週間情報通信ニュースインデックスno.702   2009/04/04

1.ライフボートメーカーの工場に日本再生のヒントあり(4.10  nikkeibp)
 「こんにちは」。社員たちが作業帽を取って、礼儀正しく私に挨拶してくれる。大阪郊外の救命艇メーカーを訪れた時のことだ。
 最近、極端に潮気の抜けてきた私は、救命艇関係の小規模の仕事を引き受けることにした。どんなに小さな仕事でも、現場と現物を見ないで引き受けることは できない。だから、学生たちを社会へ送り出しつつ新年度の準備をする3月に時間を見つけて、その救命艇メーカーを訪れたのだ。

 年商は15億円ほどで、設計が10人弱、製造が三十数人という小さな企業である。たった60分間、工場と製品を見学しているうちに、10人ぐらいの現場 の方と挨拶した。下を向いて作業していて、工具を使っている人には余裕はないのだが、そういう状態でなかったら、すべての人たちと初見参の私は丁寧な挨拶 を交わしたことだろう。こんな工場に出会ったのは初めてだ。

素晴らしい笑顔、素晴らしい現場力

 彼らの作った製品の品質は世界一と言えるのではないか。製品を見なくても、彼らの笑顔と現場を見ればそれが分かる。
 救命艇はガラス繊維を成形・接着して作る。そのため工場の環境はガラス繊維が飛び散ったりして良くない例も多いのだが、ここは全体が整然としていて複合 材料を扱う工場とは思えないくらいだ。日本の現場力の強さの典型を見た思いだった。もちろん素晴らしい現場力は、素晴らしい経営者と素晴らしい社員のハー モニーが作り出すものだ。

宇宙船のようなカプセル式の救命艇

 十数年前から登場してきたのが、自由落下式の救命艇である。カプセルというか宇宙船のようなボートになっていて、乗員が乗り込んで海に落下して着水し、 どんな波の中でも安全なように造られているのだ。

 この自由落下式の救命艇を製造販売しているのが、冒頭の大阪郊外の中小企業である。
 私はこの自由落下式救命艇の開発を少しだけお手伝いしようと思ったのだ。

 自由落下式ということは、ただ単にボートを海に落とせばいいのだから簡単なことに思えるかもしれない。しかし、結構難しいのだ。人は重力の5倍ぐらいの 加速度がかかると死に至る損傷を受ける人が出てくる。だから、救命艇が着水する時、これぐらいの加速度というか衝撃の強さ以下に抑えなければならない。

 船は大きい。だから救命艇を設置する位置は水面から10メートルのこともあるが、高くなると40メートルにもなる。高さ10メートルの飛び込み台から プールに飛び込める人は少ない。でも、大型商船では水面からもっともっと高い所に人が乗っているのだ。

飛び降り自殺にならないための技術開発

万一の時、こんなに高い所から脱出するのは大変なことなのだ。事故からの脱出が飛び降り自殺になっては全く意味がない。このための技術開発を行っているの がこのライフボートメーカーなのだ。

 いい仕事をしている企業があって日本の健全性が保たれている。素晴らしい人たちが日本の隅々にいるのだ。これが日本の力の一番大切な部分だと思う。私も 少しでもお手伝いできればうれしいと思った。  こんな中小企業力、現場力、素晴らしい日本人の特性を生かすのが経営力だと思う。  単に見学しているだけの私にきちんと挨拶してくれる、素晴らしい現場の人たちを生かす経営が日本の課題だと思う。日本再生のための現場力は健全だ。経営 力を高めよう。

2.それは先入観ではないか」と考えてみることの大切さ(4.7  nikkeibp)
株式会社武蔵野 社長 小山 昇氏 手で見て、口で聞いてリアルな情報を収集せよ
 わたしは「真実は現場にしかない」が口癖です。お客様は何を期待しているか。営業の最前線で頑張っている社員は誰か。こうしたことは、社長室では絶対に 把握できません。現場に行って見聞きするしかない。それを知るのは社長の仕事です。昨年、朝から晩まで会社にいたのは1日しかありませんでした。経営方針 を決める上で、精度・鮮度の高い生の情報が必要です。現場で起こっていることを知らないで、また知ろうとせず、稟議を無条件で決裁するだけの社長は、遠か らず会社を潰します。

 現場で情報を得る場合にはいくつかのコツがあります。ひとつは「目で見るのでなく、手で触って見る」。物置は開けてモノに触る。書類は昨日のを一枚一枚 めくってみる。「社長が営業所に来る」となれば、現場のスタッフは都合の悪い事は隠します。それは当然の人間心理で、一概には責められませんが、経営判断 で本当に大切な情報とは、往々にして「都合の悪いもの」の中にあります。それを探り当てるのは、社長自らの「手」に他なりません。

 もうひとつのコツは、「耳で聞くな。口で聞け」。これもまた当然の人間心理ですが、現場のスタッフが社長に具申する情報は「自分たちにとって都合のいい こと」です。こんなに頑張っています、これだけ新規契約を取りました、云々。しかし、もしかしたら10件の新規契約の陰に20件の解約があるかもしれな い。これは社長が質問しない限りは、その場ではなかなか明らかになりません。

 思考の硬直化は、経営上の大きな敵です。それは過去の成功体験に安住して改革・改善を怠り、いつしか傾いていくパターンです。「真実は現場にしかない」 は、「現場に行けばすべてOK」ではない。社長が真実を拾う作業を怠るのは、社長室でふんぞり返って「よきにはからえ」で済ますのと同じ愚です。

3.携帯活用の住民サービスに1億5000万円、総務省が提案募集(4.10  nikkeibp)
総務省は2009年4月10日、携帯電話を活用した新たな地域住民サービスの創出を狙う「ふるさとケータイ創出推進事業」の公募を開始した。5月15日ま で全国の市町村からの応募を受け付け、6月下旬にも事業の委託先を決める。09年度の予算は1億5000万円。総務省は3件程度の選定を想定しているとい う。

 総務省が想定する住民サービスは医療、介護、健康、安全など。委託先となる市町村または協力会社が仮想移動体通信事業者(MVNO)となって、地域住民 に通信サービスと付加サービスを合わせて提供する。総務省は本事業を通じて地域の活性化を図りたいとする。

 なお、2008年にも同事業の公募を行っており、有害鳥獣対策や緊急通報、農村支援など4件の応募があった。今回はその第2弾に当たる。

4.NECがOSSミドルウエアのサポートを拡充(4.10 nikkeibp)
 NECは2009年4月10日、オープンソースソフト(OSS)のミドルウエアに対するサポートを拡充すると発表した。OSSの運用管理ソフト 「Hinemos」を使ったシステム構築や保守サポートを始める。ノベルが提供する「SUSE Linux」で動くOSSミドルウエアのサポートも開始する。サポート範囲の拡大で、安価なOSSの利用を望む顧客の要望に応える。今後2年間で2億円の 売り上げを見込む。

 新たにサポートするHinemosは、NTTデータが中心となって開発している国産のOSS。ジョブ制御やサーバー性能監視など、商用製品に迫る機能を 備える。精緻な運用管理が必要な大規模システムにOSSを使う動きが出てきたのに合わせて、NECはサポートを開始する。システム構築にHinemosを 使うほか、稼働後の問い合わせ対応サービスや障害対応サービスを提供する。

 SUSE Linuxで動くミドルウエアとして、Tomcatなど22種類をシステム構築で利用する。うち16種類は保守サポートサービスも提供する。 HinemosのSUSE Linux対応も進める。今年7月をめどにエージェント機能とマネジャー機能のSUSE版をNECが独自開発する。両機能は現在、Red Hat Linux版しかない。

5.社内システムとGmailにシングルサインオン、日本HPなど3社が提供(4. 8 nikkeibp)
 日本ヒューレット・パッカード、エクスジェン・ネットワークス、サイオステクノロジーの3社は2009年4月8日、Gmailをはじめと するグーグル製SaaS「Google Apps」のIDを社内システムのIDと統合管理するソリューションを発表した。社内システムと同様に「Google Apps」にシングルサインオンできるようになる。ID/パスワードの管理負荷やセキュリティリスクが減る。同日から提供を始める。

 日本HPのシングルサインオン・ソフト「IceWall SSO」とエクスジェンのID管理ソフト「LDAP Manager」、サイオスのGoogle Apps用シングルサインオン・ソフトの連携で実現する。サイオス製品だけでも社内システムとGoogle Appsへのシングルサインオンは可能だが、その場合はIDとパスワードをすべて統一する必要があった。このため企業への導入は現実的ではなかった。そこ でシステムごとにIDとパスワードを設定してシングルサインオンができるよう3社が手を組んだ。

 価格は個別見積り。3社共同で拡販する。今後はグーグル以外のSaaSへの連携も検討する。


 
 ホームページへ