週間情報通信ニュースインデックスno.
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2010/02/06

1.人は、自ら目標を定めて努力して育つ(2.5 nikkeibp)
社長になる卒業生Y君を成長させたのは“環境”
宮田 秀明
 「へーイ、タクシー」「歌舞伎町、花園神社の近く」。32年前に東大の正門前でこう叫んでいたのは、当時4年生だったY君だ。本郷から新宿へ向かったの は、もちろん飲みに行くためだった。事もあろうに、私がサラリーマン時代の友達とたまに飲みに行っていたスナックの建物の2階に、Y君たちの行きつけのス ナックがあった。

 32年間の長い教員生活で学生たちと飲むことは多かったが、一番盛んだったのが大学へ転職した最初の年だった。その年の4年生と飲むことが多かったの だ。「ヘーイ、タクシー」と言った最もワイルドなY君は、今度、大手上場企業の社長になる。

 最初の年、卒業論文のために6人の学生が私たちの研究室にやって来た。6人のうち1人を除く5人は、船舶工学科で成績が最も悪い5人だった。新宿にタク シーで飲みに行ったりしていたことからも分かるように、結構不良学生だったかもしれない。
 
 大学には色々な名目でコンパと言う飲み会がある。ところがこの研究室では教授があまりに偉いので、盛り上がらない。いつも20時半までは教授の話を静か にお聞きする会だった。料理も決まりきって寿司とビールだった。20時半に教授が帰ると少し元気が出るのだが、それでも雰囲気は今一つといったところだっ た。

 私は研究室を明るく元気な形にしたいと思った。そして次のコンパが迫った頃、Y君に言った。
 「コンパを盛り上げるように何か企画しよう」
 「カラオケを持ち込んでもいいですか?」と彼は言い出した。
 そしてそのコンパの日、私はY君を司会役に指名した。立ち上がったY君はカラオケのマイクを手に話した。
 「今回のエンターテイメントは…」
 これをきっかけに私たちの研究室「水槽」(長さ90メートルの船舶実験設備を持った建物で研究しているので、こう呼ばれてきた)は明るい研究室に変身 し、翌年からは人気の研究室になった。

気がつくとY君は見事に成長していた
 この最初の学生のうち2人は企業に就職してから米国の大学に留学した。こういう時、推薦状を書くのは大学教員の役目だ。Y君はペンシルベニア州立大学、 O君はスタンフォード大学だった。2人から手紙が来て、米国出張の時は寄って下さいと言われ、私は素直に求めに応じた。

 人はどうして育つのだろう。私はY君を育てた憶えがない。一緒に歌舞伎町とニューヨークで飲んだけれども、あまりいいことを教えた憶えがない。新米教員 にはできなかったと言うのが正しいかもしれない。  Y君に一番教えようとしたのは流体力学に基づく設計だったのだが、Y君がそれを体得したかどうかは疑わしい。

 「人は教えられて育つのではない。自ら目標を定めて努力して育つ」。これは教員にとってはアンチテーゼかもしれないが、本当の事だと思う。教えられて偉 くなる人はいない。自ら成長しようと努力して人は偉くなる。だから、教員の仕事の一番大きなことは学生たちがこのことを分かるための環境を作ることだ。

  32年前、学生たちと飲み歩いて明るく楽しい研究室作りに励んだ。明るく楽しく働けて、真剣で正しい成果を生みだす環境を職場に作ることは経営の基本 かもしれない。大学の研究室でも企業でもその点は同じだろう。

  企業も国も同じだと思う。明るく楽しい環境を作って、価値創造を楽しむようになりたい。これが増えることが、日本の成長を取り戻すことと言ってもいい だろう。

2.「原口ビジョンには賛同」も構造分離に警戒感示す,決算会見でNTT三浦社長 (2.5 nikkeibp)
 NTT持ち株会社の三浦惺社長は,2010年2月5日に開催した決算会見で,原口一博総務大臣が2009年12月に発表した「原口ビジョ ン」についてコメントした。
 原口ビジョンでは「2020年にすべての世帯でブロードバンド・サービスを利用」といった目標を打ち出している。三浦社長は「ITを活用して経済成長を 促すという原口ビジョンの基本的な方向性は我々の考えとも一致している。ビジョンの実現に向けて積極的に貢献していきたい」との考えを示した。

 ただ,原口大臣がNTTの光アクセス回線部分を別会社化し,他事業者も資本を出し合って共有化する方法もあるのではといった発言をしたとの一部報道につ いては,強い警戒感を示した。三浦社長は「公式には話を聞いておらず具体的な中身は分からない。コメントは難しい」としながらも,「仮にNTTの構造分離 だとしたなら,サービスを持たない会社は設備投資インセンティブが働かない。トータルでうまくいかないのでは」とけん制した。

 英国やオーストラリア,シンガポールが国内の通信事業者のアクセス部分の構造分離策を取ってブロードバンドを広げている点については,「いずれも競争が 進展せず,国が補助金を出さないと世界に遅れてしまうという事情がある。日本はエリア・カバー率で9割以上,世帯普及率でも30%を超えるまでブロードバ ンドが広がっている。これらの国とまるで実態が違う」と,これまでの主張を繰り返した。

 一方で三浦社長は,「アクセスの話も大事だが,ブロードバンドの普及はいかに利活用を進めるのかにかかっている」と強調。アクセス部分の議論に終始せ ず,利活用を含めた議論を進めたい考えも示した。

光契約2000万の達成は「2012年度くらい」
 三浦社長は,かねてから中期経営目標としている「2010年度末時点で累計2000万件の光契約数」についてもコメントした。2009年5月の段階で 「達成は困難」(関連記事)と発言し,新しい目標年度は設定していなかったが,今回「2012年度くらいには達成したい」(三浦社長)と具体的な達成見通 しの時期を示した。なお,決算で発表した2009年12月末現在のフレッツ光の契約数は1277万9000。2010年3月末の予想は1363万4000 としている。

3.iPadなどのタブレット・デバイスは5年後に年5700万台市場に---米調 査会社(2.4 nikkeibp)
 調査会社の米ABI Researchが米国時間2010年2月3日に発表した市場予測によると、メディア視聴特化型のタブレット・コンピューティング・デバイスは、2010 年に400万台が売れる。米Appleが1月27日に行った「iPad」の製品発表により、新たな市場セグメントの本格的な誕生が明確なものになったとい う。新市場が形成されることにより、2015年には年間5700万台が出荷されるようになると同社は予測する。

 同社は、iPadなどのタブレット・デバイスをデジタル家電の新カテゴリと位置付け、「メディア・タブレット」と呼んでいる。タッチ・スクリーンを備 え、画面サイズは5〜11インチ、無線LAN(Wi-Fi)でインターネットに接続し、ゲームや動画視聴などができる、というのがその定義だ。

 ノート・パソコンの主な用途がプロダクティビティ、携帯電話はコミュニケーションであるのに対し、メディア・タブレットのそれはエンターテインメントだ と説明する。このメディア・タブレットは、ノート・パソコンやネットブックに取って代わるものにはならないと同社はみており、少なくとも今後数年、富裕層 向け工業製品の市場で、新たな高級デジタル家電という位置付けでその地位を保つという。

4.電子書籍リーダーは所有者の9割以上が「満足」(2.4 nikkeibp)
 米NPD Groupは米国時間2010年2月3日、電子書籍閲覧用デバイス(電子書籍リーダー)に関する調査結果を発表した。それによると、電子書籍リーダーの利 用者の93%が現在所有しているデバイスに「大変満足」あるいは「ある程度満足」しているという。不満を示した回答者はわずか2%だった。

 気に入っている機能としては、60%が「無線接続」を、23%が「タッチスクリーン」を挙げた。今後強化してほしい点や搭載を希望する機能は、「利用可 能な電子書籍タイトルの増加」(42%)、「バッテリ寿命の延長」(39%)、「カラー・スクリーン」(34%)などが挙げられた。

 また約3割の所有者は、電子書籍を読むためにパソコンや携帯電話など電子書籍リーダー以外のデバイスも利用している。

 調査は1000人以上の電子書籍リーダーの所有者を対象に、2009年11月にオンラインでアンケートを実施したもの。

5.KDDIがフェムト試験サービスを開始,夏にも商用化(2.2  nikkeibp)
 KDDIは2010年2月2日,家庭に設置する超小型の携帯電話基地局「auフェムトセル」の試験運用を3月に開始すると発表した。 2010年夏には商用サービスに移行する予定だ。
 フェムトセルは半径10メートル程度のきわめて小さい通話・通信エリアを持つ基地局。家庭のブロードバンド回線を使って携帯電話サービスを提供する。高 層マンションやビル陰の家屋など,電波環境が悪いエリアでも安定的に通話・通信ができるようにするのが目的である。

 今回の試験運用では,auひかりのユーザーを対象に提供する。試験運用の段階では参加者を公に募集はせず,KDDIからユーザーに依頼する形で,フェム トセル基地局を設置していくという。


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