週間情報通信ニュースインデックスno.
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2009/11/07

1.ハブ空港とハブ港を日本に取り戻せ(11.6 nikkeibp)
アジアのハブ空港が韓国仁川空港となったのは国交省の失政か
 羽田と成田と関空全部をハブ空港にするのか。羽田だけなのか、羽田と成田を複合的なハブ空港にするのか――。前原誠司さんが国土交通大臣になってから、 こんなハブ空港議論が活発になってきたのはいいことだ。

 国民の知らないうちに、一番東のアジアのハブ空港が成田でも羽田でも関空でもなく、新しく建設された韓国仁川空港になってしまったのは国交省の失政によ るとも言える。遅すぎる面も大きいのだが、このことに気づくだけでも収穫がある。

 国交省は少し前、建設省と運輸省に分かれていた。建設省は文字通り建設することをテーマに予算を運用してきた。運輸省港湾局(現在の国土交通省港湾局) は国内の大小多数の港湾を建設したり整備することに全精力を注いできた。結果、日本の港湾の港としての生産性は極めて低くなった。「選択と集中」の逆のこ とをやったからだ。

港湾も空港も、フローとネットワークを無視して建設された
 空港では神戸空港や静岡空港や茨城空港の建設である。交通輸送の機能を高めるために必要かどうかの議論を十分行ったりせず、またシミュレーションによる 検討をおこなわないまま、建設予算を用意して本当に作ってしまう。港湾と同じである。

 需要を無視するというか、見て見ないふりをするというか、空港や港湾を整備すること自体を目的化して建設を行ってしまう。根底に理不尽で国民を裏切った 利害関係があることを疑わせるものだ。

 輸送と交通問題を正しく議論するためにはフロー(流れ)とネットワークの理解が欠かせない。ネットワークが“構造”でフローが“機能”である。計画や設 計には“構造”と“機能”の正しい関係作りがキモである。貨物や人の移動(流れ)が最適になるためのネットワークを作って実現させること、これが輸送・交 通の基本的なテーマである。

 国交省がこのことを理解していない、というわけではないと思う。理解していても、過去から引きずる政官業癒着構造を捨てられなくて、フローとネットワー クを無視した、港湾と空港の建設に誘導してしまうようだ。

 40年前、コンテナ船による輸送が始まった時、コンテナのフローとネットワークは単純だった。アジアの工場は日本だけだったから、フローは、日本と北米 を結ぶものと、日本とヨーロッパを結ぶものだけでよかった。

 そして最初に建造されたのがコンテナを750個積めるコンテナ船4隻だった。毎週1回、神戸と横浜という2つのハブ港から北米に向かってコンテナ船が出 港していった。コンテナ船によるウィークリーサービスが始まったのだ。

 それから40年の間に、世の中は変わった。アジアの生産基地は中国や韓国、台湾やその他の東南アジア諸国に移った。日本の製造業のこの地域への生産拠点 移動の速さは特筆に価するものだ。日本の製造業の競争力を確保するための経営モデルの変更が円滑に行われたということもできるだろう。

 もちろん、750個積みの4隻のコンテナ船サービスから始まった日本の海運会社のコンテナ輸送システムも、急速に変化した。欧米海運会社とアライアンス を組んで、国際的なコンテナ運送のネットワークが構築されていった。

 その過程で、アジアのハブ港が、シンガポール、香港・深セン、上海、釜山になり、日本の港がハブ港の地位を失ったのは経済合理性から当然のことだったと いう面も否定できない。しかし、一方では全国の多数の港湾にバラマキ的な政策を行って、戦略性の全く欠如した港湾“建設”を行ってきたことの影響も大き い。

日本は東日本にハブ港を作るべき
 もし日本の港にハブ港の機能を取り戻すとすれば、関東に一港だけハブ港を作るのが現実的だろう。関西の貨物は釜山をハブ港にする場合も多いし、アジア発 のコンテナ船の70〜80%は日本を無視してアジアからEUや北米へ向かっているのが現実だからだ。過去10年間の韓国の運輸政策に日本が負けたというこ となのだ。

 フローとネットワークを無視した国交省の行政は、フローとネットワークをハブ港の建設によって構築しようとした韓国の戦略に負けたのだ。釜山港は新港を 建設してさらに巨大になっている。

 空港、航空輸送でも同じ構図がある。釜山港の代わりが仁川国際空港である。しかし、挽回するチャンスがないわけではない。前原国交相の採っている方向性 は、その一つの可能性を示している。

2.農園のネットレンタルを開始、NECビッグローブとマイファーム(11.6  nikkeibp)
NECビッグローブは2009年11月6日、レンタル農園事業を手がけるマイファームと提携すると発表した。両社は、Webサイトでレンタル農園の利用申 し込みを可能にするサービス「BIGLOBEファーム」を2010年2月中旬に開始する。家庭菜園に関心を持つ個人向けに提供するという。

 マイファームが管理するレンタル農園の一部を、BIGLOBEファームのブランド名で、BIGLOBE会員に貸し出す。利用者は借りた農園で、大根、ほ うれん草、ルッコラなどを栽培できる。料金は7.5平方メートルで、月額3980円である。

 家庭菜園を支援するサービスも、料金内で併せて提供する。このなかの一つである「ネットカメラ」は、農園の様子を自宅のPCや携帯電話で確認するサービ スだ(写真)。いつ雑草処理をするか、いつ収穫するかなどを、現地に行かなくても判断できる。「ネット農園相談室」を活用すれば、野菜栽培の悩みを農園の 専門インストラクターに相談できる。

 仮想的な野菜をネットで栽培するサービス「iplant」も、BIGLOBEファームの利用者に無料で提供する。iplantはベンチャー企業、とれい すのサービスである。実際の農園の野菜の育成状況と同期して、ネット上の仮想的な農園でも野菜が育つというアプリケーションである。どの野菜がどれくらい 育っているかなどを、利用者同士が話題にするコミュニケーションの場を作る。

 NECビッグローブは今後3年間で60農園、3万人の利用、10億円の売り上げを見込む。月額利用料金は3980円だが、初期費用として1万500円、 1年ごとの利用更新料として1万500円が別途かかる。

3.[iEXPO2009]「企業はイノベーションと地球環境への貢献の両立を」 NEC矢野社長(11.5 nikkeibp)
 「企業が競争に生き残るには、イノベーションの継続と社会や地球環境への貢献を両立していくことが欠かせない」。NECの矢野薫社長(写真)は2009 年11月5日、同社が開催する「iEXPO2009」の講演に登壇し、こう述べた。

 一つ目のイノベーションについて、矢野社長は「経済や社会が変化するスピードはどんどん加速している。企業はその変化に迅速に対応しながらイノベーショ ンを繰り返していかなければならない」と強調した。二つ目の社会や地球環境への貢献については、金融危機や地球温暖化といった世界規模での問題を踏まえ、 「企業の存在価値が改めて問われている。企業は自社の利益だけを考えるのでなく、持続可能な社会の実現に向けて地球環境との共存を目指すべきた」と説明し た。

 これら二つを実現するための自社の取り組みとして、矢野社長はクラウドコンピューティングの構築を挙げた。「販売、購買、経理といった間接業務の業務プ ロセスをグループ全体で標準化するところから取り掛かり、販売の業務プロセスを5分の1以下に減らすといった改革を断行した」(矢野社長)。

 標準化したプロセスをシステムに実装し、そのシステムを世界のグループ社員14万人がインターネット経由で利用するクラウドコンピューティングを構築し た。こうした業務改革とシステムの効率化により、間接業務コストとITコストをそれぞれ2割減らせたという。「システムの集約などによって、CO2の排出 量も約6割減らせた」(矢野社長)。

 ITを生かして業務効率化やコスト削減などにつなげた顧客事例も、矢野社長自身が紹介した。セイコーエプソンは、拠点ごとに散在していた製品の生産にか かわる情報をグローバルで集約する「グローバルサプライチェーン改革」により、200億円分の在庫削減につなげたという。キリンビールは商品情報の一元管 理によって営業担当者の情報検索時間を減らした。東京海上日動火災保険はシンクライアント端末を3万台導入することによってコスト削減とセキュリティ強化 を果たし、災害時の業務継続性の確保にもつなげたという。

4.Verizon,Nokiaなど12社がLTE音声サービスの共通仕様「One Voice」を策定(11.5 nikkeibp)
 米VerizonやフィンランドNokia,韓国Samsung Electronics,英Sony Ericssonなど通信事業者や携帯電話メーカー大手12社が集まり,携帯電話向け次世代通信規格「LTE(Long Term Evolution)」のネットワークで音声通信やSMSのサービスを提供するための取り組み「One Voice initiative」を開始した。参加メンバーのVerizonが米国時間11月4日に発表した。

 すでに技術仕様「One Voice Profile」をとりまとめており,VerizonのWebサイトで公開している。

 2010年の商用サービス開始が見込まれるLTEは,最大データ伝送速度が下り100Mビット/秒、上り50Mビット/秒と高速通信が可能。One Voiceは世界各国のLTEサービス間で,音声とSMSのローミングを実現させようという取り組み。これにより,通信事業者がデータ・サービスに加え, 音声やテキスト・サービスを併せて顧客に提供する際,既存のネットワークと併用する必要がなくなる。12社は,3GPPで規定されているIP Multimedia Subsystem(IMS)ベースのソリューションがサービス品質や信頼性,可用性といった点で最適と判断した。今後は仕様の普及を目指して業界に働き かけていく。

One Voiceの参加メンバーは,AT&T,Orange,Telefonica,TeliaSonera,Verizon,Vodafone, Alcatel-Lucent,Ericsson,Sony Ericsson,Nokia ,Nokia Siemens Networks,Samsung Electronics。

5.Cisco,EMC,VMwareがデータセンター関連事業で連立,合弁設立な ど(11.4 nikkeibp)
 米Cisco Systemsと米EMCおよび同社傘下のVMwareは米国時間2009年11月3日,データセンター関連事業における連立を発表した。データセンター の仮想化とプライベート・クラウド・コンピューティング・インフラへの移行促進を目的とした共同ソリューションを提供するほか,合弁会社を設立する。

 3社の言うプライベート・クラウド・インフラとは,1社の企業に合わせて安全に管理・運営する仮想ITインフラを指す。企業自身あるいはサード・パー ティによって管理し,社内か社外,または両方を組み合わた導入方法を選べる。現在のデータセンターと同様のセキュリティと管理機能を提供しながら,事業の 展開に対応した機敏性を備え,コストを大幅に抑えることができるという。

 3社の共同ソリューション「Vblock Infrastructure Packages」は,効果的にデータセンターを改革し,設備費用と運用コストを削減するための手段をあらゆる規模の企業に提供するとしている。3社によ る仮想化,ネットワーキング,コンピューティング,ストレージ,セキュリティ,管理などの技術を組み合わせる。

 3000〜6000台の仮想マシンをサポートする「Vblock 2」は大規模企業やサービス・プロバイダのニーズに対応し,Ciscoのデータセンター・プラットフォーム「Unified Computing System」とソフト・スイッチ「Nexus 1000v」やマルチメディア・スイッチ,EMCのストレージ製品「Symmetrix V-Max」,VMwareのクラウド構築用OS「vSphere」を使用する。

 このほか,800〜3000台の仮想マシンに対応した「Vblock 1」も用意し,2010年には300〜800台に対応した「Vblock 0」をリリースする。

 また,CiscoとEMCは合弁会社「Acadia」を立ち上げ,Vblock向けの構築,運用,移行支援サービスを提供する。2010年第1四半期に 業務を開始する予定。AcadiaにはVMwareと米Intelも出資する。





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