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2010/01/02

1.大手ネット企業のトップが明かす2010年の展望(12.25  nikkeibp)
 日経BP社・日経ネットマーケティングは2009年12月22日、「有力企業のトップが語る 2010年のネット新潮流」と題したセミナーを、東京コンファレンスセンター・品川(東京都港区)で開催した。  本セミナーでは、グーグル、ミクシィ、サイバーエージェントといった大手ネット企業のトップが、自社のサービスなどについて、2009年の動向を踏まえた 上で、2010年の方向性を示唆した。
 最初に登壇したグーグル代表取締役社長の辻野晃一郎氏は、「グーグルが目指す次世代マーケティングプラットフォーム」と題して講演した。辻野氏は冒頭、 2009年はケータイ向けOS「アンドロイド」を搭載した携帯電話端末が発売されるなど、「新たな製品を矢継ぎ早にリリースする変化の多い年だった」(辻 野氏)とした。

 続いて、テレビ、ラジオ、インターネットの誕生から普及までの成長曲線を表したグラフを表示。辻野氏は、「ほかのメディアに比べて、ネットはかつてない スピードで成長している」とした上で、まだ広告媒体としては発展の最初のフェーズに差し掛かっているにすぎないという。「ネット上の広告ビジネスの本格化 はこれから。可能性は無限に広がっていく」と主張した。

 ネットの市場が一層拡大する中、同社では「すべてはオンライン化する」「コンピューティングはクラウドに移行する」「イノベーションは安価になる」「す べてはローカライズ化される」「検索はよりパーソナライズ化される」「すべてのマーケティングはデジタル化する」という6つの大きなトレンドを意識した、 ビジネス展開をしていくと説明した。広告ビジネスにおいては、「YouTube」と「AdWords」の組み合わせや、ケータイ広告を含めてディスプレー 広告、地域情報と地図サービスを組み合わせた広告商品の開発などに力を入れていくことを明かした。


 次にミクシィ代表取締役社長の笠原健治氏が「プラットフォーム展開で強まる『mixi』のメディア力、ミクシィが描く次の一手」と題して講演した。
 講演は、注目が集まる「mixiアプリ」を中心に進んだ。まず、サービスを開始したことで、mixiにもたらした成果について説明した。mixiのPV (ページビュー)は今までも、順調に右肩上がりを続けてきた。ただ、「パソコンのPVは右肩下がりだった」(笠原氏)という。だが、mixiアプリの提供 により好転。2009年8月の提供開始から2カ月でパソコン版のPVは40%増加するなどを明かし、好調さをアピールした。また、アプリの利用はケータイ 版の開始によりさらに加速。延べ利用者数は合計で5500万人を突破したと説明した。

 mixiアプリで人気を集めているのは、仮想の農場を運営できるアプリ「サンシャイン牧場」や、自分の街を成長させていく「まちつく!」などだ。これら の成功事例から、mixiアプリの成功のポイントは「分かりやすさ」「ソーシャル性」「継続性」「巻き込み性」の4つであるという。特にソーシャル性が重 要になり、「ゲームを中心にコミュニケーションをするのではなく、コミュニケーションを軸にゲームをする仕組みを作ることが成功の鍵を握る」(笠原氏)と 説明した。

 同社では、mixiアプリや一言メッセージサービス「mixiボイス」を提供するなどコミュニケーションの多様化に力を入れている。2010年も日記機 能の改善や、友達を探しやすくする仕組みなどに注力すると締めくくった。

2.“ガラパゴス”から脱却? 海外で脚光を浴び始めた日本製ケータイ(12.30  YahooJapan)
 日本製の携帯電話が海外でヒットの兆しを見せ始めている。経済成長とともにケータイが急速に普及している中国を中心に、人気上昇中だ。2000年代初 め、日本メーカーは続々と海外参入を図ったが、国内で人気の源泉だった高機能が仇(あだ)となり、撤退を余儀なくされた苦い過去がある。過去を乗り越え、 海外開拓を目指した新たな挑戦が始まっている。

  「液晶がきれい」。2009年7月、中国・北京のホテルで開かれたシャープのケータイ新製品発表会。映画「レッド・クリフ」の主題歌を歌った人気歌手アラ ンさんが壇上でシャープ製ケータイの魅力を語った。

 シャープは08年夏に中国市場に初参入。日本でヒットした「アクオスケータイ」を持ち込んだ。4千元(約5万5千円)以上と高価格ながら同価格帯での販 売ランキングで、09年3月から11月まで34週連続トップ2にランクインした。

 人気の要因はその高機能だ。「亀山モデル」で中国でもブランド認知度が高い高精細な液晶を搭載。画面が90度回転し、横向きになる独自のスタイルも受け ている。

 ヒットの予感はあった。参入前からインターネット上では日本でシェア1位のシャープのケータイが話題になっていた。市場調査したところ、ケータイに興味 がある層はネットを駆使する層と合致した。

 中国ではネットから人気に火がつくことが多い。特に「アフター80世代」と呼ばれる、80年代以降に生まれた裕福なネット世代が人気を牽引(けんいん) する。「日本で人気の商品を早く知りたいという傾向が強い」(シャープ)。市場は“日本標準”を欲していると読んだ。

 「iモード」をはじめとしたネットサービス、高精細なカメラ…。日本のケータイは「世界の先端を走ってきた」とは、業界の共通認識だ。しかし、世界市場 では、通話とショートメールのみの低価格機種が主流。日本製ケータイは異端の存在だった。

 だが、今後は中国などアジア地域でも大容量のデータをやりとりできる「第3世代」の通信方式が始まる。携帯電話の普及が一巡すれば、次に求められるのは 「機能」であり、これが日本製にスポットが当たり始めた背景だ。

3.ドコモやKDDIなど「ID共通化」加速 グーグルに対抗 顧客囲い込み (12.25 sankei)
 NTTドコモやKDDI、ウィルコムなど通信各社が、利用者が同じIDで各社のサービスを受けられるよう、認証システムを連携させる取り組みを本格化さ せている。24日には共同研究会を発足。来年3月までに、技術や制度の問題を洗い出す考えだ。
 パソコンと同様にネットにアクセスできる携帯電話の普及などを背景に、米グーグルなどが携帯、パソコンで共通IDによる利用者の囲い込みを進めている。 各社の取り組みは、その動きに対抗する狙いもある。
 共同研究会は、総務省の研究支援プロジェクトを通じて立ち上げられた。ドコモやKDDIなど携帯電話事業者のほか、ソニーやNECなど13社が参加。こ のほか、オブザーバーとして日産自動車、ジェーシービーなども参加する。

 研究会は今後、認証システムの接続実験に加え、携帯電話やパソコン、そのほかの電子機器といった、異なる端末間の連携実験などを進める計画。これによっ て利用者が一つのIDで、さまざまな通信事業者のネットサービスを使えるようにする。また、携帯電話上で提供されていたサービスを、カーナビで受けると いった新たな利用法を可能にする狙いがある。各社は3月下旬まで実証実験を行い、技術や制度面での問題点などを検証する計画だ。

 IDの共通化の取り組みは、すでにNTTがグループ企業間で進める方針を表明。NTTコミュニケーションズが11月に、自社のネットサービスのIDを他 社サービスと共通化させると発表した。
 NTTは今後、グループ以外の企業とのID連携も可能にする計画だ。

 各社はこれまで、バラバラのIDを発行することで、自社サービスを他社と差別化し、利用者の囲い込みを進めてきた。しかし、米グーグルなどは携帯電話の OS(基本ソフト)を開発し、OSを搭載したスマートフォン(高機能携帯電話)やパソコン上で、同じIDによってサービスを利用できるようにしている。

 グーグルのようなネット企業が同様の取り組みを進めれば、「iモード」や「EZウェブ」など独自のネットサービスを提供してきたドコモやKDDIは、 ネットサービスでの顧客を奪われる危険性がある。 またIDの共通化は、これまで携帯電話やパソコン向けに個別に行う必要があったソフトウエアやサービス の開発を、大幅に軽減するメリットもある。  ただ、各社にとっては、IDを連携させたライバル企業のサービスに、自社の利用者が奪われる危険性もある。  今回の研究会でも、ソフトバンクモバイルが参加しないなど各社の足並みは必ずしもそろっておらず、今後の展開に注目が集まる。





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