週間情報通信ニュースインデックスno.698   2009/03/14

1.中村修二の怒りの矛先(3.13 nikkeibp)
 中村修二教授は、やはり吼えていた。久しぶりにお会いしたのだが、日本というか日本的システムというか、そんなものに対する不満は一向に 解消されていないらしい。

 いつまでたってもよくならない技術者の処遇、「みなそうなんだからいいじゃない」と一向にその改善に乗り出す気配を見せない企業の姿勢、その低評価に甘 んじる技術者たち、技術者が自立しにくいビジネス環境・・・。まあ、いつもの主張ではあるのだが、何度聞いてもつい引き込まれてしまうのは口舌の熱さゆえ か。そんななかで、改めて考えさせられることがあった。「日本は差別国家である」という主張で、以前からよく話されていることなのではあるが。

 差別と聞いて多くの人がぱっと思い浮かべるのは、人種や性差、ハンディを持つ人に対するそれであろう。けどそれらに関しては、さすがに徐々にではあって も改善しつつあるのではないかという。では何が問題か。その典型例として彼が指摘したのが「年齢差別」というものだった。言われてみてはっとしたのは、私 自身、それを深刻な差別問題として認識したことがなかったからである。先日配信された宋文洲さんのメルマガの一節に「一番酷い差別は社会に受け入れられる 公然な差別であり、差別と気付かない差別です。差別は確実に社会の活力を蝕むのです」とあった。ひょっとしてそれが、これなのか。

60歳を過ぎたら名誉職
 身近な例として中村教授が挙げたのは、二人の大学教授に関する話である。
「A先生は日本でも有名ですよね。もちろん世界的にもその業績は高く評価されているんです。けれど、かなり以前に研究の第一線を引き、研究とはあまり関係 のなさそうな名誉職などを務めておられる。ちなみに同年代で、長年A先生のライバルと目されていた先生が私の大学(カリフォルニア大学サンタバーバラ校) にいるんですよ。評価はA先生に比べれば少し下だったかもしれません。けど、ベンチャー企業を何社も立ち上げて、すごい豪邸に住んでいる。しかも、A先生 がいなくなってしまったものだから、今や文句なしの第一人者。70歳をとっくに過ぎていると思うんですが、意気軒昂そのもの。先日も、最近一つ会社を潰し てしまったからまた新しい会社をつくるんだなんて息巻いてましたよ。ほんと元気」

 中村教授は、A教授だってもっと研究を続けたかっただろうという。けれど、日本の大学には定年というものがあり、それは許されない。ところが米国の大学 には定年というものがないらしい。いくつであっても、本人が望み大学が認めれば現役であり続けることができるのだという。「能力と年齢はまったく別のも の。それなのに、どんなに能力が高くても60歳になれば辞めさせられるのが日本です。ちっとも能力がないのに若いというだけで居続けられる人がいるのに。 おかしいと思いませんか、いや、ぜったいにおかしいですよ」。

2.「定年まで今の会社で働く」3人に1人、50代と20代で低い傾向(3.13  nikkeibp)
 NTTデータ経営研究所がビジネスパーソンに行ったアンケート調査によると、現在の会社で定年まで働き続ける意向がある人は32.7%だった。年齢別に みると20歳代は11.2%、30歳代は31.6%、40歳代は44.4%と、年代が上がるにつれ定年まで勤めるという割合が高まるが、50歳以上になる と26%に下がった。不況下で雇用の先行きに不安を感じている中高年が多いと同研究所は推測している。

 従業員規模別にみると「5000人以上」の企業では定年まで勤めるという人が42.2%を占めるが、「300人未満」の企業では26.8%と差がみられ た。

 どのような境遇になれば転職を考えるか聞くと「会社の将来に不安を感じたとき」という回答が49.0%で最も多く、次いで「会社の処遇・勤務条件が悪い と感じたとき」が45.0%だった。

 ビジネスパーソンの60.9%は現在の仕事の内容に満足しているが、年収については57.8%が不満を持っている。年収がいくら増えれば満足できるか尋 ねたところ「100万円以上200万円未満」が36.0%で最も多かった。また現在の会社で年収が減少した場合、どのくらいまで耐えられるか聞くと、 「50万円未満」とする割合が68.7%で圧倒的に多かった。

3.データセンターの新たな省エネ指標が必要(3.13 nikkeibp)
 「グリーンITの2本柱は,IT製品の省エネ化と,ITを活用した社会全体の省エネ化である」――。2009年3月13日,「グリーンITフォーラム」 の特別講演にグリーンIT推進協議会の朽網道徳氏が登壇。朽網氏が委員長を務める同協議会 調査分析委員会の活動を紹介した。

  朽網氏は「グリーンITの取り組みには『OF IT』と『BY IT』の2つがある」と説明する。OF IT(Green of IT)とは,サーバーやストレージ,エアコンや照明など,IT・エレクトロニクス機器自体のCO2排出量を削減すること。BY IT(Green by IT)は,TV会議システムや電子ペーパーなどのITを導入することで,社会全体のCO2排出量を削減することである。朽網氏ら調査分析委員会のミッショ ンは,OF ITとBY ITの省エネ効果の評価指標(モノサシ)をそれぞれ確立し,グリーンIT全体の中長期的な効果を予測することだ。

 調査分析委員会が最も注力しているのは,データセンターの省エネ指標の確立だ。「将来的に電力消費量の大幅な増加が見込まれる分野であり,専用の省エネ 指標が必要だ」(朽網氏)。現在,データセンターの省エネ指標として,PUE(データセンター全体の消費電力/IT機器の消費電力)が広く採用されてい る。

 しかし朽網氏は,「PUEは,照明や空調など,データセンターのファシリティしか評価していない」と指摘する。ファシリティの省エネ性能だけでなく, IT機器の省エネ性能,太陽光発電や風力発電などの自然エネルギーをどれだけ活用しているか,廃熱の再利用率,仮想化技術を使った運用面での省エネ化など も評価できる新しい指標が必要だというのである。

 調査分析委員会が検討しているのは「データセンター電力効率指標(DPPE=Datacenter Performance Per Energy)」という指標だ。データセンター電力効率指標は,(1)有効活用電力効率,(2)IT機器電力効率,(3)ファシリティ電力効率,(4)グ リーン電力効率の4つの要素を含んだ関数で表わされる。

 (1)有効活用電力効率は,潜在的なデータセンターの能力のうち,どの程度利用できているかを表す。(2)IT機器電力効率は,データセンターを構成す るIT機器の総能力をIT機器の総消費電力で割った値(データセンター能力/IT機器の消費電力)である。(3)ファシリティ電力効率は,データセンター の総消費電力とIT機器の消費電力との割合(IT機器の消費電力/データセンターの総消費電力)を示す指標で,前述のPUEの逆数になる。(4)グリーン 電力効率は,データセンター内での自然エネルギーの活用率を表す([データセンターの総消費電力]/[データセンターの総消費電力−グリーン電力])。

4.NTTドコモがMVNO向けのレイヤー2接続を開始,メニューを約款に反映 (3.13 nikkeibp)
  NTTドコモは2009年3月13日,MVNO(仮想移動体通信事業者)向けのレイヤー2接続に関するメニューを接続約款に 追加した。これにより,MVNOはNTTドコモとレイヤー2接続が可能になった。
 レイヤー2接続とは携帯電話事業者とMVNOとの間の接続形態の一つで,文字通りレイヤー2(データリンク層)のレベルでネットワークを相互接続するこ と。MVNOはレイヤー2接続により,レイヤー3接続では実現できなかった,(1)接続や切断などのセッション・コントロール,(2)IPアドレスの割り 当て,(3)発信者番号認証や端末認証などを独自に実施できるようになる。

 NTTドコモの接続約款では「FOMA直収パケット接続機能」の「GTP(GPRS tunnelling protocol)接続」と呼ぶメニューになっており,帯域幅課金を採用する。接続料は10Mビット/秒までの場合で月額1267万1760円,10M ビット/秒を超える場合は1Mビット/秒ごとに月額126万7176円を加算する(いずれも税別)。別途,「MVNO回線管理機能」や「FOMA直収パ ケット接続装置機能」の使用料がかかる。前者は1回線ごとに月額110円,後者は個別見積もりとする。

5.ビルから端末まで,データセンターを丸ごと最適化--APCジャパン(3.13  nikkeibp)
 「データセンター全体をいかに最適化するかが重要」。2009年3月13日,都内で開催された「グリーンITフォーラム」で,エーピーシー・ジャパンの 有本一ビジネス・デベロップメント部ディレクターが,データセンターのグリーン化に向けた同社のアプローチを説明した。

 電源装置関連製品の専業メーカーである同社は,数年前から「モジュラー型」の製品を提供している。「2003年から標準化とモジュラー型アプローチの利 点を訴えてきた。レゴ・ブロックのように,いつでも必要なだけラックに追加できる。急な変更や拡張が必要になっても,短時間で対応でき,可用性も高まる」 (同)。

 有本氏がデータセンターに起こりがちな問題として挙げたのは,オーバー・サイジングの問題。「データセンターを設計する際には10年,15年先までの需 要を予想するが,結果的にオーバー・サイジングになる例が多い。実際には稼働率が40%程度にとどまっている」と指摘。モジュラー型アプローチの優位性を アピールした。

 APCは,電源やラック,冷却設備などの物理レイヤーを管理するソフト群も提供している。「主要システム管理ソフトとはもちろん,ビル管理のシステムと も連携でき,データセンターを文字通り丸ごと最適化できる」と訴えた。

 
 
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