週間情報通信ニュースインデックスno.
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2010/03/13

1.設計者は現場を感じなければならない(3.12 nikkeibp)
宮田 秀明
 冬季オリンピックの開催地バンクーバーは、私にとって初めて訪れた外国だった。大学院修士課程1年生の秋、2日だけバンクーバーに滞在した。観光に行っ たのではない。飛行機で行ったのでもない。船に乗って実験をしながら、太平洋横断航海を体験したのだ。

 ちょうど貨物輸送がコンテナ化され、日本から北米向けの定期コンテナ輸送サービスが開始された頃だった。まず、横浜と神戸からサンフランシスコとロサン ゼルスへ向かうPSW(Pacific South West)と呼ばれた航路が週1便のサービスとして開始され、次にシアトルとバンクーバーへ行くPNW(Pacific North West)航路が開始されたところだった。

 今では、コンテナ船は大型化し、最大では長さが400メートル近くまでになり、1万2000個ものコンテナを積むことができるが、40年前は長さが 175メートルほどの比較的小型の船で、コンテナはたった750個しか積むことができなかった。スピードは23ノット(時速43キロ)ほどで、これは今で もあまり変わっていない。

 この速度は飛行機の20分の1ぐらいだから、横浜からバンクーバーまで約1週間かかる。帰りは神戸に向かったからプラス1日だ。この2週間余りの航海体 験は貴重なものだった。船舶技術者として早い段階で「海」という現場を知ることができたからだ。

  2日しかいなかったが、バンクーバーは清潔で美しい街だ。世界中でスキーと水泳が同時にできるところはバンクーバーだけだと言われていた。
 バンクーバーで2日間、多少の観光をしたり、少しばかり得意だった英会話を実践したりして帰路についた。帰路では、たくさんの貴重な経験をした。

 復路、バンクーバー出航後3日目に大時化に遭遇した。私の乗船した、川崎汽船と当時のジャパンライン共有の「ゴールデンアロー号」は、その年の春のデ ビューから8回目の北米へのサービスで最大の時化を経験したのだ。

 ゴールデンアロー号は急発達してきた東シナ海低気圧のど真ん中に突入してしまったのだ。暗い海と暗い空だけの自然の中にいるのも気が滅入るが、もっと もっと大変なのは船体の振動だ。しかも、大きな低気圧だったので、その状態が長く続いてしまう。ほとんど丸一日だった。

 7秒に1回の周期で船は激しくピッチングを行う。船に一番大きな強さが要求されるのはピッチング運動が大きくなってスラミングという現象が発生する時 だ。7秒ごとに船首が空中に持ち上げられ、次に落ちていく時に水面と激突し、大きなしぶきと大きな加速度と大きな振動を私たちに与えてくれる。

 加速度は1Gを超えている。何かにつかまらなければ立っていることもできない。私以外の乗組員はプロのはずなのだが、その日の夕食をとる人はかなり減っ ていた。
 私が何とか頑張って夕食に行ったものだから、「君、強いね」と機関長に言われた。

 
自分の体で現場を感じてみる

 後に、船舶技術者として社会人になり、研究者に立場が変わって船舶設計の研究の道を極めようと日夜努力することになったのだが、このゴールデンアロー号 での体験は大変貴重なものになった。大げさに言えば、船の気持ちが自分の体で感じられるような感覚を養うようになる最初のきっかけだったと思う。

 ずっと後になって、水中翼船やカタマランやアメリカズカップのヨットの開発設計に携わった時も、いつも開発中の船に乗っていた。自分の体で船を知ること は大切なことなのだ。デジタル情報だけでなく、こうして体から得られるアナログ情報も大切なのだ。もっと言えば、デジタル情報とアナログ情報を繋ぐ能力を 持っている人が最高の設計者になれるのだろう。

 だから、設計者は永久に現場に育てられるのだと思う。奥深い現場を自分の体で感じることがないならば、どんな優れた能力を持った人でも、大きな価値創造 はできないのではないかと思う。  設計者を経営者と置き換えても、同じことが言えるのではないだろうか。

2.総務省のIPv6研究会、IPv4在庫枯渇に対しISPが開示すべき情報のガイ ドライン案を公開(3.12 nikkeibp)
 総務省は2010年3月12日、IPv6への対応やその普及促進に関する具体策などについて検討する「IPv6によるインターネットの利 用高度化に関する研究会」(座長:齊藤忠夫 東京大学名誉教授)の研究会取りまとめ(案)に対する意見募集結果と、この意見募集の結果を踏まえた「研究会 第二次中間報告書」を公表した。また、同報告書において提言されている「ISPのIPv4アドレス在庫枯渇対応に関する情報開示ガイドライン」(案)を公 開し、この案に対する意見募集を開始した。

 研究会取りまとめ(案)に対する意見募集には、法人/団体から10件、個人から1件の意見が寄せられた。意見募集では特に、ISP(インターネット・ サービス・プロバイダー)が利用者に対して行う情報開示のガイドライン作成について、その主旨には賛成ながら実際のガイドライン作成に当たっては、事前に 事業者や業界団体と十分調整を行うよう求める意見が複数の事業者から寄せられた。

 同日公開された情報開示ガイドライン案では、「IPv4アドレス在庫枯渇対応の基本方針」や「IPv6対応インターネット接続サービスに関する情報」、 「既存のIPv4対応インターネット接続サービスに関する情報」、「ユーザーサポートに関する情報」などをユーザーへの開示項目として示した。このガイド ライン案に対する意見募集は2010年4月13日まで行われる。

3.「Google Product Search for mobile」に新機能--地元店舗の在庫をチェック可能に(3.12 nikkeibp)
 少し時間はかかったが、Googleは地元店舗の在庫状況の門番として、大きな一歩を踏み出した。Googleは米国時間3月11日、モバイル機器ユー ザーに地元店舗の在庫チェック機能を提供し、製品が店舗にあるかどうかを確認できるようにすると述べた。

 このプログラムには既にSearsやBest buy、Williams-Sonoma、Pottery Barn、West Elmといった主要小売店の一部が参加している。Googleに集客を頼ることがますます増えている地元の商店も、間違いなくこれに追随するだろう。

 こうした地元店舗の在庫チェック機能は、何年も前から話題に上っていた。2006年にGoogleとIntuit、Kelsey Groupは小売業の将来について概略を説明した際の内容はGoogleが今回発表したものに非常によく似ていた。それから4年が経過した今、地元店舗の 在庫検索が、平均的なウェブユーザーも使用するサービスになるという段階に達しようとしている。

4.原口総務相が「ブロードバンド100%普及を5年前倒し」,NTT経営形態も5 月までに方向性(3.9 nikkeibp)
 総務省の原口一博大臣は2010年3月9日に開催した総務省政務三役会議で,2009年末に打ち出した「原口ビジョン」(関連記事)で触れた「2020 年にブロードバンドを全世帯普及」という目標を2015年に前倒す方針を示した。「現在の日本の経済状況を考えると2020年では遅すぎる。ICTによる 国民の生産性を高めるためにも前倒しが不可欠」(原口大臣)という理由からだ。

 原口大臣は,ブロードバンド100%普及を含むICTの利活用推進を「光の道構想」とし,総務省で開催しているICTタスクフォースで以下の三つの政策 の基本的な方向性を5月中旬までに打ち出すとした。

 三つの政策とは,(1)NTTの経営形態を含んだアクセス網(光の道)の整備方法,(2)光の道へのアクセス権を保障するためのユニバーサル・サービス の見直し,(3)ICT利活用を促進するための各種規制の見直し(ICT利活用促進一括法案)である。これら三つの政策を「光の道三法案として考えたい」 (原口大臣)という。

5.声で店を検索できる「ホットペッパー FooMoo for Android」、リクルートが公開(3.9 nikkeibp)
 リクルートは2010年3月9日、飲食店情報アプリケーション「ホットペッパー FooMoo for Android」をリリースした。音声検索機能を搭載しており、Android端末に話しかけて飲食店を検索できることが特徴。

 リクルートが運営するホットペッパーのグルメサイト「FooMoo」は第三者のアプリケーションからデータを検索できるWeb APIを公開している。「ホットペッパー FooMoo for Android」は、このWeb APIを利用したクライアント・アプリケーション。リクルートの研究開発部門であるメディアテクノロジーラボが開発した。

 すでにiPhone向けに「FooMoo byホットペッパー for iPhone」をリリースしているが、Android版はiPhone版にはない音声検索機能を備える。例えば「ギンザ、ヤキニク」と話すことで飲食店を 検索できる。またGoogleのストリートビューと連携しており、検索した飲食店の周囲の風景を確認できる。Twitterとの連携機能も備えており、飲 食店の感想を投稿したり、対象の店についてのフォロアーのコメントを閲覧したりすることが可能。

 「ホットペッパー FooMoo for Android」はAndroidマーケットで公開されている。価格は無料。



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