週間情報通信ニュースインデックスno.
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2009/12/19

1.2010年のIT界を大予測――クラウド“受難”の年が来る?(12. 18 nikkeibp)
マーク・アンダーソン氏が来年のIT市場動向を占う
 遠隔地でコンピューター処理されるサービスをインターネット経由で利用する“クラウドコンピューティング”が花盛りだ。だが来年は、クラウドコンピュー ティングが何らかの“大混乱”に陥り、企業も一般消費者も、クラウド依存のリスクを痛感するだろう、という予測が出た。予測の主は、IT(情報技術)業界 向けのニュースレターを発行する米ストラテジック・ニュース・サービスのCEO(最高経営責任者)、マーク・アンダーソン氏だ。同社のニュースレターは、 米インテル(INTC)、米デル(DELL)、米マイクロソフト(MSFT)といった大手IT企業の幹部も読んでいる。

 企業でも個人でも、データの保存や様々なコンピューター処理を外部のサービス企業に委ねる例が増えている。例えば、自分で撮った写真を米ヤフー (YHOO)傘下の写真共有サイト「Flickr(フリッカー)」に保存したり、企業の複雑なコンピューター処理を米アマゾン・ドット・コム(AMZN) のクラウドサービスで動かしたりといったケースだ。しかしアンダーソン氏によると、来年はこうした隆盛に水を差す一大事が起きかねないという。「サービス 停止などの大規模障害の可能性や、セキュリティー関連の大事故の可能性もある。いずれにせよ、企業のCIO(最高情報責任者)が『だからクラウドには手を 出さなかったんだ』と言い出すような、かなりの大惨事が起きると思う」。

 アンダーソン氏は、毎年12月に翌年の予測を発表している。今回も、クラウドコンピューティングへの警鐘のみならず、様々な予測を出している。例えば、 ハードウエアと基本ソフト(OS)をめぐる競争が激化し、特にモバイル分野で激しさを増しそうだと予想。ネットブックやスマートフォンが勢力を伸ばし、ク ラウドコンピューティングも広まってきたことで、個人のコンピューター利用の動向に変化が続き、マイクロソフトの基本ソフト「Windows(ウィンドウ ズ)」が圧倒的な支配力を誇り、米アップル(AAPL)の「Mac(マック)」が小規模勢力として後に続くというこれまでのパソコン市場の構図が覆される 可能性があるという。「据置型パソコンの世界は一見平穏だが、その周囲は混沌としている。様々なチャンスが転がっており、決定的な勝者は出ない」。

 クラウドに関しては、同氏はとりわけ悲観的だ。「安全なクラウドなどありえないのではないかという気がする」。企業はクラウドサービスへの警戒心を一層 強め、一般消費者はクラウドサービスを重要な用途に利用したがらなくなる、というのが同氏の予想だ。

クラウドの成長は続くとの声も

 クラウドコンピューティングの専門家は、クラウドの信頼性を揺るがす大規模な事例は過去にもあったと指摘する。米シスコシステムズ(CSCO)のクラウ ド及び仮想化サービス担当ディレクター、クリストファー・ホフ氏は、「クラウドはアプリケーションの障害耐性を高めるものではない」と話す。同氏は、今年 初めに障害に見舞われ、すべてのデータを失った米Gnoliaシステムズのソーシャルブックマーク共有サービス「Ma.gnolia(マグノリア)」を例 に挙げる。「こうした事例は、2008年にも2009年にもあった。2010年もきっと起きる」とホフ氏は話す。

 それでも、ネットワーク経由でサービスを利用するメリットの方がリスクよりも大きいとの結論に至る企業は多そうだ。米セキュリティー調査会社セキュロシ スのアナリスト、リッチ・モーガル氏はこう話す。「たとえどこかのサービスで障害が起きたとしても、クラウドの採用動向には影響しないと思う。競合企業が 間隙を突いて、うちのサービスは違うと大きく宣伝するのではないか。クラウドの導入が多少減ることあっても、大幅な変動はないだろう」。


 また来年は、基本ソフトをめぐって、マイクロソフトと他社との競争の激化も予想される。競合するのは、息を吹き返したアップルの「Mac OS(マックOS)」や米グーグル(GOOG)のパソコン用基本ソフト「Chrome OS(クロームOS)」、同じくグーグルの携帯用基本ソフト「Android(アンドロイド)」、フィンランドのノキア(NOK)の携帯用基本ソフト 「Symbian OS(シンビアンOS)」などだ。「2年前なら、ウィンドウズの天下が永遠に続くかに思えた。ところが今では、様々なハードウエア基盤のうちどれが勝者に なるのか、全く見当がつかない」(アンダーソン氏)。

 アンダーソン氏の予測では、ネットブックの人気はますます高まり、今後2〜3年にパソコン市場で最大の勢力になるという。また、ネットブック、スマート フォン、ウェブタブレットの普及とともに、あらゆる形態のコンテンツを縛ってきた長年の制約が次々と消え、コンテンツとモバイル機器との親和性が大幅に高 まるという。アンダーソン氏は、新作のテレビ番組や映画がこれまでほかの機器で見られたのと同様、携帯電話でも簡単に有料視聴できるようになると予想して いる。

 アップルのコンテンツ配信サービス「iTunes(アイチューンズ)」では、音楽やテレビ番組だけでなく、モバイルアプリも販売している。このサービス が示すように、携帯電話での有料コンテンツの利用に対する消費者の拒否感は薄いとアンダーソン氏は話す。「少額ではあるが、利用者は喜んで払う。無料のコ ンテンツもあるが、次第に有料コンテンツに移行していくだろう」。


2.「iPhone」,米スマートフォンOS市場シェアで「Windows Mobile」を上回る--comScore(12.18 nikkeibp)
 comScoreが米国時間12月17日に発表した調査結果によると,Appleの「iPhone」が米国におけるスマートフォンOS市場シェアで初め てMicrosoftの「Windows Mobile」を上回り,2位に躍進したという。

 「FierceDeveloper」に掲載された調査結果によると,2月のcomScoreの調査では,520万人がAppleのiPhoneを使って いると回答し,680万人がMicrosoftのWindows Mobileを搭載した携帯電話を使っていると答えたという。市場調査会社のcomScoreは3カ月間の調査結果から平均値を算出している。

 5月には,Appleの数値は570万人まで上昇し,7月には660万人に増えた。そして,調査結果が判明している直近の月である10月に,ついに 890万人に達した。一方,Microsoftは5月に700万人まで増えたが,7月には660万人に減少し,その後,10月に710万人まで回復した。

 今回の調査で最大の市場シェアを獲得したのは,Research In Motionの「BlackBerry」である。BlackBerryのユーザー数は,2月が960万人,5月が122万人,7月が1300万人,10月 が1490万人だった。

 興味深いことに,2009年にPalmの数値は230万人から280万人に増加し,Googleの「Android」は10月までに100万人の大台に 達した。
 調査では,米国の13歳以上のモバイル契約者に,どのような携帯電話を使っているか尋ねた。その後,comScoreは彼らが使用しているOSの種類を 割り出して,今回の調査報告書のデータを算出した。

3.世界初、アイ・オー・データがWindows 7用の人感センサーを発表 着席・離席を感知してパソコンを節電(12.17 nikkeibp)
「SENSOR-HM/ECO」をパソコンに接続した例。ユーザーがセンサーの前から離れると、ディスプレイの電源が自動的にオフになる
[画像のクリックで拡大表示] アイ・オー・データ機器は2009年12月17日、Windows 7パソコンに接続して利用する人感センサー「SENSOR-HM/ECO」を発売した。Windows 7の「センサーAPI」に準拠しており、Windowsロゴを取得した製品としては世界初となる。

 SENSOR-HM/ECOは、パソコンとUSBケーブルで接続し、センサー部をディスプレイ付近に設置して利用する。ユーザーの離席/着席状態を自動 的に感知し、ユーザーが離席するとディスプレイの信号をオフにしたり、パソコンをスリープ/スタンバイモードに切り替えたりできる。

 ユーティリティツール画面に、節電した割合などを表示する機能も備える。ユーザーの節電意識を高めるのに一役買いそうだ。節電効果は、パソコン100台 当たり年間10万2200円。杉の木の二酸化炭素吸収量に換算すると、130本分に相当するという(アイ・オー・データ機器調べ)。

 本製品は、同社のWeb直販サイト「ioPLAZA」で販売する。価格は5980円。

4.日本通信,ふるさとケータイ事業のスマートフォンに「3G 利用IP電話機能」を搭載(12.16 nikkeibp)
 日本通信は2009年12月16日,徳島県三好市のふるさとケータイ事業にMVNEとして参画し,スマートフォン向けモバイルIPフォン 用基幹ソフトウェア,3G ネットワークおよびサービス運営支援などを開始したと発表した。

 三好市は,独居老人や昼間一人暮らしといった高齢者世帯が急速に増えており,地勢状の問題から公共交通サービスや医療などが不十分といった状況にあると いう。このことへの対応策の一つとして,昼夜を問わずいつでも相談や緊急連絡ができる通報・相談サービスを固定電話網で運営している。

 三好市は総務省から受託して実施するふるさとケータイのモデル事業において,このサービスと地域MVNOが提供する通信サービスの連携を促し,地域の事 業会社がMVNO 端末(スマートフォン)を用いた高齢者や要介護者の方に向けたコンシェルジュとして24時間365日いつでも・どこでも相談などができる「Life Support Call(ライフ・サポート・コール)サービス」を2009年12月15日に開始した。

 三好市がふるさとケータイ事業で用いるMVNO 端末は,Windows Mobileを搭載したスマートフォンを使用する。モバイルIPフォン用基幹ソフトウェアの搭載とオリジナルのユーザー・インターフェースを開発すること などによって,Life Support Callサービスを中心としたふるさとケータイのための専用端末にしている。

 MVNO端末の待受画面には,「緊急」「相談」「IP 電話」の三つのボタンを用意する。「緊急」および「相談」のボタンは,押すだけでいつでもセンター側の地域コンシェルジュ(オペレータ)に電話をして,状 況に合ったサービスが受けられる。「IP 電話」のボタンは,携帯電話と同様に任意の番号に電話をかけることができる。

 センターの地域コンシェルジュ側では,発信者の電話番号に加えてGPS情報による発信位置を参照することができる。また過去の対応記録や緊急連絡先(例 えば親族や協力員)などがパソコンに表示され,利用者からの「緊急」「相談」の通報に対応する。

5.iPhone向けKindleアプリ,日本など60カ国以上でダウンロード可能 に(12.15 nikkeibp)
米Amazon.comは米国時間2009年12月14日,同社の電子書籍販売サービスで購入した書籍を米AppleのiPhoneとiPod touchで読めるようにするアプリケーション「Kindle for iPhone」のダウンロード配布を世界60カ国以上で開始したと発表した。日本からもダウンロード可能で,App StoreやiTunes Storeから無償で入手できる。

 Kindle for iPhoneは2009年3月4日に米国で配布を始めていたが,これまで日本など米国以外では配布していなかった。書籍の購入や,文字サイズの変更など Kindleと同様の機能を備えるほか,iPhoneとiPod touchのタッチパネル機能を利用して,指でページをめくりながら本を読み進めることができる。またカラー画面を生かして,文字色を変更したり,レシピ 本や旅行ガイドなどフルカラーの書籍を楽しめる(関連記事:米Amazon,iPhoneとiPod touch向けのKindleアプリを無料提供,24万冊以上の電子書籍が利用可能に)。

 Kindle for iPhoneは,Kindle向けのクロスプラットフォーム・アプリケーションの1つで,電子書籍販売サイト「Kindle Store」で購入した,Amazonのサーバーに保存されているすべての書籍にアクセスできる。データ同期機能「Whispersync」で,ブック マークや最後に読んだページのデータをKindleや,パソコン向けアプリケーション「Kindle for PC」と共有できる。



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