週間情報通信ニュースインデックスno.
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2010/02/27

1.「安全への検証」と「技術者の情熱」はあるか(2.26  nikkeibp)
トヨタのリコール問題で見えた輸送機器設計の怖さ
宮田 秀明
 トヨタへの信頼が揺らいでいる。日本でトップレベルの経営をしている優等生企業だし、大きな利益をあげていたし、日本の産業の国際競争力を力強く支えて いた企業だったから、トヨタの危機は日本の産業の危機と言う人までいるようだ。

 しかも欠陥がブレーキとアクセルという最も信頼性が要求される装置だから、なおさら心配だ。プログラムにミスがあるとされるABSというのはアンチロッ クブレーキシステムの略称である。最短距離で車を安全に停止させるためにブレーキを電子制御する装置だ。

 ブレーキ制御装置という安全に直結する部分に欠陥があったとすると、大変厳しいミスと言わざるを得ない。仮に1秒作動しなければ、時速40キロで走って いても、約10メートル空走してしまう。

 経営も設計も“Good at everything, best at a few”でなければならない。どこにも悪いところがあってはならないが、その上で競争力を持つように他社に比べて優れたベストがなければならない。  最もBadが許されないのが航空機、船、車、列車などの輸送機器である。人命を預かる工業製品だから当然のことではあるが、このことによって設計法や開 発法は他の工業製品とは異なったものになることはあまり理解されていないかもしれない。

 私の専門の船の世界では、実績のある設計からの変更点をなるべく最小にしようとする保守的な設計をするのが基本だ。造船会社には膨大な実績データとそれ をルール化したものが備わっていて、設計はこれを使って行うのが基本である。少しでもこのルールを逸脱したり、新しい設計にする時は丁寧な実験を行って詳 しく検討するのが普通である。会社員時代、ルールをほんの少し逸脱した設計の船を担当して、大変な苦労をさせられたことがある。安全とは関係ないが、経済 性に大きく関係することだった。社会人5年目の経験だった。

 だから、輸送機器の世界で新商品を開発することには大変な苦労が伴う。私がある企業と共同で7年がかりで水中翼船を開発した時は、長さ12メートルの実 験船による実海域実験を3年間にわたって実施した。走る、回る、止まるの基本性能はもちろんだが、波の中での挙動や失速回避など安全性に関することはすべ てクリアーしなくてはならない。

 航空機も船も個人向けの商品があるが、主力は事業者向けで操縦者もプロである。しかし乗用車はほとんどが個人向けの商品である。このことが少なからず商 品の安全性に対する考え方に差異を与えることもある。人命を預る輸送機器の設計における“Good at everything”は完璧でなければならないのだが、プロが操る場合と素人が操る場合には大きな差がある。

 この10年ぐらいの間に、乗用車の開発期間は大幅に短くなった。それまでモデルチェンジするのは4年に1回というのが各社の決まりごとのようになってい たのに、数年前からは、プラットフォームが同じなら、1年以内に開発し、一番縮まらないのは金型の製作だというぐらいにまでなってきた。心配なのは最後の チューニングや性能や安全の確認がこんなに短い開発期間で充分行えるのかということである。

 自動車会社には設計部と実験部があって、人員は同じくらいだと思う。設計と実験は表裏の関係にある。それが長らく自動車設計だった。コンピューター技術 の進歩がこの関係を変化させたことは事実だが、輸送機器の安全に密接する性能に関しては、かつてと同様の実験による丁寧な検証に手抜きは許されないという ことだろう。

技術者たちが持つ無意識の哲学と情熱

 輸送機器の設計においては、技術者と製品との間の一種特殊な関係を失わないようにしなければならないと思う。技術者の製品に対する一種の愛情関係のよう なものだ。設計者にとって製品は自分たちの作品なのだ。画家が自分の作品に愛着を持つように、輸送機器の設計者たちは自分たちの作品に愛着を持つから、完 璧な設計を目指す。だから、不具合の可能性が残っていたり、納得がいかない性能のまま市場に出すことは最大限避けようとする。試走してチューニングする現 場の人たちも同じ思いで商品開発の最後を担当するものだ。

 輸送機器は、自然環境の中で機能する技術として技術者が創造する。自然と技術と人の一種独特な調和関係を正しく保っていくことを無意識の哲学とし、それ を実現しようとする情熱が、輸送機器技術者の基本素養だと思う。利益優先の経営が技術者のあるべき姿をゆがめるようなことがあってはならないだろう。

2.マイクロソフト、SharePoint 2010の検索機能「FAST」を説明(2.26 nikkeibp)
 マイクロソフトは2010年2月26日、「SharePoint 2010」に関する記者説明会を開催し、新たにSharePointのコンポーネント製品に加わった検索ソフト「FAST Search Server 2010」の機能を解説した。SharePoint 2010は、ポータル・サイト構築、ソーシャル・ネットワーク、ファイル共有、社内コンテンツ検索を行うためのアプリケーション・ソフトを集約した企業向 け情報共有プラットフォーム。2009年11月からベータ版を公開している。2010年6月末までに、正式版をリリースする予定だ。

 SharePoint 2010は、サーバー・ソフト「SharePoint Server 2010」、社内検索ソフト「FAST Search Server 2010」、グループワーク支援ツール「SharePoint Foundation 2010」(旧SharePoint Services)、アプリケーション開発ツール「SharePoint Designer 2010」で構成される。このうち、SharePoint Foundation 2010およびSharePoint Designer 2010は、SharePointのベース・システムとして無償で提供される。また、FAST Search Server 2010は、今回初めてSharePointのコンポーネント製品に加わった。

 FAST Search Server 2010の検索技術は、米Microsoftが2008年4月に買収したノルウェーのFast Search&Transfer(FAST)が開発したもの。SharePoint Serverの標準検索機能や同社の無償検索ソフト「Search Server」と比較して、特にレリバンシー(検索キーワードと検索結果の適合性)が強化されている。

3.日経新聞が有料電子新聞「Web刊」開始を発表、3月23日から(2.24  nikkeibp)
 日本経済新聞社は2010年2月24日午後に記者会見を開き、3月23日からパソコンと携帯電話で読める有料の「日本経済新聞 電子版」(通称Web刊)を発行すると発表した。3月1日から登録を受け付ける。

 喜多恒雄代表取締役社長は「本格的な電子版の提供は日本の新聞で初めて。(要望があれば)この仕組みを同業他社にも提供していきたい」と話した。
 電子版の購読料も明らかにした。日経新聞定期購読者は月額1000円(税込み)で、紙の新聞との総額が月額5383円になる(朝・夕刊セット版地域の場 合)。決済方法は、クレジットカードに限定。新聞販売店での支払い方法にかかわらず、Webサイトで、クレジットカード番号とともに会員登録する。電子版 のみの会員の購読料は4000円(税込み)に設定。「購読料は、現在の紙の新聞販売に影響を与えない価格体系を模索した」(喜多社長)という。

4.2009年の世界携帯電話市場,0.9%減,スマートフォンは23.8%増 (2.24 nikkeibp)
 米Gartnerが米国時間2010年2月23日に発表した調査結果によると、2009年における世界の携帯電話機の販売台数は12億 1100万台となり、前年に比べ0.9%減少した。第4四半期では、3億4000万台で前年同期に比べ8.3%増と1ケタ成長。スマートフォンや低価格端 末の伸びに支えられ好調に推移した。

 携帯電話市場のトップ5メーカーは、フィンランドNokia、韓国Samsung Electronics、韓国LG Electronics、米Motorola、英Sony Ericsson Mobile Communications。これら上位5社のうち韓国の2社以外は販売台数が落ち込んだ。5社を合わせたシェアは前年の79.7%から75.3%に減 少した。

 第4四半期のスマートフォン販売台数は5380万台で前年同期比41.1%増。スマートフォンは2009年の1年間で1億7240万台に達し、前年から 23.8%伸びた。米AppleやカナダResearch In Motion(RIM)といったスマートフォンを主力にしているメーカーが、大手携帯電話メーカーからシェアを奪っている。AppleとRIMの世界ス マートフォン市場におけるシェアはそれぞれ14.4%と19.9%に上昇した。

 OS別のシェアでは、Symbianが首位を維持したが、そのシェアは5.4ポイント減少した。RIMやAppleとの競合や、Nokiaの高価格帯端 末の販売低迷が影響した。好調だったのは、AndroidとiPhone OS。Androidのシェアは前年の0.5%から3.9%に上昇した。iPhone OSのシェアは6.2ポイント伸び、Windows Mobileを4位に押し下げた。

5.iPhone用音声認証ソフトをみずほ情報総研が開発、AIGエジソン生命に納 入(2.23 nikkeibp)
  みずほ情報総研は2010年2月23日、音声認証が可能なiPhone用ソフトウエアを国内で初めて開発したと発表した。音声認識ソフトを手掛けるア ドバンスト・メディアと共同で開発した。既にAIGエジソン生命保険が導入を決めており、2010年6月から営業社員に配布する。

 開発したソフトは、音声によって本人かどうかを認識するためのもの。Webサイトなどにアクセスする際に、キーボードなどでパスワードを入力する必要が なくなる。利用者はiPhoneでソフトウエアを起動し、タッチパネル上のボタンを押しながらマイクに向かって話す。

 本人かどうかの認識は、あらかじめ登録する音声の特徴と比較して判断する。みずほ情報総研によれば、他人を間違えて認証してしまう確率は100億分の3 以下という。



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