週間情報通信ニュースインデックスno.
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2009/10/17

1.プロジェクトを成功へと導くもの(10.16 nikkeibp)
宮田 秀明
 ちょうど10年前の10月18日、ニュージーランドのオークランドで第30回アメリカズカップの試合が始まった。 10年も経つと、もう夢のようだ。あ の7年間は夢の中にいたのだろうか。なぜヨットは素人の私が、アメリカズカップのプロジェクトの技術チームの中心になり、ほぼ世界最速のヨットを作り上げ ることが出来たのだろうか、と自分でも不思議なくらいだ。

 第30回アメリカズカップへの参戦が決まった時、私はテクニカルディレクターになった。 技術開発と設計に4年の時間が与えられた。本格的な技術開発を 行うためには十分な時間だ。
 その後4年間、徹底的な技術開発を行った。そして結局世界最速のヨットを開発できたし、予選では米国の5チームすべてに勝ち、11チーム中2位になるこ とが出来た。セーリングチームの能力の低さを勘案すれば、技術開発は完璧に成功したと言って良かった。

 私たちが世界のほぼ頂点を極めることが出来たのは何故だろう。コンピューターシミュレーションの力は大きかったが、それより大きかったのは「勝とうとす る意欲」だと思う。 すべての行動、すべての意思決定は、それがアメリカズカップのレースで勝つことに寄与するかどうかで決めた。年功序列も慣習も過去の 人間関係も関係なかった。1日、1時間、5分という時間の使い方もそうして決めた。

 プロジェクトを成功させる最大の力は、「勝とう」「成功させよう」という意欲だと思う。それ以外に大切なこともたくさんあるのだが、「勝とう」という気 持ち、「成功させよう」という気持ちが一番大切だ。

 それでも私たちはアメリカズカップを日本に持ち帰ることはできなかった。2000年の1月2日から開始された準決勝で敗退してしまった。接戦も多かった が、負けは負けだ。
 今、総括して敗因を1つだけ挙げるならば、それは、ギルモアをトップとするセーリングチームの「勝つ意欲」の低さだと思う。

  ある組織の中で、自信を持って成功させようという意欲のあるグループと、それを冷ややかに見るグループがいることはよくあることだ。技術陣が世界一の 商品を開発したのに、営業部隊が冷ややかだったりするといった事例だ。営業には技術のことがわからないことなどから、技術陣の「成功させる」という強い意 思が信じられなかったりする。

 信じる人と信じない人との協働ほど生産性の低いことはない。  強いリーダーシップとは、チーム全体が成功を信じるように、成功への意欲を共有させ、メンバー全員の力を120%発揮させることだと思う。

2.「景気後退でOSS検討,デスクトップでの関心も高まる」,IDCが利用実態調 査(10.15 nikkeibp)
 IDC Japanは2009年10月15日,「国内オープンソースソフトウェア利用実態調査」の調査結果を発表した。調査によれば,オープンソース・ソフトウエ アを導入している国内企業は17.1%,具体的に導入を検討している企業は7.1%で,約半数は景気後退が検討のきっかけだった。

 同調査は,2009年8月に国内企業3939社を対象に行った。OSSを既に導入している企業は17.1%,具体的に導入を検討している企業は 7.1%,これから導入を検討していく企業は17.9%だった。具体的に導入を検討している企業280社のうち47.1%が,「2008年の金融危機以降 の不況によるIT投資削減が,OSSの導入検討のきっかけとなった」とと回答している。

 IDC JapanではOSSを既に導入している,もしくは導入を検討している企業1088社に対し,OSSの利用実態について2次調査を実施した。既に実施済み のプロジェクトでは「Apacheを使用したWebサイトの開発」が23.5%,「Linuxサーバーの新規導入」が22.3%と多かった。

 実施を検討しているプロジェクトでは「OSSのオフィス・ソフトウエアの導入」が20.5%と最も多かった。また「Linuxデスクトップの導入」も 16.1%と回答が多く,IDC Japanでは「デスクトップ環境へのOSS導入機運が高まりつつある」と見ている。

 実施を検討しているプロジェクトとしては「WindowsサーバーからLinuxサーバーへの移行」が19.2%と2番目に多く,その次に「OSSの業 務アプリケーション(CRM,ERM,グループウエアなど)の導入」が続く。IDC Japanでは「これまでOSSはOSから始まり,Webサーバー,データベースやアプリケーション・サーバーへ利用拡大が進んできたが,今後はOSS業 務アプリケーションの利用も高まっていくと考えられる」としている。

 OSSのメリットとしては「導入コストを削減することができる」が46.4%,「運用コストを削減することができる」が37.5%と,コスト削減を挙げ る企業が最も多い。「ソフトウエアの選択肢が拡がり,自社に最適なものを探すことができる」が3番目で28.1%,「ベンダー依存から解放される」が4番 目で25.8%。

 デメリットについては「緊急時のサポート対応が迅速にできない」が34.2%で最も多く,「バージョンアップなど将来のプロダクトが見えない」が 28.5%,「使用するOSSとそのコミュニティがいつまで存続するか分からない」が26.6%で続いている。

3.NokiaのQ3決算,約20%減収で5億5900万ユーロの赤字を計上 (10.15 nikkeibp)
 フィンランドNokiaは現地時間2009年10月15日,同年第3四半期の決算を発表した。売上高は98億1000万ユーロで前年同期の122億 3700万ユーロと比べ19.8%減少した。純損失は5億5900万ユーロ(希薄化後の1株当たり損失は0.15ユーロ)で,前年同期の10億8700万 ユーロの黒字(希薄化後の1株当たり利益は0.29ユーロ)から赤字に転落した。

 当期の営業損失は4億2600万ユーロ。Nokia Siemens Networks事業の営業権減損費用9億800万ユーロを計上したことが大きく影響した。前年同期の営業利益は14億6900万ユーロだった。

 売上高の内訳は,デバイスおよびサービス事業が69億1500万ユーロで前年同期比19.6%減少した。Nokia Siemens Networks事業は同21.2%減の27億6000万ユーロ。2008年7月に買収したデジタル地図のNAVTEQ事業は同6.4%増の1億6600 万ユーロとなった。

 当期における携帯端末市場全体の推定出荷台数は2億8800万台で,前年同期比7%減少したが,前期からは7%増加した。Nokiaの出荷台数は1億 850万台で,前年同期比では8%減,前期比では5%増だった。同社の推計によると,同社の市場シェアは,前年同期および前期と変わらず38%。また,同 社携帯端末の平均販売価格(ASP)は,前期と同じく62ユーロだった。

4.ソフトバンクテレコムがiPhoneの業務事例公開、遠隔医療やeラーニングで 利用始まる(10.14 nikkeibp)
 ソフトバンクテレコムは2009年10月14日、医療・教育分野におけるiPhone利用事例を公開した。遠隔での画像診断や在宅医療などでの活用が始 まっているという。ソフトバンクテレコムの宮内謙代表取締役副社長兼COO(最高執行責任者)は「単なるインターネット端末としてではなく、仕事に直結す る使い方をする企業や団体が増えている」と分析する。

 医療分野では、放射線を使った医療画像の診断にiPhoneを使う共同研究を実施していることを明かした。鹿児島県霧島市にある霧島市立医師会医療セン ターなど4医療機関が、IT企業ジェイマックシステムを共同で実施している。院内に専門の診断医がいなくても、iPhoneに画像を送って遠隔で診断可能 にした(写真)。

 在宅利用でも使われている。都内で桜新町アーバンクリニックなどを運営する医療法人社団プラタナスは、病気などで通院が困難な患者の在宅医療を担当する 医師にiPhoneを持たせ、情報共有に取り組んでいる。「ノートPCよりもスピーディに情報を共有できる」と桜新町アーバンクリニックの遠矢純一郎氏は 話す。

 ファイル共有サービス「Dropbox」や「Googleカレンダー」を使って患者情報やスケジュールを共有するほか、画像や映像を使った処置支援にも 取り組んでいる。「患者に気管カニューレと呼ばれるチューブを挿入する際に、患者によっては斜めに入れたほうがいいなど、注意すべき点がある。それを動画 や画像で共有する」(遠矢氏)。

 青山学院大学や日本電子専門学校は、教育分野でiPhoneを使う。青山学院大学は講義に必要な資料を、学生が持つiPhone向けに配信している。同 大学は2009年5月に、iPhoneを教員と学生550人に配布済みである。資料データの配信システムには、インフォテリアのiPhone向けデータ配 信サービス「Handbook」を採用した。

 日本電子専門学校は2010年4月に「ケータイ・アプリケーション科」を新設し、教育内容の一つとしてiPhone向けアプリケーション開発を取り上げ るほか、授業の資料配付や資格検定の教育などにも利用するという。

5.NECが企業向けクラウドを体験できるショールームを開設(10.14  nikkeibp)
 NECは10月14日、同社が提供する各種クラウド関連ソリューションを展示した「NECクラウドプラザ」を、本社1階の来社スペースに開設したことを 発表した。施設内にはデモ用の端末が設置してあり、来場者は同社が提供するSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)などを体感できる。7月に販売を 開始した「クラウド指向サービスプラットフォームソリューション」の拡販につなげる。

 NECクラウドプラザには、NECがクラウドを使って再構築を進めている自社の基幹業務システムの導入事例も展示している。NECでは業務プロセスの標 準化を進めており、グループ各社が共通のプラットフォームを利用するクラウドのメリットを最大限に享受できるようにした。実際に、会計基準や社内コードの 統一を図ったことで、内部統制の強化や経営情報の一元管理などが可能になることを、デモで紹介している。

 このほか、NECグループが提供する各種SaaSや同社がクラウド上に構築した業務アプリケーションも分かる。例えばRFID(無線ICタグ)を組み込 んだ社員証をリーダーにかざすと、同社のPaaS(プラットフォーム・アズ・ア・サービス)である「BitGate」と勤怠管理の業務アプリケーションが データ連携し、出勤登録が完了できることも体感できる。



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