週間情報通信ニュースインデックスno.
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2009/09/26

1.ポジティブ・スパイラルの入り口はどこだ?(9.25  nikkeibp)
ネガティブ・スパイラルに陥った日本に必要なこと
 宮田 秀明
 電気自動車の設計で難しいことの1つは「軽量化」である。現状ではガソリンエンジンよりリチウムイオン電池の方が倍ほど重いので、電気自動車の車全体の 重量は重くなってしまう。重くなると衝突安全のための構造も大きくなり、さらに重くなってしまう。このように、電気自動車が色々な条件を満たすためにだん だん重たい車になっていく時、ネガティブ・スパイラルが働いていると言える。  だんだん悪い方向へ向かうのがネガティブ・スパイラル、だんだんいい方向へ向かうのがポジティブ・スパイラルである。

ポジティブ・スパイラルの入り口を探せ
 設計も経営も、ポジティブ・スパイラルの道筋を探すことが大切だ。まず、ポジティブ・スパイラルを作る入り口を探すことから始めなければならない。
 飛行機の設計の入り口も軽量化である。軽くすることができれば、飛ぶのに必要な揚力が減るので、主翼が小さくでき、エンジンも小さくできて、全体の重量 も軽くなる。「全体の重さが減ったら、主翼もエンジンも小さくすることができる」という流れはポジティブ・スパイラルである。

 経営のポジティブ・スパイラルはどのようにして作るのだろうか。ポジティブ・スパイラルの入り口はどこにあるのだろうか。
 多くのビジネスにおいて、ポジティブ・スパイラルの入り口は顧客満足度にあると思う。顧客満足度を上げるための施策やビジネスプロセスの変更が、ポジ ティブ・スパイラルの入り口を与えてくれることが多いだろう。

 書籍の出版・販売のビジネスでは返本率が40%にも達している。40%の商品が廃棄されるのだ。
 直接的には、トーハンや日販などの流通企業と書店との間で返本というプロセスが存在するのだから、流通企業と書店の間で、例えば返本しなければ書店の粗 利を上げるような仕組みを作って返本率を改善するような試みが行われているようだ。
 書籍ビジネスにおいて一番大切なのは、顧客の望む本が出版されて、顧客の目の前、つまり店頭でその適量が展示されていることである。だから必要なのは顧 客の購買行動、つまり販売を早期に把握して、正しい陳列をして、正しい生産をすることである。

 顧客を知るということは、販売予測をするということであり、それを生産(出版)とつなげることが返本率を下げることの基本だから、書籍ビジネス改革のポ ジティブ・スパイラルは顧客満足度を高めるために、生産・流通・販売の間で情報統合を進め、それぞれの商品の販売予測を行うことによって始まる。

 ポジティブ・スパイラルを探すということは、WIN-WIN関係を探すということであり、新しいビジネスモデルや新しい商品モデルを探すということだ。 しかも顧客満足度は移ろいやすいものだから、日々ウォッチして修正しなければならない。

 GDPが減少する日本にはネガティブ・スパイラルのメカニズムが働いているとも言える。民主党政権にも、企業経営者にも、正しいポジティブ・スパイラル を作る経営が期待されている。
 過去の仕組みが実は価値をだんだん減らしていくネガティブ・スパイラルを作っていることもあるだろう。新しいポジティブ・スパイラルのための仕組みの制 度設計は一番大切なことなのだ。
 中国は強いリーダーシップと13億人のエネルギーがポジティブ・スパイラルを作っている。私たちもたくさんのポジティブ・スパイラルを作らなければ、国 全体がガラパゴス状態になってしまう危険がある。


2.ウィルコム,次世代高速通信「XGP」を10月1日から400人限定で開始 (9.24 nikkeibp)
ウィルコムは2009年9月24日,上下最大20Mビット/秒のデータ通信サービス「WILLCOM CORE XGP」を10月1日から開始すると発表した。当初は利用者を400人に絞った無料の限定サービスとする。料金を徴収する一般サービスは2010年4月以 降の開始となる。

 限定サービスの利用希望者400人は,同社のWebページで募集する。募集期間は9月30日まで。対象は,既存のAIR-EDGEまたはWILLCOM CORE 3Gを利用しており,住所が東京23区内のユーザー。対象者には,無料でPCカード型の通信カードを貸し出し,2010年3月末までの利用料金は無料とす る。開始時のサービス対応エリアは山手線内の一部地区。

 限定サービス中に,ウィルコム募集する400ユーザーのほか,MVNO(仮想移動体通信事業者)など約1000ユーザーが利用するという。2010年1 月以降に,追加で利用希望者を募る可能性もある。

 2010年4月以降の一般サービス開始後の月額料金は4380円。別途インターネット接続料金の月額945円を支払う。

 ウィルコムではユーザーを限定しないサービスとして開始する予定だったが「(変調方式の)256QAMに対応させるためのチューニングなど技術的な問題 と,借入金について金融機関のリファイナンスが難航した」(ウィルコム)。このため,サービスを縮小した形でスタートする。

3.Google,IEをChrome化するプラグイン「Google Chrome Frame」をリリース(9.24 nikkeibp)
米Googleは米国時間2009年9月22日,オープンソースWebブラウザ「Chrome」の各種機能を「Internet Explorer(IE)」内で使えるようにするIE用プラグイン・ソフトウエア「Google Chrome Frame」(早期バージョン)をリリースした。対応しているOSはWindows Vista/XP SP2,IEはバージョン6/7/8。GoogleのWebサイトから無償でダウンロードできる。

 Google Chrome Frameをインストールすると,IEでHTML5の「canvas」タグといったChromeの機能が利用できる。JavaScriptエンジンは Chromeのものを使うため,Webアプリケーションの動作が速くなるという。IEのレンダリング処理時にGoogle Chrome Frameを有効化するには,Webサイト側で各Webページに「<meta http-equiv="X-UA-Compatible" content="chrome=1">」というタグを追加しておく必要がある。

4.IPアドレスは「場所」か「物」か(9.25 nikkeibp)
  「電話番号って『物』じゃないの?」「IPアドレスも直感的には『物』って思う人が多いかもね」---。最近,編集部で交わされた会話であ る。何のことかわかるだろうか? 答えは「認証の手段」だ。

 筆者は,日経NETWORK10月号(9月28日発行)で「知らない間に使っている 最新&定番の認証技術」と題し,システムの裏方で動作する認証技術にフォーカスした特集記事を執筆した。その基本知識として,認証の手段を解説している。 その手段とは,「人で認証する」「物で認証する」「場所で認証する」の三つだ。冒頭で紹介したのは,その具体例を挙げている時の会話である。

 それぞれの認証手段を簡単に解説しておこう。「人で認証する」は,その人の指紋などを使った生体認証のほか,記憶を使ったパスワード認証が含まれる。パ ソコンへのログオンなどがこれに当たる。

 「物で認証する」は,人に何か物を所持させて,その物で認証を行うパターン。パスワード・トークンを使った認証や,パソコンのMACアドレスを使った認 証だ。

 最後の「場所で認証する」は,電話番号やIPアドレスを使った認証を指す。携帯電話の電話番号だとピンとこないが,固定電話の市外局番であればすぐに理 解できるはずだ。例えば東京23区であれば「03」など,場所ごとに割り振られた番号(ID)を使っており,これを認証手段に使うのである。

 この「場所で認証する」に,IPアドレスを使った認証が含まれているというのが意外なので,「IPアドレスも直感的には『物』って思う人が多いかもね」 という発言になったというわけだ。


「IPアドレス=場所」ってどういうこと?

 わかっている人からすれば,IPアドレスは位置情報を含んだものとすぐに気付くかもしれない。だが,MACアドレスと同じで,なんとなく「物」に付いて 回るもののように思っていないだろうか?

 グローバルIPアドレスは,プロバイダがユーザーに払い出すもの。その際にプロバイダは,「このIPアドレスは○○県のユーザーに割り当てる」といった 規則性を持って払い出している。つまり,IPアドレスを使った「場所で認証する」は,この規則性を使っているのだ。IPアドレスから場所を割り出すしくみ はIPジオロケーションといって,主にマーケティング分野で利用されている。

 IPジオロケーションを使えば,怪しいアクセス元を割り出すこともできる。例えば,あるユーザーがあるサーバーに対して日本からアクセスしてきたのに, その数分後には同じIDとパスワードを使って中国からアクセスしてきたら,「そのアクセス元は怪しい」と判断できる。そのアクセス元に対し,サーバーにア クセスさせないようにできるのだ。ちなみに,IPジオロケーションとパスワードなど,複数の認証手段を使ってアクセス元のリスクを判定する認証方式を「リ スクベース認証」という。


「MACアドレス」改め「MACナンバー」?

 よく考えてみると,IPアドレスはそもそも「アドレス(=住所)」なのだから,場所を表すとしてもおかしくない。むしろ,MACアドレスを「アドレス」 とするほうが問題かもしれない。だって,単なる番号であって,住所などの物理的な場所を表しているわけではないから。

 MACアドレスは「アドレス」ではなく,「ナンバー」といい換えたほうがいいのかもしれない。「MACナンバー」ではどうだろう?
 と,ここまで書いたところで,そう単純に割り切れない部分もありそうだと気付いた。MACアドレスが物理的な場所を表している認証技術もあるからだ。

 NTT東西地域会社のNGNでは,設置した機器のMACアドレスを基にした「回線認証」というしくみを使っている。回線認証では,ホーム・ゲートウエイ のMACアドレスを基に「発信者ID」というIDを作成する。

 一方,回線にも「回線認証ID」と呼ばれるIDが付いている。NGNの制御サーバーは契約者のデータベースを持っており,一意の発信者IDには必ず決 まった回線認証IDが対になっていることを確認してからNGNにつながせるようにしている。これが回線認証だ。

 回線認証の場合,MACアドレスをベースにした発信者IDは,契約者の住所とリンクする情報だ。つまり,MACアドレスは場所の情報でもある。NGNに つなぐのが決まった機器であるために,そうなるのだ。

 だとすると,「MACアドレス=物で認証」という認識だけでは済まされないところが出てくる。やはり,MACアドレスも「アドレス」でいいじゃないか, という結論に落ち着くのだろうか。
 筆者としては,アドレス(=場所)を理解するどころか,迷子になった気持ちである。読者の皆さんは,どう感じられただろうか。

5.Web版の“無料Office”、MSが詳細を明らかに ブラウザー上で動くOfficeソフトのプレビューが初公開(9.24 nikkeibp)
 米マイクロソフトは2009年9月17日(米国時間)、パソコンにインストールしなくてもWebブラウザー上で利用できる「Webアプリケーション版 Office」のテクニカルプレビュー(ベータ版の前段階に当たる最初の評価版)を限定公開した。2010年前半にリリース予定のOfficeの次期バー ジョン「Office 2010」の一翼を担う製品で、個人向けには「Windows Live」サービスの一部として無料で提供される。通常版(リッチクライアント版)のOffice 2010については、既に7月から招待制で限定公開されているが、その招待者などごく一部の開発者に対して公開を始めた。Webアプリケーション版 Officeの機能や使い勝手が具体的に明らかになるのは初めてのことだ。

 Webアプリケーション版Officeでは、Word、Excel、PowerPoint、OneNoteの4製品がWebサービスとして利用可能にな る。同社が提供しているMicrosoft Office向けのストレージサービス「Office Live Workspace」では、これまでもWordやExcel、PowerPointのファイルをプレビューできた。しかし今回のWebアプリケーション版 Officeでは、ファイルの編集まで可能になる。名前は「Office Web Apps」。個別の製品は「Word Web App」「Excel Web App」「PowerPoint Web App」「OneNote Web App」と名付けられた。今回テクニカルプレビューで公開されたのは、Excel Web AppとPowerPoint Web Appの2つ。Word Web Appについては、ビューワーとしての機能だけが公開されている。




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