週間情報通信ニュースインデックスno.712  2009/06/27

.「ネットもメールもできません」。機能を削って大ヒットのポメラ(6.26  nikkeibp)
 荻島 央江
 2008年11月発売以来、品切れするほどの大ヒットを記録した、デジタルメモ「ポメラ」。その開発秘話をお届けする。
 「メールにインターネット、ゲームに音楽、ビデオ編集…。これすべてできません。私にできるのは1つだけ。文字を打つこと、それだけ――」というテレビ CMをご存じだろうか。
 それは、老舗事務用品メーカー、キングジムのデジタルメモ「ポメラ」である。CMに嘘偽りはなく、本当にポメラには文字を打つという機能しかない。

 このポメラが、売れている。昨年11月の発売と同時にほぼ品切れ状態。当初年間3万台の販売計画だったが、年間売り上げ台数は10万台にも達する見込み だ。
 
 印南教授にとっては、このノートパソコンが何よりストレスの種になっていた。まず、大きくて重い。そのうえ、起動が遅い。ふと閃(ひらめ)いたアイデア をメモするのに何分もかかる。
 「インターネットも見なければメールも送らない。ただ原稿を書きたいだけなのに、なんでこんな重くて不便なものを持ち歩かなければならないのか」。それ が印南教授の長年の不満だった。

 ポメラはそんな印南教授に、劇的な利便性をもたらした。重さは約370グラム、大きさは手のひらサイズ。スイッチを押してから2秒で立ち上がる。パソコ ンをシャットダウンした直後にいいフレーズを思いつき、イライラすることも一切なくなった。

 「そうは言っても、飛行機や電車での移動中に原稿やリポートを書く人なんて、世の中の人のごくわずかでは」と考える人もいるだろう。まさにその通りで、 ポメラを欲しいと思う人は、全体から見ればかなりの少数派と言える。

 典型的な成熟市場と空前の消費不況という悪条件の中で生まれたヒット。その裏側には、4代目である宮本彰社長の「ヒットの方程式」がある。
 その方程式とはずばり、「まあまあ欲しい人が10人<要らない人が9人+絶対欲しい人が1人」である。

 「10人の消費者全員が『まあまあ欲しい』と言う商品Aと、10人中9人は『要らない』と拒否するが1人は『絶対に欲しい』と熱望する商品Bがあった場 合、どちらの商品がヒットの確率が高いと思いますか」と宮本社長は言う。


全員が「まあまあ欲しい」商品はヒットしない
 「おそらく多くの人は、『商品A』と答えると思います。しかし、我が社ではこういう商品の開発には手を出しません。少なくとも事務用品の世界では、Bの 方が圧倒的に売れる可能性が高いからです」
 「事務用品の世界では」と宮本社長が前置きしたのは、食料品や衣料の世界では、状況が変わってくるからだ。生活必需品の分野では、10人が「まあまあ欲 しい」と言う商品Aの方が有望になる。

 なぜか。宮本社長の考え方をまとめると次のようになる。
 食料品や衣料は事務用品よりも、人々にとって購買の優先順位が高い。生きていくうえで必要であり、誰もが定期的に購入しなければならないため、食品や服 を見て「まあまあ欲しい」と10人が思えば、結果として半分程度は現実に購買行動を起こす。つまり商品Aは5〜6個は売れる可能性がある。

 それに対して、商品Bは9人が「要らない」と断言している以上、1個しか売れない。メーカーとしては、当然、商品Aの開発に全力を注ぐのが最も合理的な 選択になる。
 しかし事務用品は、あれば便利かもしれないが、ないからといって生活できなくなる商品ではない。「まあまあ欲しい」と思う程度では、購買行動を起こす者 は少なく、場合によっては、商品Aは1つも売れない可能性もある。

 それに対して、商品Bはすでに1人は「絶対に欲しい」と言っている以上、1個は必ず売れる。よって、事務用品メーカーとしては、商品Bの開発に乗り出す のが最も有利な選択となる――。
 キングジムはポメラのみならず、1927年の創業以来、この独自の「ヒットの方程式」によって、事務用品業界の主役の座を守り続けてきた。
 
「世の中にないものを作る」創業精神が原点

 絶対多数でなく、1割の熱烈な支持者ができる商品を作る――。この独自の方針を貫くことで、キングジムは事務用品という成熟市場を生き抜いてきた。
 「『10人に1人しか売れないのなら、ヒットするはずがない』と思う人がいるとすれば、それは完全な誤解です。多くの人はヒット商品と聞くと、感覚的に 世の中の過半数の人は買っていると思っていますが、そんな商品は世の中に存在しません。1割というのは、すごい数字なんですよ。1億2000万人のうち 1200万人に売れれば、事務用品の世界ではとてつもない大ヒット商品になるんです」(宮本社長)

 キングジムの創業者であり、宮本社長の祖父である宮本英太郎氏は、「創意工夫で世の中にないものを作ること」「新たな文化を生み出すこと」を生きがいと していた。それは、「町の発明家」としてのプライドであると同時に、小さな会社を存続させるための知恵でもあった。

 全くの新商品を作ることの最大のメリットは「敵を作らないこと」にある。類似商品を発売するとシェア争いになる。市場を奪われた会社は必死で取り返そう とし、憎しみはやがて無益な競争に発展し、参加する企業はすべて消耗していく。新しい市場を創造すれば、損する人は誰もおらず、敵も増えることがない。

 「全員が『まあまあだ』と思う商品は、往々にして、既に市場にある商品がほとんど。一方で、1割だけが熱烈に欲しがる商品はまず『世の中にない商品』。 ヒット開発の方程式の原点には、祖父の創業精神があるんです」と宮本社長は話す。

2.携帯端末のイメージ、アップルは「斬新」、国内メーカーは「実用」と「デザイ ン」(6.26 nikkeibp)
  ネットエイジアは6月26日、携帯電話メーカーと端末のイメージについて調査した結果を発表した。10―30歳代の男女500人を対象に、 各メーカーの端末のイメージを尋ねたところ、国内メーカーの端末は「実用的」「デザイン性が高い」という印象が強いことが分かった。外資系メーカーの端末 は「個性的」という意見が多かった。

 端末のイメージに合う言葉として「デザイン性が高い」が最も選ばれたメーカーは、パナソニック(23.6%)、シャープ(18.4%)、ソニーエリクソ ン(18.2%)だった。「実用的」が最も多かったのは、NEC(19.4%)、富士通(30.0%)、東芝(24.2%)、日立(22.6%)、カシオ (20.4%)、サンヨー(15.0%)、京セラ(10.6%)。「個性的」なイメージが最も強いのは、ノキア(11.2%)、サムスン(8.2%)、 LG電子(5.6%)、HTC(4.8%)で、アップルは「斬新」(16.8%)が最多だった。

 メーカーをイメージする言葉として「信頼できる」が最も多かったのは、パナソニック(31.4%)、シャープ(21.4%)、NEC(28.4%)、富 士通(21.8%)、東芝(26.4%)、日立(17.0%)。ソニーエリクソンは「かっこよい」(21.4%)というイメージが最も高く、「信頼でき る」(10.6%)は2位だった。外資系メーカーに対しては「国際的」のイメージを持つ人が多く、アップル(20.6%)、ノキア(22.4%)、サムス ン(18.0%)、LG電子(11.6%)で首位だった。HTCは「国際的」(3.0%)よりも「チャレンジャー」(4.6%)のイメージが上回った。

 信頼性のイメージについて年代別にみると、シャープ、ソニーエリクソン、アップルでは、年代が下がるほど「信頼できる」を挙げる人が多くなる。一方、 NECは年代が上がるほど信頼感が高まる傾向を示した。

3.「日本で成功すれば世界でAndroidの時代が到来」日本Andoridの会 が講演会を開催(6.26 nikkeibp)
 Android関連の開発者コミュニティ「日本Androidの会」は2009年6月26日,講演会「Android Bazaar and Conference 2009 Spring」を開催した。7月上旬と見られるNTTドコモの端末発売を控え,開発者のAndroidに対する関心はますます高まっている。会場には多く の来場者が集まり,熱心に耳を傾けた。

 まずは基調講演として,早稲田大学の客員教授で日本Androidの会の丸山不二夫会長が登壇し,Androidの将来展望を語った。丸山会長は,ムー アの法則によってコンピュータの性能が格段に進歩したことを説明。その実例として,1975年に開発されたスーパー・コンピュータ「CRAY-1」のス ペックを示した。CRAY-1のCPUは動作周波数が80MHz,メモリーは4Mバイト。これに対して,2008年に登場したAndroid端末「T- Mobile G1」はCPUが528MHz,メモリーは192Mバイトを搭載している。

 ハードウエアと同様にネットワークの進化も著しい。日本ではパソコンが普及するとともに,インターネットの利用が一般化。2001年以降は光回線などの ブロードバンドが広がった。これと同じ変化が携帯電話でも起きる,と丸山会長は予測する。「端末の普及,携帯でのネット利用という段階は,日本では既に終 わっている。今後は携帯のブロードバンド化が進む」としてWiMAX,XGP,LTEなどがその役割を担うと説明した。

 さらに,これらの高機能化した携帯端末が,クラウド・コンピューティングの中で大きな役割を担っていくと展望する。クラウドがユーザーを相互につなぐ状 態になれば,人間がスムーズに情報を生み出し,素早くクラウドへ情報を送り込むための手段が求められる。そうしたツールとして携帯端末が利用されるとい う。「クラウドとモバイルは持ちつ持たれつの関係になるだろう」と丸山会長は予測する。

 中国やインドなどで携帯電話の販売台数はまだ伸びており「あと1年か2年で世界の携帯電話の台数は50億台を超える」(丸山会長)。その一方,携帯電話 でインターネットを利用している数は,現状で15億台程度に過ぎない。新興国などでは,ネット機能を搭載していない低価格端末を利用しているユーザーが多 いからだ。こうした地域に対し,携帯電話のネット利用を推進する役割を果たし「壁を埋めていく役目を果たすのはAndroidではないか」(丸山会長)と いう。こうしたAndroidの世界的な普及に向けては大きな可能性があり,日本のIT,ものづくり,コンテンツ作成の技能が発揮できる大きなチャンスだ と技術者に呼びかけた。


 続いて米グーグルのクリス・プルエット デベロッパーアドボケイトが,ソフトウエア開発者に向けてAndroid用アプリの開発を呼びかけた。「日本には携帯アプリの経験が豊富な開発者が多い。 それだけに,日本で成功を収め,そのコンテンツを世界に配信できるようになれば,Androidの時代が来る」(プルエット氏)と大きな期待をかけてい る。

 NTTドコモが7月下旬に発売するHT-03Aに合わせて,国内向けにアプリ配信プラットフォーム「Androidマーケット」が開始となる。グーグル は開発されたアプリの審査はせず,開発者が登録すれば,即座に配信される。これは,開発者の参入のしやすさを優先したためだ,とプルエット氏は説明する。 なお,問題のあるアプリが発見されれば削除する。これはYouTubeなどと同じ運営方法だという。

 国内のAndroidマーケットでは,1〜2カ月は有料アプリは取り扱わず,無料アプリのみを配信する。これはクレジットカードの入力などの手間をかけ ずに,アプリをダウンロードする利用法に慣れて欲しいからだという。そのほか,開発者にはアプリの日本語化やコンテスト「Android Developer Challenge 2」への参加を呼びかけた。

4.「iPhoneが実社会でどう使われているか」,ソフトバンクが青山学院大学で 講義(6.23 nikkeibp)
 ソフトバンクモバイルのiPhone事業推進室シニアエバンジェリストの中山五輪男氏は2009年6月18日,青山学院大学の相模原キャンパスで「モバ イルインターネット」をテーマに講演した。
 ソフトバンクモバイルとソフトバンクテレコムは2009年5月に,同大学社会情報学部の学生と教員の合計550人に,米アップルの「iPhone 3G」を配布すると発表していた。今回の講義は,iPhoneを利用した研究・教育活動の一環ということになる。

 今回の講義では,中山氏自身のiPhone 3Gに搭載されているアプリケーション・ソフトウエアが多数紹介された。iPhoneの配布後間もない学生に,実際に流通しているソフトウエアや活用シー ンを紹介し,今後予定している講義内での地域向けサービスの企画やソフトウエア実装に役立てるのが狙いである。

 中山氏が紹介したソフトは,日産自動車やシャネルの販促向けソフト,薬の処方データベース,画像処理ソフト,教育ソフト,AR(拡張現実)など多岐に 渡ったが,最も沸いたのが音楽ユニットmihimaru GTが武道館ライブで利用したという「BeatMaker」だった。同ソフトを使うと,自ら作成した楽曲がネットを通じてほかの人と共有できる。中山氏 は,楽器メーカーの担当者のコメントを引用するかたちで「こうしたツールの普及によって,音楽が変わるだろう」と紹介した。

 その後,中山氏は統合開発ツール「Xcode」を使ってiPhone向けアプリのユーザー・インタフェース(UI)を作成,プログラミング初心者でも簡 単にiPhone向けUIを実装できることを実演して見せた。同学部は開設2年目であるため,現状では1〜2年生しか在籍していないが,3年生以上ではア プリ開発に取り組むことにしている。

5.iPhone、認知率は8割超えるが、購入意欲は1割強(6.23  nikkeibp)
 IMJモバイルがまとめたモバイル機器に関する調査結果によると、スマートフォンで最も認知率が高いのは「iPhone」(84%)で、2位以下の 「Android」(22%)、「BlackBerry」(21%)、「Windows Mobile」(20%)を大きく引き離した。しかし購入意向では「Windows Mobile」が22%でトップとなり、「Android」(18%)、「BlackBerry」(13%)、「iPhone」(12%)が続いた。

 LTE(Long Term Evolution)などによって実現する通信速度の向上について説明したところ、68%のユーザーが「関心がある」と回答した。新規購入や機種変更の際 に通信が速い端末を選ぶか尋ねると、「月額利用料が上がっても選ぶ」という回答が5%、「月額利用料が変わらなければ選ぶ」が78%だった。

 GPS(全地球測位システム)機能搭載端末の保有者は61%だった。そのうち、位置情報に基づいたサービスの利用経験者は59%だった。利用したことが あるサービスは「天気予報」(67%)が最も多く、ほかには「目的地までのナビゲーション」(49%)や「飲食店などの周辺検索」(42%)などが挙げら れた。

 今後実現してほしい技術やサービスについては、「位置情報を活用した情報提供」が48%を占めた。また「携帯電話の国際化」(41%)や「サイト閲覧履 歴などを活用した情報提供」(31%)を望む声が寄せられた。

 調査は2009年6月5―6日に行い、828人から回答を得た。



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