週間情報通信ニュースインデックスno.
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  2009/04/25

1.日本には聞こえてこないEUの不況深刻度(4.24  nikkeibp)
 中川前財務相の不祥事で有名になったG8や、その後のG20首脳会議がヨーロッパで連続して開催されました。なぜヨーロッパで行われたかとういうと、 ヨーロッパの金融がものすごく大変な状況だからです。日本ではあまり報道されていませんが、今、ヨーロッパの金融はトリプルショックを受けているのです。

 世界同時不況と言われていますが、ヨーロッパも例外ではありません。むしろ、ヨーロッパは、非常に苦しい状況に陥っています。
 GDP成長率にも、状況の厳しさが表れています。 ドイツがマイナス8.2%、フランスがマイナス4.4%、イタリアがマイナス7.5%、イギリスがマ イナス6.1%。また、ほとんどの国が3四半期連続でマイナスになっています。しかし、ヨーロッパには、この数字に表れていない深刻さがあります。

 日本ではあまり報道されていませんが、ヨーロッパの金融界は、現在、トリプルショックを受けているのです。
 1つ目のショックは、2007年8月に始まったサブプライム危機。 ヨーロッパで最初に破綻懸念が出たのは、イギリスの中堅銀行でした。 その銀行で は、資金運用のために証券化された「サブプライムローン」を購入していました。しかし、サブプライム危機によって、それが一気に不良債権となってしまった わけです。 一部の銀行では、何千億、何兆円規模の損失を被って、公的資金を入れないといけないという問題が出ました。

 2つ目のショックは、ヨーロッパ全体の住宅バブルが崩壊したことです。実は、アメリカだけでなくヨーロッパも住宅バブルだったのです。 一部の地域で は、住宅価格がアメリカよりもっと上がっていました。それが、崩壊してしまったのです。スペインなどは、その影響を最も受けています。

 そして、さらに3つ目のショックがやってきました。それは何かというと、「東欧ショック」です。
ヨーロッパは、金融立国としてもうけていこうとしていました。イギリスなど、その典型ですね。金融は簡単にもうかるので、その他のヨーロッパの国々も金融 依存度を高めていきました。
 そして、通貨がユーロに統一されたことと、ユーロがじゃぶじゃぶにあったことから、「新興国にユーロで貸そう」という話になりました。
 このように、貸付が膨大に出て、西欧諸国はどんどん金融依存度を高めていきました。しかし、金融危機により、それの状況が一気に逆転してしまったので す。
 先ほどもご説明したように、この影響で、アイスランド、アイルランドなどは早々に国自体が破綻してしまいました。

 まだ、破綻が出るかもしれません。バルト三国は、実質破綻状態です。ポーランドは次に厳しい状態です。
このように今、ヨーロッパの金融界は、1、サブプライム 2、住宅バブルの崩壊 3、東欧諸国への貸し付けの問題の3重苦なのです。

一触即発の世界経済
 ヨーロッパの金融は、ものすごく大変な状況です。それを、日本ではあまり報道されていません。しかし、『ニューズウィーク』などのアメリカのビジネス雑 誌では、このヨーロッパの話題が頻繁に出ています。

 日本はもちろんのこと、アメリカや中国だけでなく、ヨーロッパの実体経済も深刻な不況です。そして、それを支える金融も大変な状況なのです
金融のことは、ほとんどの人が直接関係していません。多くの人は、毎月給料が出ていれば、マクロ経済のこと、特に金融のことなど気に留めないからです。し かし、世界の金融は、いまだに一触即発の状況なのです。

 だから私は、今は株を買いません。その理由は、日本の企業業績が非常に悪く、今期の予想も含めてこれからどんどん発表されることと、先ほどから述べてい るように、世界の金融がいまだに極めて不安定で、大変な状況だからです。株で資産運用をしている人は、景気の動向に注意をしたほうがいいでしょう。

 ただ、何度も申し上げていますが、やはり「底は打ったかな」という気がします。ただし、金融危機が再燃しないという前提です。しかし今回の“底”は非常 に深いので、しばらく底を這うでしょう。

2.「ケータイのせいで○○が売れなくなった」という言い訳(4.23  nikkeibp)
渡辺 健太郎
 ディー・エヌ・エー(DeNA)の「モバゲータウン」の成功をきっかけに、ケータイメディアのコンテンツ無料化の勢いが止まりません。  グリーは2009年4月10日、2009年6月期(単体)業績予想の上方修正を発表しました。売上高を112億2000万円から128億円、経常利益は 65億3000万円から72億6000万円、当期利益は35億円から38億7000万円に修正しました。会員数の伸びが好調であることに加え、会員一人当 たりの収益も伸びているとのことです。

 ケータイメディアの最大手はDeNAのモバゲータウン、続いてミクシィの「mixi」、グリーの「GREE」と続きます。モバゲータウンはケータイ専用 のメディアですが、mixiやGREEはパソコンのSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)からスタートしたサービスです。

 mixiは2007年8月にケータイからのアクセスがパソコンからのアクセスを超え、その後もケータイ向けは一貫して伸び続け、今ではパソコン向けサイ トの2倍に迫る勢いです。GREEも2006年にKDDIと提携したことを契機に、ケータイでの会員数が大幅に増加。今年の4月には1000万人を突破し ました。

 パソコン向けサイトから始まり高い知名度を誇るmixiやGREEですが、ケータイにおける人気サイトとしては珍しい生い立ちといえます。例えば、 「Mobile Space」「魔法のiらんど」「フォレストページ」「@peps!」「ポケットスペース」といったケータイサイトは ご存じでしょうか。

 これらはいずれも無料のホームページ作成サービスからスタートしました。ケータイサイトはアクセスランキングの上位を無料ホームページ作成サービスが占 めているのが特徴なのです。いずれもメーンのユーザー層が10代であるために、カテゴリーやコンテンツには10代向けのものが並んでいます。

 例えば、魔法のiらんどには「スクール:ミンナの進路相談室」「図書室:ケータイ小説ならココ」「恋バナ:恋スル女子集まれ」「ブカツ:マネージャーも 集合」といった 中高生が興味を引くようなコンテンツが並びます。

  これらのケータイサイトを利用したことがない世代にとっては未知の世界でしょう。しかし、実際にサイトに並ぶコンテンツの大半は進路の悩み、恋愛相 談、部活動、そして音楽や小説(ケータイ小説ですが)など。ケータイは新しいメディアですが、そこで求められているコンテンツは今も昔もそれほど変わって いません。 

 よく「ケータイの出現で若者は○○を買わなくなった」という言葉を耳にします。ただ、実際には10代の若者が興味や関心を持つコンテンツには変化がな く、接触するメディアが変わっただけではないでしょうか。

 興味や関心の方向自体が変わったのではなく接触するメディアが変わっただけという仮説に立つと、ケータイのせいでモノが売れなくなったという考えは大き く間違っているように思えます。ケータイは決して競合するものではなく、メディアとして利用するものであると発想を転換するだけで、今まで見えなかった チャンスが生まれてきます。

 実際にケータイの世界では「ケータイ小説」「ケータイゲーム」など新しいカテゴリーが次々と誕生していますが、そこで売り上げを上げているのは伝統的な 出版社やゲーム会社ではありません。新しい企業が台頭してきています。そして、逆に言えば接触するメディアの変化に気付かず、対応できていない既存勢力は 売り上げやシェアを落とす危機に陥ります。

 ケータイを競合視すべからず。新しいメディアであるケータイの可能性を見て、この分野のマーケティングを真剣に考えてみると新しい市場を切り開くきっか けになるのではないでしょうか。

3.iPhone向けのアプリケーション、9カ月間で10億回ダウンロードされる (4.24 nikkeibp)
 アップルは2009年4月24日、携帯電話機「iPhone 3G」向けのアプリケーション配布サービス「App Store」で、アプリケーションのダウンロード数が10億に達したと発表した。2008年7月11日のサービス開始から287日目で達成した。換算する と、全世界で1日当たり約348万回、1秒当たりでは約40回ずつダウンロードされ続けたことになる。App Storeは、iPhone 3Gやパソコンからアクセスし、ダウンロードしたアプリケーションを簡単にインストールできる工夫がある。

 国内で、最も多くダウンロードされたアプリケーションは、有料版では無線LANのアクセスポイントを探し出す「WifiTrack」、無料版では3Dで 地球の衛星写真が見られる「Google Earth」。一方米国では、有料版がゲームの「Crash Bandicoot Nitrro Kart 3D」、無料版がソーシャルネットワーキングサービスのクライアント「Facebook」だった。

 App Storeと同様のサービスは、ライバルメーカーも開始したり準備を進めたりしている。米グーグルは「Android」ケータイ向けの「Android Market」を2008年10月に開始済み。フィンランドのノキアは5月に同社製品向けの「Ovi Store」を、米マイクロソフトも年内にWindows Mobileを搭載した携帯電話機に対応した「Windows Marketplace for Mobile」を開始する見込みだ。


4.マッキンゼー,大企業のクラウド移行に「待った」(4.23 ZDnet)
   今の時代,何でもかんでもクラウドへと移行している。
 こんな風に感じてしまうこともあるが,実はこれは事実ではない。クラウドコンピューティングは誰もが口にするバズワードとなり,ありふれたものと化し た。

 ところがMcKinsey & Co.は最新の調査結果の中で,多くの大企業にとってクラウドモデルの採用は採算の合わない過ちになると述べている。調査結果は先週,Uptime Instituteが資金提供するシンポジウムで発表された。Uptime Instituteはデータセンターの効率化に関する事業を手がける。

 McKinseyのリポート「Clearing the Air on Cloud Computing(クラウドコンピューティングに立ち込める暗雲を吹き飛ばすが転じて,クラウドコンピューティングの誤解を解くの意)」では,一般的な 企業データセンターをクラウドに移行すれば,コストが2倍以上に膨れ上がると結論付けている。調査ではクラウドコンピューティングにアウトソースした場合 のコスト算出モデルとしてAmazonの有名な「Web Services」を利用している。McKinseyによると,データセンター機能にかかる総コストは従来のデータセンターが1CPUあたり150ドル/ 月であるのに対して,クラウド化すると366ドルになるという。

 クラウドへの移行の結果として削減できる労働力についても大袈裟に喧伝されており,企業ソフトウェアのケアやユーザー支援などは依然として労働力もコス トも要するのが実態である。
 これは換言すれば,クラウドでコストが削減できるというのは誤解であるということ(さらにリポートでは,減価償却費の計上による税務上のメリットを享受 できることから,ほとんどの企業にとってハードウェアを所有するのは得策だと述べている)。

 その一方で,売り上げ5億ドル以下の中小企業にとってはクラウド化はメリットがあると,McKinseyは述べる。

 調査では,経費をさほどかけずに効率性を上げられるとして,IT専門家たちは仮想化に取り組むべきであることを示唆している。McKinseyによれ ば,データセンターのサーバ稼働率は平均10%だが,仮想化を取り入れれば簡単に18%になるという。さらに積極的に仮想化を取り入れれば,稼働率は 35%に到達するともリポートには書かれている。

 IBMはリポートに対し,以下のような反論をしている。

 このリポートからは,大企業はデータセンター事業のすべてをAmazonのパブリッククラウドにアウトソースするわけではないという視点が抜け落ちてい ると,IBMは考えている。ワークロードが違えば,求められるサポートも違ってくる。またクラウドモデルに移行すべきでないアプリケーションというものも ある。

 むしろIBMは,多くのクライアントがパブリック,プライベートの両方のクラウドモデルを組合わせて採用することで,ビジネスレジリエンシーや情報保護 サービス,コラボレーションサービスといった特定アプリケーションなどの既存のリソースを有効活用している。IBMの調査によると,クラウドコンピュー ティングは企業内のオフィススペースを最大80%,消費電力や冷却コストを最大60%カットし,資産活用を3倍に向上させ,所有する資源の効率活用を可能 にする。季節的な影響を受けるなどワークロードが変動しやすいタスクにおいてはあふれた分をクラウドにまわすこともできる。これも,非効率性をなくしコス トを削減するうえで魅力的な点だ。


5.佐賀銀行がユニシス製Windows勘定系の稼働を延期、委託費の協議がまとま らず (4.24 nikkeibp)
 佐賀銀行は2009年4月24日、5月6日に予定していた日本ユニシス製オープン勘定系システム「BankVision」の稼働を延期すると発表した。 稼働後の運用保守アウトソーシングについて、委託先である日本ユニシスと契約金額の協議がまとまらなかったという。今後の稼働時期は「未定」(佐賀銀行総 合企画部)。

 日本ユニシスがシステム稼働後の運用保守費について値上げを要求。佐賀銀行がこれに応じず、アウトソーシング契約を結ぶことができなかった。佐賀銀行 は、契約締結前に新システムを稼働するのは適切ではないと判断。稼働の延期を決めた。

 佐賀銀行と日本ユニシスによれば、新システムの開発は工程どおり進みすでに完成しているという。移行などの準備作業も順調で、「技術面での問題はない」 (日本ユニシス広報)。

 新システムが完成しているにもかかわらず、稼働後の運用保守契約を締結できずに稼働を延期するケースは珍しい。佐賀銀行は切り替えに伴い5月の連休に ATMの運転を休止する計画だったが、予定を変更して通常通り運転する。


 
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