週間情報通信ニュースインデックスno.703   2009/04/18

1.名リーダーに共通する3つの要件(4.17 nikkeibp)
御立 尚資
変革を成功させるリーダーシップとは
 リーダーシップ論の専門家であるハーバード・ビジネス・スクールのジョン・P・コッター教授は、組織変革を実現するための「10の教訓」の中の1つとし て、「20世紀の歴史とその時代に培われた企業文化の影響を受けた人々は、大変革を実行しようとする際に、皆、同じような過ちを犯す」ということを挙げて いる。

 これは、日本でよく言われる「調整型のリーダーは、変革期に向かない」ということとは少し異なる。彼は「意義ある変革を成功に導く原動力は、リーダー シップであってマネジメントではない」としたうえで、ハイアラーキーの中での権威と権限で組織をコントロールする(20世紀型の)マネジメントは、ビジョ ンの作り込みとインフォーマルな人間関係をも徹底的に駆使する変革型リーダーシップと相容れないと主張しているのだ(『リーダーシップ論―いま何をすべき か』ダイヤモンド社刊より)。

 大部分の組織が変革を必要としていると考えれば、(少なくとも21世紀初頭という時代においては)個々の組織の個別性を超えた「やや普遍的」な話だろう し、もっと長い時間軸で組織や社会が変革期と安定期を繰り返していると考えれば、「ややコンテクスチュアル」だとも言えよう。

 私自身は、金融危機という「波」にもまれながら、一方でまるで「潮流」のような本質的変化にも洗われている企業のリーダーに必要な要件として、少なくと も以下の3つのようなことがあると考えている。

 1. 先が読めない状況の中で、組織の中にはびこりがちな不安感を払拭できる「明るさ」
   
 2. 一方で、短期、中期、長期といった複数の時間軸を見渡しながら、冷静に状況を判断し、「深く読むべきこと」と「読んでも仕方のないこと」を切り分けられる 「ウィズダム(wisdom=知恵)」
    
 3. 自らとタイプの違う異質の人材を活用し、さらに自分の目的達成だけではなく部下の自己実現を支援することで、より強いモチベーションを持ったチームを作り 上げ、動かしていける「懐の深さ」

2.なぜ誰もデフレの危機を叫ばないのか(4.14 nikkeibp)
経済アナリスト 森永 卓郎氏
 3月27日、総務省が2月の消費者物価指数を発表した。市況の影響を受けやすい生鮮食品を除くと、前年同月比は1月に続いて0.0%。昨年12月以来、 0.2%、0.0%、0.0%と3カ月連続でほぼ横ばいを記録した。

スーパーでも量販店でも叩き売りが始まっている
 冒頭で、2月の消費者物価指数は0.0%と書いたが、だからといって物価が安定して安心だというわけではない。なかでも注目すべきなのは、前月比の推移 である。総務省が発表した数字を見ていくと、昨年10月以来、-0.2%、-0.8%、-0.5%、-0.6%、-0.1%と、一貫して下落を続けてい る。これは、尋常ではない数字である。

 本来ならば、消費者を苦しめ、景気後退を招いた物価高が終結したことは、歓迎すべきことといいたいところである。だが、それを手放しでは喜べない状態な のである。物価高終結が、即デフレ突入の入口になろうとしているからだ。

 デフレ突入を予感させるのが、小売店における大バーゲンセールである。もはや、それはバーゲンを通り越して叩き売りの様相を呈している。
 3月18日、イトーヨーカ堂は全国175店舗で、合計2600品目の商品の一斉値下げを実施した。まさに過去最大級のバーゲンセールだが、同じようなこ とはイオンや西友でも行われている。西友に行くと、豚ロース肉100グラムが90円台で売られているのを見た。同社では、円高による輸入コスト削減に加え て、親会社の米ウォルマート・ストアーズの調達網を活用したとしているが、もうこれは叩き売りに近い価格である。

 事情は量販店でも同じだ。先日、わたしは32型の薄型テレビを購入したのだが、トップメーカーの製品が値切りもせずに7万円というのでびっくりした。以 前買った同様の製品は、そんな何年も前ではないのに30万円前後はした。さらにタイムセールで、ブルーレイレコーダーが4万9800円で販売されていた。 確かに、年度末の決算を控えて安くしたという側面もあるだろうが、それにしても安すぎる。

 何度も繰り返すようだが、今こそ本格的なデフレ対策を講じるべきときだ。まだ、ぎりぎり消費者物価がほぼゼロで推移している、これがストンと落ちる前に 動かないでどうするのかと言いたい。そもそも、前回のデフレの最大の教訓というのは、対応が遅れたことによって長期化したことではないのか。

 ところが、政府も日銀も、あれほど痛い目を見たデフレの恐怖を忘れたのか、たいした手を打とうとしないのは解せない。ここで、思い切った財政出動や金融 緩和をすれば、きれいな着地ができるかもしれないのに、どうもそれが分かっていないようだ。

 マクロ経済嫌いのメディアやエコノミストは、財政出動や金融緩和を、あたかも時代遅れの政策であるように批判する。確かに、財政出動と金融緩和さえ実施 すれば、それで十分というわけではない。だが、何をするにしても、まずは不況脱出の手がかりとして、財政出動と金融緩和という最低限の政策は絶対に必要な のである。応急の手当てもしないうちに、ああだこうだといっても、体力をどんどんと消耗していくだけだ。

 前々回も触れたが、中国はGDP比で15%の財政出動によって景気失速を防いでいる。それに対して日本のこれまでの財政出動はGDP比2%に過ぎない。

3.「日本でユニファイドの市場を作る」、富士通とシスコが提携会見で強調(4. 16 nikkeibp)
 富士通とシスコシステムズは2009年4月16日、ユニファイドコミュニケーション(UC)分野での提携を発表した(関連記事)。会見には富士通から経 営執行役常務でネットワークサービス事業本部長の川妻庸男氏とネットワークサービス事業本部プロダクト企画事業部長の鍋田政志氏が、シスコからは日本法人 社長兼最高経営責任者のエザード・オーバービーク氏とUC マーケットディベロップメント バイスプレジデントのリック・マッコーネル氏が出席した。経験での主なやり取りは以下の通り。

今年度中に計画しているグローバル展開はどういう形になる。
川妻氏 今はあまり詳しく語れない。実際にグローバルスタンダードが通用する領域と、各国ごとのローカライズが必要な領域がある。マーケットがある程度大 きいところをシスコと討議しながら決定する。富士通としてはサーバー事業で既にグローバル展開している。UCではグループウエアなどのアプリケーションと の連携に価値があるとみている。

既存のPBXユーザーは今後はUCに誘導していくのか。
川妻氏 今使っていただいているPBXを無理やり置き換えるつもりは全くない。むしろ選択肢を一つ増やしたという認識だ。当然ながら、音声だけで十分だと いうお客様もいらっしゃる。ただ、ある程度多数のPBXを導入している顧客は10年、20年近くも利用し続けている。そういうお客様がもう一度、従来型 PBXを購入して20年後も使いつづけるのかというと少し疑問だ。そうしたことを含めてお客様とお話ししていきたい。

富士通は既にIP-PBX製品として「IP Pathfinder」を提供している。今回の提携は、今後のIP-PBX製品戦略にどう影響する。
川妻氏 今後はシスコのUnified Communications Manager(Unified CM)と合わせて2系統の製品を提供することになる。当社にはそれくらいの体力はある

4.NTTコムとMSがIP電話で提携、利便性向上とコスト削減打ち出す(4.15  nikkeibp)
 NTTコミュニケーションズとマイクロソフトは2009年4月15日、共同で企業向けのIP電話サービスを展開していくと発表した。8月以降、NTTコ ムのIP電話サービス「.Phone IP Centrex」と、マイクロソフトの統合コミュニケーションソフト「Office Communications Server 2007」(OCS)を連携させた新機能を打ち出す。不在時の電話取次の手間を減らす利便性の向上と、定額の携帯電話転送サービスなどによる通信コスト削 減を訴求する。

 .Phone IP CentrexはNTTコムの通信網を利用した広域の通信サービス。内線電話番号で相手を選択して通話できるほか、取引先などへの外線発信もできる。 OCSはプレゼンス情報を使ってLAN内でのIP電話、インスタントメッセージ、ビデオ会議を使い分ける。いわゆる「ユニファイドコミュニケーションシス テム」である。両者の強みを組み合わせることで、OCSの機能を広域に拡張して使えるようにする。

 今回の取り組みは2008年12月にNTT持ち株会社とマイクロソフトが締結した戦略的協業検討の一環として実施した。

5.NTT東西がNGN利用VPNサービスを拡充、回線速度を高速化(4.16  nikkeibp)
 NTT東西地域会社は2009年4月16日、NGNを利用したVPNサービス「フレッツ・VPNゲート」のサービス品目を拡充すると発表した。(1)ア クセス回線に「フレッツ光ネクスト ビジネスタイプ」を追加、(2)センター回線に10Gビット/秒の品目を追加、(3)センター回線に「局外接続」メニューを追加――の三つが今回の変更 点。これまでよりも高速なWANを構成できるようになった。

 フレッツ・VPNゲートの顧客は、サーバーをセンター回線に接続し、拠点側には「フレッツ光ネクスト」を導入する。アクセス回線に追加したフレッツ光ネ クスト ビジネスタイプは、通信速度が最大1Gビット/秒でNGNで最も高速なアクセス回線サービスである。従来は最大100Mビット/秒のファミリータイプかマ ンションタイプしか選択できなかった。

 センター回線の品目追加は高速化とサーバー設置可能エリアの拡大が狙い。まず、10Gビット/秒の回線の追加は高速化が目的だ。従来は1Gビット/秒ま での回線しかなかった。

 局外接続メニューの追加はエリア拡大が狙いだ。従来はNTTビル内にサーバーをハウジングするか、NTTビルから半径2km以内という条件でセンター回 線を引き込むかしか選択肢がなかった。新たに追加した局外接続では県内全域にセンター回線の接続可能エリアを広げる。

 料金は回線品目や拠点側のエリアの広さによって異なる。新たに追加した10Gビット/秒のセンター回線品目では、県内限定で基本額は161万円(税別、 以下同)となる。このケースではNTTビルにサーバーをハウジングしている。基本額では通信速度1Gビット/秒のセンター回線となり、1Gビット/秒加算 ごとに90万円が上乗せされる。


 
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