週間情報通信ニュースインデックスno.696   2009/02/28

1.働かずにもうけたい ―― 毒されていく勤労観(2.27 nikkeibp)
松村テクノロジー社長 松村 喜秀氏
 「明日から毎日4000円入金される方法」というタイトルで、先日、こんなメールが送られてきた。「平凡な主婦がある日偶然発見した某大手銀行の裏シス テムを利用して明日から毎日4000円入金される目からウロコ的方法が存在するのですが、その内容を知りたくありませんか?」。 仮に信じてだまされても 自業自得。それに、黙って誰かの銀行口座から4000円持ってくるというのは犯罪だ。その方法を買って実行しようとする人は同じ犯罪を試みようということ であり、りっぱな犯罪予備軍ということになる。

 先日、わけの分からない疑似通貨を作り、巨額の詐欺事件を引き起こした容疑で捕まった男がいたが、どこの世界に毎年預けた金額と同額のカネ(疑似通貨) が受け取れるなどという甘い話があるだろうか。 どう考えても詐欺だろう。こうした詐欺にだまされるのは、働かずに、汗水流さずにカネもうけしたいという 欲があるからだ。

 先日、NHK特集で振り込め詐欺に加担する犯罪者たちを追いかけていたが、若者が中心で、なんと現役大学生まで仲間になっており、しかも罪の意識はほと んどないという。
 登場した首謀者や仲間連中は振り込め詐欺をビジネスのごとく語り、「だまされる方が悪い」「世の中はセレブと乞食に分かれる時代なのだから、カネもうけ してセレブを目指すのは当たり前」とうそぶいていたが、何がカネもうけだ。こんなことは、ただの小汚い犯罪であり、彼らの行く末は目に見える。カネだけが 唯一の価値観になり、働くことと犯罪の区別もつかない。

世界を壊した米国の「金融アニマル」
 わたしの母は「年を取ったら働けなくなるのだから、いまのうち一生懸命働け」とよくわたしに言っていた。働くことはただのカネもうけではない。人や社会 に尽くす喜びであり、その対価として報酬を受け取るのである。だから、その報酬は貴重なのだ。 ところが、この労働と対価のバランスをぶちこわしてしまっ た国がある。米国だ。特に米国の金融関係者は「金融アニマル」と化し、トップともなると年俸で数十億円とか数百億円を当たり前の顔をして受け取っている。 これでは会社が左前になるも当たり前だろう。

 世界の覇者だったGMも車作りの原点を忘れ、金融で汗水流さずにもうける手段を知ったことで、破たん寸前に追い込まれている。消費者には、名前と住所と セキュリティナンバーさえあれば年収お構いなしにローンを組ませ、高い車を買わせた。そのリスクを証券化して世界にばらまいた。これは自動車版のサブプラ イムローンだ。

 先日、当社に就職したいという日本人が来た。理由を聞くと、リストラされ、しかももらったわずかな退職金を株に投資して全額失ったからだという。
 なぜ、その退職金を積み立てて、まずは働く先を探そうとしないのだろうか。おそらく、「できれば働きたくない」「働かずにもうけたい」という気持ちがあ るのだろう。
 だが、過去のどんな時代をみても、庶民が働かずにもうかった時代などというものはなかった。甘い話など、どこの国でもいつの時代にもないのだ。
 そんな当たり前の真実を失い始めている日本にとって、この不況はいい薬かもしれない。もう一度、働くことの意味を考えてもらいたい。

2.もがく力」が「火事場の発想力」になる(2.23 nikkeibp)
羽生 善治 棋士
 言わずと知れた棋士。インターネットの登場で、いや応なしに「情報戦」への適応を迫られる将棋の世界で、羽生氏が勝ち続けられるのはなぜか。その答えは たぐいまれなる才能以外に、自身が信念にしている「発想力」にあるようだ。

■将棋の世界でもインターネットが多用されるようになりました。
 調べる面では本当に簡単になりました。将棋関連のデータベースや対局のネット中継にアクセスできることは、地方に住んでいる人のハンディも取り除いたで しょう。ただ、その便利さが逆にデメリットにもなっています。例えば、今までは昨日の対局は見られなかったけど、今はネットで見られるから見ておかない と、となる。それで時間を取られ、常に何かに追われている感じが強くなっていますね。

■人より強くなるには何が必要でしょうか。
 大量の情報の中から、大切なものをいかに取捨選択するか、取得した情報にいかに自分のアイデアを付け加えていくのか、が重要になっていくと思います。そ ういったものはパソコンの画面を見ているだけでは会得できません。やはり盤に駒を並べたり、1行でもいいからメモを取ったりすることで得られます。五感を 使って体全体で覚えることは、すごく大事な要素です。

 僕の場合、対局ではデータを忘れるようにしています。データに頼ると、感覚的なところは間違いなく弱くなる。データはデータとして押さえますが、対局の 前はまっさらな気持ちで臨みます。その場で思い付いたり、ひらめいたりすることが良い手だったりするので、基礎的な知識や定跡とひらめきみたいなものの比 重を半々くらいにしてますね。

■子どもたちに変化はありますか。
 僕が子どもだったときよりも、今の子どもの方がレベルは圧倒的に高い。
 ただ、最近の子どもはスマートで洗練されている一方、粘りがなくて非常にあっさりしている。それを考えると、子どもたちは定跡をたくさん覚えない方がい いかもしれません。

 もがく力って結構大事で、おぼれそうになったときに身に付けた力が本当の力になる。将棋も必ず、対局でどうしたらいいか分からない場面に出会うことがあ ります。そのときに、もがいて、データからではなくて、自分の頭から発想して答えを出せる人が強くなるんだと思います。

3.NTT東西,フレッツ光を利用する家庭向け通信機器「光LINK」シリーズを発 売(2.27 nikkeibp)
 NTT東西地域会社は2009年2月27日,FTTHサービスのフレッツ光回線に接続して利用できる家庭向け通信機器を,「光LINK(リンク)」シ リーズとして販売すると発表した。光LINKシリーズの第一弾として,無線LAN経由で写真付きメールを受信できるデジタル・フォトフレーム「光フォトフ レーム SPF-86V」を3月2日から販売開始する(写真)。

 光フォトフレームは,あらかじめフォトフレーム用の電子メール・アドレスを設定しておくと,そのアドレスに届いたデジタル写真を8インチの液晶画面に表 示する「写真メール機能」という機能を持つ。JPEG形式の静止画のほか,MP3形式やWMA形式の音声ファイル,MPEG4形式やWMA形式の動画が再 生可能である。SDカード・スロット(SDHC非対応)とメモリースティック・スロット(16Gバイト以下)を備え,ホスト機能とスレーブ機能のUSB ポートをそれぞれ1基ずつ備える。価格は3万1290円。

 光LINKシリーズの名称は,既に販売開始しているWebカメラの「ひかりホームカメラ・クルリモ」や高音質電話機「ひかりクリアフォン」などの通信機 器にも適用する。今後は,「待ち受け情報受信端末」や「リビング用PC」などのラインナップ拡充を計画している。

4.NTT東西が09年度のフレッツ光純増計画を発表,10年度目標2000万回線 は修正濃厚に(2.27 nikkeibp)
 NTT持ち株会社とNTT東西地域会社は2009年2月27日,2009年度(2010年3月期)の事業計画について総務大臣に認可申請した と発表した。
FTTH(fiber to the home)サービス「フレッツ光サービス」の純増計画については,NTT東日本が140万件,NTT西日本が110万件で合計250万件とした。これは 2008年11月に下方修正した2008年度の目標値,合計280万件を下回る。フレッツ光サービスの純増計画が前年度の数値を下回るのは今回が初めての ことである。要因としてNTT東日本の江部努社長は,「これまでの純増をけん引してきたADSLからFTTHへの移行ペースが緩んでいることに加え,景況 の悪化,特に住宅の新規着工数の減少などが直接影響してくる」とした。今回の発表では,2008年度の純増見通しについても東西合計で250万件とし,秋 に修正した目標に到達しないことを明らかにした。

 NTTグループは,フレッツ光のユーザー数について「2010年度末時点で累計2000万件」という中期経営目標を公表している。だが,計画通りユー ザーを獲得できたとしても2009年度末時点の累計ユーザー数は1378万件程度にとどまる。これについてNTT東西は共に,「2010年度の2000万 件の実現はかなり厳しい状況になった」との認識を示した。こうした状況を踏まえてNTT持ち株会社は,「(2000万件の目標については)2009年5月 に予定している決算発表時までに,3月と4月の直近の需要動向を見ながら考えたい」(渡邊大樹・取締役経営企画部門長)とした。

 2009年度の純増計画のうち,2007年3月に商用化したNGN(次世代ネットワーク)の新規ユーザー獲得の見通しは,NTT東日本が80万件, NTT西日本が40万〜45万件とした。2009年度末時点で,NGNの累計ユーザー数は160万件前後となりそうだ。

 アクセス回線の光化については,NTT東日本が300万心km,NTT西日本が70万心kmずつ延伸する計画。2009年度末時点のエリアカバー率は NTT東日本が93%,NTT西日本が89%となる見込みである。

5.UQ WiMAX端末の実機で接続スピードを検証,屋内での電波減衰が弱点か(2.26 nikkeibp)
 UQコミュニケーションズは2009年2月26日,「UQ WiMAX」の試験サービスを開始した。編集部でも試験サービスのモニター5000人に向けて送付されたUSBドングル型の端末「UD01NA」を入手 し,実測スピードを計測した。編集部内では電波の表示が「弱」であったにもかかわらず3Mビット/秒以上の速度が出た。一方で,窓際から離れると,通信速 度が落ちやすいという弱点も見えてきた。

 UQコミュニケーションズは,電波の状態がよい場所では実効速度で15Mビット/秒以上の速度が出るというが,実際に利用する場合はどの程度の値なの か。これを調べるため,編集部内で場所を変えながら,速度がどう変化するのかを調べてみた。測定場所は3カ所。まず電波を捉えやすいと考えられる「窓 際」。次に,窓から15m以上の距離があって壁を越えた位置にある「廊下」。3つ目が,廊下の先に位置する窓のない「倉庫」である。

 速度の測定には,速度測定サイト「speed.rbbtoday.com」を使用した。比較のために,イー・モバイルのUSB接続端末「D02HW」で も同じテストをした。なお,UQ WiMAXの理論上の最大速度は下り40Mビット/秒,上り10Mビット/秒。一方,イー・モバイルのD02HWは同じく下り7.2Mビット/秒,上り 384kビット/秒である。

 測定結果はUQ WiMAXでは,窓際では下り3.45Mビット/秒と高速だったが,廊下では同2.94Mビット/秒,倉庫では同1.17Mビット/秒と,窓から離れるほ ど速度が落ち込む傾向が見られた。特に速度が落ちる傾向が大きかったのは上り回線。窓際,廊下,倉庫で,それぞれ0.527Mビット/秒,0.099M ビット/秒,0.031Mビット/秒という結果になった。

 これに対して,イー・モバイルでは場所による速度低下の傾向が見られなかった。原因としては,UQ WiMAXの電波が2.5GHz帯で,イー・モバイルの1.7GHz帯よりも周波数が高く,障害物によって減衰しやすいことが考えられる。

 
 
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