週間情報通信ニュースインデックスno.647   2008/03/15

1. 相次ぐWebサイトへの攻撃、改ざんされたWebページが2万件に(3.14 nikkeibp)
 セキュリティ組織の米US-CERTやセキュリティ企業の米マカフィーや米IBM傘下のISSなどは2008年3月13日、Webページの改ざんを目的 とした大規模な攻撃が続いているとして注意を呼びかけた。改ざんされたページにアクセスするだけで、ウイルス(悪質なプログラム)に感染する恐れがある。 マカフィーによれば、3月13日までにおよそ2万ページが改ざんされたという。

 セキュリティ企業のラックは2008年3月12日、3月11日の夜以降、日本のWebサイトを狙ったWebページの改ざんが相次いでいるとして注 意喚起。実際、トレンドマイクロは同日、同社の「セキュリティ情報」ページの一部が改ざんされ、アクセスしたユーザーのパソコンに、別のWebサイトに置 かれたウイルスを感染させる仕掛けが施されたことを明らかにした。 

 今回のWeb改ざん攻撃の標的は、国内サイトだけではない模様。同様の手口による大規模なWeb改ざんが、ワールドワイドで確認されている。マカ フィーでは、3月12日(米国時間)時点で、1万件を超えるWebページが改ざんされたと推測した。

2.ミクシィの新規約をめぐる騒動は他人事ではない(3.14  nikkeibp)
 ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の大手、ミクシィが新利用規約をめぐって、ネット上が揺れている。
 事の発端はミクシィが3月3日に発表した新利用規約案。4月1日から適用されるとした新規約の一番のポイントは18条に書かれたミクシィユーザーが書い ている「日記」の著作権の扱いだ。

■ ミクシィが発表した新利用規約(引用)
第18条 日記等の情報の使用許諾等

本サービスを利用してユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使 用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。
ユーザーは、弊社に対して著作者人格権を行使しないものとします。

 条項の1は、ミクシィユーザー(サービス登録者)が、日記(またはプロフィールや紹介文、レビューなど、それに準ずる情報)を投稿した場合、その 情報を全世界に対して出版したり、送信(ウェブに掲載)したり、譲渡したり、改変したりすることを独占的ではない形で許す、ということだ。わかりやすく言 い換えれば、無償という形で「ユーザーの書いた日記の著作権をユーザーとミクシィの二者間で非独占的にシェアする」ということになる。

 独占的な形での使用権を与えるということであったならば、実質的に著作権をミクシィ側に譲渡してしまうのとほぼ同じになる。だが、このようにシェアする 形になることで、ミクシィ以外の他人やサービス業者が勝手にユーザーの日記を許諾なくコピーしたり、出版することは不可能だが、ミクシィについてはユー ザーに対して事前に相談せずにユーザーが投稿した情報を利用してビジネスを行えるということになる。

 そして、条項の2は「著作者人格権を制限する」ということだ。著作者人格権とは、著作者が持つ著作権の一部で、大きく分けて「公表権(著作物を公表する かどうかや、公表の仕方を決めることができる権利)」と、「氏名表示権(著作物に氏名を表示するかどうかや、本名やペンネームといった表示の仕方などを決 めることができる権利)」と「同一性保持権(著作物に手を加えたり、改変などを行うことを禁止できる権利)」の3つがある。新規約が実施されると、ミク シィユーザーは、ミクシィ側に対してシェアしている著作物が人格権に抵触するような使われ方をされても、文句を言うことができないということになる。

 条項の1で「翻訳」「改変等を行うこと」を許諾するようになっているが、翻訳や改変をミクシィ側が行う場合、著作者人格権の同一性保持権に抵触する可能 性が出てくる。そのため、条項の2で著作者(ユーザー)に人格権を主張されないよう、あらかじめ人格権の不行使を盛り込んだのだ。

 新規約が発表されるやいなや、ネット上では「自分の書いた日記が勝手に書籍化されてしまうのでは」「日記の著作権をミクシィに奪われてしまう」といった 懸念や批判の声が相次いだ。規約を素直に解釈すれば、ミクシィ側が利用者が書いた日記を勝手に編集して、ユーザーに無断で自由に出版することもできるから だ。事態を重く見たミクシィは3月4日に、新規約でも日記の著作権は従来どおりユーザー自身にあるとアナウンス。「18条に、ユーザーが著作権を持つこと の明記などについて検討する」としたが、新規約を普通に解釈すれば日記の著作権はそもそもユーザーに残っていたのである。書かなくても書いても同じことを 明文化したところで、誤解を避ける以上の意味は持たないだろう。現在ミクシィ側は「18条の全面的な見直しを含め、再検討している」(広報部)ということ だが、現状告知された内容を見る限り、最初に提示されたものから大幅に修正されるということはなさそうだ。

 しかしなぜミクシィはこのタイミングで規約の変更を押し通そうとしたのだろうか。その背景にはSNSやブログのような消費者やユーザーがコンテン ツを生成する「CGM」(Consumer Generated Media)、「UGC」(User Generated Content)と言われる サービスの多くがミクシィの新規約と同様の著作権規定を盛り込んでいるということがある。特に著作者人格権の不行使は規約に盛り込んでいるところが多く、 ミクシィの新規約はそうしたサービスと足並みをそろえようとした結果とも言えそうだ。

3.携帯キャリアのイメージ調査、信頼度はDoCoMo、CMは SoftBank、デザインはau(3.12 nikkeibp)
 マイボイスコムは3月12日、携帯電話会社のイメージに関する調査結果を発表した。それによると、信頼できる携帯電話会社は「DoCoMo」が55% で、「au」(30%)と「SoftBank」(9%)を大きく引き離した。

現在利用している携帯電話会社は「DoCoMo」が42%で最も多く、以下「au」(29%)と「SoftBank」(21%)が続いた。
機能については、「DoCoMo」と「au」(いずれも41%)の評価が高く、「SoftBank」は12%だった。デザインは「au」(42%)がトッ プで、「DoCoMo」(26%)と「SoftBank」(25%)が同程度だった。

先進的だと思う携帯電話会社を尋ねると、「SoftBank」が33%で前年比16ポイント増、「au」が32%で同23ポイント減、「DoCoMo」が 27%で同7ポイント減だった。
CMの印象がよい会社は「SoftBank」がトップで、前年比29ポイント増の42%。同社はCameron DiazやBrad Pittなどのハリウッド大物俳優をCMに起用して話題を呼んだ。「au」は同29ポイント減の30%、「DoCoMo」は横ばいの23%だった。

携帯電話会社に対する要望としては、「利用料の値下げ」や「料金体系を分かりやすくしてほしい」という声が寄せられた。
調査は、2008年2月1─5日にかけて実施し、1万5391人から回答を得たもの。2002年より毎年2月に行っており、今回で7回目。

4. 携帯はパソコンと同じ道を歩む? (3.13 nikkeibp)
 iPhone,Android,従来の携帯電話に使われてきたSymbian OSやLinuxベースのプラットフォーム──。どのプラットフォームが今後,生き残っていくかは,システム・インテグレータ,ソフトウエア開発者だけで なくユーザーも無関心ではいられない問題だ。現在はまだ本格化していないが,将来携帯電話を業務システムに組み込むようになれば,どれを選ぶかがビジネス の継続性を大きく左右する。

 携帯電話のプラットフォームの未来を占う上で参考になるのが,パソコンの歴史である。ビジネスでパソコンが使われるようになってきたのは1980年代前 半のこと。NECや富士通,OKI(沖電気工業),日立製作所などがメーカー個別のプラットフォームでパソコンを作っていた。相互に互換性がなく,アプリ ケーションはそれぞれの機種ごとに作る必要があった。今の携帯電話はまさにこの状況にある。

サードパーティの囲い込みが重要
 1980年後半にはNECのPC-9801が全盛時代を迎える。サードパーティのアプリケーション・ベンダーを味方に付けたことが奏功したのだ。アプリ ケーションが豊富にあることでPC-9801プラットフォームの魅力が上がる。これが消費者によるPC-9801の購入を誘い,さらにその市場を狙って サードパーティがアプリケーションを作るというプラスの循環が生まれた。

 その後,米国でデファクト・スタンダードとなっていたPC AT互換機が大量のサードパーティ・アプリケーションとともに,日本に上陸。NECの牙城を崩し,これが現在まで続いている。
 つまり今後の携帯電話のプラットフォームの興隆を考えるとき,サードパーティの支持をどれだけ集め,魅力的なアプリケーションを作ってもらえるものかが キー・ポイントとなる。

遅れる日本の事業者とメーカー
 米アップルと米グーグルはサードパーティを集めるための手を着々と打っている。アップルは前述したように,アプリケーション開発キットの提供を2月に始 める。iPhoneは既に多くの国で受け入れられており,多数のサードパーティが集まるだろうと予想される。

 グーグルは携帯電話開発に必要なソフトウエアすべてを無償で提供し,これを搭載した端末が各種メーカーから登場するのを促すことで,携帯電話の標準プ ラットフォームの地位を狙う。Android搭載の端末が広く浸透すれば,サードパーティが付いてくるのは間違いない。

 日本の携帯電話関連の企業はこの新しい波に乗り遅れている。開発環境は,限定した組織にだけしかオープンにしていない。そのうえ,プラットフォームが通 信事業者やメーカーごとにバラバラで,アプリケーションの可搬性がほとんどない。このため,サードパーティはアプリケーションを提供しようと思っても, メーカーや事業者ごとに開発環境を手に入れてカスタマイズしなければならない。

ハードの違いでカスタマイズが発生
 NTTドコモの端末では,Symbian OS系の「Moap-S」とLinux系の「Moap-L」という開発プラットフォームが使われている(図2)。メーカーごとにプラットフォームを選んで いるのが現状で,Moap-Sを富士通,三菱電機,シャープ,ソニー・エリクソンが,Moap-LをNECとパナソニックモバイルコミュニケーションズが 採用している。OSが異なるため,両者の間にはアプリケーションの互換性はない。

 
 さらに厄介なことに,同じ開発環境であっても,携帯電話のメーカーやモデルごとに,可搬性がないケースがある。周辺機器のインタフェースに差異があるか らだ。

●携帯電話開発の問題点
ハードウエアを構成するチップやデバイスがメーカー/モデルごとに異なるため,組み合わせが非常に多くなる。このため,それぞれのハードウエアの組み合わ せに対して,ソフトウエアの微調整が必要となり,開発に手間と時間がかかる。


 一般にパソコン向けのOSの場合,周辺機器インタフェースの差異があっても,ドライバがこの差を吸収する。しかし,「携帯電話の場合OSが軽量に作られ ているため,この差を吸収できずOSの上位にその差異が現れてしまう」(富士通ビー・エス・シー エンベデッドシステム本部副本部長の廣澤満治取締役)。この問題を解消するにはミドルウエアやアプリケーションで差異を吸収しなければならない。

 KDDIの端末では,「KCP」や「KCP+」と呼ばれる共通開発プラットフォームが用意されている。米クアルコムのチップを全端末で使うためNTTド コモのような問題は起こりにくい。とはいえ,アプリケーションの可搬性が高いのは,KDDIの端末間に限られる。グローバルに開発者を呼び込むには物足り ない。

 ソフトバンクモバイルは「POP-i」(ポパイ)と呼ぶ共通開発基盤を整備中。こちらも,携帯電話事業者に閉じた仕様となっている。

5.フェムトセルを国内で全面解禁へ,総務省が規制緩和案を公開(3.14  nikkeibp)
 総務省は2月6日,超小型基地局「フェムトセル」の取り扱いについての規制緩和方針案を公開した。ユーザー宅に引いたブロードバンド回線 を中継網として利用することや,利用者によるフェムトセルの設置などを認める内容となっている。3月10日まで意見を募集し,その後方針を策定。並行して 電波法の改正を進め,2008年秋ころのフェムトセルの本格展開を目指す。

 フェムトセルとは,家庭内に設置可能な携帯電話の超小型基地局のこと。ブロードバンド回線に接続することで,ユーザー自身が簡単に家庭内に基地局を設置 できる。世界の多くのベンダーが開発を進めており,システムは実用レベルに近付いている。

 米国では,米スプリント・ネクステルが一部地域でフェムトセルを使ったサービスを2007年秋に開始。日本ではソフトバンクモバイルが実証実験を始め, NTTドコモも機器を開発するなど取り組みが進んでいる。

 ただし日本でフェムトセルを展開するには,制度が足かせになるという意見が,携帯電話事業者から上がっていた。現行の制度で運用すると通常の基地局と同 じ扱いになるため,フェムトセルをユーザーが設置したり電源オン/オフしたりできず,ユーザー宅に引き込んだ固定回線を携帯電話網の一部として使うことが 難しいといった点だ。

 総務省は,フェムトセルが高層ビルや地下街などの不感エリアの解消に有効であると判断。固定電話と携帯電話を融合させた新サービスも期待できることか ら,規制緩和に踏み切る。

段階的に緩和範囲を拡大
 総務省が公開した方針案は,大きく電気通信事業法と電波法に関連する部分の二つに分かれている。総務省は前者に関しては,法適用範囲を明確化することで 対処する考え。早ければ2008年4月から緩和策の適用が始まる見込みだ。後者は法改正を伴うため2008年秋ころにずれ込む可能性がある。このため緩和 範囲は段階的に広がることになりそうだ。

 ●総務省が示したフェムトセルの取り扱いに関する方針案
ユーザーが加入するブロードバンド回線を使った携帯網への接続と,ユーザー自身によるフェムトセルの設置などを認める方針案を示した。3月中に方針をまと める。ブロードバンド回線の利用は4月以降可能になる見込み。ユーザーによるフェムトセルの設置は電波法改正が必要のため,実現は2008年秋ころになり そうだ。

 電気通信事業法に関する部分では,「ユーザーが契約するブロードバンド回線の利用は事業法上は禁止されるものではない」として,フェムトセルと携帯電話 網の接続にユーザー加入のブロードバンド回線の利用を認める方針を示した。ただし通信品質には既存の基地局と同様の値を求めており,緩和案は示さなかっ た。緊急通報時における基地局からの位置情報通知についても,フェムトセルに現行の基地局と同様の機能の実装を求めている。

 電波法関連の部分では,フェムトセルの運用を通信事業者などの「免許人」以外でも可能にする。その場合の運用責任を明確化するなど,ユーザー自身による フェムトセルの設置・運用を可能にする方針案を示した。この点については「電波法の改正案として2月5日付で国会に提出済み」(総務省事業政策課)。法改 正が国会での審議を経るため,時期は見えていないが,「秋を超えない範囲で適用を目指す方向で動いている」(同)。

 今回示した方針案は,主にフェムトセルを事業者の設備として展開する場合について。将来はフェムトセルを量販店などで販売し,ユーザーが買い取る形につ いても実現を目指すとしている。こちらについては「4月以降に具体案を示し,別途議論を進める計画」(総務省事業政策課)という。

 


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