週間情報通信ニュースインデックスno.766 2010/07/17

1.iPhone 4のアンテナ問題,分解で浮き彫りになった原因(7.16 nikkeibp)
 2010年6月24日に世界5カ国で同時発売された米Apple Inc.の新型スマートフォン「iPhone 4」が,思わぬ「アンテナ問題」に揺れている。左手で端末を持つなど,握り方によって受信状態が不安定になる現象が発生し,米国などで苦情が相次いでいる のだ。一部では,集団訴訟に発展する騒ぎも起きている。

 日経エレクトロニクス分解班も,端末左側面の下側に存在するスリット部の付近を手で覆うと,受信状態が不安定になることを確認している。
 日経エレクトロニクス分解班は先日,分解の速報としてiPhone 4のアンテナの構造を予想した(Tech-On!関連記事)。その後,複数のアンテナ技術者への取材を通して,より詳細なiPhone 4のアンテナ構造を推測することができた。

 その構造から考えると,今回の問題が生じるのはアンテナの設計に起因する可能性が高い。以下は,日経エレクトロニクス2010年7月12日号に掲載した 記事を抜粋・加筆したものである。  iPhone 4の携帯電話網用のメイン・アンテナは,(1)筐体下側の側面部と,(2)スピーカー・モジュールの上に配置された薄い樹脂部品が,それぞれアンテナとし て機能しているとみられる。
 手で覆うと受信状態が不安定になるスリット付近は,(1)のアンテナの開放端側の放射電極が露出しており,さらに(1)と(2)のアンテナが結合してい る個所でもある。つまり,この部分に手などの抵抗体が存在すると,アンテナの利得に変化を与えやすい構造になっている。「この構造であれば,報告されてい るような問題が生じるのは納得がいく」(アンテナ技術者)。端末にカバーを装着すれば問題が生じないとされているのは,この部分が電気的に絶縁されるため と考えられる。

2.「マーケティングはつまらない」の、本当の理由(7.16 nikkeibp)
 関橋 英作
 “仕事は面白いですか?”最近の私の口癖です。特に、若いビジネスマンに向かってよく質問します。そうすると、次のような答えが返ってきます。
“だんだん、つまらなくなってきた”
“今の仕事は合わないので、別な仕事をしようと思っている”
“上司が分かってくれないので、面白くない”
“自分の理想の仕事はまだ探せていない”
“他の会社のほうが面白そうだ”
 などなどです。皆さんに同じ質問をしたらどうお答えになるでしょうか。

 私はこれらの答えを聞いていて感じたことは、仕事には面白い仕事と、つまらない仕事がある、と決め込んでいるのではないか、ということです。決められた ことを同じようにやるから、つまらない。ああ、私は不幸だ。クリエーターのような仕事は自由で面白そう!あっちの水は甘そうに見えるのです。

 この考え方には、大きな欠点があります。それは、誰がそう思ったのか知りませんが、世の中にそういう既成概念があり、疑いもなくそれに従っていること。

 例えば、クリエーターのような仕事。自由だと思われていますが、実は一番不自由なのです。こうしたいと思っていても、クライアントからこうしろ! とい う理不尽なオーダーが飛んでくる。うまくそれに応えられないと、クリエーターなんだからそこを何とかするのが仕事だろう、と。魔法のように何でもできると 勘違いしているのです。揚げ句は、うまくいかないと、誰もやったことのないアイデアが出ないということは、クリエーターとして失格だね、と烙印(らくい ん)を押される。毎日が、プレッシャーやジレンマとの戦いなのです。

 これでも、クリエーターをやってみたいですか? でも、楽しそうにやっているクリエーターもいるじゃないか、という質問にはこうお答えしましょう。
 そういう人は、仕事の制約条件を逆手にとって楽しんでいる。パッケージのデザインが古くさくて若い人に人気がない、という場合。ただ若い世代に受けるデ ザインを志向すると、逆にどこにでもありそうなものになる。だったら、あえてクラッシックだけれど大胆、シンプルだけど強烈、のようにちょっとずらして考 えるのです。常識的に若い人向けのデザインというと、若い世代にとっては刺激のないモノになる、ということに気が付くかどうか。ここが楽しいかどうかの分 かれ目です。

 もうすっかり定着したソフトバンクモバイルの「ホワイト家族」のCM。お忘れかと思いますが、これはもともと「ホワイトプラン」という商品広告のために 作られたもの。同じソフトバンクモバイル同士なら、通話がただ(一部時間帯除く)になるという、極めて物理的な話でした。普通ならその画期的なプランを即 物的にアピールするか、せいぜい友達同士でソフトバンクモバイルにすると得だよ、などと訴えるでしょう。それをあえて頻繁に電話をすることもない家族を登 場させ、その上、バラバラ家族の現状をやゆするために犬の家族に仕立てた。それが、思わぬ共感を呼び、ロングシリーズとなったわけです。

 もうお分かりのように、仕事に面白い、つまらないはなく、やる人がそう思い込んでいるにすぎません。どんな仕事も面白くする、という気持ちのスタンスが 重要なのです。

 私はその典型的な仕事がマーケティングだと思っています。マーケティングは何も経済的なことだけを扱う仕事ではない。社会、生活、人間すべてに関係した 仕事。人間の不安、欲求を知り、夢や希望を語る。日本人の歴史を読み解き、日本の価値を創造する。地方に触れることで、日本を俯瞰(ふかん)する。そし て、人と人がつながって楽しい毎日を送るために提案できることは何?を考えることだと思っています。こんなに楽しくてワクワクすることがほかにあります か?

 今までのマーケティングは、確かに数字やトレンドを追うことを第一義としてきました。成功モデルをフレームワークにして、売りを効果的に作り出すことを 躍起になって求めてきました。しかし、それがうまくいっていたのは、1980〜90年代という消費をすることの中に生きる価値を見いだしていた時代があっ たからこそ。その時代に、いわゆるマーケティングはピタッとはまっていたのです。

 今までのマーケティングは、世の中のトレンドを探す、でした。これからは、自分のトレンドを探す。つまり、世の中をカテゴライズしてそれに当てはめた マーケティングをするのではなく、自分の価値から見たマーケティングの種を世の中にまいていくのです。

 「草食男子」「中食」という現象だけを追うのではなく、お年寄りを大事に、地方の個人商店の復活、会話が人をつなぐなど、自分が大事だと思う価値を起点 にして世の中を見るのです。そうすれば、いろんなことが明快に見えてくるはず。前にも書きましたが、「ダイシン百貨店」をお手本にすれば、お年寄りマーケ ティング。「三陸とれたて市場」のサイトを見れば、地方の復活も夢ではない。自分の視点さえ持てば、いくらでもお手本は見つかります。

3.「ITサービス産業の3Kは覆せる」---NRIの藤沼会長(7.15  nikkeibp)
 「ITサービス産業の3Kが叫ばれて久しいがその原因ははっきりしてしている。投資コストに対してシステムの効果が見合っていないとお客様が感じるため 評価してもらえていないからだ」。
 野村総合研究所(NRI)の藤沼彰久取締役会長は2010年7月15日、東京・品川で開催中の「IT Japan 2010」において「新たなITサービス産業を目指して」と題した講演をこう切り出した。3Kとは「給料が安い」「(仕事が)きつい」「(家に)帰れな い」の頭文字を取った、日本のITサービス産業の負の側面をもじった言葉だ。

 藤沼会長はまず、ユーザーに評価してもらえていない事実を数字を上げて説明した。総務省の2005年調査では、IT投資に対して効果が十分あったと回答 したユーザー企業はわずか5.2%だったという。一方、米国のそれは16.7%、韓国では14.1%だ。「国際的に見ても投資効果に対する評価はそれほど 高くないが、とりわけ日本は低い」(藤沼会長)。なぜ評価してもらえないのか。藤沼会長は「歴史的にITの使い方が変わってきているのに、ITサービス産 業が変わってきていないからだ」と指摘する。

 「日本では過去50年間、ITに投資している。手作業をITで自動化するフェーズはもう終わっている」という。現在のIT投資の対象はシステムの老朽化 に伴うリプレースや企業の合併や買収への対応、制度改定への対応などだという。「運用保守工程での投資が多い。新規への投資は全体の35%程度。投資目的 別に見れば戦略システムへの投資はたった12%だ」(同)。

 IT投資の効果が上がらなかった“失敗”理由を分析すると、次の三つが上位に来るという。最も多いのが「IT投資に伴う組織や業務プロセスの改善活動が 不十分だったこと」。次が「経営層の積極的なリーダーシップがなかったこと」。最後が「利用部門によるITの利用促進活動が不十分だったこと」である。藤 沼会長は「ITに投資しても業務改革をしなかったり、現場に任せきりだったり、戦略系システムは使いこなすのが難しいのに『こう使えば生産性が上がります よ』といった定着化の努力が足らなかったのが原因」と総括した。

 この反省から、ITサービス産業の強化すべきポイントが見えてくるという。企画工程でどうしたいかをはっきりさせることと、システム稼働後に活用を促進 させることだ。「米国は2000年代に強力なトップマネジメントを発揮して、IT投資とリストラなどの業務改革の両方を進めたから生産性が伸びた。一方の 日本はIT投資をしてもトップマネジメントが米国よりも強くないため、どうしても効果が出にくい」(同)。調査によれば、IT投資をして業務改革をしない 場合とIT投資をしないで業務改革だけをする場合とでは生産性の向上指数がほとんど変わらず、二つを同時に進めれば高い効果が出るという。「日本のIT サービス産業は単にITを提供するだけではなく、組織や業務の“しくみ”を変革させることが欠かせない」。

 しくみを変えるためにITサービス産業ができることは「つないでつないでつなぐこと」だという。「自動車を買ってから廃車にするまで、自動車販売会社や 保険会社、整備工場などが絡むが、各社は自分の仕事しか興味がなく、情報も連携しない。ITはこれを横につなぐことで全体最適を果たして、自動車の購入者 に新しい価値を提供できる」。藤沼会長はこうしたつなぐ技術こそがITサービス産業の強みと強調する。「イノベーションを私は新結合と訳す。情報をつない で活用するプロこそがITサービス産業だ」。

4.ゆうちょ銀のシステムトラブル、原因は全銀システムとの接続部(7.13  nikkeibp)
 2010年7月12日に発生したゆうちょ銀行のシステムトラブルの原因は、同行の勘定系システムを全国銀行データ通信システム(全銀シス テム)と接続する、「全銀接続用システム」の障害であることが分かった。システムは7月13日午前8時50分に完全復旧している。

 全銀システムは内国為替を処理するシステムだ。銀行は全銀システムと接続することで、自行の窓口やATM(現金自動預け払い機)から他行の口座に送金し たり、他行の窓口やATMから自行の口座に送金したりできるようになる。

 トラブルがあったのは、この全銀システムとゆうちょ銀の勘定系をつなぐ、全銀接続用システムだ。同システムは、旧大和銀行の勘定系システム 「NEWTON」をベースにNTTデータが構築したもので、日本IBM製のメインフレーム上で動作する。

5.豊川市がアシストのOpenOffice.org支援サービスを採用(7.12  nikkeibp)
 アシストは2010年7月12日、愛知県豊川市にOpenOffice.org支援サービスの提供を開始したと発表した。オープンソースのオフィスソフ トであるOpenOffice.orgについての研修や、利用者からの問い合わせに答えるヘルプデスクなどのサービスを提供する。

 豊川市は行政改革推進計画で、無料のオフィスソフトを導入して経費を削減することを表明している。2009年度から2011年度までの3年間で、ライセ ンス料や、バージョンアップのための管理費など累計約663万円を削減することを目標としている。同市役所内のパソコンは約1000台。

 アシストは山形県、福島県会津若松市、愛媛県四国中央市などにOpenOffice.org関連サービスを提供している。



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