Googleの「Android」が接戦を繰り広げている様子が明 らかになった。

 既にスマートフォンを所有しており、来年に買い替える予定のユーザーの場合、35%が「iOS」を使いたいと考えており、28%が「Android」を 挙げた。スマートフォンと多機能電話ユーザーを合わせると、「iOS」を挙げるユーザーが30%、「Android」は28%だった。一方、多機能電話 ユーザーのみでは、「Android」が28%で、「iOS」の25%を上回る。

 iOSは、18〜24歳、25〜34歳、55歳以上の年齢層でAndroidより人気が高い。35〜54歳の年齢層でのみAndroidのほうが優位に なる。女性は次の端末としてiOSを好む傾向にあり、男性はAndroid派のほうが多い。

 2010年10月時点で、米国におけるスマートフォンの普及率は、携帯電話ユーザー全体の29.7%に達した。所有端末のOSは、「iOS」がシェア 27.9%で最も多く、カナダResearch In Motion(RIM)の「BlackBerry OS」が27.4%で肩を並べている。両者に「Android」が22.7%で続き、米Microsoftの「Windows Mobile」は14.0%だった。

4.「光の道」構想の最終案、“結論先送り”に懸念の声 ソフトバンク孫社長は「何も決めていない」と憤り(12.2 nikkeibp)
 総務省の「グローバル時代におけるICT政策に関するタスクフォース」は2010年11月30日、「光の道」構想の実現に向けた最終案をまとめた。光の 道は、2015年をめどに全国に高速ブロードバンド回線を整備する構想。最終案の内容は11月22日に公表した骨子案とほぼ同じものとなった。

 懸案となっているNTTの在り方については、NTT東西のアクセス回線部門について人事・情報・会計の壁を設ける「機能分離」が現実的とした。ただ、最 終案には機能分離など施策の実施時期について具体的な記述がなく、構成員からは「5年後も同じ議論をすることになるのでは」と懸念する声が出た。

 光の道の実現に向けた基本方針は、通信事業者間の公正な競争環境を確保し、サービスの低価格化や高機能化を促すこと。そのためには、公社時代から使われ ているNTT東西のアクセス回線部門の設備を、ほかの通信事業者各社が利用しやすくする必要がある。最終案で提示した方法は3通り。アクセス回線部門を NTTグループから別会社化する「資本分離」、NTTグループの傘下として別会社化する「構造分離」、分社化せずに他部門との間で人事・情報・会計の区切 りを明確化する「機能分離」である。そのうえで、現時点では機能分離が「現実的かつ効果的」と記した。

 最終案は、通信事業全般に関する問題と対処の方針を盛り込んでいる。ただ、具体的な実施時期が明確化されておらず、その点に議論が集中した。例えば、 NTTの機能分離について、実行時期は記載がない。ある構成員は「目標の数値は盛り込まないのか」、現時点で時期の判断が難しいのであれば「競争環境をど う評価するのか明言するべき」と追求した。このほか、NTT東西の光ファイバー回線をほかの通信事業者が使う際の接続料については、見直しの検討を平成 23年度以降に検討を開始するとしているが、「具体的な時期の目標や考え方があってもいい」という声が上がった。

5.「存在感を増すIT、世界経済に大きく影響」、Gartnerが 2011〜2015年を予測(12.1 nikkeibp)
 米Gartnerは米国時間2010年11月30日、2011〜2015年のIT分野で起きるであろう大きな変化を予測し、概要を発表した。それによる と、企業においてITと業績との関連性が高まり、2015年にはITがCIO(最高情報責任者)の報酬を決める主要因になるという。また、先進諸国の重要 なITインフラに大規模なオンライン攻撃があり、それが世界経済の混乱要因になると予想する。

 Gartnerでは、今後も企業にはコスト抑制の圧力がかかり、成長機会も限られ、リスクへの耐性が低い状態が続くと見ている。そのため、IT分野は関 係各方面から厳しい監視の目にさらされる。G20諸国ではITの社会インフラとしての重要性が今以上に増すため、金融システムや化学プラント、原子力発電 所のITシステムや携帯電話網などに対する攻撃は、米国で起きた同時多発テロと同様の深刻な問題になる。

 このほかGartnerは、企業が人員を削減する代わりにIT投資を増やすことから、2015年のIT支出額は現在に比べ1人当たり60%増えると予測 している。各種ツールの導入と作業自動化の効果でIT関連サービスの就業時間は今より25%短くなる。またクラウドコンピューティングの普及で、非IT系 企業もそれぞれの得意分野でさまざまなクラウド対応サービスを提供するようになるという。

 企業では従業員個人のノートパソコンやスマートフォンで業務アプリケーションを動かす場面が増え、2014年には90%の企業がこうした運用形態を採用 する。タブレット端末の職場導入率は2013年には80%になると見ている。




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