週間情報通信ニュースインデックスno.667  2008/08/09

1.はりぼてだらけの北京で、人々が見る夢は(8.8 nikkeibp)
コンクリートの骨組みを布で覆った建設中のホテル
 筆者のオフィスの道路を隔てた向かい側に、建築中のホテルがある。鉄筋コンクリートの骨組みは既に最上階まで出来上がり、外壁を取り付ける作業の途中 で、工事はいったん中断していた。 オリンピックに備えて、7月から北京市内の建設工事が一斉に停止されたためだ。

 ところが、オリンピック開幕まで数日に迫ったところで、目を疑うような光景が出現した。無人だった工事現場に数人の作業員が戻り、命綱をつけて建物にぶ らさがったかと思うと、まだ外壁がなくコンクリートがむき出しの部分を、窓ガラスの柄をプリントした布で覆い始めたのだ。

 建築主は、世界中から観衆が集まるオリンピックの期間中、建物を骨組みがむき出しのままでさらしておくのはみっともないと考えたのかもしれない。だが、 外壁が布張りのビルはいかにも「はりぼて」で、見せかけだけをやっつけ仕事で取り繕ったことがありありとわかる。これでは、かえってもの笑いのタネになる のではないかと、他人事ながら心配になる。

見せたくないものを隠す巨大看板

 北京の街角の風景は、オリンピック開幕までの最後の1週間で大きく変わった。2週間前は幹線道路沿いだけだったオリンピックの幟や提灯が路地にまで飾ら れ、企業の商品を宣伝していた看板は大部分がオリンピックの看板に掛け替えられた。商店はみな軒先に五星紅旗を掲げ、お祭りムードを盛り上げている。

 国家の威信をかけてオリンピック開催に臨む中国政府は、北京の街角を五輪一色に染め上げることで、首都の目覚ましい発展ぶりを世界にアピールしようとし ているのだろう。

 だが、対外的な見た目を気にするあまり、かえって逆効果ではと首をかしげるものも少なくない。冒頭のホテルはその極端な例だが、筆者がもう1つ気になっ たのが、幹線道路沿いのあちこちに出現した巨大なオリンピックの看板だ。

 
幹線道路沿いに出現したオリンピックの巨大看板
 これらの看板の目的は、裏側にある敷地を道路から見えなくすることにある。たいていは再開発の工事現場で、古い住宅を取り壊す途中だったり、出稼ぎ労働 者用の仮設住宅が建っていたりする。要するに、見せたくないものを巨大看板で隠しているわけだ。そこには布張りのホテルと同様、やっつけ仕事的な「はりぼ て」感がただよう。

 どうせ隠すなら、もっとさりげなくすればよさそうなものだが、当局はそうは考えなかったらしい。派手な色遣いの巨大看板は大いに目立ち、外国人である筆 者などはつい「看板の裏側には何があるのだろう」と興味を引かれてしまう。

実態以上の見せかけの繁栄

 中国は改革開放後の30年間で、確かに目覚ましい発展を遂げた。それでも、昨年の国民1人当たりGDP(国内総生産)は2310ドル(IMF予測値、約 25万円)と、日本の15分の1強にすぎない。農村部はもちろん、北京のような大都会にも貧しい人々がたくさんいる。にもかかわらず、政府は余計なお金を 使って街角を過剰に飾り立て、実態以上の見せかけの繁栄を作り出していると、陳さんは嘆く。

2.ユーザー作成コンテンツがひっくり返す、商売の常識(8.8  nikkeibp)
 「VOCALOID 02 初音ミク」というパソコンソフトは、もうごぞんじのことと思います。あの、緑色の髪をした女の子のキャラクターを思い浮かべる方も多いでしょう。たしか に、キャラクターそのものにも、絶大な人気があります。

 ごぞんじない方にご説明しておくと、これは音楽制作用のソフトです。ただ、ふつうのソフトとはまったく違っている。音符を入力すると、そのメロディーを 「人間の声で歌ってくれる」んですね。厳密には「声優が吹き込んである音声データが合成され、ユーザーの思いのままに歌わせることができる」と考えてくだ さい。初音ミクというキャラクターは、このソフトの中にいる「バーチャルな歌手」のことです。

 これが凄いのは、昔のSF映画のような「いかにも機械的な声」で歌うのではないこと。ヤマハが開発したVOCALOIDエンジンという技術が利用され、 かなり自然な歌声が作れる。細かくパラメータを調整すれば、それが合成音なのか、本当の人間が歌っているのか、すぐには区別がつかないレベルにまで高めら れます。もしお疑いならば、ネット上を探してみてください。さまざまな曲を、すぐに発見できると思います。

 このソフトの登場は、とてつもない革命を引き起こしました。 なにしろ、自宅のごく普通のパソコンさえあれば、プロのボーカルが歌っているかのような曲 を作れてしまう。これがユーザーの心をガッチリとつかみ、一種のムーブメントを引き起こすこととなったのです。

ネットに公開された数万の楽曲たち
 その影響力は、ネットを見てみれば一目瞭然です。

 ソフトの発売は2007年8月。まだ1年しかたっていないというのに、たとえばニコニコ動画には、すでに数万本の楽曲(の動画)がアップされています (すべてを数えることはできないので、もしかしたら十万曲を超えているかもしれません)。少なくとも、1日に100〜200本のペースで、アマチュアたち の手による楽曲が公開されている計算です。

 ここまで大量の曲が公開されると、中にはユーザーの支持を集めるものも出てきます。それらは、いまではネットの世界を飛び出して、たとえばカラオケ曲と して配信されるようになっているものもあります。CD化され、「初音ミクが歌っている曲」として販売されるものも登場しているほどです。

 つまり、ネット空間という広大な「ストリート」で、みんなが一斉にストリート・ミュージシャンを始めたようなもの。誰もが自由に曲を発表していたら、そ の中にはとびきりの才能の持ち主がいた。それが一気に人気を集め、プロとしてデビューするようになった――と考えると、このムーブメントは理解しやすいか もしれません。

 こうして、アマチュアが、自宅のパソコンを使って作ったボーカル曲が、いまではCDショップに売っている時代になったのです。こんなことをやってのけた 「音楽ソフト」は、空前絶後でしょう。

 現在では、「初音ミク」の他にも、さまざまなVOCALOIDソフトが発売されています。最近では、プロの歌手であるGACKTの声で歌わせることので きる「がくっぽいど」(株式会社インターネット)なども登場。デジタル技術の猛烈な発展により、音楽の世界でも、主にプロだけがユーザーを楽しませる作品 を作る時代は、ゆるやかに 終わりつつあります。すべてのユーザーが自由に楽曲を作れて、みんなが楽しむというムーブメントは、まだまだ広がっていくでしょう。

3.データ通信カードの利用率は1割未満、通信キャリアはNTTドコモがトップ (8.6 nikkeibp)
 マイボイスコムは8月6日、データ通信カードの利用状況に関する調査結果を発表した。それによると、データ通信カードを利用している人はわずか8.7% にとどまり、まだ一般に普及していないことが分かった。

データ通信カードを個人で利用している人は5.3%、会社で利用している人は2.3%、個人でも会社でも利用している人は1.1%だった。利用して いるデータカードのキャリアは、「NTTドコモ」が30.9%でトップ、以下「WILLCOM(ウィルコム)」(22.2%)と「au」(18.6%)が 続いた。

個人でデータ通信カードを利用している人にキャリアの選定理由を尋ねると、「使用している携帯電話と同じキャリア」という理由が最も多く 36.1%。「月額使用料が安い」(31.6%)が僅差で続いた。他には「完全定額制で、使用量を気にせずに使える」(23.9%)、「通信速度が速い」 (15.6%)などを挙げる人が多かった。

1カ月当たりの利用料金として最も多いのは「4000―5000円未満」(18.4%)。次いで「3000―4000円未満」(15.5%)と 「5000―6000円未満」(14.2%)が続き、3000―6000円未満が全体の約5割を占めている。

データ通信カードの購入や買い換えを検討している人は、全体の20.5%を占めた。利用したいキャリアは「NTTドコモ」(35.6%)、「au」 (22.4%)、「SoftBank」(18.3%)の順となった。

調査は7月1―5日にかけて、1万3869人を対象にオンラインでアンケートを実施した。

4.欧州の2.5GHz帯で始まったWiMAXとLTE共存の動き(8.8  nikkeibp)
 欧州で2.5GHz帯周波数の配分が始まった。欧州委員会(EU)が2008年6月にこの帯域の配分方針を決定したところで、ノルウェー など既に周波数オークションを済ませた国もある。今後は技術中立原則(帯域における採用技術を限定しない)の下で、各国が周波数配分を進めていく。これか らは新規参入が中心となる「WiMAX」と既存移動通信事業者による第3世代(3G)、第4世代(4G)携帯電話システムを含む「LTE」(long term evolution)ファミリーという二つの技術が、2.5GHz帯に共存することになる。

5.NTT東西がNGNを使った低コストVPN「フレッツ・VPNワイド」を発表 (8.7 nikkeibp)
 NTT東日本とNTT西日本は2008年8月7日、NGN(次世代ネットワーク)を利用した低コスト型のIP-VPNサービス「フレッ ツ・VPNワイド」を8月18日に開始すると発表した。NTT東西がそれぞれフレッツ網を使って提供している「フレッツ・グループアクセス」や「フレッ ツ・グループ」のNGN版に当たる。

フレッツ・VPNワイドは、NGNの光ブロードバンド・サービス「フレッツ 光ネクスト」を利用している複数拠点をIPで接続してVPNを構成する。より信頼性の高いアクセス回線を利用したい場合は、オプションでNGNの広域イー サネット・サービス「ビジネスイーサ ワイド」を利用できる。ただし、帯域確保型の通信が可能なNGNを利用するものの、今回のサービスではフレッツ・グループアクセス」や「フレッツ・グルー プ」と同様にベストエフォート型の通信だけを提供する。



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