週間情報通信ニュースインデックスno.650   2008/04/12

1.ソニーのウォークマン戦略に学ぶ、日本経済“復活劇”(4.9  nikkeibp)
 鈴木 貴博
 ワールドビジネスサテライトの“視聴術”に話を戻そう。 これをどうすればウォークマンで見られるのかというと、これが実に簡単なのである。夜、家に 戻って携帯やめがねや時計を置くのと同じように、窓際にウォークマンを無造作に置く。それだけだ。

 ただし、アンテナを広げておくのを忘れてはいけない。それだけ注意すれば、予約したテレビ番組の録画はウォークマンが自動的に行ってくれる。
 翌朝、ウォークマンを首からかけて電車に乗ると、昨晩、放送された「ワールドビジネスサテライト」、そのほか予約しておいた「ガイアの夜明け」や 「NHKスペシャル」「世界ふしぎ発見」といった仕事に役立ちそうな番組が録画されている。

 しかも、再生は1.5倍速まで可能だ。CMを早送りすれば、1時間程度の番組は、電車で自宅から丸ノ内方面へ向かう30分間ぐらいの間に、ほぼ視聴し終 えることができる。
 僕の場合、若者のように電車内で親指を使ってメールを打つような芸当はできない世代なので、ただひたすらウォークマンの映像を見ながら昨晩の経済状況を おさらいするほうが、通勤時間の有効利用になる。

 ワンセグというのは画素数が粗いため、パソコンのような大きい画面で見るとつらいのだが、ウォークマン程度の小ぶりな液晶で見れば、実に鮮明なデジタル 画像に見える。実際、ワールドビジネスサテライトのコメンテーター・御立尚資さんの顔の皺の数ぐらいまで、きちんと把握できる。それぐらい鮮明な映像情報 が入ってくるのである。

 これからの5年、テレビを中心とする放送業界は大きな変革の嵐にさらされるだろう。You Tubeをはじめとする動画サイトやネット情報との競合で、テレビの前にじっくり座って番組を見る人の数も、視聴時間も、減少傾向が明らかになってくるは ずだ。

 それに対抗するためには、いかに様々な場所、様々なシーンで番組コンテンツを見ることができるようにするかがテレビ局にとっては課題になっている。ネッ トでコンテンツを流す、携帯にニュースを配信するなど、様々なやりの方の試行錯誤が、本格化する時代が来ているのだ。

 ワンセグというのは、これまで、期待されている割には視聴傾向が広がらない感があった。それはやはり「リアルタイムで番組を見せる」というのが、ユー ザーニーズに合っていなかったからではないか。 その意味で、ワンセグビデオという形で録画しておいた番組を、タイムシフト視聴(ユーザーが好きな時間帯 に見ること)でいつでも見られるという機能は、よりユーザーニーズに合致したものだといえるだろう。

 今は小さな動きにすぎないかもしれない、このワンセグ録画機能を搭載したウォークマン――ここに、僕は何か新しい日本発のユーザー行動の萌芽を、さらに いえばソニー復活、日本経済復活の萌芽のようなものを感じている。 そして、ほかの多くの日本企業にとっても、事業再生にかかわる“学び”が、このウォー クマンの復活劇にはある――といったら、言い過ぎであろうか。

2.海の男の現場力に感嘆する(4.11 nikkeibp)
宮田 秀明
明石海峡では、もっと危険なことがあった。私の乗船する長さ250メートルの大型コンテナ船は、兵庫県の相生港を出港して、和歌山沖での試運転に向かうた め、明石海峡を通過。そして南へ進路を変えた瞬間に、目の前に広がる約30隻の漁労中の漁船群が視界に入ってきた。それまで、淡路島が影になってレーダー でも見えなかった。

 私は隣の船長(ドックマスター)を見た。彼の顔には強い緊張感がみなぎっていた。「どうするんだろう」と私は思った。
 「クラッシュ・アスターン(緊急停止操船)をかけるのでは」という私の予想に反して、彼は右舷側の海域を確認してから言った。「ハード・スターボー ド」。右に急旋回して、速度を落として、立て直してから、漁船を避ける方法を取ったのだ。

 クラッシュ・アスターンを実行すると止まりきらないかもしれないし、エンジンを壊すかもしれない。急旋回すると淡路島側に座礁するかもしれないが、船長 はとっさに座礁の危険をクリアしながら急旋回することを選んだのだった。

 これがプロの仕事だ。現場のプロの力が日本を支えているのだと思う。

現場現物を知らない学生たちも製造現場のプロの仕事ぶりに感嘆

 大学のカリキュラムの中で、現場現物を見学する講義を担当している。重工業、自動車、エレクトロニクスの3つの代表的な製造現場を3年生50人に見せる のだ。
 現代の若者は、現場現物を知らない。現物を製造物とするなら、よく知っているのは自転車が最大のものだ。自動車部の学生でない限り、工学部生にとっても 車はブラックボックスだ。

 彼らは、乗用車の生産ラインを見て目を白黒させる。ロボットにも感心するのだが、組み立てをする技能工の方々にはもっと感心する。日本を支える製造業の 現場の人のプロの姿に感嘆するのだ。

 民間部門の現場力はまだまだ健全のように見える。しかし、公的部門の現場力の低下は年々大きくなってきているようだ。
 国が衰える時は、トップから衰えるものだろう。しかし、リーダーシップを持ち合わせていないリーダーが長くいすぎると、現場の力も衰えてくる。公的部門 ではそのような状態に移行して、もう長い時間が経っているように思う。

3.日の丸旅客機、ついに復活(4.10 nikkeibp)
米ボーイング(BA)や欧州エアバスなど主要航空機メーカーへの部品供給で培った経験を生かし、日本が民間航空機メーカーの仲間入りをする――。三菱重工 業は実に三十数年ぶりに国産旅客機の製造計画を発表し、業界への参入を目論んでいる。

三菱重工は3月28日、初の国産小型ジェット旅客機「MRJ」(ミツビシ・リージョナル・ジェット)で成長著しい小型旅客機市場への参入を発表した。これ までこの市場は、カナダのボンバルディア・エアロスペースとブラジルのエンブラエル(ERJ)が独占してきた。MRJは通路が1本で座席数が70〜96席 の双発ジェット機。従来のジェット機に代わって、燃費の良い小型ジェット機を航空会社が求めるようになった今、航続距離3200キロ(2000マイル)強 の同機は、こうした買い替え需要に応えられると期待される。

中国やロシアが新たなライバルか
三菱重工社長の佃和夫氏(現会長)によると、受注目標は1000機。機体にはハイテク複合材を使い、新型エンジンは米総合電機大手ユナイテッド・テクノロ ジーズ(UTX)傘下の米プラット・アンド・ホイットニーから供給を受ける。

具体的な時期設定には触れなかったものの、この目標を今後20年以内に達成できれば、市場シェアの20%を占める可能性もある。だがそれは容易なことでは ない。中国やロシアも間もなく独自のジェット機で参入する方針を打ち出している。

全日本空輸から15機の受注(及び10機の仮受注)を獲得したのは、三菱重工による発表の前日のことだ。納入は2013年の予定。昨年夏にパリ国際航空宇 宙ショーで客室の実物大模型を展示して以来、航空各社からの事前注文を募っていたが、全日空も日本航空も“検討中”としていた。全日空から受注を得たこと で、ようやく事業としての見通しが立った形だ。受注金額は約615億円(6億400万ドル)で、概算で1機当たり41億円(4000万ドル)となる。

4.大人にアピール? マクドナルドの新コーヒー販売好調(4.7  nikkeibp)
「プ レミアムローストコーヒー」、1カ月半で3000万杯日本マクドナルドが2月15日から全国でキャンペーンを開始した新しいレギュラーコーヒー「プレミア ムローストコーヒー」(Sサイズ100円)の販売が好調だ。 2月15日のプロモーション開始から1カ月半の3月27日までに3000万杯を販売。これ は、昨年度発売杯数である約1億2000万杯の4分の1にあたる。

売り上げが多かった店舗(2月15〜29日の2週間)は、1位「新梅田店」(大阪市北区)、2位「池袋西口店」(東京都豊島区)、3位「新橋日比谷 口店」(東京都港区)、4位「新宿スバルビル店」(東京都新宿区)、5位「JR名古屋駅店」(名古屋市中村区)など、いずれもオフィス街近隣の駅前店とい う立地。通勤途中のサラリーマンやOLなど、いわば“大人”に評価されたと言えそうだ。なかでも1位だった新梅田店は、昨年度の1店舗1日あたりのコー ヒー販売数(全国平均)の18倍近い売り上げを達成した。

「プレミアムローストコーヒー」を導入した2月度の月次セールスでは、全店売上高が対前年比+6.0%、既存店売上対前年比プラス5.2%となっ た。既存店客数対前年比でも+10.0%と2桁の伸びを示し、日本マクドナルドでは「プレミアムローストコーヒー」の投入が寄与したと分析している。

5.Gartnerが20年かけて克服すべき7つの課題「IT Grand Challenge」発表 (4.10 nikkeibp)
 米Gartnerは米国時間2008年4月9日,克服することで人間の生活に幅広いメリットをもたらすIT分野の課題を「IT Grand Challenge」と名づけて発表した。これらは5〜20年といった長期的な取り組みによって実現が期待されるもの。課題を克服することで,経済,科学 的,社会的など生活のすべての面において影響がもたらされるとしている。

 今回Gartnerが発表したIT Grand Challengeは,「電子機器への新しい電源供給方法」,「並列プログラミング」,「非接触性のナチュラル・コンピューティング・インタフェース」, 「自動音声翻訳」,「100年以上データの保存が可能なストレージ」,「プログラマの生産性を100倍に向上させる」,「IT投資に対する財政面での影響 を評価する手法」の7つ。

 同社によれば,25年後の2033年に市場に登場する新しい技術の多くは,2008年の時点でなんらかの形ですでに知られているという。今後25年間に 発表されるイノベーションの多くは,現在,研究論文や特許などで見つけることができるほか,試作品が作成されている場合もあるという。

 Gartnerは,米ラスベガスで開催中のシンポジウム「Gartner Symposium/ITxpo 2008」においてこれらの課題について検証した。ITリーダーは,現在実現できないメリットをもたらす新しい技術を特定し,積極的に調査する必要がある としている。
 

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