週間情報通信ニュースインデックスno.676  2008/10/11

1.大和生命が更生特例法手続き、負債額2695億円(10.10 nikkeibp)
 大和生命保険は10月10日、東京地裁に更生特例法手続き開始を申し立て、同日付けで保全管理命令を受けたと発表した。負債額は約2695億600万円 で、帝国データバンクによると2008年に入って5番目の大型倒産。生保の倒産は戦後8社目となる。
 大和生命は破たんの原因について、資産運用のために保有していた有価証券の価値が、最近の金融市場の混乱で下落したためと説明する。財務状況の改善を目 指し4月から新たな出資者を募ったが、交渉が不調に終わり、資産劣化を止められなかったという。
 同社の2008年9月中間期決算は純損失110億4300万円、債務超過額114億9000万円になる見込み。

2.迅速で例外的な行動必要、5つの行動計画発表=G7声明(10.11  nikkeibp)
 7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)は10日の会議で、現在の状況には迅速で例外的な行動が必要との見解で一致した。混乱した市場を安定化させ、信 用の流れを回復させるため、引き続き協調していく方針を明らかにした。ただ、具体的な措置には言及しなかった。

 G7は、システミックに重要な金融機関の破たんを阻止するため、断固たる行動をとりあらゆる手段を活用する方針を示した。  

 このほか、各国の預金保証や保護プログラムを、確実に力強く一環したものとする方針を打ち出した。

 信頼回復と貸し出し復活に向け、銀行や金融機関の公的および民間からの資本調達を確実にする方針も示された。

 発表された5つの行動計画には、市場が期待した具体的な各国の協調行動は盛り込まれなかった。

3.日本にノーベル賞が来た理由(10.10 nikkeibp)
2008年10月10日 金曜日 伊東 乾

 物理学賞の南部陽一郎先生、小林誠・益川敏英の両教授、そして1日遅れて化学賞の下村脩教授と、日本の報道は「日本人」が4人受賞と大はしゃぎですが、 ノーベル財団の公式ホームページでは、米国籍の南部先生は米国人としています。同じく化学賞も、ノーベル財団のホームページで下村さんは「日本国籍」と なっていますが、所属と学術業績についてはUSAとなっています。

 「暗い話題の中に明るいニュース」「日本人の快挙!」などと見出しが躍りますが、「日本人」として本当に喜ぶべきポイントは、実は報道されている表層と はおよそかけ離れたところにあります。   さらに「ノーベル賞受賞」の背景や延長には「研究予算獲得」にまつわる生臭い話や、知材ビジネスに関する構造的大問題なども存在している。そこで2回 ほど、普段は描かれざるサイエンス&テクノロジーの背景を書いてみたいと思います。

 10月7日火曜日の夜、私は港区白金の日経BP本社でルワンダ国立大学のルワカバンバ総長との対談を行っていました(選挙明けにオンエアします)。そこ にパートナーから「ノーベル物理学賞、日本人3人だって」と携帯電話が掛かってきます。

 「素粒子物理学で3人だって」
 「ふーん……じゃ、小林・益川でしょ」
 「何で分かるの?」
 「あと、マージャンの役のアタマじゃないけど、南部先生?」
 「そうそう、どうして???」

 物理の内情をご存じない方には意外な名前でも、内側を知っている人間には「素粒子…それなら小林・益川、それに南部先生以外あり得ない」と、瞬時にして 分かる人選なのです。今年「日本」と来れば「素粒子」というのも、事情を知っていれば誰でも分かることでした。

 益川さんのインタビューがいろいろ話題をまいていますが、とりわけ「ちっともうれしくない」「南部先生が受賞されたのは本当によかった」などと述べてお られる背景は、知っている物理屋にはあまりによく分かりすぎる事情が存在しています。それにはノーベル財団の「大失策」が関係しているのです。

幻のノーベル物理学賞「ニュートリノ振動」

 昨年、2007年のノーベル物理学賞はフランスのアルベルト・フェールとドイツのペーター・グリューンベルクが「巨大磁気抵抗の発見」で受賞していま す。この仕事によって、私たちが日常的に使っているギガバイトサイズの磁気メモリーの開発が可能になった大業績で、物理の中で分類すれば「物性物理実験」 のジャンルです(書くのも恥ずかしいですが私がかつて大学院で勉強した分野でもあります)。

 1938年生まれのフェールさんと39年生まれのグリューンベルクさん、2人とも今もお元気だと思いますが、この1年の間に1人の日本人科学者が命を落 としました。戸塚洋二博士(1942-2008.7.10)です。戸塚さんこそ、ノーベル賞をもらわないわけにはゆかない人でした。彼のボス、小柴昌俊氏 に2002年にノーベル賞が出たのは、1998年に小柴研の後継者である戸塚さんたちが「ニュートリノ振動の観測」に成功した、20世紀最後最大の業績に 対するノーベル賞授与の準備、布石と誰もが理解していました。

  戸塚さんたちのグループは1998年、「ニュートリノに質量がある」ことを、世界で初めて示しました。これこそが物理学賞史上に永遠に残り、あらゆる 教科書に記される本当の大業績にほかなりません。  こうしたプロジェクトの言いだしっぺは小柴さんですが、本当に粉骨砕身で努力されたのは戸塚さんたち小柴研のスタッフでした。ところが、そもそも計画を し、装置を作るまでの責任者だった小柴さんにはノーベル賞が出ましたが、本当に賞を授与すべき大業績、この装置を使って得られた「ニュートリノ振動の観 測」を、ノーベル財団は永遠に顕彰する機会を失ってしまったのです。


戸塚洋二さんの死/間に合わなかったノーベル賞

 この「永遠に」というのが実は非常に重要なポイントです。1987年、神岡(岐阜県神岡町)のニュートリノ観測で「仁科記念賞」を得た小柴さん、戸塚洋 二さん、須田英博さんの3人のうち、ボスの小柴さんだけが現在も存命で、戸塚さんも須田さんも亡くなってしまいました。須田さんは国際学会中の突然死で、 過労死という声も聞きました。ちなみに小柴研の後継者、折戸周治さんも50代で亡くなっています。

 小柴グループの主要な「武将」たちがつぎつぎに早世して、小柴さんが一番お悲しみ、と思います。しかし同時に「一将功成って万骨枯る」と手厳しく批判す る人も少なくありません。というのも小柴研は体育会系の研究スタイルで、スケールの大きな優秀な人たちが、寸暇を惜しんで物理に24時間、文字通り献身し て、ニコニコしながらウルトラハードなプロジェクトを進めていたからです。戸塚さんも豪傑で、大学院入試の前日に山岳部の仲間と呑みながら徹夜マージャン だかなんだかをして、時間を間違えて1年留年したりしたのだったと思います。私は大学院の特講か何かで1単位もらった程度のご縁しかありませんでしたが、 人格はおおらかで素晴らしい物理学者でした。

 小柴研の、本当に素晴らしい業績は得られたけれど、志半ばで若くして亡くなっていったアシスタントたちを知る人は、彼らこそ本当に顕彰されるべきだと確 信を持っていると思います。日本では、ノーベル賞などをもらってしまうと誰もが奉ってしまって、こうしたことが言われませんが、小柴さん以外にも、すさま じい体育会系のグループ研究を率いる科学者は存在しますし、そこでは「アカデミックハラスメント」のような言葉は出てこないし、「過労死」という言葉も聞 かれないことになっています。でも、本当にそれでよいのか? 個人的には疑問を持っています。

 
南部先生は「日本」の物理学者か?

 一方で、益川さんも「うれしい」と言った南部先生は、87歳でのご受賞ですが、以前『バカと東大は使いよう』にも書いた通り、ノーベル賞を2回もらって もおかしくない大物理学者で、30年前の1978年に文化勲章を受けています。

 南部先生の主要業績は「自発的対称性の破れ」の導入と呼ばれるものですが、これは一種のアイデア、発想の根本的な転換と言ってよいもので、実証科学とい うより大胆な「卓見」に基づく精緻な論理の組み立てという、パイオニア的大業績です。この点で南部さんのお仕事は、湯川秀樹さんと近いところがあります。 湯川さんの中心業績(「指数型ポテンシャルの中間子による強い相互作用」というアイデア)も、経済的に限界があり、いまだ大規模実験などできなかった 1930年代の日本で、旧来の慣習を破る大胆な発想と細心の論理で、いわば鉛筆一本で成し遂げられた「純日本産」の業績でした。南部先生は湯川さんがノー ベル賞を受賞した直後に頭脳流出して、欧米で「鉛筆一本」、財力などではなく純粋に知的資産100%で、60年にわたって、理論物理の第一線を牽引してこ られたのです。


「対称性の破れ」と中国人女性物理学者のノーベル賞排除

 1900〜20年代、20世紀の新しい物理学(主に相対論・量子論)が進展した時、多くの物理学者は未知の領域を探索するのに数学的な「対称性」をヒン トにしました。ところが1950年代のシカゴで、中国出身の2人の若い物理学者、楊振寧(1922-)と李政道(1926-)は、ベータ崩壊の一部で自然 法則の対称性が破れていること(「パリティ非保存」)に気づきます。私たちの右手と左手は「同じ形」をしていますが、実は「鏡像対称」になっています。普 通の自然法則は鏡に映すと鏡像対称(パリティ保存)ですが、「弱い相互作用」のごく一部で、「右手を鏡に映したら、その像も右手だった」という、非常に不 思議な挙動を示すことが理論的に予測されたのです。

 この仮説は直ちに、やはり中国出身の女性物理学者、コロンビア大学のマダム・ウー(呉健雄Chien-Shiung Wu 1912-97)によって実 験的に検証され(1956年)て物理学会に大センセーションを呼び起こし、楊と李の2人は翌1957年に中国人として初めて、ノーベル物理学賞を受賞しま した。当時35歳と31歳、シカゴで同僚だった南部先生が37歳の時です。

 この時、初めての中国人への授賞に際して、普段は「実験に篤く、理論に冷たい」ノーベル賞が、理論家の楊と李に受賞させ、実験家としてこの自然現象を決 定的に検証した、当時45歳だった女性の呉を排除したことは、「アジア人女性科学者への授賞は時期尚早」という白人中心主義の民族差別、女性差別として、 国際的に大変な非難が巻き起こりました。


小林・益川理論と「CP対称性の破れ」

 この57年、物性物理学のフィールドで「超伝導現象」を初めて記述する「BCS理論」が発表され、後に72年ノーベル賞を受けるのですが、南部さんはこ の「超伝導理論」の中に「対称性が破れる」部分があることに気がつきました。なぜそうなるのか? 面白い、と思った南部さんは、熟慮の末にある「悟り」に 達します。物理法則には因果性がありますが、ここでの「対称性の破れ」は「たまたま」起きた、自発的spontaneousに起きたのだ、として「な ぜ?」と問うことをいったんやめて、逆にそれを出発点=原理として、そこから先の物理を構築するアイデアを提出します(1961年)。

 この「対称性の破れ」は実験的にどんどん検証されてゆきます。1964年、東京オリンピックの年にジェームズ・クローニンとヴァル・フィッチは楊・李+ 呉の「パリティ(P)対称性の破れ」に加えて(説明は省きますが)「パリティ(P)+電荷(C)対称性の破れ」=「CP対称性の破れ」を実験的に観測し、 モスクワオリンピックが物議を醸した1980年にノーベル賞を受賞します。

 この「CP対称性の破れ」を最初に理論的に記述し、整合した説明を与えたのが、小林誠さんと益川敏英さんの「小林・益川理論」(1973)でした。 クォークが6個ある、現在の標準的な素粒子理論(標準理論)の基本的土壌を整える大業績で、いつノーベル賞が出てもおかしくない、自然科学史上不朽の仕事 です。

 ただ、ここで強調しておかねばならないのは、こうした「自然科学史上不朽の仕事」が、物理学にも化学にも、はたまたノーベル賞に設置されていない専門分 野(環境科学、地球科学、情報科学、認知科学etc etc etc)にも、大変な数存在しているという基本的な事実です。

 賞を貰うだけが大切な研究成果ではない。まったくそんなことはありえない。

 世の中では「ノーベル賞を取った」というと、大変な騒ぎ方をする。でも、本当に大きな仕事をした人は、みんなむしろ自分の内側に向かって謙虚で、自然界 の真理に最初に触れることができた、という内的に深い満足を持っているものです。亡くなった戸塚さんの最晩年は特にそうだったと思います。

 末期ガンで余命いくばくもないと自他ともに知りながら、戸塚さんは毎年ノーベル賞を待たれたと思います。でも、周りがやきもきするのと違って、ご本人 は、人間が作り、人間が毎年決めるノーベル賞ごときを超えて、自分は自然法則の根幹に触れたという、揺るぎのない確信を持って、若者向けに自然科学の喜び を淡々と教えるような、充実した最晩年を送られ、静かに息を引き取られた。エジソンやコンピューターを作ったフォン・ノイマン、ニコラ・テスラなど、ノー ベル賞を受けることなく、それを超えてしまった人々の列に彼は足を踏み入れたと私は思っています。大江健三郎氏はノーベル賞をもらって文化勲章を拒否しま したが、1964年ジャン=ポール・サルトルは「いかなる人間でも生きながら神格化されるには値しない」とノーベル文学賞を拒絶して、ノーベル賞を超えて います。戸塚さんもまたノーベル賞を超えた。ある意味では小柴さんを超えたと言ってもよいでしょう。むしろ短慮によって賞が間に合わなかったノーベル財団 が非難され、負けているのです。


日本が本当に誇るべきこと:純日本産の「ニュートリノ振動」

 小林・益川の両氏の受賞は、まずもって喜ぶべきことと思いますが、今年のノーベル物理学賞が日本に来た最大の理由は、昨年までに戸塚洋二さんにノーベル 物理学賞を授与しそこね、巨大な学術予算も投入して得られた「ニュートリノ振動の観測=ニュートリノ質量の存在確認」という大成果に、結局ノーベル賞が出 せなかったことに対する、強烈な批判と様々なロビィ活動があって実現したものと考えるべきでしょう。これと、化学賞の下村さんとは全く独立の現象で、こち らについては次回記したいと思います。

 すでにノーベル賞の推薦委員も長年務めている益川さんあたりは、裏も表も全部分かっていて、別段賞がうれしいとか何とかではなく、むしろ、いつ貰っても おかしくないのに、長年タイミングを逸し続けてきた南部先生の受賞が嬉しいというのは、掛け値なし、文字通りの本音だと思います。

 益川先生にはとりわけ、ノーベル賞を貰ってもいつまでも普通のおじさんでもい続けていただいて、そろそろいい加減「ノーベル賞受賞→神棚に奉り」とい う、みっともない後進国根性を日本も超克するべきだと思います。それはすでに事実で、私も研究上ご一緒している島津製作所の田中耕一さんは、いまだに作業 服で現場の仕事をしていると聞きますし、さきほど触れた超伝導の理論を作ったジョン・バーディーンは、トランジスタの開発で最初のノーベル賞を授賞 (1956)した翌年に、次のノーベル賞受賞業績であるBCS理論を発表しています。

 南部先生の受賞は、先に挙げた1957年の楊・李2人のシカゴ大学での指導教官、インド出身の大理論物理学者、シュブラマニャン・チャンドラセカール (1910-1995)の受賞を想起させます。チャンドラセカール教授の受賞も「遅すぎる」と言われましたが、今見てみると73歳で、南部先生の87歳よ りよほど若い。南部先生もチャンドラセカールもみな、シカゴ大学でエンリコ・フェルミの薫陶を受けながら、関連の物理学に本質的貢献をされた大自然科学者 です。

 戸塚さんのご逝去が引き金になって、日本の素粒子物理学への授賞という動きが出て、「対称性の破れ」という授与ストーリーから、50年近くタイミングを 逸し続けてきた南部先生にノーベル賞が出た。そういう流れでほぼ間違いないと思います。私個人は専門も違い、数回セミナーを伺ったことしかありませんが、 そもそも南部先生の『クォーク』(講談社)を読み、そこで紹介されていた『ファインマン物理学』(岩波書店)で物理を専攻した個人的な経緯もあって、本当 にうれしく思っています。

 ただここで、もうひとつ挙げておかねばならない決定的な人物がいます。それは「与えられなかったノーベル物理学賞」ニュートリノ振動を理論的に予測した 物理学者です。実はその人もまた、日本人だったのです。坂田昌一博士(1911-70)は京都大学で湯川・朝永振一郎の3級ほど下に当たり、湯川さんの第 2論文以後の共著者として、純日本発の素粒子理論、強い相互作用の「2中間子理論」の問題を解決し、1950年代から、いつノーベル賞を受けてもおかしく ない大物理学者でした。その坂田博士が1962年、やはり亡くなった牧二郎先生(1929-2005)などと共著で予言したのが「ニュートリノ振動」なの です。

 つまり、戸塚洋二さんが受け損ねた「ニュートリノ振動」は、実験はもとより、理論的な予言から、何から何まで日本が決定的なイニシアティブを取って世界 をリードした、物理学上の最大問題の1つだったわけです。ところがこれを、ノーベル財団は結局、きちんと顕彰することができなかった。普通に科学を知る良 識層はすべて、これを「ノーベル賞の失策」と見ますし、選考委員会もいろいろ考えざるを得なくなります。かくして、今年のノーベル物理学賞は日本の素粒子 物理に、という不可避の方向性が固まっていくわけです。


坂田あっての小林・益川

 坂田博士は1950年代、中間子理論を発展させて、先駆的な素粒子(ハドロン)の「坂田モデル」を提出します。これを発展的に解体して、マレー・ゲルマ ン(1929-、1969年ノーベル物理学賞受賞)によって現在のクォークモデルが建設されますが、坂田博士自身は1970年に逝去してしまわれます。こ れはちょうど、南部博士の先駆的な「弦理論」が発展的に解体されて、現在の超弦理論(SuperString Theory)が建設される経緯とも似てい ます。

 坂田博士は京都から名古屋大学に移られ、そこで学生を育てました。この坂田研出身で、1973年に「CP非保存」を説明する「3世代行列モデル」を提出 したのが、小林誠さんと益川敏英さんにほかなりません。

 益川さんが「自分はちっともうれしくない」と言われますが、その背後には、今日の核子物理学の主要なデザインを構想し、小柴―戸塚のニュートリノ振動も 予言しながら、やはりノーベル賞を受けることなく40年前に亡くなった坂田先生以来の蓄積が存在しているのです。

 科学は決して一人の力でできるものでなく、多くの人の協力で成立するものです。と同時に、科学は多くの人の才能を伸ばすことで成立し、ちょっとでも出す ぎた杭があると叩きつぶすことに汲々とする日本の風土は、クリエイティヴなサイエンスを育てるのに、極めて不向きです。ノーベル賞が出た、というと「母 校」や「ゆかりの大学」がお祭りをしたり、後追いで「文化勲章」など急ごしらえで出すことを相談しているらしいですが、なぜ人々は日本から頭脳流出せざる を得なかったのか、そういう観点はノーベル賞お祭り報道の中で全く顔を出しません(このことは現役の東京大学教員としても、声を大にして強調したいと思い ます)。


日本が真に自覚すべきオリジナリティ=コア・コンピタンスの重要

 歴年のノーベル物理学賞受賞業績を見ると、様々な国籍の科学者が貢献していますが、「パリティ非保存」の楊・李+呉で、中国の科学者が西欧中心の科学の 価値観に決定的にオリジナルな貢献をしたのと並んで、「ニュートリノ振動」の坂田+小柴+戸塚+須田は、日本の素粒子物理学の決定的なオリジナリティを内 外に示す、本当に大切な成果です。こうしたオリジナリティを誇れる非欧米の国が、日本と中国のほか、この地球上には存在しません。

 アジア、アフリカ、ラテンアメリカのどの国でも、理論と実験の双方で、その国の中でサイエンスを実現したサイエンスでノーベル賞の承認を得ている国は存 在していません。途上国出身の大科学者の活躍の舞台は主に米国、次いで欧州なのです。今年日本人と日系人(この違いが決定的なんですが!!!) にこれだけ一挙にノーベル賞が出たことには、一定以上の意味が(結果的にであれ)明確に存在します。

 日本の科学技術水準がその品位を本当に認められ、一目も二目も置かれるのは、こうした確かな足元があってのことなのです。

 本当に日本が誇るべきことは何か? そして、世界でモノが分かっているひとたちは全員知っている事実は何なのか? それは、今年のノーベル賞の表層だけ でなく、その背後で結局、ノーベル財団が「授賞すること=顕彰することが出来なかった」ニュートリノ振動という、完全に日本産の大業績の、ノーベル授賞業 績表からの「喪失」にたいする配慮と思います。

4.米アマゾンがストレージ・サービス「S3」の料金を値下げ (10.9 nikkeibp)
 
米アマゾン・ドットコムは2008年10月9日(米国時間)、クラウド型ストレージ・サービス「Amazon S3」の料金を値下げすると発表した。従来は容量に関係なく1Gバイト当たり月額0.15ドルだったが、11月1日から段階制料金制度とし、500Tバイ トより多く利用する場合は同0.12ドルとする。子会社の米アマゾン・ウェブサービスを通じてサービスを提供する。

 Amazon S3は、WebサービスAPIを使って開発者が任意のデータをアマゾンが運用するストレージに保管できるサービス。保存した容量と転送量、リクエスト数に 応じてアマゾンに料金を支払う。今回同社が実施したのは、保存した容量に応じた料金の値下げである。最初の50Tバイトまでは1Gバイト当たり月額 0.15ドル、以後100Tバイトまでは同0.14ドル、500Tバイトまでは同0.13ドル、500Tバイトを超える場合は同0.12ドルとした。

 転送量やリクエスト数に関連する料金は変更していない。Amazon S3に対して送信(書き込み)される通信に関して、転送量1Gバイト当たり月額0.1ドルを課金する。Amazon S3から送信(読み出し)される通信に関して、転送量10Tバイトまでは1Gバイト当たり月額0.17ドル、以後50Tバイトまでは同0.13ドル、 150Tバイトまでは同0.11ドル、150Tバイトを超える場合は同0.1ドルを課金する。このほか、Amazon S3に対する書き込みのリクエストに関しては、1000件ごとに0.01ドルを、Amazon S3に対する読み出しのリクエストに関しては1万件ごとに0.01ドルを課金する。

 アマゾンでは併せて、Amazon S3のユーザー数なども公表している。現在、Amazon S3には290億個のデータが保存されており、そのうちの220億個が直近の四半期に書き込まれたものだという。ユーザーからのリクエスト数は膨大で、 08年10月1日にはAmazon S3に対するデータ保存や削除、回復といったリクエストが毎秒7万件発生したとしている。

5.米で開始のモバイルWiMAXサービスに対応したノートPCが登場,Intel などが発表(10.9 nikkeibp)
米Intelとパソコン・メーカー4社は米国時間2008年10月8日,モバイルWiMAX技術に対応した製品を発表した。米Sprint Nextelが9月に米メリーランド州ボルチモアで開始した無線インターネット接続サービス「XOHM」に対応している(Sprint,モバイル WiMAXの商用サービスを開始)。2.5GHz帯の周波数を利用し,下りで平均2M〜4Mビット/秒の通信速度を実現する。

 Intelは,Centrino 2用統合モジュール「WiMAX/Wi-Fi Link 5050」シリーズの出荷開始を発表した。WiMAXとWi-Fiの両方に対応したモジュールは初めて。あわせて,パソコン・メーカー4社が,このモ ジュールを搭載したノート・パソコンを発表した。台湾のAcerが「Aspire 4930-6862」「Aspire 6930-6771」,中国のLenovoが「ThinkPad X301」「ThinkPad T400」「ThinkPad SL300」「ThinkPad SL500」,東芝が「Satellite U405-ST550W」を発表。台湾のASUSTeK ComputerもモバイルWiMAX対応製品を発表した。このほか,米Dell,韓国Samsung,パナソニック,ソニーも,WiMAX対応のノー ト・パソコンを2009年に予定しているという。

 その他のWiMAX対応製品としては,中国ZTEのUSBモデムや,フィンランドNokiaのインターネット・タブレット「Nokia N810 WiMAX Edition」が10月中に発売される予定。Sprint Nextelも,現行の3Gサービスと新しいWiMAXサービスの両方に対応したデバイスを第4四半期中に発売するとしている。

 なお,Sprint Nextelが米Clearwireとの間で予定していたWiMAX事業の合弁会社は,第4四半期中に設立される予定という(関連記事:Sprintと ClearwireがモバイルWiMAX事業の合弁設立へ,IntelやGoogleなどが出資)。  


 

 ホームページへ