週間情報通信ニュースインデックスno.775 2010/09/25

1.適切なインセンティブがない世界に優秀な人材は向わない(9.24  nikkeibp)
 宮田 秀明
 コンビニでも売られている一般向け自動車雑誌の取材を受けた。「車バカ列伝」というシリーズ物に登場しろという依頼だったが、一度はすぐに断った。あま りにもくだけ過ぎてる内容が予想されたからだ。しかし、記事を書くOさんからメールと電話で再々度お誘いがくるので、秘書のKさんとAさんに相談してみた ら、「いいじゃないですか、その雑誌知ってますよ。出たら買いますから」との返事。

 本当に私は東大自動車部に入部して以来、車バカを続けているのかもしれない。船は自分の仕事だからバカにはなれないが、車ならなってもいいだろう。
 取材には3時間以上かかった。私の愛車1999年製スカイラインはもちろん、助教や秘書や学生たちも登場してにぎやかな取材になった。

 最後に秘書のKさんに私の事をコメントしてもらった。結果は次のようにまとめられていた。
 「秘書のKさんSさん曰く、『いつでもどこでも、電車の中でも、立ちながらでも原稿書かれますよ。切り替えが凄くて、集中力が物凄い。普段は穏やかです が、妥協を許しませんから時には凄く厳しくて』そりゃそうですよね」

 このインタビューを受けて、過去の私自身の仕事を振り返りながら、「インセンティブと賞讃」の大切さを考えてしまった。
 記者のOさんに何度も言われた。
 「それはないでしょう。ちゃんと評価してもらわないといけませんよ」

 私が過去に受け取ったインセンティブの低さに驚いたのだ。
 1986年から1993年までの仕事の中でいちばん大きな位置を占めていたのは高速船開発だった。H社とは双胴水中翼船の旅客船を、I社とは双胴型の大 型フェリーを共同開発した。2つの商品開発プロジェクトの研究・開発・実証・普及までのすべてのプロセスに中心的な貢献をした。どちらも基本コンセプトは 私のものだった。そのため、それぞれ特許を数件申請した。実験船の設計から、実海域での実船実験に至る過程でも、私が中心的な役割を務めた。

 最終的には営業のお手伝いまでしたが、日本の造船会社はこのような新商品の営業は苦手らしく、あまりがんばってくれなかった。今から思えば、商社を活用 すればよかったのかと思う。それでも、それぞれ90億円、20億円の売り上げが立った。国内にたくさんあった高速船プロジェクトの中で、商品化に成功し、 顧客に満足してもらっているのは私が主導したこの2つの商品開発プロジェクトしかない。船の新商品開発は本当に難しいのだ。

 双胴水中翼船「スーパージェット」は研究開始から6年目、尾道での実証実験開始から3年目に、7隻を一括受注する成果を上げた。H社が過去にライセンス 生産した水中翼船の実績と、プロトタイプ実験船を使った尾道での実証実験と試乗の効果が評価された。

 商品設計が終わった段階で、H社は私とのロイヤリティー契約の相談に現れた。私は販売価格の1%以下の数字を呈示した。そのとき、私たちの努力が商品に なって、乗客に安全・安心で快適な旅を提供できる喜びが、なによりも大きかった。売ってくれたH社の営業の人にも感謝していた。世に出ないコンセプトや世 に出ない知的財産は山のようにある現実を知っていたからだ。だから、かなり低いロイヤリティーを呈示したつもりだったが、H社は私の呈示を値切ってきた。 けっきょく、ロイヤリティーは私の提案の半分以下になった。協力してくれたかたがたにも分配したから、私の取り分はもっと少なくなった。

 1990年前後の高速船開発では、世界標準のロイヤリティーをもらうべきだった。いま現在、日本や韓国の造船会社が液化天然ガス運搬船を建造すると、1 隻当り約15億円のロイヤリティーを知的財産権を持つノルウェーやフランスの会社に払っている。この資金が再投資され、また新たな知的財産が創造される。 ロイヤリティーは知的財産の継続的な創造のドライブフォースなのだ。

 この技術開発とインセンティブの健全な循環関係、および知的財産の価値を正しく理解しなかったのは、私の仕事人生における最大の失敗の一つである。さら に、見方を変えれば、これは日本の造船企業の最大の失敗の一つとも言える。技術や知的財産に正当な価値を与えない企業が成長することは難しいからだ。

 アジア諸国が台頭する現在、生産、物づくりに専念する経営では、もはや日本を担えなくなっている。知的財産を競争力にすること、そのためには、正しい価 値の評価とインセンティブの仕組みをつくることが前提条件になるだろう。正しい価値評価と適切なインセンティブがない世界に優秀な人材は向わない。

2.ミラポイント、最大2.3TBディスク搭載のメールサーバー専用機を発売(9. 24 nikkeibp)
 ミラポイントジャパンは、Webメールや共有カレンダ、共有アドレス帳などの機能を1台にまとめた大規模メールサーバー専用機「Mirapoint Message Server 7700(M7700)」を2010年10月1日から出荷する。大容量ストレージは必要だが、高可用性クラスタリング機能は必要ないというユーザーに適 す。

 2Uのラックマウント型きょう体に、6コアXeonプロセサ2基とメモリー24Gバイト、そして最大2.3TバイトのSASディスクを搭載する。ホット プラグ電源やホットスペアディスク、RAIDディスク、NICフェイルオーバーなどの冗長構成により、耐障害性を確保した。別製品の「Mirapoint Remote Site Replication」と組み合わせれば、遠隔地におけるディザスタリカバリが可能。

 OSには、自社開発のメールサーバー専用OS「Mirapoint Messaging Operating System(MOS)を採用。POP3、IMAP4、HTTP、SMTP、LDAPなどの標準プロトコルをサポートする。マイクロソフトのActive Directoryや、ネットスプリングの認証アプライアンス装置「AXIOLE」などのLDAPサーバーに登録されているユーザー情報を元に、メール ボックスを自動生成できる。また、システム稼働中のバックアップやユーザー単位でのファイルリカバリが可能。オプションで同社のスパム/ウイルス対策シス テム「RazorGate」のメールセキュリティ機能を追加できる。

 ハードウエア価格は1646万500円から(税別)。別途、ソフトウエアライセンス費用と保守費用が必要になる。

3.ケータイモバイルコマースの利用者は3人に1人、ORIMO調査(9.21  nikkeibp)
 インターネットリサーチのORIMOが2010年9月17日発表した「PC及びケータイでの買い物に関する調査」によると、ケータイから買い物をする 「モバイルコマース」の利用者は3人に1人に上り、年齢層では特に20代の割合が多かった。

 自社モニターを対象にしたモバイル調査で、20代から50代の男女1000人の回答を集計した。それによると、ケータイで買い物をする人は「よく買い物 する」(11.8%)と「品物によってする」(21.7%)を合わせて33.5%だった。PCでは84.6%に上って先行しているが、モバイルも普及が進 んでいる。

 ケータイで「よく買い物する」人を属性別にみると、男女別では女性が14.6%で男性(9.0%)を上回る。年齢層別では、「20代」が14.2%で最 も多く、「30代」(13.2%)、「40代」(9.8%)、「50代」(4.8%)と年齢層が上がるにつれて減少する。

 一方、PCで「よく買い物する」人は、男性が45.6%で女性(37.6%)を上回った。年齢層別では、「40代」(50.0%)と「30代」 (46.8%)が多く、「20代」(32.3%)は「50代」(38.4%)にも及ばない。PCの「男性・中年」に対し、ケータイの「女性・若者」の傾向 がうかがわれる。

 「購入したもの」の上位3位は、PC・ケータイとも「本、雑誌」「ファッション関連」「音楽、CD、DVD」の順で傾向は同じ。また、PCやケータイを 利用することで「店頭で買わなくなったもの」は、「音楽、CD、DVD」(29.3%)、「本、雑誌」(22.5%)、「家電」(11.2%)の順。デジ タルコンテンツ化が進む商品をネットで買う傾向がある。

4.ジャストシステムがiPhone向けATOKを発表(9.21  nikkeibp)
 ジャストシステムは2010年9月21日、iPhone/iPod touch向けのテキスト・エディタ・アプリケーション「ATOK Pad for iPhone」を発表した。日本語入力システム「ATOK」の変換エンジンおよび専用変換辞書と、日本語のタッチ入力に最適化した独自のユーザー・インタ フェース(UI)を搭載する。価格は1200円(26日までは発売記念価格900円)。9月22日からApp Storeで販売する。
 ATOK Pad for iPhoneの入力パネルは、携帯電話と同じ操作性の「テンキーキーボード」、パソコンと同じ配列の「QWERTYキーボード」、独自開発した日本語入力 専用パネル「ダブルトリガーキーボード」(画面1)から選択できる。ダブルトリガーキーボードは両手で入力することを想定したUIを採用しており、左側の トリガーボタンで「あ・か・さ」行、「た・な・は」行、「ま・や・ら」行といった文字の分類を選択すると、右側にその分類内の全文字のキーを表示する。

 テンキーキーボードでは、iPhone標準のマルチタップ入力、フリック入力のほかに、同社が開発した「リボルバータッチ入力」を選択可能。リボルバー タッチ入力は、フリック入力と同じ要領で清音、濁音、半濁音、「っ」(促音)、「ぁ・ぃ・ぅ・ぇ・ぉ」「ゃ・ゅ・ょ」(拗音)を簡単に入力することができ る。

5.米顧客満足度調査、Appleが7年連続でパソコン分野のトップに(9.22  nikkeibp)
 米ミシガン大学ビジネススクールが開発した米国顧客満足度指数(ACSI)を用いた2010年のブランド別顧客満足度調査によると、パソ コン分野の平均指数は前年比4.0%増の78点となり、過去最高水準に達した。米Appleが同2%増の86点と過去最高得点を獲得している。Apple は7年連続でWindows搭載パソコンメーカーを抑えて首位を維持した。

 Windowsパソコンメーカーを見ると、米Dellは3%増、台湾AcerのGatewayブランドおよびeMachinesブランドや、米 Hewlett-PackardのHPブランドはそれぞれ4%増加し、いずれも77点となった。またソニーや東芝などが含まれる“その他のメーカー”も 77点を獲得している。HPのCompaqブランドは74点だった。

 ミシガン大学教授のClaes Fornell氏は、「Windows 7のリリースから2年目を迎え、パソコンメーカーは、Vistaに関連する問題から解放されたようだ」と述べている。

 このほかテレビやDVDプレーヤー、Blu-ray Discプレーヤーといった家電製品は同2.4%増の85点となり、2010年の同指数の中で最高水準に達している。薄型テレビの価格が500ドルを下回 るなど、家電製品の値ごろ感が顧客満足度を上昇させている。



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