週間情報通信ニュースインデックスno.697   2009/03/07

1.人と少し変わった“ある力” (3.6 nikkeibp)
鈴木 貴博

僕には昔から、人と少し変わった“ある力”が備わっていた。  それは、使い方によっては非常に便利な力になるはずなのだが、僕にとってはなかなかうまく使いこなすことができない力でもあった。 うまくコントロール できるようになったと自覚したのは40歳代に入ってから――つまりここ数年のことである。  どんな特殊能力なのかというと、どうやら僕は、普通の人には見えない「罠や嘘」が見えてしまう能力を持ち合わせているようなのだ。

 罠や嘘と言っても、大半はささいな話である。例えば、回ってきた稟議案件の“裏側”がすぐに見えるとか、新しい制度の導入説明会で、説明している担当者 の裏事情が透けて見えるとか、そのような話だ。

 「取引先企業から持ち掛けられた、とある投資を行いたい」というような稟議案件の中には、往々にして、投資をしてもこちらが持ち出しになるばかりで、絶 対に見返りが来ないものがある。  起案している担当者自身がそれをよく理解していて、それでも“故意に”投資を提案するようなケースである。貸し借りがあるとか、担当者自身が個人的にそ の分野に関心があるとか、理由は様々だ。  表向きはそのような事情があるという気配すら見せずに、いかに会社にとって意味のある提案なのかを稟議書の中で論理的に提案してくる。

 僕は昔から、なぜかそういった“裏のある話”を人一倍早く察知することができていたのだ。

 「提案の裏を見抜いた!」と言っても周囲は信用しない。「これはだましだ!」と声を荒げたりすれば、逆に周囲に非難されることになりかねない。かといっ てそれに反対しなければ、予想通り後で皆がだまされるのを目にすることになる。それは非常につらい。

 実は僕が持っていた不思議な力とは「不自然なプロットに気付く」能力だったのだ。
 それに気付くきっかけは、僕の趣味である推理小説を読んでいてのことだった。

 推理小説を読んでいても、作者のトリックに僕がすぐに気付くケースと、最後まで犯人が分からないケースとがある。その違いは、作者の伏線の張り方による ということに、あるときに気付いたのだ。僕の目は、どうやら伏線のちょっとした不自然さに反応するようだ。

 例えば、「この時期には、通常であればほとんど乗客がいない寝台列車が、なぜかその日に限って満席だった」などという記述があると、僕の思考がそこで立 ち止まり、偶然ではないように思えてくる。  ビジネスの現場で起きる僕の察知力も、推理小説を読むときの反応と似ていることにすぐに気が付いた。

 経営会議の議題に、さもたいした話でないように不自然に付け足された案件だとか、ざっとした説明しか行わないで、なぜか決議を急いでいる進行だとか。そ ういったものがなぜか僕にはよく目に付いてしまう。発言内容としては別におかしくないのだが、「なぜこの不自然なタイミングでその発言が出るのか?」と いったことがあるとそれが気になってしまう。

 つまり僕の場合は、不自然な「布石」に人一倍敏感に気付く力があるということなのだ。

 少し白状しておくと、僕がやや頭に血が上りやすいという欠点が、状況を悪くしていたようだ。
 僕がこのような状況に対応できるようになったのは、原因が分かったことで3つの体系立った対処法を編み出したからである。

 まずは、相手が何をしようとしているのかをなるべく具体的に推察する。
 次にどのような状況になればそれが周囲にも見えるようになるのかを考える。
 最後に、それが露呈しそうな布石がないかを考える。
 この3点セットで状況はずいぶん好転する。


 相手が何をしようとしているかを推察するのは、問題の大きさを把握するためである。不誠実な話だからといって、いちいち頭に血をのぼらせるのではなく、 それらが本当に頭に血をのぼらせるべき問題なのかどうかをまず検討するわけだ。
 もし警戒が必要だとなると、次のステップに移る。どのような状況になれば、僕以外の人もそれに気付くようになるかを考える。他の人たちもだいたい有能な ので、通常は何かが露呈すれば僕とは違う理由で警戒を始めるはずだ。

 それが見つかれば、3つめの“露呈させるための布石”を打つ作業をすればよい。

 ある種のデータの提出を求めたり、ちょっとした質問をしたり、敵に気付かれないようにこちらも布石を打つ。さりげなく僕ではない第三者を同行させたりす ることも効果があったりする。結果として僕ではない誰かが見てきたことを流布してくれるからだ。

2.第61回:若者に見捨てられた新聞に未来はないのか?(3.7  nikkeibp)
関橋 英作
 新聞の落ち込みが止まりません。1997年に発行部数がピークアウトして以来、微減が続いていましたが、ここにきて、新聞はマスメディアの凋落(ちょう らく)に拍車をかけているように見えます。片翼を担っていた新聞広告費の落ち込みは止まらず、2008年は前年比12.5%減(電通「日本の広告費」)。 インターネットの広告費に追い抜かれるのは、時間の問題となりました。

 またもう一つの凋落の担い手が、20代の若者。過去10年間で、世代別の定期購読率が20代前半で約30ポイント減と言われていますが、ここにきてその 数字はとんでもなく大きくなっているかもしれません。何しろ、麻生首相までが“新聞はしばしば偏っている記事が多い”などと言って、あんまり読まないとま で発言するのですから。

 私は、IT関連などの若い社員の多い会社に行ったときに、新聞について必ず聞くのですが、30人いても定期購読している若者は、わずか一人か二人。クル マに関心のある若者と接戦です。

 こんな時代が来るとは、全く想像ができませんでしたが、それだけ世界は急激に変化しています。何だか、神様がこの辺でリセットして、社会構造を“真新し いもの”に変えようと企んでいるとしか思えません。  しかし、真新しい社会では、新聞の役割はないのでしょうか。新聞は消滅してしまうのでしょうか。

 では、なぜ若者は新聞を読まないのか?理由を考えてみました。
1. ニュースはネットやケータイで見る
2. 定期購読は高い
3. たまると捨てるのが面倒
4. 親父の世代のもの
5. 難しそう
6. どの新聞も同じに見える
7. 読むのに時間がかかる
8. 持ち歩くのにかさばる
9. 仕事に役立つかどうか分からない

 一番やっかいなのは、「ニュースはネットやケータイで見る」のように思えます。ネットの方が早いし、いつでも見られるし。確かにそうでしょう。

 しかし、それは「ニュースを見る」という役割が同じ、という前提に立っています。確かに、新聞は歴史的に最も重要なニュース配信という役割を担ってきま した。テレビが登場して役割に陰りが出始めましたが、映像と活字という分担がうまくできていたのでしょう、大きな危機感には至りませんでした。それに、親 会社が同じということもありましたから。

 しかし、インターネットの出現で、即時性では太刀打ちできず、また利便性という点でも明らかに劣勢に立たされました。その上、20代の若者は、子どもの ころからインターネットに慣れ親しんでいた世代。新聞は古いものという観念が強く、彼らの眼中に入っていません。

 ですから、「ニュースを見る」という意味では、新聞を必要と感じるわけがありません。実際、彼らはニュースを見なくなっているのではなく、見るソースが 変わっただけのこと。米国の調査会社コムスコアによると、「新聞を週に1度も読まない」人でも、ニュースサイトの利用度合いは「週に3〜5回新聞を読む」 人や「週に1〜2回新聞を読む」人たちと比べ、全般的に高いということです。米国の話ですが、基本的な問題は同じですから、参考になるでしょう。

 つまり、ニュースを知りたい、読みたいという気持ちは健在なのです。だとしたら、新聞をネットと同次元で考えていてはいけないということかもしれませ ん。ネットは、新聞離れを引き起こしている元凶ではなく、まったく別のものととらえたほうがよさそうです。

 彼らが新聞を読まない理由は、“新聞の本当の価値を知らない”か、“新聞の読み方を知らない”、こんな単純なことなのではないでしょうか。もちろん、私 の仮説ですが。
 もし、そうだとしたら、“新聞”を教えてあげればいいはずです。新聞の価値は何かを。

 では、新聞の価値とは何でしょうか。
 一つの答えが、新聞は“世の中を瞬時にして俯瞰(ふかん)できる”。つまり、新聞を広げて上から眺めれば、見出しが飛び込んでくるということです。さら に、見出しの大きさで、その記事つまりその出来事の大きさが簡単に理解できるのです。

 ということは、ネットでニュースを読んでいると、自分に関心のあることは詳しくなるが、それ以外のことには無知になるということです。
 ネットは競合する敵ではなく、併用する相手。この考えが必須になるでしょう。

 それから、なぜ新聞はたくさん存在するのか?ここには、新聞の危機と、存在理由が裏腹にあります。
 新聞社は、もちろん違いを表明している、と言うでしょう。問題は、伝わるように表現しているか、伝える努力をしているか。これに尽きます。

 この問題を解決する鍵を、新聞のブランド化ととらえてみたらどうでしょう。歴史的に、新聞は公共的な情報を発信するマスメディアと思われてきましたか ら、ブランドという概念は薄かったのでしょう。

 しかし、ここまで問題が深刻化したら、個々の新聞は自らの個性を打ち出すしかありません。つまり、ブランディングが必要になったのです。

 私のブランドの解釈は、「ブランドとは、競合に対する心理的な差異化要因」。それぞれの新聞が、消費者からどう思われるか。こんなところが好き、なんだ か私の気持ちに合っている。そんな差異化をすることです。

 そういう意識を持って、新聞を作れば、記事を書けば、おのずとブランドとして、消費者に分かりやすくなるはずです。あくまでジャーナリスティックに、ず けずけ言う。エモーショナルに言う。いつも違う提言をする。どんなスタイルでもいいでしょう。それが、ブランドとしての“違い”をつくるのです。

3.Microsoft,次期オフィス・スイート「Office 14」で広告入りの無料版を計画(3.4 nikkeibp)
 
米Microsoft事業部門担当社長のStephen Elop氏は2009年3月4日(米国時間),カリフォルニア州サンフランシスコで開催されたMorgan Stanley Technology Conferenceの場で「2010年のリリース予定の次期オフィス・プロダクティビティ・スイート『Office 14』は,広告対応の無料版を用意する可能性がある」と話した。同氏によると,同社は広告入りバージョンが海賊版対策になると考えているという。

 同氏は「広告は収入源になる。この収入源に海賊版ユーザーを取り込むよい機会だ。こうしたユーザーをWindowsに引き込みたいと考えている。将来の 売り上げ増加につながる可能性がある」と述べた。

 同氏は,もしかしたら2010年に従来型Office 14と同時リリースするWebブラウザ対応オンライン・アプリケーション・サービス「Office Web Applications」のことを指しているのかもしれない。かつてMicrosoftは,同サービスを広告に対応させると発表したことがある(関連記 事:[PDC 2008]Microsoft,次期「Office」はWebアプリ版「Word/Excel/PowerPoint/OneNote」も提供)。ただ し,同社は何年も前からOfficeの新たな収入モデルを検討し,様々な会費制サービスを試行してきた。最近の例としては,先日打ち切りを発表した, 「Office 2007」と「Windows Live OneCare」を一括提供する年額制パッケージ製品「Equipt」がある(関連記事:Microsoft,OfficeとWindows Live OneCareの年額サービスEquiptを4月末で停止)。

 Windowsと同じく,Officeの最大のライバルはもはやライバル企業の競合製品でない。Officeは,米Googleのオンライン・アプリ ケーション「Google Doc」やオープンソース・オフィス・スイートの「OpenOffice.org」などよりも,Office自身の海賊版と戦っている。

4.アマゾンが大阪に物流センターを開設へ、関西地方も即日配送体制を整備(3.5  nikkeibp)
  アマゾンジャパンは2009年3月5日、同社に物流業務サービスを提供するアマゾンジャパン・ロジスティクスが8月初旬をめどに大阪府堺市 に物流センターを開設すると発表した。アマゾンは同センターの開業により、関西地方を中心とした地域で即日配送の体制が整う見込み。

 センターの名称は「アマゾン境FC(フルフィルメントセンター)」(仮)で、所在地は大阪府堺市堺区築港八幡町。延べ床面積は6万7923平方メートル で、アマゾン市川FC(千葉県市川市)の6万2300平方メートル、アマゾン八千代FC(千葉県八千代市)の3万4145平方メートルを上回る規模とな る。

5.最速は池袋?東京の名所でWiMAXをテスト 接続できれば実効速度10Mbpsも可能(3.4 nikkeibp)
 UQコミュニケーションズが2009年2月26日に開始したブロードバンド通信サービス「UQ WiMAX」。評価用のデータ通信端末 「UD01NA」とソニーのミニノート「VAIO type P」を使って、開業6日目の3月3日時点の通信環境をテストした。同社が公開して いるカバーエリアを見る限り、主要な駅は重点的にカバーされていそう。そこで、駅から少し離れたところにある、東京の観光 名所などを回って、転送速度を調べることにした。

サンシャインシティの入口は首都高速やビルに囲まれていて 見通しが悪く、通信環境は良さそうに見えない。  しかし、端末を挿すとすぐに電波をキャッチして接続が完了。認証や接続作業は自動的に行われるため、自宅の無線LANに接続 する感覚で利用できる。速度を計測してみると、最高で下り12.78Mbpsを記録した。Webブラウザーで一般的なサイトを見るには 十分過ぎる環境だ。上り方向の速度も1.16Mbpsあり、ブログを更新するような用途であれば全く問題ないだろう。


 
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