週間情報通信ニュースインデックスno.684   2008/12/06

1.淡々民も街に出てクリスマスを祝おう(12.4 nikkeibp)
渡辺 健太郎
 若者が海外旅行に行かなくなったという報道を最近よく耳にするようになりました。  実際に20〜29歳の海外旅行者数は1996年の463万人から、2006年には298万人にまで減少しています。10年で約35%。大幅な減少です。 少し前までのドル高、ユーロ高の影響かもしれませんが。 

 こうした変化について、多くのメディアは若者の嗜好(しこう)が原因と指摘しています。好奇心の欠如や、旅行は近場で済まそうといった若者の考え方や嗜 好性が昔と大きく変わったという指摘です。  日経MJでも若者の淡白な気質を「淡々民」というネーミングで総称しています。肉より魚を好み、伝統的な和風文化も好き。デートは自宅が多く、クリスマ スも普段着で恋人と会い、プレゼントにジュエリーや花束は贈らないという消費行動をとる20代が増えているという調査結果から付けられたネーミングです。

 私は20代ではないので、このような指摘が本当に正しいかどうかは分かりませんが、肌感覚では感じるところもありました。  私が学生の1990年代前半はバブル崩壊後の時代でした。数歳上の先輩はまさにバブル期を過ごした世代であり、私自身バブル時代を過ごしたことはないに しても、バブルの空気は子供ながらに感じたことがありました。

 できればいい車に乗りたいし、海外にも行きたい。彼女の誕生日には背伸びして高級レストランを予約したいと思っていた世代です。このころはやっていたド ラマは「東京ラブストーリー」、「101回目のプロポーズ」、「愛という名のもとに」などです。また「電波少年」など世界を放浪する番組は高い視聴率を 誇っていました。

 振り返ると今までの消費スタイルにはロールモデルがあったのではないかと思います。例えば、マンガで「キャプテン翼」がヒットしたことにより、日本中の 小学生にワールドカップの存在を知らしめ、サッカー人口を増大させました。これがJリーグの発足やワールドカップ出場につながっていると思いますし、「私 をスキーに連れてって」という映画がスキーブームを引き起こしました。

 海外旅行においても、沢木耕太郎の「深夜特急」や、電波少年に出演した「猿岩石」、「ドロンズ」に影響を受け、世界をバックパックで回る若者がたくさん いたと思います。 
 海外旅行に行く若者が減ったのは若者の気質が変わったのではなくて、そのようなロールモデルが無いからなのではないでしょうか?

 例えば、米ニューヨークに旅行に行ってロックフェラーセンターを見て感動するのは、以前に見た映画や読んだ小説に出てきたワンシーンだったからだと思い ます。特にクリスマスシーズンのロックフェラーセンターの前のクリスマスツリーは、いろいろな恋愛映画によく使われるシーンです。何十年も変わらずにシン ボルであり続けることで、さまざまな映画や小説に登場し、それを見たり読んだりした人々があこがれを持ち、やがてそこに訪れるのではないでしょうか?

 シンボルはその場所への集客力を持つだけではなくて、消費者にストーリーを提供できるということが強みではないかと思います。クリスマスシーズンに田舎 からニューヨークのロックフェラーセンターのクリスマスツリーを見に来たカップルは、せっかくだからといってディナーを少し奮発するのではないでしょう か。

 普段はビールしか飲まない彼氏もシャンパンを空けようかと思うかもしれません。歴史のあるシンボリックなものは、集客力はもちろんのこと消費者を特別な 気持ちにさせる力を持っているのでしょう。

  昔に比べるとさまざまなところにクリスマスツリーが飾られるようになりました。集客のためのクリスマスイルミネーションもよく見かけます。ただ、それ らは集客はできてもシンボルにはなり得ないのではないかと思います。イルミネーションを見てきれいだなと思うことはあっても、特別な気持ちにさせるストー リーがそこにはないのです。

 自宅にクリスマスツリーを飾って経済的にクリスマス気分になるものいいですが、一年に1回くらいはぜいたくするようなムードを、メディアはもっとあおっ てもバチは当たらないのではないでしょうか?クリスマスくらい、ぱーっと行きましょうよ。

2.「上司が主導する会議ではいい考えが生まれない」(12.4  nikkeibp)
 2008年10月に発売された『質問会議〜なぜ質問だけの会議で生産性が上がるのか』(清宮普美代著、PHP研究所)が、企業の人事担当者やマネジャー の間で注目を集めている。「“質問”と“答え”だけで会議を進行する」「自発的に意見を言うことを禁止する」という独特の会議術を提唱している。「アク ションラーニング」で知られるマイケル・J・マーコード氏の理論をベースにしたものだ。著者であるラーニングデザインセンター(東京・港)の清宮普美代代 表に話を聞いた。

――“質問会議”とは何ですか。

清宮:「発言は、必ず“質問”か、それに対する“答え”でなければならない」「自発的に意見を言うことは禁止する」というルールで運営する会議のことで す。参加者のコミュニケーションを促し、会議の生産性を上げる効果が期待できます。日本では、変革をしなければ成長や効率化を望みにくい業界や、目先の業 務に追われがちで手間がかかる改善手法をしにくい営業現場などで採り入れている事例が多いようです。

――なぜ質問会議で生産性が高まるのですか。

清宮:参加者は「質問してください」と言われると、ほかの人の発言をよく聴くようになります。自分の質問に対する答えにも注意深く耳を傾けることでしょ う。自然と参加者の集中力が増し、会議のテーマに対する共感も高まります。

 質問会議では、必ず参加者の1人をファシリテーター(進行役)である「アクションラーニング・コーチ」として明示します。時間は1回60分ぐらいが適当 です。一般的な会議よりも参加者の集中力が求められるため、長時間続けると効率が落ちます。

 会議と行動がセットになっていることもポイントです。質問会議の終盤では、必ず具体的なアクションプラン(行動計画)を策定します。このあたりは、米ゼ ネラル・エレクトリック(GE)が採用していることでよく知られる業務改善手法「ワークアウト」に似ています。


“詰問”は会議の生産性を下げる

――質問会議における良い質問とはどんな質問ですか。

清宮:質問と“詰問”は全く違います。「今の厳しい市場環境だと、君の言う方法では商品は売れないんじゃないかね?」「新規顧客を当たるべきなんじゃない か。自分は以前○○という顧客リストに当たってうまく行ったが、君はまだやってないの?」などと詰め寄るのは、駄目な質問の典型例です。前提を押し付けて いるうえに、その人の判断を含んでいて、ほかの人が次の質問を出しにくく、質問会議を停滞させます。

 この場合は、アクションラーニング・コーチが間に入って、「厳しい市場環境だというのは本当ですか?」などと問いかけて前提を確認する必要があります。 コーチは役職や先輩・後輩などの立場にかかわらず自由に発言させることも重要です。冒頭で、「自由に発言できる」と宣言したり、上からの立場で意見を述べ る人は退場させたりする工夫も必要です。

――上司が主導する会議とは違うのですか。

清宮:マネジャー(上司)は多くの場合、過去のプレーヤー(部下)としての実績が認められてその地位に就いています。しかし、昨今の市場環境は変化が激し く、インターネットの普及や業界再編などによって、自社の主力商品が突如として売れなくなることがよくあります。この環境下では、上司が部下に対して過去 の経験を基に“答え”を与えても、うまくいかないことがあります。さらに部下の立場からすれば、やらされ感がある上に、上司の指示通りにしても成果が上が るとは限らず、疲弊してしまいます。

 質問会議では、参加者は自発的に意見を言えないルールです。特に上司は、当初は欲求不満が募ります。慣れるまでは一種の「ゲーム」だと思って取り組む必 要があります。だんだん慣れてくれば、“声の大きい人”が自分の意見を押し付けるよりもいい考えが出ることが実感できるはずです。

3.11月の携帯純増数はソフトバンクが19カ月連続首位,イー・モバイルは100 万件突破(12.5 nikkeibp)
 携帯電話・PHS事業者各社は2008年12月5日,2008年11月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。新規契約数から解約数を差し引いた月 間純増数はソフトバンクモバイルが11万3000件増と19カ月連続で首位を維持した。

 純増数の2位はイー・モバイルの9万7300件増。ネットブックとのセット販売が引き続き好調で,契約数は累計100万件を突破した。2007年 6月に有料サービスを開始してから1年6カ月で達成した。イー・モバイルの端末ラインアップはデータ通信端末が15機種,携帯電話機が8機種に増えた(携 帯電話機はスマートフォン4機種を含む,発表済みの端末数)。NTTドコモは6万5100件増,KDDI(au)は1万5800件増だった。

4.Google,Webサイトをソーシャル化する「Friend Connect」をベータ公開(12.5 nikkeibp)
 米Googleは米国時間2008年12月4日,通常のWebサイトにソーシャル機能を追加できるサービス「Friend Connect」のベータ公開を発表した。プログラミングの知識がなくても,コード・スニペットを組み込むだけで,ユーザー登録,コメント投稿,レビュー といった機能をWebサイトに実装することが可能になる。

 Friend Connectによって,Webサイトのオーナーは自身のサイトに新規ユーザーを招待してユーザー同士が交流できる環境を作成できる。ユーザーは GoogleをはじめYahoo!,AOLなどのサービスで登録しているアカウントや,OpenID対応アカウントを使って複数のWebサイトにログイン できる。プロフィールを新たに作成しなくても,すでに登録しているソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のプロフィール情報を利用することが 可能。

 Googleは08年5月にFriend Connectのプレビュー版をリリースして以来,Webサイト・オーナーやSNSサイト,アプリケーション開発者などと密に協力し,機能や使い勝手,カ スタマイズ性の向上に取り組んできたという。

 Friend ConnectはOpenIDのほか,OAuthなどのオープンな認証標準をサポートする。Googleが推進するソーシャル・アプリケーション用API 「OpenSocial」を使って開発したサード・パーティのアプリケーションも追加できる。

5.「今後は“関連性”が価値を生む」,クアルコムがモバイルの将来を展望(12. 3 nikkeibp)
 「これからは,ユーザーが欲しそうな情報を先取りして見つけるサービスが重要になる。ユーザー自身が欲しいものを分かっていて,自ら探す検索とは違う サービスだ」。クアルコムは2008年12月3日,無線サービスの将来ビジョンに関する記者会見を開催し,今回来日した欧州法人の代表を務めるアンド リュー・ギルバート氏が,今後のサービスをこう展望した。国内でも,通信事業者を中心にコンシェルジュ(案内人)やエージェント(代理店)機能を提供する サービスが始まっており,同じような将来展望を示したことになる。

 この種のサービスを推進するため,クアルコムは2008年3月,アイルランドのザイアム(Xiam)を買収した。ザイアムは,データの関連性 (relevance)に基づいた推薦(recommend)機能エンジンを開発しており,同エンジンを使うことで膨大な情報の中からユーザーの属性や所 在地に基づいてフィルタリングしたサービスを提供できる。今回の来日も,通信事業者にサービス内容を紹介するためだという。

 会見では,欧州の携帯電話によるデータ通信事情も報告された。欧州でも携帯電話からのデータ通信が増えており,端末では2009年にも3G(第三世代移 動体通信)のW-CDMA対応機の販売台数が,2G(第二世代)のGSM端末を追い抜くという予測を示した。通信回数についても,2012年にはW- CDMAの通信数がGSMを追い抜く見通しという。さらに,米国では大手事業者のベライゾン・ワイヤレスの端末販売台数の3割がスマートフォンになってい ることも報告,こうした状況からギルバート氏は「ようやく日本に追いついてきた。モバイルのデータ通信が,世界的に広がりつつある」とする。

 データ通信の中でも,テレビ放送を含むビデオ配信とインターネット接続の2分野の伸びが大きいとみている。ビデオ配信について同社は,自身が推進する MediaFLOのほか,日本のISDB-T,欧州のDVB-Hの各デジタル放送方式に対応するチップを開発している。全方式に対応することにより,1種 類のチップで全世界の需要に応えられるようにする。インターネット通信については,ザイアムのほかにウィジェット(簡易アプリ)など,特定の機種や事業者 によらないオープンな技術を同社としては推進するという。同社は,ウィジェットを開発するプラザも買収している


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