週間情報通信ニュースインデックスno.687   2008/12/27

1.ビッグスリーが輝きを失った理由(12.26 nikkeibp)
 ビッグスリーの栄光が過去のものとなろうとしている。  だが、自動車が姿形を変えながら生き続ける「流行商品」であることが忘れられていないだろうか。 ビッグスリーが輝きを失ったのは、もちろん会社の体質 にもよるが、そのクルマが多数の消費者の心をとらえることができず、売れなくなったからにほかならない。

 前回は「ビッグスリーが儲けてきた理由」をお伝えしたが、今回は、特にセダン分野で日本メーカーが進出してから、ビッグスリーの栄光が失われていく過程 を深く見つめてみたい。
 かつてのフォードは、米国のセダン市場に「トーラス」「セーブル」の兄弟車を持ち、これが飛ぶように売れた。ピックアップトラック(PUT)のベストセ ラーである「Fシリーズ」を擁し、そのうえでセダン系が売れていたのだから利益が出ないはずがない。

 1986年モデルとして発売された初代「フォード・トーラス」。欧州フォードが進めていた空気抵抗低減のデザイン手法が採用され、瞬く間にベストセラー となった。この時期のフォードは空力(エアロダイナミクス)研究で世界をリードしていた

 1985年に発売された「トーラス」「セーブル」のおかげで、フォードは86年からの3年間、連続して純利益でGMを上回った。しかし、2代目、3代目 とモデルチェンジを重ねるごとに「トーラス」「セーブル」の人気は落ち目になり、やがてモデル廃止に追い込まれる。この、足元市場でのセダン不振こそ 「ビッグスリーの大失態」だった。

 80年代後半、日本の自動車メーカーは「トーラス」「セーブル」を徹底的に研究した。90年代にはアッパーミドルと呼ばれる2万ドル台のセダン市場でト ヨタ「カムリ」、日産「マキシマ」、ホンダ「アコード」の3モデルが大成功を収める。その理由の1つには「トーラス」「セーブル」への対抗策と差別化案を 真剣に考えたことが挙げられる。

 ビッグスリーが苦手としていたサブコンパクト(コンパクトよりもボディーが小さいクラス)市場はトヨタ「カローラ」やホンダ「シビック」がすでに席巻し ていたが、日本勢はその勢いをアッパーミドルにまで拡大する。ビッグスリーのセダンに取って代わり、ユーザーに支持されたのは日本ブランドだった。

 それでも、フォードは90年代に入ってからも「トーラス」「セーブル」で利益を得ていた。ところがGMのセダン系モデルは、ことごとく失敗する。ビュ イック「センチュリー」やオールズモビル「カトラス」は、内外装デザインを変えただけで10年以上も中身はあまり変わらず、そこが消費者に見透かされて販 売はジリ貧。やっと90年代後期に「起死回生」と鳴り物入りで新型を投入するが、もはや出番はなかった。

 2000年暮れにGMは「オールズモビル・ブランド」の廃止を発表した。かつて1960年代、日本人が憧れた、大きくてカッコいいアメリカン・セダン が、もはや市場を失ったことを意味するブランド消滅だった。  米国でセダンが売れたのは70年代までだった。その後、荷台を持ったPUT、そのPUTの丈夫な独立フレーム式シャシーにワゴンのようなボディーを載せ たSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル=背が高めで室内容積の大きなレジャーワゴン)、さらに大きなボディーを載せた多人数用ピープルムーバー であるミニバンという「ライトトラック」系が台頭した。

 独立フレームのためセダンに比べると開発費が安くバリエーション展開も楽なライトトラック系は総じて利益率が高い。ビッグスリーは90年代に入ると商品 展開の軸足をこちらへ移した。当然、セダンが手薄になるが、ビッグスリー経営陣は「いつでもシェアを挽回できる」と思っていたようだ。

 フォード「トーラス」「セーブル」の2代目モデルが不作に終わった理由として、当時は「あまりにも飛び過ぎたデザイン」がやり玉に挙げられた。無作為に ユーザーを集め、次世代モデルのデザイン候補を見せて意見を聞く「クリニック」では評判が良かったらしいが、いざ出してみると「カッコ悪い」と言われた。

 フォードはとりわけクリニックの結果を重視する会社だが、消費者が観賞物として興味を持つデザインと、実際に購入する商品のデザインとの間に大きな開き があることをしばしば忘れる。セダンの購入層は保守的だった。その後もフォードは、クリニックの結果を気にし過ぎていくつかのモデルで失敗を重ねる。

 GMは複数ブランドを持つ「強み」でセダン市場の巻き返しを図ろうとした。シボレー/ビュイック/ポンティアック/オールズモビルの4ブランドに、共通 プラットフォームから仕上げたデザイン違いのセダンを用意するという手法だった。  しかし、80年代後半以降、この路線で売れたミディアムセダンはない。96年のデトロイトショーの会場で華やかに発表されたニューモデル4車種につい て、GMのデザイン部門トップに「どうだ?」と訊かれ、私はこう答えた。

 「4台並んでいると違いがよく分かるし、ナルホドと思うんだけど、お客さんが買うのは1台でしょ?  1台ずつをじっくり眺めるとインパクトがないし、どれも中途半端に見える」

  もっとも、セダン離れは日本も同じである。今や日本でのカローラ・セダンは営業車と年輩向けであり、レンタカー向けである。同じく、日本でのシビック も、カローラよりは購入層が若いものの、かつての威光はない。

 米国に10年以上遅れて日本もセダン離れが進んだが、今やカローラの平均購入年齢はオールズモビル廃止時のそれを超えている。「カローラという名前が付 いていれば、どんなにいいクルマでも若者には売れない」とは販売店の声だが、ビッグスリーの多くのセダンにこの言葉は当てはまる。

 米国のセダン系(セダン/ハッチバック/ステーションワゴン/クーペ/コンバーチブル)市場は以前の半分にまで縮小したが、日欧韓メーカーのセダンは売 れる。ごく大雑把に言えば、ビッグスリーのセダンがカローラ化したのだ。「シボレーという名前そのものがダサい」というわけだ。

 メルセデス・ベンツやBMWはセダンでも売れるが、GMの中のビュイック・ブランドやフォードのマーキュリー・ブランドは売れない。販売台数が下降線を たどった時、ビッグスリーはレンタカー事業者への安売りと一般ユーザー向けキャッシュバックで手当てしたが、これがさらに人気を落とす結果となり、下取り 相場はみるみる下がった。現在は惨憺たる状況だ。

 ビッグスリーのセダンとは対照的なのが日本ブランドのセダンである。「カムリ」「アコード」はベストセラーの座を争っており、米国勢につけ入るスキを与 えない。米国市場攻略のため、ユーザーの好みを徹底的に分析した日本勢は、信頼性の高さと「造り」の良さも手伝って、昔ながらの味を踏襲し続けたビッグス リー車を蹴散らした。

 もっとも、日本勢には「攻める強み」があった。サブコンパクトや小型PUTから入り、徐々に商品ジャンルを拡大し、最終的にはフルサイズPUT、フルサ イズSUVに侵攻した。ビッグスリー的ではないことが功を奏した。しかし、最も利益率の高いフルサイズカテゴリーでうまくコトが運び始めた矢先、金融危機 が発生した。それ以降の自動車市場は、日々伝えられている通りだ。

 2009年モデルの「クライスラー300」。レトロモダンというデザイン手法は、1960年代以前の自動車を知らない世代に向けたアピールでもある。一 時期、クライスラー300は2塁打的なヒット作だったが、長打が後に続かなかった

 クライスラー「300」やフォード「マスタング」などの大排気量V8エンジン車は、乗ってみるととても「味」がある。「往年のアメリカ車の味」と言って もいい。  エンジン排気量が大きいため、市街地燃費は褒められたものではないが、低回転域でもエンジンは力強く、アクセルペダルをほんの少し踏み加えると、ググッ というトルク上昇で加速の準備に入ったことを伝えてくる。日本の高速道路の一定巡航ならガソリン1リッター当たり10キロもこなす。クルマの動きは敏感過 ぎず、カーブを曲がる時の車体の揺れ方も穏やかだ。長距離を運転しても疲れないのは、この穏やかさが理由だ。

 しかし、こういう味はもはや好まれない。ハンドルを切った時に過剰気味な反応をするアジリティー(敏捷さ)が現在は好まれる。「シャープなハンドリング だ!」と。

 ビッグスリー製セダンは、良い意味で「アメリカで使われるクルマの姿」を守ろうとしてきた。しかし、セダンの主要な購入者である男性、特に現在の40代 以下の層には人気がない。親の世代が愛用したクルマのカタチやブランドを好まない傾向は日米欧ともに共通している。

 冒頭にも書いたが、自動車は、姿形を変えながら生き続ける「流行商品」であり、大多数の消費者にとっては語り継がれる文化など必要ない。そういう商品に 一国の経済が託されている。託された自動車は、関連分野が極めて広いから一国を背負ってしまう。そこが自動車産業の悲しい運命だと私は思っている。

 
2.デキルヤツの出張報告はYouTube×ブログで!(12.24  nikkeibp)
 12月14日から21日まで、ドイツ外務省の招待で「日本IT専門家とブログ・ドイツ情報旅行」に出かけました。
 思いがけず、私の社長ブログ記事「10/25すみだ自転車ツアー効果:ご紹介webとブログ一覧 」に、ドイツ文化センター(ゲーテ・インスティトゥート)からコメント書き込みがあってお誘いを受けたのです。

 なぜか日本代表のIT専門家ということでご指名を受けましたので、やはり現地でブログ発信をしなければ、国と私の名誉に関わります。ドイツで学んだ最新 IT事情については、ITproWatcherの連載コラムでじっくりご紹介するとして、まずは私のドイツ報告ブログをご紹介しましょう。

■狙いは「クリスマスマーケット」のYouTube化 まずブログを書く時に考えたのは、この時期にドイツを紹介する際に「最も魅力的で心が動く、しかも 絵になるテーマ」から書く事です。 いきなりドイツのIT事情をブログでレポートしたところで、読んでくれる人は限られてしまうでしょう。そこで、ドイツ 大使館のWebサイトと日程表の中から、各都市で競うように開催されているクリスマスマーケットに注目したのです。 幸い、先日の札幌出張の際に、ミュン ヘン・クリスマス市 in Sapporoを見ていたので、その魅力が十分であることも知っていました。  案の定、現地のクリスマスマーケットは、100年前のおとぎ話の世界に 入ったような魅力で満ちあふれていました。おそらく現地の雰囲気の1/10でもお伝えすることができれば、きっとドイツを訪ねたくなる人が増えるはずで す。 そこで、各地のクリスマスマーケットをYouTube化して、なるべくビジュアルに訴えて伝えることにしました。

 ■時間がない時のYouTube×ブログ しかし、ドイツ外務省とゲーテ・インスティトゥートの企画とあって、約1週間の予定はびっし り分刻みでした。政府機関、新聞社、雑誌社、テレビ局、ラジオ局…移動中も駆け足で、とても自由時間などありません。ブログを書く時間は、ホテルに帰って から眠りにつくまでの短い時間ということになります。
 そこで、考えた対策は3つです。
【1】その時その場でパソコンにテキスト入力
 できるかぎり、面談中にパソコンのテキストエディターで、取材の要点をまとめるようにしました。紙にメモしてから、パソコンに再入力するのでは、時間が もったいないからです。特に、その場で出た質疑応答の本音の話をメモするようにしました。
 この時、内容のすべてを入力するのは大変ですし、たいした意味もありません。多くの場合、Webに詳しい情報があるので(残念ながらドイツ語か英語です が)、より詳しく知りたい人はWebリンクをたどってもらえばいいからです。

【2】目についたものは片っ端からデジカメで撮影
 ブログの基本は、新聞や雑誌に比べて、文章よりも写真が大きな役割を担います。そこで、面談中の写真はもちろんのこと、オフィスやポスターなど、気がつ いたものは、とりあえず何でも撮影しておきました。クリスマスの街並みはもちろんのこと、面白い街の看板から、変わったデザインのトイレまで、およそ目に 入ってきて心動いたものは反射神経で撮影します。
 なにせデジカメですし、驚くべき大容量メモリーカードが超低価格で販売されていますので遠慮は要りません。私は、1回の充電で300枚撮影できる10倍 ズームのコンパクトデジカメと8ギガのメモリーカードを合わせて3万円台で買い求めて旅に臨み、毎日、2〜300枚の写真をどんどん撮り続けては、ホテル に帰ってからパソコンに取り込んでいきました。

【3】写真を選んで自動スライドショーにしてYouTube化
 スライド作成は簡単です。撮った写真の中から、例えばクリスマスマーケットのお気に入り写真を何十枚か選びます。そして、写真管理ソフトの自動スライド ショー作成とファイル書き込み機能を使って、ほとんどワンタッチで動画を作成したのです。(私の場合はMacなのでおまけのiPhotoを使いましたが、 無料のフリーソフトを含め、多くの写真管理ソフトに同様の機能があります)
 そして完成した動画をYouTubeにアップして、登録後に「オーディオ入れ替え」機能で無料提供のBGMを選べば、イメージビデオの完成です。
 後は、ブログにYouTube動画を貼付けて、ちょっとしたコメントをつければ、簡単な動画レポート記事が完成です。慣れれば30分もあればできるで しょう。

3.KDDIがMVNO向けの卸標準プランを公表,パケット通信料金を2割引 きで提供(12.25 nikkeibp)
 KDDIは2008年12月25日,MVNO(仮想移動体通信事業者)向けの卸標準プランを公表した。卸標準プランは,MVNOが移動体通信事業者の無 線設備を借りてサービスを提供する際の料金や条件をまとめたもの。総務省は,MVNOが新規参入に当たって事業性を検証しやすいように卸標準プランの策定 と公表を携帯・PHSの各事業者に要請していた。

 KDDIが今回公表したのは,MVNOが同社ネットワークとレイヤー3で接続してパケット通信サービスを提供する際の卸料金と条件。卸料金は帯域幅課金 ではなく,ユーザーごとの通信量に応じて課金する方式を採用しており,基本料は月額1680円(税別,以下同じ)。パケット通信料は1パケット当たり 0.04円で上限は2880円となっている。これは,KDDIがパソコン向けに提供しているパケット通信サービス「WINシングル定額 (シンプル)」を2割引きした水準である。開通手数料は1契約ごとに2700円かかる。

 端末はKDDIが有償で提供するが,MVNOが独自調達することも可能。最低利用期間は1年間で最低1000回線の契約が条件となっている。最低利用期 間内に上記契約数を下回った場合,または契約の解除があった場合は不足の契約数や残余期間に応じた負担額を請求するとしている。

 このほか,卸標準プランでは,ユーザーの認証方法,IPアドレスの割り当て方法などについてもまとめてある。

4.「ネット上に“群衆”を作る」---数十万人が会話できる「ニコニコ広 場」がオープン(12.22 nikkeibp)
 ドワンゴは2008年12月22日,ニコニコ動画の上で最大数十万人がチャットできるサービス「ニコニコ広場」を開設した。
 ニコニコ広場には,ニコニコ動画の各動画の右上にある「ニコニコ広場に行く」ボタンで入ることができる。また時報が流れると,自動的にニコニコ広場に移 動する。ニコニコ広場では,現在アクセスしているユーザーがさまざまな動画に書き込んだコメントがリアルタイムに表示される。動画エリアには通常,現在閲 覧されている動画のランキングや生放送の情報などが表示される。

5.「ミニノート市場は拡大、ODM企業の生き残りの道」――NRIが動向を調査 (12.22 nikkeibp)
 野村総合研究所(NRI)は2008年12月19日、「2013年度までのIT市場動向」の調査結果に関する報道機関向け説明会を行った。
 低価格ミニノートの市場予測では、「景気に左右されることはあるが、基本は拡大する」(NRIのコンサルティング事業本部 情報・通信コンサルティング部 グループマネージャー 岸本隆正氏)と説明した。また、その市場規模は2008年が1000万台であり、2009年には2200万台、2015年には1億台に迫ると予測した。

 これらの市場は「現時点では、今までノートパソコンに興味を示さなかった“エンド-エンド”ユーザーや2台目需要で伸びている状況」(岸本氏)とし、パ ナソニックのLet's noteなど、既存の携帯ノート市場を奪っているのではなく、むしろノート市場のパイを広げると分析した。


 ホームページへ