週間情報通信ニュースインデックスno.680   2008/11/08


1.あなたは目を輝かせて仕事をしていますか?(11.7  nikkeibp)
 2000年のアメリカズカップ・プロジェクトでは色々な活動があった。ほとんど知られていないのはキャンペーンソングだ。日本では5本の指に入ると言わ れていた音楽プロデューサーのM氏が作曲して、新人歌手に歌わせた。シングル版で発売したが売れなかった。私たちも少し不満だった。曲がどこか淋しげなの だ。これから戦いに入ろうという時なのに、そんな物悲しい曲では、負けを予感しているようだった。

 その音楽プロデューサーのM氏が、あるチーム内の内輪のパーティーに出席してくれてスピーチを行った。
「チームの皆さん、お歳は存じ上げませんが、皆さん目がキラキラ輝いていて、少年のようなのが印象に残りました」

 外の世界の人に言われるまで分からなかったし、「皆さん」の中に私が含まれているのかは定かではない。でも毎日アメリカズカップで世界一になろうと思い 続けていたのは確かだ。だからこそ、どんな苦労もいとわなかったし、安い給料に文句を言う人もいなかった。情熱だけなら、誰にも負けないと思っていた仲間 たちだった。


情熱を持って挑戦、さらに最強の創造力を養うために
 目を輝かせてできる仕事ほど貴いものはない。 新しいことに感動し、新しいことに挑戦し、急速に成長していく学生たちを見るのは教員の歓びのうち最高の ものだ。

 もちろん結構厳しい師弟関係を作ることもある。夏を過ぎて修士論文の後半戦に入ろうとする修士課程2年生4人に、私は厳しいバクダンを投げつけた。

 「ここは中学校じゃないんだ。“船を借りた会社”とは何という表現だ。本や論文を読んでいない! 先輩の研究の解説はもう不要。自分のやるべきこと、やったことを説明しなさい」
 「テーマが与えられたら解きますという態度では永久につまらない人間で終わってしまう」

 社会に出てからも輝いているためには、情熱を持って挑戦することが大切だが、それだけでは足らない。本当に創造する力を養い、創造を実現して感動するこ とができるようにならなければならない。

実際のビジネスの現場は、理想からほど遠い

 最初に行わなければならないことは二つある。ビジネスの現状とそれに対する研究や経営手法の現状を知ることだ。

 もちろん本も論文もあるし、最近はインターネットで探せばかなりの情報が手に入る。詳細にまでわたって現状を理解したら、その次に、現状に問題がないか と考える段階に移る。ここでは疑問に思ったり、批判的な視点をもつことが大切だし、前提条件や拘束条件を外してみることが新しいアイデアを与えてくれるこ ともある。

 だいたい実社会では、完璧にビジネスが行われていることはありえない。理想からほど遠いのが実際のビジネスの現場だと言ってもいいくらいだ。


 現状ビジネスの大きな問題点を発見できたら、研究は3分の1くらい終わっていると言ってもいい。この問題点を解決するのが研究の目的になる。目的があい まいなままではどんなテーマでもいい仕事ができるわけがない。明確な目的を持つことは本当に大切なのだ。

 そうしてこの問題点を解決する新しいモデルの探求に移る。ここが研究の中で一番難しいところだし、同時に研究の醍醐味を味わえるところである。

 ビジネスの現場をもっともっと深く知り、解析し、ビジネスの構造(アーキテクチャー)のどこに問題があるかを突き止めるための作業は延々と時間がかかる 場合が多い。そうしてそれを解決することができる新しい構造を設計するのだ。

2.トヨタの大幅下方修正、体質改善の絶好機とも(11.7 nikkeibp)
トヨタ自動車の業績下方修正は大きな「ショック」となったが、同時に体質改善を進める絶好の機会だとの見方も出ている。

 10─3月の半期の営業利益予想がわずか180億円という「衝撃」は、これまでの販売拡大で伸びきった組織をスリム化させ、調達などの見直しを積極的に 進めることができるインパクトがあるという。株価は短期的な調整を余儀なくされる可能性が大きいが、中期的な成長力は依然高いとの見方も少なくない。

 09年3月期の営業利益予想が「1兆円を下回る」との事前観測報道はあったものの、実際は従来予想を「1兆円下回る」6000億円。その衝撃は「経験し たことがないレベルのネガティブ・サプライズ」(日興シティグループ証券)、「『超』がつくほどのネガティブ・サプライズ」(野村証券)──とアナリスト を動揺させるほど。株価は業績の下方修正観測もあり前日6日から下げていたが、7日も売りが止まらず一時ストップ安となる前日比500円安の3310円ま で下落した。デンソー<6902.T>()やアイシン精機<7259.T>()など系列部品メーカーも一時ストップ安まで売られ た。

 下方修正の主要因は北米販売の減少と円高だが、下期の営業利益予想を180億円と大きく引き下げた裏にはトヨタの強烈なメッセージがあるとの声がアナリ ストからは聞かれる。
 ゴールドマンサックス証券の自動車担当アナリストである湯澤康太氏は7日付リポートのなかで「下期ブレークイーブンの会社予想はトヨタ社内に対する危機 意識の警鐘であるとともに、系列部品メーカー、競合メーカー、調達先など様々なステークホルダー(利害関係者)に対する強烈なメッセージ」と指摘。現在は 「緊急事態」であるとして、国内外の生産体制の見直しや設備投資の大幅な抑制、調達先への価格要求の増大などに取り組む可能性が大きいという。「中長期的 視点に立てば(販売拡大で)兵站(組織)が伸び切った社内外の体質改善を進め、次の競争の源泉を確立する重要な時期に差しかかっている」と湯澤氏は述べて いる。

 円高は短期的には輸出企業にマイナス要因だが、長期的に見れば体質改善を促しプラスとなるとの見方は多い。市場では「世界有数のブランド力が消えるわけ ではないし、ハイブリッド車など省エネ技術も有しており中期的な成長力は依然高い。体質改善が進めば逆にチャンスとなる」(準大手証券エクイティ部)との 声も出ている。

3.NTTの中間決算は減収増益,フレッツ光の純増目標を下方修正(11.7  nikkeibp)
 NTT持ち株会社は2008年11月7日,2009年3月期の連結中間決算(2008年4月〜9月)を発表した。売上高は対前年同期比0.4%減の5兆 1645億9300万円,営業利益が同32.1%増の7450億8200万円の減収増益だった。IP系の収入は伸びたが,音声関連収入の減少をカバーでき ない状況が続く。

 同時に売上高の通期予想を下方修正した。NTTドコモの携帯電話販売収入の減少を見越して当初予想から1700億円減の10兆5800万円とした。営業 利益は当初予想と同じ1兆1600万円である。

 NTT持ち株会社の三浦惺社長は中間決算の業績について「フレッツ光や携帯電話端末の販売が当初想定を下回り,売上高は厳しい状況。しかし,コスト削減 の効果もあり,営業利益はおおむね順調に推移している」と総括した。

 会見では,2008年度のフレッツ光の純増目標を下方修正することも明らかにした。2008年度の事業計画(関連記事)では340万件の純増を予定して いたが,これを280万件(NTT東日本がマイナス40万件,NTT西日本がマイナス20万件)に引き下げた。ただ,「2010年度に光2000万契約」 の目標は修正しない。

 三浦社長は下方修正の理由を「映像系サービスを中心に光を販売する予定だったが,IPTVサービスがセットトップ・ボックスの故障でスタートが遅れ,需 要を喚起できなかった。契約数が1000万件(2008年9月末時点で1009万6000件)を越えて,パソコンを中心とした需要がかなり浸透してきたこ ともある。景気の影響も若干あるのではないか」とした。

 フレッツ光の拡販に向けた今後の施策としては従来と同様,映像サービスの強化を挙げた。「IPTVサービスはスタートが遅れたものの,第2四半期の契約 数が3万件の純増と順調に伸びている」(三浦社長)。このほか,ゲーム機や健康機器などパソコン以外の機器と連携した展開,企業向けの販売の強化などを予 定する。「今年度は下方修正するが,2010年度に光2000万契約の目標はそのままにして精一杯頑張っていきたい」(同)とした。

4.iPhoneのカメラを通して情報を得る「SekaiCamera」、第一弾 サービスを発表(11.7 nikkeibp)
 iPhoneのカメラを通して見ている目の前の様子の映像に、さまざまな付加情報を表示する「SekaiCamera」のコンセプトを発表している頓 知・(トンチドット、岐阜県大垣市)は2009年2月14日に第一弾となるサービスを開始すると発表した。ソフトピアジャパン(岐阜県大垣市)と情報科学 芸術大学院大学・岐阜県立国際情報科学芸術アカデミー(IAMAS)が2008年11月7日に開催した「iPhoneビレッジから世界へ〜新しいモバイ ル・ライフとエンタープライズ〜」と題したセミナーの壇上で明らかにした。

 「セカイカメラの世界観」と題した講演を行った頓知・代表取締役の井口尊仁氏は、米国で9月に開催されたシリコンバレーのベンチャーキャピタリストが集 うイベント「TechCrunch50」にデモを披露して賞賛を浴びた話を紹介。同時に、「米国においてWeb2.0が終えんを迎えているのではないか」 と実感を述べた。また、現状のWebサービスに対して「結局、検索の繰り返し。非常にストレスがたまる」(井口氏)とし、今見ているものから情報を直接得 られ、また直接情報を書き込めるSekaiCameraのコンセプトの方が便利だと主張した。

 SekaiCameraのデモンストレーションを行った後、井口氏は2009年のサービス提供ロードマップを示した。第一段階のサービスは 「Communication in the Air」というコンセプト。コードネームを「Air Mail」と名付けた同サービスは、特定の場所にテキストをベースとした情報をタグ付けするというもの。プレゼンテーションでは、駅のプラットフォームに いる気になる女の子に対して、いつも立っている場所にその子が好きと思われる音楽のミュージックビデオをタグ付けし、プレゼントする例を示した。基本的に はタグ自体は誰でも見られるが、特定の人にだけ見せる機能も盛り込む予定だという。「何とかバレンタインデーのリリースに間に合わせたい」(井口氏)。 サービスは無料を予定している。

5.UQがMVNO向けのモバイルWiMAX料金を公表,月額料金は実質4000円 台に(11.6 nikkeibp)
 UQコミュニケーションズは2008年11月6日,2009年2月から試験サービスを開始するモバイルWiMAX事業について,MVNO(仮想移動体通 信事業者)向けの料金プランを公表した。MVNOがUQコミュニケーションズの無線設備を借りてデータ通信サービスを提供する際に同社に支払う料金に当た り,いわば“仕入れ値”と言える。

 接続の形態によって数種類の選択肢を用意した。例えばMVNO側で認証設備を保有しない形態をとる場合,加入台数1台当たりの月額料金は3300円(税 別)とした。「(MVNOからは)この卸値と実際の提供料金の差は,4ケタ(1000円)は欲しいという要望がある」(UQコミュニケーションズの小池竜 太コーポレート部門長,写真1)ことから,エンドユーザー向けの実際の料金は月額4000円台となる公算が高い。

 このほかMVNO側で認証設備を用意するケースでは,一部で帯域幅課金による接続料を取り入れた。例えば,10Mビット/秒ごとに「月額1290万円の 帯域幅課金+加入台数1台当たり1900円の月額料金+月額30万〜40万円の設備使用料」といった料金を用意している。

 もっともUQが公開した料金は,NTTドコモが公表した10Mビット/秒ごとに月額1500万円というMVNO向けの接続料金や,イー・モバイルの 10Mビット/秒ごとに月額700万円という接続料金と比べると割高感がある。

 同社もそれを認めたうえで,「例えば100万人の会員を有するMVNOが帯域幅課金で回線を仕入れると,月額300円程度でサービスができてしまう。そ こまで料金が下がると,ほかの事業者も値下げせざるを得なくなり,WiMAX事業が立ち上がる前に共倒れになってしまう。そのため帯域幅課金に加えて(エ ンドユーザー向けの下限になる),端末1台当たり月額1900円という料金を加えた」(小池部長)と説明する。

 なおこれらの料金は,あくまでパソコンからインターネットをフルに利用するようなケース。例えば白物家電にWiMAX機能を内蔵するケースなどトラ フィックがそれほど発生しないケースにおいては,「料金をもっと下げていくことも考えられる」(小池部長)とした。事業が軌道に乗り次第,適宜MVNO向 けの料金プランも見直していくという。また試験サービス中はエリアも狭いことから無料で提供し,2009年7月から有料化する計画だ。


基地局は9月末で200局程度,端末メーカー5社から端末を調達

 会見では同社のWiMAX事業開始に向けた取り組み状況についても触れた。2008年8月末から基地局設置作業に入り,9月末で200局程度の基地局の 設営が完了したという。試験サービス開始時までに600局程度に増やす。

 さらに端末メーカー5社(国内メーカー4社,海外メーカー1社)からUQブランドのモバイルWiMAX端末を調達したことも明らかにした。USBドング ル型,PCMCIA型,Express Card/34型を用意。試験サービス期間中,MVNO向けに端末を1万2000円で有償販売する。


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