週間情報通信ニュースインデックスno.778 2010/10/16

1.「次は九州-上海で3000円」―中国LCC・春秋航空社長が明かす激安運賃の 秘密(10.13 nikkeibp)
 2010年10月4日発売の日経トレンディ11月号では「格安エア乗り比べ」と題し、日本にも続々就航しつつある格安航空会社(LCC)を実際に利用 し、そのサービスのレベルをチェックしている。話題になっているLCCの一つが、「上海まで4000円」という激安運賃を打ち出した中国の「春秋航空」 だ。

 アジアで急成長している格安航空会社(LCC)が、日本にも続々飛来している。10月21日に国際線が増強される羽田空港では、12月からマレーシアの LCC「エアアジアX」が運航を開始。
 羽田―クアラルンプール間で片道5000円と、衝撃のキャンペーン価格を打ち出している。ほかにも、関西国際空港には韓国の「チェジュ航空」「エアプサ ン」、オーストラリア(シンガポール)の「ジェットスター航空(ジェットスター・アジア航空)」といった多くのLCCが就航。7月からは中国のLCC、 「春秋航空」が茨城―上海間で定期チャーターを週3便運航している(1便は成田空港発着)。  春秋航空は、9月15日からの便で片道4000円の激安運賃を設定。日本国内でも大いに話題を呼んだ。なぜLCCの運賃は安いのか、春秋航空の王正華董 事長に話を聞いた。

 ――就航以来、搭乗率はどのように推移しているか。
春秋航空の王正華董事長。旅行会社から航空業界に参入しているため、「消費者目線でサービスを組み立てられる」と話す
王正華董事長(以下、王氏):7月28日に茨城空港に就航し、8月末までの平均搭乗率は85%前後だった。個人向けに片道4000円の航空券を売り出した 9月以降は、85〜95%で推移している。この数字についてはまだ満足していないが、常に95%以上を維持することを目指している。

――片道4000円の航空券は予約開始後わずか20分あまりで売り切れるなど、日本でも話題になった。
王氏:個人向けのネット販売を開始してから数日間は、1日に80〜100本もの問い合わせの電話が当社の茨城支店にかかってきた。実は片道4000円の激 安航空券は1便あたり180席のうち18席を対象にしたものなので、問い合わせのなかには、「4000円のチケットは本当にあるのか?」「インチキしてい るのではないか?」といったクレームもあった。こうした疑問に応えるため、激安航空券を手にして搭乗している人を機内でアナウンスすることも検討してい る。

――茨城―上海路線の平均運賃は往復2万6000円前後ということだが、これは成田―上海路線を運航する日系航空会社より2万円以上安い。なぜ、春秋航空 は安い運賃を出せるのか。

王氏:まず、春秋航空が使用する機材は、エアバスのA320という中型機で統一されている。これによって、整備費やパイロットの訓練費を節約できる。ま た、ファーストクラスやビジネスクラスを設定せず、エコノミークラスのみにすることでサービスを簡素化している。茨城空港の発着料や施設使用料を一部免除 してもらっている点も大きい。徹底的に運航コストを削り、そのぶんを安い運賃に反映している形だ。加えて、親会社の春秋旅行社の販売力が強いため、常に高 い搭乗率を維持できることも、運航効率のアップにつながっている。

――春秋航空は機内食が付いていない。機内販売による収益も、安い運賃の理由か。
王氏:その通りだ。中国の国内線では、離陸直後から機内マイクを使ってキャビンアテンダント(CA)が化粧品や家電製品などを客に売り込む。今のところ日 本路線では、そこまでやっていないが、CAがカートで機内を回り、機内食や物品販売を行っている。ビール(200円)、ミネラルウォーター(100円)と いった飲み物のほか、弁当(600円)、サンドイッチ(350円)などがよく売れる。1日の平均売上額は約2万6000円と、中国の国内線と比べると若干 少なめ。日本路線では、現在、免税品の取り扱いができるよう交渉中で、近々販売を開始する予定だ。

――成田空港や関西空港がLCC専用ターミナルの設置を検討するなど、LCCの積極誘致に動く日本の空港は多い。今後、茨城空港以外への就航計画はある か。
王氏:最も路線を開設したいのは成田空港や関西空港だが、日中両国で簡単には認可が下りないのが現状だ。地方空港では、四国や九州の5〜6空港と具体的な 条件を交渉している。四国や九州に就航することになった場合は、片道3000円のキャンペーン運賃を売り出す計画だ。ちなみに、9月28日に運航を始めた 上海―香港路線では、往復で199元(約2500円)のチケットを販売している。

 続々と日本に就航する海外のLCC。2011年度下期には、ANAが出資する日本版LCCも関西空港を拠点に国内線と国際線の運航を開始する。日経トレ ンディ11月号では、今回紹介した春秋航空を加え4社のLCCを乗り比べ、その実力を徹底チェック。さらに、LCCを乗り継いで15万円以下で世界一周を する方法など、LCCで得する予約&活用術も紹介している。

2.VerizonとAT&TがiPad販売を開始、Verizonはモバイルルー ター付属(10.15 nikkeibp)
 米Appleは米国時間2010年10月14日、同社のタブレット型コンピュータ「iPad」の販売チャネル拡大を発表した。米Verizon Wirelessと米AT&Tが同月28日にiPadの販売を開始する。

 このうちAT&Tは、全米2200以上の店舗でWi-Fiおよび第3世代(3G)ネットワークに対応したiPadを販売する。希望小売価格はApple と同じく、16Gバイトモデルが629ドル、32Gバイトモデルが729ドル、64Gバイトモデルが829ドル。2種類の料金プランがあり、1カ月当たり のデータ量が250Mバイトのプランは月額14.99ドル、2Gバイトのプランは月額25ドル。いずれも国内2万3000カ所にある同社のWi-Fiホッ トスポットを利用可能。AT&Tは、AppleのiPad発売以来、そのデータ通信サービスを提供してきたが、端末自体は扱っていなかった。

 一方のVerizon Wirelessは、全米2000以上の店舗でWi-Fi対応版iPadを販売する。同社のモバイルWi-Fiルーター「MiFi 2200 Intelligent Mobile Hotspot」が付属し、希望小売価格は16Gバイトモデルが629.99ドル、32Gバイトモデルが729.99ドル、64Gバイトモデルが 829.99ドル。このルーターにより、3Gネットワーク接続を最大5台のWi-Fi端末で共有できる。1カ月当たり1Gバイトのデータ通信が可能な月額 20ドルのプランを用意する。iPad単体の販売も行う。

 米国におけるApple製モバイル端末の販売では、これまでAT&Tが独占的提携キャリアとしてスマートフォン「iPhone」の販売を手がけてきた が、iPadでも独占状態とはいかなかったようだ。また米メディアの報道(Wall Street JournalやNew York Times)によると、Verizon Wirelessが2011年初頭にもiPhoneの販売を始めると見られている。

3.AndroidやiPadで社内パソコンを遠隔操作する「マジックコネクト MOSサービス」、NTTアイティが発表(10.15 nikkeibp)
 NTTアイティは2010年10月14日、画面転送型リモート・アクセス・サービス「マジックコネクトMOSサービス」を発表した。社外のパソコンやモ バイル端末から、会社内のパソコンへVPN接続し、遠隔操作を行う。パソコンのほか、Androind端末、iPhone、iPadから接続できる。年間 利用料は1アカウントあたり3万1500円。10月21日から提供を開始する。

 同サービスは、社外のパソコンやモバイル端末から、同社が運営する「MOS ASPサーバー」を介して会社パソコンへVPN接続するもの。1アカウントにつき、1個の認証デバイス(OTPトークン)を付与する。OTPトークンと MOS ASPサーバー側の認証サーバーは、時刻に応じて同じワンタイムパスワードを生成する仕組みになっており、ユーザーはOTPトークンに表示される数字を 使ってワンタイムパスワード認証を行い、社内ネットワークへアクセスする。

 画面転送型のリモートアクセス方式を採用し、かつ、通信方式にファイル転送を禁止する機能を組み込んでいる。これにより社内ファイルのダウンロード、コ ピー&ペースト、社外プリンタへの出力を禁止することができ、情報漏えいのリスクを削減できるとしている。

4.TCOを2割削減、富士通が統合コミュニケーションサービスを販売(10.13  nikkeibp)
  富士通は2010年10月13日、IP電話やビデオ会議など複数のコミュニケーション手段をネットワーク経由で提供する「統合コミュニケー ションサービス」の販売を開始した。
 富士通のデータセンターにユニファイドコミュニケーション(UC)システムを構築し、同社の企業向けネットワークサービス「FENICS」を使って、オ フィスや社外から月額料金で利用可能にする。IP電話やビデオ会議、Web会議などのシステムをデータセンターで運用することにより、TCO(総所有コス ト)を2割削減できるという。
 料金は、IP電話500内線利用時に1内線当たり月額1800円から(IP電話機のレンタル費を含む)。富士通は3年間で300社40万回線の販売を目 標にしている。

5. 「パソコンは不滅」――業界キーパーソンが今後10年のITを語る 「CEATEC JAPAN 2010」講演(10.8 nikkeibp)
 IT機器やデジタル関連機器の展示会「CEATEC JAPAN 2010」の会場で2010年10月8日、パソコン業界のキーパーソンが技術やサービスについて今後の展望を語るパネルディスカッション「2010年代の パーソナルコンピューティング」が開催された。スマートフォンなどの小型端末、各種のクラウドサービスが普及する中、パソコンはどう進化していくのか。日 経パソコンの中野淳編集長がモデレーターとなり、今後10年間でパソコンが向かう方向性を占った。

人がコンピューターに合わせる時代は終わり
 NECパーソナルプロダクツの高塚 栄取締役執行役員常務兼PC事業本部長は、クラウド型サービスの発展と共に、それらサービスを利用するための多種多様な端末が登場すると今後のビジョンを 提示した。

 データを創作するためにはパソコンが使われ、主にデータを閲覧するための機器として携帯電話がある。最近では、携帯電話よりも画面が大きく、リッチコン テンツの再生も可能なスマートフォンが普及してきた。今後は仕事の現場で使われるタブレット型の専用端末が増える可能性もある。NECは「ニーズに合わ せ、端末からクラウドサービスまですべてを提供したい」(高塚本部長)と考える。

 個人向けの製品やサービスでは「人がコンピューターに合わせるのではなく、コンピューターが人に合わせる」(高塚本部長)という“パーソナライズ化”が キーワードとなる。例えば、グルメ情報をネット上で閲覧した記録があると、関連したグルメ情報やクーポンなどを自動で推奨してくれるといった機能が考えら れる。塾のような教育産業、医療などBtoBtoCの分野でも「クラウドの力、端末の力を提供したい」(高塚本部長)として、IT活用の全体的なインフラ 提供に意欲を見せた。

3D技術を医療や教育に生かす
 東芝の深串方彦執行役上席常務デジタルプロダクツ&ネットワーク社社長は、同社パソコンのブランド名称に使われている「dynabook」は、70年代 に計算機科学者のアラン・ケイ氏が提唱した理想のコンピューターの概念であることを紹介。その概念上では、コンピューターは、年齢職業にかかわらず鉛筆や 本と同じように人々の生活に不可欠のものとされている。同社は、この考えを継承し、これからの10年で「人々の能力を高め、社会に役立つ真のコンピュー ティング」(深串デジタルプロダクツ&ネットワーク社社長)を目指す。

 この理念を実現する第一歩として、7月には教育用タブレットPC「CM1」を投入した。持ちやすい取っ手が付いていて、滑りにくいラバー仕上げとなって いる。一部で採用が始まっており、板書や採点の時間が短縮されることから、学習時間が増やすことができ、習熟度が早くなると好評であるという。

 医療やヘルスケアの分野の取り組みでは、Bluetooth接続で健康機器と簡単にデータをやり取りできる機能や、ネット経由の遠隔カウンセリングサー ビスを提案していく。CEATEC会場でも展示した、専用メガネなしで3D立体視を実現する「グラスレス3D-PC」技術も、教育や医療の現場に活用する ことを目指す。

 パナソニックの奥田 茂雄AVCネットワークス社システム事業グループITプロダクツビジネスユニット長は、技術革新によって情報通信機器の高性能化や小型化が進んでいる分 析。ただ、「進化の果てに1つのIT機器で満足できるものになるのかというと、そうではない」(奥田ビジネスユニット長)と断言した。用途によって、さま ざまな機器を使い分ける利用スタイルが定着するからだ。

 例えば、外出先でプレゼンテーション資料の編集や写真データの整理をしたいという場合は、携帯型のノートパソコンが必要となる。画面サイズの制限がある 携帯電話やスマートフォンでは、そうした作業には適さない。一方で情報を素早く入手し、返信するといった用途であれば携帯電話やスマートフォンが向いてい る。

 逆に考えれば、「すぐに使えない」という点がパソコンの弱点であるとも考えられる。これに対応するため、「次のキーワードは“すぐに使える”こと」(奥 田ビジネスユニット長)と目標を掲げて開発した製品が、9月末に発表した「Let's note J9」シリーズである。本体外側に専用ジャケットを取り付け、保護カバーに入れなくても、カバンから出してすぐ使えるようにした。こうした細部の使い勝手 まで含め、「プロフェッショナルに向けた新しいモバイルスタイル」(奥田ビジネスユニット長)を提案していく。

人に優しいパソコンが求められていく
 富士通の齋藤 邦彰経営執行役パーソナルビジネス本部長は、1980年代は人間がコンピュータを使うというよりもコンピューター本位のコンピューターセントリックの時代 だったと、コンピューターの歴史を振り返った。そして、1990年代以降は急速に進化した通信環境が主体のネットワークセントリック時代だったと定義。 2010年以降は、「人が中心となりITの活用で便利な明るい社会を築くヒューマンセントリックの時代」(齋藤本部長)に突入すると予言する。

 ヒューマンセントリック時代の利用スタイルは、例えば、このようになる。多様な端末を使って、人々の行動パターンや生活様式を生活上のログデータとして 蓄積。そのログデータは、エンターテインメント、買い物、ヘルスケアなど情報サービスに活用される。それら各種サービスの情報は、家の中や、車の中、ある いは町中に設置された端末や各種のディスプレイを通して提供される。「人が思ったときにやりたいことができる。生活を自然な形でサポートする」(齋藤本部 長)という利用形態が求められている。

 こうした時代を見据え、同社の9月末に発表した同社の新製品では、Webカメラに手をかざすことでパソコンを操作できる「ジェスチャーコントロール」機 能、人の顔を認識して画面をオン/オフする「Sense YOU Technology」を搭載した。さらに、快適なパソコン環境を提供するため、消臭効果が期待できる「ナノイー」発生ユニットを搭載した。同社では、パ ソコンを日本国内で開発製造している。きめの細かい繊細な技術力で、顧客の要望を迅速に製品へ反映できるという強みを今後も生かしていく。

 


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