週間情報通信ニュースインデックスno.695   2009/02/21


1.1月の産業用大口電力需要は18.7%減、過去 最大の減少率(2.20 nikkeibp)
 電気事業連合会が2月20日にまとめた1月の電力需要実績(速報)によると、産業用の大口電力需要は前年同月比18.7%減の194億 7000万キロワット時(kWh)だった。2008年12月に過去最大となる13.0%の減少率を記録したが、今回はそれを超える落ち込みだった。

 業種別では、機械が前年同月比23.8%減の49億8000万kWh、鉄鋼が37.4%減の20億1100万kWh。このほか化学、非鉄金属、紙・パル プなど主要業種はいずれも2ケタ台の減少率だった。3カ月連続して主要業種すべての電力需要が前年を下回ったことになる。

 電力会社別にみると、中国電力が前年同月比27.3%減の15億3100万kWhだったほか、中部、北海道、東北の3社が20%超の減少率となった。
 なお、家庭用などを含む電力需要全体は前年同月比6.2%減の778億2700万kWhだった。

2.リチウムイオン電池を“薄型テレビ”にしてはいけない(2.20  nikkeibp)
宮田 秀明
 昨年4月頃からの「2次電池によるイノベーションを実現する」という流れは驚くほど強い。こんな経済危機の中にあっても新規に決まっている大型設備投資 は電池関係だけと言ってもいいぐらいだ。

 「性能のいいリチウムイオン電池を作るだけで環境・エネルギー問題が大きく進展していく」という考えにも、大きな変化が生じている。電池という要素技術 単独での進歩だけでなく、電池を使った新しい社会システムを作ることの重要性に気づいてくれる人が増えたのだ。電池を使った新しい社会システムや新しいビ ジネスモデルや新しい知財を創造することが大切なのだ。

 それでも、「モノ作り」に徹する日本の製造業の方々の意識改革はなかなか進んでいないようだ。

 製造業の方々にビジネスを社会システムとして考えることの重要性をお話しし続けたいきさつで、「二次電池による社会システム・イノベーション」を推進す る片棒をかつぐことになってしまった私は、電池メーカーの人とお話しすることが多い。

 電池メーカーの人が言う。「でも先生、私たちは一番大切な電池の技術で一番先頭にいて、海外メーカーには負けませんから大丈夫ですよ」。
 本当にそうだろうか。

 薄型テレビの価格低下には驚くばかりだ。DRAMのたどった道をそのままたどっているのだが、このままでは2次電池も同じ道に進む可能性が高いだろう。 2次電池メーカー同士が熾烈な技術開発競争を繰り広げつつ、生産性向上活動を必死に進め、激しい価格競争を行い、製品の持つ高い付加価値を減損させてしま うというシナリオである。

 一方では、外資のコンサルティング会社、国内の商社などが環境ビジネスへの取り組みを強化している。リチウムイオン電池や電気自動車のような優れた技術 に目をつけ、その価値を倍にして、粗利70%のビジネスで大きな利益を得ようとしているのだ。それ自体は悪いことではない。このような活動によって「社会 システムイノベーション」が推進されるからだ。しかし、日本の製造業はこのような勢力とのつき合い方を変えるべきではないだろうか。電池メーカーが、彼ら の下請けになってはいけないということだ。

 この中で、もっと小さな苦労で大きな利益を得ようとしているのが、外資系コンサルティング会社である。環境・エネルギービジネスは最も高い成長性が期待 できると考えられているからだ。その中でもリチウムイオン電池は宝物のようなものなのだが、いずれコモディティー化して、ビジネスモデルやシステムや知財 の価値の方が大きくなると読んでいるのだろう。

 日本の商社が日本の製造業と協力し、両者が創造した価値を高めるのならまだいいだろう。日本の産業競争力を高めることになるからだ。しかし外資系のコン サルティング企業からのアプローチには警戒が必要だろう。日本の製造業はいいものを作っているが、国際戦略は甘すぎる。そして、その販路を広げてくれる外 資ビジネスに感謝さえしているようでは、外資系のコンサルティング企業とはビジネスパートナーとして対等につき合えない。

 このままではリチウムイオン電池も、DRAMや薄型テレビのように、コスト競争、品質競争の世界へ押し込められてしまうだろう。リチウムイオン電池に薄 型テレビと同じ道を歩ませてしまったら、日本の産業競争力は取り戻せないままになってしまう。

 「でも、たくさん電池と電気自動車を売ってくれるいいパートナーですから」と言うのはあまりにもお人好し過ぎるだろう。外国企業は、いずれ電池と電気自 動車の調達は競合他社と競わせて、どこからでも調達するように変わって環境ビジネスを世界中に広めるだろう。

 リチウムイオン電池を使うビジネスモデル、資源エネルギーの消費を減らすビジネスモデルを開発し、それをビジネスとして成立させることに力を集中すれば いいのだ。
 2次電池の効能を倍にすることをビジネスにし、2次電池で30%の粗利を確保して、同時にそれを賢く使う方法をシステム化して、生まれた価値の70%を 粗利にするビジネスに取り組むことだ。このビジネスモデルのうまみを素早く嗅ぎ取った外国企業に負けてはならない。ましてや、このような外国企業と無防備 な提携をすることはやめるべきであろう。

社会システム・イノベーションの必要性
 モノ作り回帰の論調に同意してはいけない。それ自身は大変価値のあることだが、モノ作りの価値を拡張するビジネスにも力を注がなければ、日本の産業全体 の空洞化が進むことになるだろう。

3.[NTT R&Dフォーラム 2009]「ICTに望むこと」,3人の論客が宇治副社長と議論(2.20 nikkeibp)
 2月20日に開催された「NTT R&Dフォーラム 2009」のパネルディスカッションには,アスクルの岩田彰一郎社長,日本経済新聞社の関口和一編集委員,イプシ・マーケティングの野原佐和子社長,そし てNTTの宇治則孝副社長が登壇した。テーマは「未来を拓くICTダイナミズム 〜NGN時代に期待されるサービスとは?〜」。ネットビジネスの実践者, ジャーナリスト,コンサルタントの立場から,それぞれITサービスやNTTへの期待を語った。

 自己紹介を兼ねたポジショントークで岩田社長は,SaaS(software as a service)を活用した間接材一括購買システム「ソロエル」など,常に新しいネット技術を活用することで成長した同社の取り組みを紹介した。その上 で,委員長を務めた経済同友会の「IT による社会変革委員会」の提言を引用しながら,あらゆる産業がITインフラを活用することで進化を続ける「ITイノベーション産業の創出」などITを積極 的に活用した社会の構築を提言した。最後は,「NTTのインフラとナレッジは日本の宝だ」とまとめた。

 「新しい視点を提示したい」と話し始めた野原社長は,現在のITサービスを「パソコンを中心とした,高度な情報リテラシーを伴う自由な世界」と,「家電 や携帯電話を中心とした,簡単に使うことを念頭に置いた世界」の二つに分類,現在は前者が優勢だが,今後は後者が中心になるのではないかと述べた。日本で はITの利活用が遅れているという指摘については,現状は「やりやすいところに着手した段階」とし,今後は,やりにくいところをどう進めていくかが課題だ とまとめた。「やりにくいところ」とは,複数のサービスにまたがる分野や,手続きや業務そのものの見直しが必要な分野,法制度の改正を伴う分野である。

 宇治社長は,ICTの現状を「サービス融合」,「パラダイムシフト」,「グローバル化」というキーワードで表現,利便性が世界一とされる通信インフラが 整備された現在,課題は利活用にあるとした。今後の方向性については,「所有から利用」,「社会インフラ化」,「サービスのパーソナライズ化」であるとま とめた。

 関口編集委員は,ICTの活用が遅れている分野として「行政」,「教育」,「メディア」の3つを取り上げた。共通するのは,「かつては情報が集まる場所 だった」こと。その優位性ゆえに,積極的な導入を怠ってきたという分析だ。いずれの分野でも,実行するうえでのメリットを見出すことが課題だとした。

4.「仮想マシンが資源を食いつぶす」、米デルの専門家が仮想化の落とし穴を指摘 (2.20 nikkeibp)
  オグルスビー氏は、「ITインフラの仮想化はIT部門のすべてを変える」とインパクトの大きさを強調する。企業情報システムの計画立案方法、機器調達 の時期や内容、業務プロセスなど、影響は広範囲に及ぶという。ただし、企業が仮想化に的確に取り組んでいるかというとそうとは言い切れないと、オグルス ビー氏は分析する。

 仮想化を導入する企業の実態は、「典型的なパス」と「すぐれたパス」の二つに分けられる。「典型的なパス」の企業の特徴は、仮想化によるROIが不明瞭 であること。「08年にCIO(最高情報責任者)を対象に実施したアンケートでは、回答者の半分は仮想化によるITコスト削減を可視化できなかったと回答 した。コスト削減できたかどうかわからないという回答もあった」とオグルスビー氏は話す。

 前述のように、いつのまにか仮想マシンが増えてハードウエアのリソースを食いつぶしてしまう「VMスプロール」と呼ぶ現象がみられたり、仮想化を急ぐあ まり複数種のハイパーバイザが乱立したりするのも、「典型的なパス」企業の特徴である。それに対して、「すぐれたパス」の企業は短期間でもROIをはっき りと打ち出すことができているという。

 オグルスビー氏は、「仮想化は計画的に実施することが大切だ」と話す。デルは、「仮想化アセスメント」「仮想化の設計と立案」「実装/移行」「継続的な 健全性とメンテナンス」の四つの切り口で、コンサルティングサービスを提供する。VMスプロールの防止策としては、「VMを使う部門やプロジェクトに課金 する仕組みを整えておくべきだ」(オグルスビー氏)と指摘した。

5.グーグル,iPhone上で「Gmail」オフライン機能をデモ(2.20  nikkeibp)
  Googleは米国時間2月18日,ウェブアプリケーションがモバイル分野への進出を重視していることを示すものとして,ネットワークに接 続していない時でも使用できる,iPhone向けの「Gmail」最新版を披露した。

 Googleのエンジニアリング担当バイスプレジデントであるVic Gundotra氏は,バルセロナで開催のGSMA Mobile World Congress 2009において,iPhoneがオフライン中でも使用可能な,同氏が「テクニカルコンセプト」として紹介した,Gmailのデモンストレーションを行っ た。Googleは1月,デスクトップおよびノートPC向けに,Gmailのオフライン機能をリリースしたが,今回の携帯電話向けオフライン機能も同様 に,ネイティブアプリケーションとしてではなく,ウェブブラウザ上で動作する。

 Gundotra氏は,iPhoneのワイヤレス接続を無効にする機内モードに切り替えても,Gmail内のメールを閲覧して読めることを示してみせ た。このデモンストレーションを見るには,iPhone Buzz上のデモビデオをチェックしてほしい。

 オフライン機能では,当然ながら,ネットワークから新しいデータを取得することができないものの,再びネットワークに接続した時に,同期するようになっ ている。一方,オンライン中でも,メールは携帯電話上のローカルデータベースに保存される。

 Gundotra氏は「このローカルデータベースの使用によって,Gmailの動作は,非常に高速になっていることに気づくだろう」と述べた。今回披露 されたGmailでは,受信箱をスクロール中に,浮き上がって表示されるツールバーなども紹介された。




 
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