週間情報通信ニュースインデックスno.767 2010/07/24

1.“市場価値”を悟ったエリートの悲哀と希望(7. 22nikkeibp)
40代と50代を隔てるタイムリミット
河合 薫
 世の中で最も怖いことの1つに、自分を知る、ことがある。自分の市場価値、と言い換えてもいい。
 「長いこと1つの組織でずっと過ごしてくるとね、だんだんと自分の市場価値みたいなものが分かってくる。まぁ、40代後半から何となくそれは分かってく るんですけど、まだね、その時はかすかな光みたいなものが見えるわけ。でもね、さすがに50代になるとそれが全く見えなくなる」

 「可能性がなくなるっていうのは、結構しんどい。気がつくと組織にしがみついている自分がいてね。若い時にはそういう上司たちを見て、格好悪いなぁと 思っていたのに。トホホですね」
 先日、経営者層を対象に「生きる力の強い部下の育て方」なるテーマで講演した後の懇親会で、大手広告代理店の部長という男性が苦笑しながら、こう漏らし た。

 「可能性がなくなるっていうのは、結構しんどい」とは、どうやら出世も含めた自分への可能性を言っているようだった。「ひょっとしたら部長くらいで終 わってしまうかも」というのと、「これ以上は到底無理。部長止まり。役員にはなれない」というのとでは明らかに違う。限りなくクロに近いグレーが、完全な るクロだったと悟る年齢。それが50代、ということなのか。

 「40代の頃にはね、全く感じることのなかった感覚ですよ。50代になるとね、どういうわけか自分に自信が持てないことが多くなる。何ですかね、これっ て。こういうことって普通なんですか? 部下に“お前ならできる!”って言葉をかける前に、僕が誰かからかけてもらいたいよね〜。“お前ならできる!”っ てね」

 「人間の働きのメカニズムの中で、自分を信じることほど、大きな力はない。“お前ならできる!”と、自信を持てない部下の背中を押してやってくださ い」。私が講演で話したことに対して、その男性はこう言った。

 私はまだ40代だし、1つの組織にずっといたことはないので、彼の気持ちの真理をまだうまく理解することができない。でも、「自分の市場価値はたいした ことがない」と気がついた時の、やるせなさ、だけはよく分かる。

 これが40代と50代の差なのかもしれない。
 40代のキャリア人生が“まだ10年以上”あるのに対して、50代は、“あと数年”。40代だったら挽回できるチャンスがあるが、50代にはそれがな い。だから自分の市場価値を受け入れるしかない。 特にヒエラルキーのある組織で長年、上を目指して働いてきた、いわゆる“エリート”たちにとって、50 代はしんどい時期となる。

 ヒエラルキー組織では、トップに近いところまで進める人はごく一部だ。1000人いたら、1人か2人。そのほかの、ほとんどの人たちは必ずどこかで消え ていく。若いうちに権力パワーゲームに敗れた人は、「まだ、○年ある……」と、次なるものにベクトルを向けることができる。

 
自信の揺らぎがコンプレックスに変わる
 「上昇停止症候群」──。これは精神科医の小此木啓吾氏が、1980年代に『モラトリアム人間を考える』(中公文庫)という本の中で使った言葉である。
 上昇停止症候群は、それまでエリート街道を歩んできた中年のサラリーマンが、ライバルや後輩が先に昇進して、自分に昇進の可能性がなくなった時に陥るも のだ。無気力になったり、喪失感が強まったり、自信をなくしたりと、うつ傾向に似た症状が認められている。

泳がされるのをやめて、自分で泳ぐ
 では、少しでも自信を取り戻し、“消えてしまおう”なんて寂しいことを思わないようにするには、どうしたらいいか?
 恐らく自己を肯定するしかない。
 どんな人間にもそこに至るまでのヒストリーがある。自分がやってきたこと、頑張ってきたこと、成し遂げたこと。自分の、自分だけのヒストリーを肯定する のだ。
 そこには他人の評価は存在しない。あくまでも、自分自身の自分への評価である。自分のヒストリーを評価し、そこに自信を見いだすのだ。

 “エリート”であろうと、そうでなかろうと、どんな人であれ、自信を持てることの1つや2つは過去にあるだろう。たとえそこに失敗のヒストリーがあった としても、それも自分だと、自信を持って受け入れる。

 他人ではなく、自分で自分を評価する。たとえ今の自分に自信が持てなくても、いいじゃないか。だって、頑張ってきたし、ここまでの道のりでは苦しいこ と、踏ん張って自分の力で乗り越えてきたはずだ。そんな自分を褒めてあげればいいのである。

 これは過去にしがみつこととは明らかに異なる。自分を、自分の生きてきた道筋を、自分で認め、受け入れ、自己を肯定する。他人や世間の市場価値に振り回 されるのではなく、自分で自分を評価して、好きになればいい。

2.iPadから社内システムへセキュアにアクセス、いいじゃんネットが 「CACHATTO」の新版を発売(7.23 nikkeibp)
 いいじゃんネットは2010年7月23日、モバイル端末から社内システムへのセキュアなアクセスを可能にする「CACHATTO」の新版(Ver 4.5)を発売した。新版では、従来の携帯電話/iPhone/Xperia/HTC Desireに加えて、iPadに正式対応する。併せて、iPadにID認証機能やデータの非キャッシュ機能を付加してセキュリティ強度を高めるiPad 向けブラウザアプリケーション「CACHATTO SecureBrowser」の提供を開始した。

 CACHATTOは、企業のファイアウォール内に設置する「CACHATTOサーバー」と、同社が運用する中継サーバー(CACHATTOアクセスポイ ント)を組み合わせることで、セキュリティを確保しながら社内ネットにある電子メールやグループウエアのサーバーを公開するソリューション。モバイル端末 からリクエストを送ると、いったん中継サーバーに蓄積される。その蓄積したリクエストを、社内ネットに設置したCACHATTOサーバーが中継サーバーに 定期的にポーリングすることで参照し、中継サーバー上にあるリクエストに応じて社内のメールサーバーやグループウエアサーバーからデータを抽出する。抽出 したデータは、中継サーバーを介してモバイル端末が受け取る。これにより「社内LANにCACHATTOサーバーを設置するだけで、ファイアウォールやグ ループウエアサーバーの設定を変更することなく利用できる」。

3.住友生命、中核業務に使用するシステム基盤をNECのデータセンターに移管 (7.23 nikkeibp)
 
住友生命保険の情報システム子会社であるスミセイ情報システムとNECは2010年7月23日、住友生命の資産運用システムで使用する サーバーやストレージを、NECのデータセンターに移管すると発表した。システム基盤の自社所有を改めることによって、5年間で40%のコスト削減が見込 めるという。新システムの運用開始は2011年9月の予定。

 スミセイ情報システムとNECは同時に、金融機関向けのクラウドサービス事業における協業を発表した。NECのデータセンターで運用するシステム基盤を 使用して、スミセイ情報システムが金融機関向けの各種アプリケーションを開発。住友生命やそれ以外の金融機関に、サービスとして提供する。

 サービスの運用に使用するNECのデータセンターは、免震・耐震構造が採用されているほか、複数データセンター間でのバックアップ体制などが整えられて いるとしている。財団法人 金融情報システムセンター(FISC)が定める「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」に準拠したセキュリティ対策も実施する。

4.「仮想化よりも“アイデンティティ管理”が重要」---米Novell上級副社 長がクラウド戦略を説明(7.22 nikkeibp)
 Novell シニア・バイス・プレジデント兼チーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)&チャネル・チーフのジョン・ドラグーン氏
 「クラウド分野で最も重要な技術は仮想化ではなく“アイデンティティ管理”だと考えている。企業がクラウドを利用する際に最も心配するのはセキュリティ だからだ」---。米Novellで上級副社長兼CMO(最高マーケティング責任者)&チャネル・チーフを務めるジョン・ドラグーン氏は2010年7月 22日、同社の、「インテリジェント・ワークロード・マネジメント(IWM)」分野における戦略を説明した。

 IWMは、物理環境/仮想環境/クラウド環境にまたがるワークロードをポリシーに基づいて自動的に管理する技術である。同社は2009年12月に、物理 環境/仮想環境/クラウド環境をまたがるワークロードのセキュリティと異種環境間のポータビリティを向上させるために、アイデンティティ管理機能とシステ ム管理機能を提供していく戦略を発表している。

 ドラグーン氏によると、2010年現在、エンタープライズのワークロードのうち、クラウド環境で稼働しているのは2%程度。2015年になっても、クラ ウド環境を利用するワークロードは20%にととまり、45%は仮想環境、35%は物理環境で稼働していると予想される。「クラウド市場が拡大しているから といって、クラウドに特化した製品を持つのは間違い。当社は、物理/仮想/クラウドの全環境でITを安全に使うための製品を提供していく」(ドラグーン 氏)。

5.自分専用のソーシャルマガジンを作成するiPad用アプリ 「Flipboard」がリリースに(7.22 nikkeibp)
 米Flipboardは米国時間2010年7月21日、ソーシャルメディアのさまざまなコンテンツでデジタル雑誌を作成するアプリケー ション「Flipboard App for iPad」をリリースした。ミニブログサービス「Twitter」やソーシャルネットワーキングサービス(SNS)サイト「Facebook」で公開され ている投稿/記事/画像/ニュースなどを集めてレイアウトし、米Appleのタブレット型コンピュータ「iPad」上で閲覧可能にする。

 Flipboardは、米Tellme Networksの元最高経営責任者(CEO)であるMike McCue氏と、Appleで「iPhone」携帯電話の上級エンジニアを務めたEvan Doll氏が今年初めに立ち上げた新興会社。米Kleiner Perkins Caufield & Byers(KPCB)や米Index Venturesをはじめ、Twitter共同設立者のJack Dorsey氏、Facebook共同設立者のDustin Moskovitz氏などから合計1050万ドルの資金提供を受けている。

 Flipboard App for iPadは、「スポーツ」「技術」「ニュース」など、関心の高い分野ごとにコンテンツを分類し、雑誌感覚で閲覧することができる。Appleのモバイルア プリケーション販売/配布サービス「App Store」を通じて無償でダウンロード可能。





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