週間情報通信ニュースインデックスno.651   2008/04/19

1.宮田秀明:日本衰退の流れを止める杭を打とう(4.18  nikkeibp)
 少し過激に言わせてもらえば、この国は無能の政治家集団と無能の官僚組織によってボロボロにされている。このまま続けば日本がどんどん衰退していくだろ う。個人としては立派で優秀な方々なのだろうが、組織としてはこう言っても言い過ぎではないだろう。

道路建設を目的とした暫定税率の問題では、決断力の低さから支持率が日に日に低下する福田首相が、全額一般財源化すると明言した。道路族の言いなり になっていると自民党が危ないということに、世論に押されて気づいてくれたのだろう。

早く民主党との合意を成立させて、全額一般財源化に方向性を統一し、あとは来年度予算の編成に向けて、その財源をどう使うかの議論を始めなければな らない。

一般財源化しても、道路族の逆襲に屈して、その多くを道路に使うことになったのでは、元も子もない。道路公団民営化委員会の時と同じように、結局予 定した道路は全部建設することになってはいけない。

この財源は、国家再建のための貴重なものである。使途を最適にして国の経営課題を正しく解かねばならない。民主党も、一般財源化の方向に歩み寄る時 に、このことを条件にするのがいいのではないか。

2.2010年までのデジカメ市場を予測する 日本のモノ作りの強さの象徴(4. 17 nikkeibp)
 エレクトロニクス関連製品の世界市場で日本メーカーのシェアが最も高いのは――。テレビ? オーディオ機器? 答はデジタル・スチル・カメラ(デジカメ)やビデオ・カメラなどの「撮像機器」である。

電子情報技術産業協会(JEITA)が2007年12月に発表した「電子情報産業の世界生産見通し」によると、2007年の世界の撮像機器生産額に 占める日系企業のシェアは86%と圧倒的だ。2番目にシェアが高いのはカーナビ、カーオーディオなどの車載AV機器で59%。テレビは39%、パソコンに 至ってはわずか7%に過ぎない。

デジカメの普及機が市場に登場したのが1995年。それからデジカメは数量ベースで二桁成長を続けており、常に日本メーカーが世界をリードし続けて きた。
2007年の世界のデジカメ市場は年初の予測を大幅に上回って好調だった。カメラ映像機器工業会(CIPA)では、国内デジカメ・メーカーの世界出荷台数 (*1)を年初は一桁成長と見ていたが、結果は前年の成長率さえ上回る27.1%増と大きく伸びて、1億台を突破した。

また、『日経マーケット・アクセス』の調査による2007年の世界のデジカメ生産台数は1億2540万台、対前年比27.9%増とほぼ同じ成長率 だった。高画素化に加えて、手ブレ補正や高感度化、顔認識などの機能が充実し、欧米や日本で買い替え需要を喚起した。さらに新興国でも新規需要が伸びた。


3.アウトソーシング新時代:大国インドの人気はコスト優位性が崩れて低下し、別の 国が浮上(4.17 nikkeibp)
 メキシコのIT(情報技術)サービス会社ソフテック(本社:モンテレー)は昨年、30の新規顧客を獲得した。顧客の多くはIT業務の一部をインドの企業 へアウトソーシングしていた。だが「何か違うものを求めて」ソフテックに業務を依頼してきた、と世界各地に展開する同社のニアショア(近隣国へのアウト ソーシング)サービス担当CEO(最高経営責任者)のベニ・ロペス氏は言う。

インドへIT業務をアウトソーシングしてきた会社は、何年も前から“インドにはないもの”を探してきた。インドの高い転職率と信頼性の低い通信イン フラなどがその理由だ。だが最近になって、インド以外のアウトソーシング先探しが緊急性を帯びてきた。

とりわけドル安でルピー建てITサービス費用の増加に苦しむ米企業にとっては切実な問題だ。過去5年間でドルの対ルピー為替レートは約16%下落。 高い不動産コストや増税の見通しも相まって、インドの魅力は薄れつつある。

インドへのアウトソーシングが割高になるにつれ、北米の企業は時差のあまりない西半球の近隣諸国に目を向け始めた。数年前には、インド企業にITな どの業務を委託することで40%〜50%のコスト削減ができた、と米経営コンサルティング会社ネオIT会長のアトゥル・バシスタ氏は言う。だがこのままド ル安が続けば、コスト差は10%〜20%に縮小すると同氏は試算する。「20%しかコスト削減できないとなると、時差が気になってくる」(バシスタ氏)。

米キンバリー・クラーク(KMB)がアルゼンチン・ブエノスアイレスにあるコグニザント・テクノロジー・ソリューションズに独SAP(SAP)ソフ トウエアのアプリケーションの技術サポートを委託したのも、時差を考慮した結果だ。

4.鈴木貴博:ガソリン25円安の“功罪”(4.16 nikkeibp)
 暫定税率が期限切れになり、ガソリンの価格が全国で一斉に下がった。4月中旬ともなるといよいよ3月分の在庫も入れ替わり、本格的に仕入れ値が安いガソ リンが出回り始めている。これだけ大きな話題になると、僕に対しても周囲から「ガソリンの話はどうなの?」という質問をもらうようになる。だが、そのたび に「複雑なだけに、いい話でも悪い話でも、どんな話でもできてしまう」と答えてきた。そう、この話は複雑なのだ。

まずは、ガソリンの税率についての“おさらい”からいこう。

2008年3月まで、ガソリンには1L当たり48.6円の揮発油税が掛かっていた。ガソリン本来の価格は100円に満たない程度でも、そこに揮発油 税と消費税が掛かっているから、例えばリッター147円という価格設定になるわけである。この48.6円の税金は、積もり積もって2兆円の税収となる。こ れが道路特定財源の4割を占める、重要な税収源となってきた。

道路特定財源にまつわる様々な話については他誌でも読んでいただくとして、この48.6円の税金のうち、半分に当たる24.3円は「本則税率」と いって、元々、法律で定められた恒久的な税率だ。そして残る24.3円が、今回、問題となっている「暫定税率」。ある一定の期限を定めて、暫定的に上乗せ された税率のことである。

1974年に初めて導入されて以来、おおむね5年、10年、15年といった形でその期限は延長され、税率も小刻みに値上げされてきた。

そして今年、2008年も、政府の方針では2018年まで10年間、さらに延長する予定だった。ところが両院で議論が紛糾し、期限切れとなってこの 4月からいったん廃止となった――というのは、皆さんご存じの通りである(※編集部注)。

この廃止された24.3円には消費税も掛かっていたので、4月以降に出荷される新しいガソリンの価格は、おおむね25円ほど下がることになった。そ れで我々、消費者は、喜んで値下がりしたガソリンを「お得だ」といっては買っているのである。

「お得」な話といえば(ようやく三題噺に入ります)、ガソリン代が下がったことで、この4月に限っては、“お得な話”がどんどん出てくる。景気が良 くなるのだ。

ガソリン税率は、どうすべきなのか。

 結論からいえば、暫定税率は1年以内に復活させたほうがいい。それも本則税率として定めたうえで一般財源化するというのが、日本にとっては一番い い。

 日本が抱える借金の量を考えれば、税収を大幅に減らすことは国策としては絶対に採れない。さらに世界的に見ても、環境問題を考えれば、国民がガソ リンをがぶがぶ使うような状況を長期間、放置することもできない。

 いずれの観点から見ても、ガソリン価格は高いほうが、今の国策には沿うのである。

 一方で、その使途は道路建設よりもほかに、もっと使うべき途(みち)がある。だから税収は昨年と同じ水準を保ち、使途を自由にできるように切り替 えたほうがいいのだ。

5.いま必要なのは「ドコモ2.0」ではなく「iモード2.0」(4.17  nikkeibp)
iモードが登場したのは1999年の2月です。「9年2カ月」という歳月は、ICTビジネスの世界では「ふた昔」といえるほどの歳月です が、少なくとも利用者の側から見たiモードの仕組みは、1999年以来、驚くほど変わっていません。

 それどころかドコモは、「iモードの仕組みは変えないことが重要」と思ってきたフシすらあります。FOMAの900iシリーズが登場した2004 年初頭、ドコモの夏野剛氏は各所で「第3世代だからと言ってiモードそれ自体を変える必要はない」とコメントしていました。

 確かに当時はまだ、iモードをわざわざ変える必要はなかったのかもしれません。が、今や業界を取り巻く情勢は1999年当時とは大きく変わってい ます。端末メーカーの体力は当時よりずっと弱っており、このままではいつまた撤退するメーカーが出てきてもおかしくない状況です。携帯ネットワークのオー プン化圧力もますます高まっています。

 何より、端末もネットワークも高度化していく中で、iモードを構成するパーツひとつひとつを、ドコモと関連ベンダーの開発力だけでまかなうという 発想が既に古い、そう思うのです。

なぜ2つもブラウザーが入っているのか

 現在の携帯電話は、1999年から引きずってきた古い機能をそのままに、どんどん新しい機能を付け加わっていったことで、いささか自己矛盾をきた している、そんな印象すらあります。

 そもそも、携帯電話1台の中にどうしてブラウザーが2つも搭載されており、それぞれ別個の料金体系になっているのか、おかしいと感じたことはない でしょうか?
 私が使っているN905iμになると、なんとブラウザーが3つも搭載されています。3つもブラウザーを付けてくれて大サービスのつもりかなのもしれませ んが、そのくせこのモデルは、何故かメールに記載されたURLリンクから、未だにフルブラウザーを直接起動することすらできなかったりします(!)。要す るにmovaと呼ばれた第2世代の「N501i」の頃の古い設計が未だに混在してしまっているのです。

 また、3つあるブラウザーのどれもが、正直、満足できる出来栄えとは言えません。「ドコモが一方的に決めたベンダーではなく、優秀なサードパー ティが競ってケータイ用ブラウザを開発し、それを自由にインストールできたら!」といつも思うのですが、そうしたパソコンのような仕組みは相変わらず実現 していません。そうした競争原理が導入されたら、あっという間に、携帯ブラウザーのグローバルな市場が立ち上がると思うのですが。

 わずらわしい携帯メールの扱いもなんとかしてほしい。機種変更をするたび受信メールを相手によってフォルダーに振り分ける設定をし直す作業は実に 面倒です。パソコンの場合なら購入したら数年は使い続けますが、振り分け設定をインポートできるのは今や当たり前です。ところが、ケータイは2年程度で買 い換えるのに、こうした設定を引き継ぐことができません。

 ひところ、「ドコモ2.0」というコピーが話題を集めました。結局のところドコモ2.0が何を意味していたのか、私を含め多くの人が良く分からな かったと思います。しかし今こそNTTドコモは、ソフトバンクに引っ張られて料金競争をするより、まずはiモードの仕組み自体を、向こう10年のICTビ ジネスの進化に耐えうる内容、いわば「iモード2.0」とでも言うべきものに再構築すべきではないかと思います。



ホームページへ