週間情報通信ニュースインデックスno.
726 
2009/09/26

1.「思い込み」に安住する怖さ(10.2 nikkeibp)
いかにすれば脱常識・脱低迷が果たせるか
宮田 秀明

 読者の皆さんが「これが正しい、これが常識だ、このビジネスはこのような仕組みなのだ」と信じていることが、実は単なる思い込みかもしれないと言われた らどう思われるだろう。  思い込むことは怖いことなのだ。

 『学士会会報』平成21年9月号に「思い込みの怖さ」という記事を書いたのは、九州大学前総長の梶山千里先生だ。梶山先生には一度だけお会いしたことが ある。MOT(技術経営)の会議の席だった。   「非常識を常識にするのがイノベーションであり、本当の研究開発だ」

 このことを本当に理解して下さっている方である。その記事では、私の研究にも言及していただいた。私が30歳の時、船の波の研究者が思い込んでいた「船 の波は線形である」という理論を覆し、「船の波は非線形なのだ」ということを発見して証明した研究だ。

思い込みに囚われないようにすると、非常識が常識になる

 世間の常識や学会の定説を否定することは難しい。それまでの思い込みに囚われず、新しい世界を切り拓いて進歩することが大切なのだが、昔からの常識を信 じて疑わない人々の厳しい抵抗に遭うからだ。梶山先生や私の新発見は、周囲から無視され続け、かなり悲しい日々が続いた。2〜3年ではなかった。ほとんど 10年もの歳月が必要だった。

  非常識が常識になるのが科学技術の進歩だ。

 世の中には思い込みが氾濫していると思う。その思い込みのうちの多くは正しいのだが、もっと本質的な真実はその裏に隠れているかもしれない。その思い込 みは、大きな仕組みのごく一部だけを見て思い込んでいたのかもしれない。究極に正しいビジネスモデルだと信じられていたことも、現代のネットワーク社会で は陳腐化してしまっているかもしれないのだ。

 つい思い込んでしまうのは、それが楽で安心だからだ。これまで甘やかされてきた日本の稲作のようなものだ。高く買ってくれる稲を作ることが正しい仕事だ と思い込むのは楽で安心だ。
 今の仕事をそのまま続けていれば、いつまでも安定した収入が得られて、社会に貢献できると思うことも思い込みかもしれない。

 思い込むことをやめて、今の社会やビジネスや仕組みが本当に正しいのか疑いを持つ思考演習を、常日頃心がけることをお勧めしたい。

 世の中は必ず変化し、必ず進歩すると思う。変化や進歩に取り残されるか、ちゃんと流れに乗れるか、先駆けて変化や進歩を自分が起こしていけるか、これが 人生の成功を決めると思う。思い込みを捨て、もっと正しいものを求め続ける気持ちを持続させるのだ。


ビジネスモデルを見直し続けよ

 「思い込む」ということは、未来予測をしないか、未来予測を間違えることでもある。

 2年前まで日本の電力使用量は年率1.2%で増え続けていた。電力会社は電力需要が伸び続けるから設備投資して、発電容量を増やさなければならないと思 い込んでいたのだ。ところが今夏の電力使用量は前年比マイナス7%だ。電力会社の経営にとって、電力需要は伸び続けるという「思い込み」を早く取り払うこ とが大切なのだ。日本では電力需要が減り続けることを想定した新しいビジネスモデルを電力会社自身が獲得しなければならない。

 電気は基本的に貯められないものだと思われてきた。しかし、二次電池の技術の進歩によって、電気は貯められることを前提にしたビジネスが広がっていく世 界が見えてきた。

 電池の専門家の方が、電池を定置型でビルやスマートグリッド・システムの中で使うのは、電池の特性にとって一番難しいことだと思うのも、思い込みかもし れない。リチウムイオン電池にとっては、そのような利用法は簡単なことかもしれないのだ。早い時期にこのことが実証されるだろうと思う。


「思い込み」から離れられるか

 人はゴージャスな車に乗りたくなるものだという思い込みがトヨタのレクサス・ビジネスの基本にあったのだろう。しかし、時代の流れの中で、このような思 い込みは正しくないことが証明されつつある。レクサス・ビジネスの顧客数は当初目標を大きく下回っている。

 人は高級車へ向かうのだというのは単なる思い込みだったのかもしれないのだ。人はクラウンやレクサスの車をあきらめたり、やめたりして、環境対応車プリ ウスへ向かっている。

  思い込みかもしれないと疑って、新しい可能性を考え続けることが大切だ。思い込みから脱却し、新しい可能性を追い求める人が増えれば日本は成長し続け るだろう。地球を持続可能にすることにも成功するだろう。

 「グーグルには勝てません」というのも単なる思い込みかもしれないのだ。思い込みをやめて、挑戦し、もっと強くなろう。

2.IBM,クラウドベースの電子メールサービスをローンチへ(10.2  nikkeibp)
 IBMは米国時間10月5日,同社のクラウドベースのプラットフォーム「LotusLive」をベースにした,新しいエンタープライズコラボレーション サービスをリリースする予定である。 同サービスは,1Gバイトのストレージとともに,1ユーザーあたり月額3.75ドルで提供される予定である。

 この新しいサービス「IBM LotusLive iNotes」によりIBMは,初めて一般市場向けのクラウドベースサービスに本格参入する。同サービスに含まれる電子メール,カレンダー,コンタクト管 理はすべて,既存のオンプレミス電子メールサービスと連動させるか,または,スタンドアロンのソリューションとして動作するように設計されている。ユー ザーあたりの月額はわずか3ドルからとなる予定だ。

 実際のところ,今回のIBMの新サービスは,「Google Apps」やYahooのサービスとそれほど変わらない。大きな相違点は,これが,これまで一貫して企業を対象にサービスを提供してきたIBMによるサー ビスだという点である。「Lotus Notes」を好むか好まざるかにかかわらず,これは,クラウドコンピューティングやホステッドアプリケーションの台頭を象徴する,大きなニュースであ る。

 IBM Cloud Collaboration Services担当バイスプレジデントを務めるSean Poulley氏は,顧客は長い間,戦略的なホステッドソリューションを探し求めていたと述べた。IBMは,サービスのセキュリティを高め,「エンタープ ライズレディ」にするために尽力してきた,と同氏は述べた。

 IBMがより多くのクラウドベースサービスの提供を開始しようと考えたのは,IT組織において大きな責任を負う人間の数が減少傾向にあるからである。ま た,共有ドキュメントやファイルへのアクセスを必要とする組織外の人間への依存度も高まっている。オンプレミスコラボレーションアプリケーションは,共有 形式で動作するように調整できる場合が多いようだが,LotusLiveは最初からそのように動作するように設計されている。

 なぜIBMは今回の新サービスをLotusファミリーの一環として発表したのかと尋ねたところ,Poulley氏は,Fortune 100企業の半数以上が,Lotus Notesを含むIBMのコラボレーション技術を利用しており,同ブランドは広く認知されていると述べた。

3.米Cisco,テレビ会議システム大手のノルウェーTANDBERGを買収 (10.1 nikkeibp)
米Cisco Systemsは2009年10月1日(米国時間),テレビ会議システム大手のノルウェーTANDBERGの買収で合意したと発表した。買収総額は約30 億ドル。買収完了は2010年前半になる見込み。TANDBERGの従業員約1500人が所属する拠点は研究開発や欧州市場の開拓などに生かす方向とい う。

 Ciscoは今回の買収により,マルチベンダー環境での相互接続やネットワーク・インフラのソリューション,デスクトップ向けテレビ会議端末から世界規 模のテレプレゼンス・システムまでシームレスに利用できる統合環境を得られるとしている。

 Ciscoは従来ハイエンド市場をTelePresence,ローエンド市場をWeb会議サービスのWebExでカバーし,相互運用性の向上に取り組ん できた(関連記事)。相互接続性で定評のある多地点接続装置や高画質デスクトップ会議製品のMoviなど幅広いラインナップを揃えるTANDBERGの買 収に踏み切ったことで,業界最大手ながらWeb会議サービス製品を持たない米Polycomを追い上げる体制が整うことになる。

4.NEC、通信モジュール内蔵ノートPCとFOMA通信費をセットにした法人向け 定額レンタル(10.1 nikkeibp)
NEC、NECモバイリング、NECキャピタルソリューションの3社は、通信モジュールを内蔵したモバイルノートパソコンと、NTTドコモの高速データ通 信サービス「FOMA HIGH-SPEED」をセットにした法人向け定額レンタルを2009年10月開始する。PCレンタルと、無線通信サービスの契約・支払いを一本化。手続 きや管理の負担を軽減できるという。

 通信モジュールを内蔵した法人向けモバイルノートパソコン、NECモバイリングの通信利用状況管理サービス「itsmoSaver(イツモセー バー)」、回線契約・プロバイダー契約で構成。レンタル事業者のNECキャピタルソリューションを通じて通信料込みの月額定額料金でレンタルする。

 パソコンを購入するのと比べて初期費用を抑えられるほか、所定の通信利用量に満たない差額分の通信料金の返金があるため、サービスを無駄なく利用できる という。申し込みは5台以上が条件。1年間で計1万台の需要を見込んでいる。

 12.1型液晶ノート「VersaPro UltraLite タイプVC(FOMAハイスピード対応モデル)」で4年契約した場合、1台あたり月額レンタル料金は1万2033円(10月末まで1万1182円のキャン ペーン価格を適用)。ほかに低コストの外付け型通信カードとパソコンとのセットも用意した。1台あたり月額レンタル料金は同1万48円(同9345円)。

5.P2P技術を活用して大規模な同時アクセスに対応,NECビッグローブが動画配 信プラットフォーム(9.28 nikkeibp)
NECビッグローブは2009年9月28日,大規模な同時アクセスに対応可能な動画配信プラットフォームの提供サービス「meshCast」を同日に開始 したと発表した。このサービスはP2P(Peer to Peer)技術を活用したもので,NECビッグローブのサーバーからの動画配信に加え,視聴者のパソコンからの配信も併用する。効率的なライブ動画配信プ ラットフォームを提供するという。

 急激に視聴者が増えた際も,視聴者のパソコンからも分散して動画を配信することでサーバーにかかる負荷を大幅に低減し,動画配信サービスの安定化を図る ことができる。短時間にサーバーへのアクセスが集中するライブ動画配信において,「従来技術の10分の1程度のサーバー・ネットワーク設備で対応できるた め,企業に対して低コストで短期間に動画配信基盤を提供することが可能になる」(NECビッグローブ)という。meshCastの設定費用は21万円で, 配信利用料は31万5000円 / 回からである(同時接続数が3000人を超える場合は別途見積もり)。コンテンツのエンコードが必要な場合は,別途費用が掛かる。

 meshCastではBIGLOBEサーバで管理されたコンテンツのみが配信される。利用者のパソコンから配信される場合も,管理されたコンテンツのみ がメモリー上で共有される。さらにWindows Media Rights Management方式のDRM(デジタル著作権管理)による著作権の保護にも対応している。



 ホームページへ