週間情報通信ニュースインデックスno.
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2009/08/29

1.高速1000円に恨み節続出(8.24 nikkeibp)
経済効果にこれだけの疑問の声
 お盆休み中の土曜日に当たる8月15日、香川県内のあるショッピングセンターに出店している生活雑貨店の店主は、ため息をもらした。
 「お盆は家族連れが集まる書き入れ時なのに、来店客数は昨年に比べて3割減。売り上げは4割も落ちた」
 原因は景気減速だけではない。この店主は、今年3月に始まった土日祝日の高速道路の特別割引制度による影響が大きいと見ている。

 ETC(自動料金収受システム)の搭載車であれば、土日祝日はほとんどの高速道路が「1000円乗り放題」となるこの制度により、自動車で遠出する人が 増えているのは間違いない。お盆期間中は初めて平日にも制度を適用した。香川県であれば、名物のうどん店にできた長い行列がメディアの話題になることも多 い。これだけ見れば、「高速1000円」が地方の活性化と消費の底上げにつながっているように映る。

お盆休み中、三井アウトレットパーク マリンピア神戸の駐車場では徳島など他府県から来た車が目立った
 しかし、この店主は「四国を訪れる人は増えたが、数百円のうどんを食べるだけ。逆に四国の人が関西まで出向いて多額のお金を使ってくる」と嘆く。事実、 瀬戸内海を挟んだ対岸では、店主の嘆きを裏づける光景が広がっていた。 神戸市にあるアウトレット「三井アウトレットパーク マリンピア神戸」。同施設は本州と四国を結ぶ神戸淡路鳴門自動車道と阪神高速道路が交差する垂水ジャンクションに近く、その先には兵庫から岡山方面に向か う山陽自動車道も走っている。高速1000円の恩恵を受けるには持ってこいの好立地にある。

 運営する三井不動産は「客数や売上高の前年比などを出していないので詳細は分からない」としているが、近隣の住民は「週末にできる“アウトレット渋滞” は伸びる一方」と話す。お盆期間中の駐車場を眺めると、「神戸」「姫路」といった地元ナンバーに交じり、「徳島」「香川」「岡山」といった他県のナンバー が目立ち、「全品20%OFF」との店員の掛け声に客が殺到していた。
フェリーは「経営が危ぶまれる」

 景気対策として始まった「高速1000円」。国土交通省は観光や消費に対し、2年間で7300億円の効果があると弾き出している。事実、一部では割引効 果で潤う企業や施設も出ている。開業当初に比べ通行料が大幅に下がった、東京湾アクアラインの周辺にあるレジャー施設「マザー牧場」や「鴨川シーワール ド」は4月以降、来場客数が10%前後増えている。

 しかし、導入から約半年が経過し、「民族大移動」が起こるお盆の時期を越えたことで、負の影響がより色濃く出てきたのも確かだ。総選挙を前に、民主党は 政権公約として高速道路の原則無料化を打ち出した。その実効性を測る意味でも、今回の割引制度の影響を細かく検証することが欠かせない。

 では、ほかにはどんな負の影響があるのか。例えば最も打撃を受けているのが、フェリー業界だ。

  鉄道や航空などほかの交通機関からも恨み節が相次ぐ。
 「本当に景気対策なら平日の貨物を運ぶ車こそ割引すべきなのに」(JRグループ首脳)
 「高速を下げるなら、世界の水準と比べて割高な空港への着陸料なども引き下げてほしい」(航空会社幹部)
 日本航空や全日本空輸のお盆期間中の利用客数は、国際線こそ改善の兆しが見えるものの、国内線は前年同期比で10%前後減っており、「どの程度かは分か らないが、高速1000円の影響は間違いなくある」(日本航空)。

 恩恵に浴しているかのように見える宿泊施設にとっても心中は複雑のようだ。国内で17の宿泊施設を運営する星野リゾート。軽井沢や伊豆など、首都圏から 比較的近い距離にある施設は利用が大きく伸びている一方、北海道などの伸びはいま一つだ。いくら乗り放題といっても、疲れずに運転できる距離には限界があ る。そのため、近場にばかり人が集まってしまうのだ。

 土日祝日だけの割引は、特定の日に利用客が集中してしまうリスクもある。「利用者が多すぎれば、サービスの質も低下しかねないし、行きたくても行けない という人も出てくる。平日を安くしてくれた方が、さらに需要が伸びると思うのだが」(同社)。

高速道路会社は収入減に

 当事者の高速道路側からも疑問の声が上がる。西日本高速道路の石田孝会長は、「ほかの交通機関などへの配慮がないと公平とは言えないのではないか」と訴 える。
 各高速道路のお盆期間(8月6〜16日)の交通量は地震による通行止めのあった東名高速道路を除き軒並み上昇。渋滞発生回数も増えた。ただし、高速道路 各社の料金収入は4月以降、減少している。国が株主とはいえ、一企業として見れば、客はいるのにわざわざ値下げして売り上げを減らす、矛盾した経営が続い ている状況だ。

2.史上初の「盗聴ウイルス」が出現、Skypeユーザーを狙う PC上で暗号化前と復号後の音声データを記録、広くは出回っていない(8.28 nikkeibp)
「盗聴ウイルス」を報告する米シマンテックの公式ブログ
[画像のクリックで拡大表示] セキュリティ企業の米シマンテックや英ソフォスは2009年8月27日、音声通話ソフト「Skype」での会話を盗聴する ウイルス(悪質なプログラム)を報告した。シマンテックによれば、こういったウイルスは初めてだという。広くは出回っていない模様。

 シマンテックでは「Trojan.Peskyspy」、ソフォスでは「Troj/Skytap-Gen」と呼んでいる今回のウイルスは、トロイの木馬に 分類されるプログラム。ほかのプログラムやパソコンに感染を広げる機能はない。今回のウイルスがターゲットとするのはSkypeユーザー。Skypeがイ ンストールされたパソコンで実行されると、マイクからSkype、Skypeからスピーカーへ送られるデータを盗聴し、mp3ファイルとして保存する。

 Skype間の通信は暗号化されるので、インターネット上での盗聴は極めて困難。だが今回のウイルスは、パソコン上で暗号化される前の送信データと、復 号された後の受信データを記録するため、盗聴を防げないという。

3.Nokia,新型インターネット端末「N900」を10月発売(8.28  nikkeibp)
 フィンランドのNokiaは現地時間2009年8月27日,モバイル・インターネット端末の新モデル「Nokia N900」を発表した。ソフトウエア・プラットフォームの新版「Maemo 5」を採用し,パソコン並みの性能と操作性を実現できるという。2009年10月より世界各地で販売する。税金やキャッシュバックを除いた推定小売価格は 500ユーロ。

 Nokia N900は英ARMのCortex-A8プロセサを搭載し,3次元グラフィックス描画API「OpenGL ES 2.0」用グラフィックス・アクセラレータ,引き出し式のQWERTYキーボード,500万画素のカメラを備える。HSPA携帯電話網と無線LANによる 通信が可能。内蔵メモリーのサイズは32Gバイト。microSDメモリー・カードで最大48Gバイトに拡張できる。米Mozilla製Webブラウザを 用意し,Adobe Flash 9.4コンテンツも利用できる。

 Maemoは,モバイル・インターネット端末向けに開発してきたLinuxベースのソフトウエア・プラットフォーム。パソコン並みのマルチタスク処理や インターネット接続が特徴で,同時に数十個のアプリケーションを動かせるとしている。

4.3秒起動の小型ネット端末,シャープが9月発売(8.27 nikkeibp)
 シャープは2009年8月27日,モバイル・インターネット端末「NetWalker」(ネットウォーカー)を9月25日に発売すると発表した。
 A6判で409gという「小型・軽量」,約3秒の「短時間起動」,約10時間の「長時間駆動」,タッチパネルによる「操作性」を売りに,「ケータイ・プ ラス・ワン」(松本雅史代表取締役副社長執行役員)の需要を狙うという。携帯電話とは別に持つ,ネット端末との位置付けだ。価格は4万5000円前後にな る見込みで,2010年3月までに10万台の販売を目指す。


5.ネイティブ接続事業者に4社以上が申し込み,NTT東西による選定へ
 NTT東西地域会社(NTT東西)のNGN(次世代ネットワーク)とIPv6インターネットとの接続方式の一つ「ネイティブ方式」のサービスを提供する 接続事業者(ネイティブ接続事業者)として,4社以上の企業が名乗りを上げていることがわかった。

 NTT東西は,「ひかり電話などのQoSサービスの劣化を避けるため」として,ネイティブ接続事業者を最大3社に限定するとしている。そこで,ネイティ ブ接続事業者になることを希望する企業は2009年8月21日までにその旨をNTT東西に申し込み,希望企業が4社以上になった場合はNTT東西による選 定を受けることになっていた。「具体的な数は明かせないが,4社以上から申し込みがあったため,今後,選定手続きに入る」(NTT東日本 広報)。

 申し込みをした企業は,2009年11月30日までに所定の書面をNTT東西に提出する。NTT東西はこの書面などを基に,申し込みをした企業につなが る予定のプロバイダ(ISP)のユーザー数を確認し,その数が多い上位3社をネイティブ接続事業者に選定する。正式な選定は2009年12月の予定。ユー ザー数については,「2009年6月末時点のもの」を判断基準とする。


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