週間情報通信ニュースインデックスno.646   2008/03/08

1.「ゼロベース思考」で過去と一度決別する(3.8 nikkeibp)
 「ゼロベース思考」という言葉がある。今までの考え方、成果、仕事のやり方、制度や設計、すべて忘れて新しいことを追求しようという姿勢 のことである。

 人も組織も存続している限り、何らかの成功体験がある。そして、それを継続したいという気持ちがある。毎年、稲作に励んできた農耕民族には特に顕著な気 持ちだ。昨年通りのことをすれば、そこそこの成果が得られるのが農耕だから、できればそうしたいと思ってしまう。

 しかし、ゼロべース思考では、過去と一度決別する。これはまるで、これまで一生懸命ためてきた貯金を一度捨てろと言われたみたいなもので、なかなか誰も 行いたくはないことだ。しかし、この思考方法ができなければ、大きな成長も大きな成功もないと思った方がいいだろう。

途中で引き返し、イチからやり直すことの意味
 山登りに例えてみる。富士山に登ろうと固く決意して山登りを始め、何時間もたって、この山は富士山ではないことが分かった。どうも八ヶ岳のようなのだ。 しかし、もう努力を重ねて6合目まで来てしまった。このまま、八ヶ岳でもいいから登ってしまおうと思いたくなるものだ。6合目までの努力がいじらしく思え るのだ。

 でも、この時は、6合目から下山して、富士山に登り直すのがいい。そうしなければ、いつまでたっても富士山には登れない。つまり、いつまでも二流のまま にしかなれない。
 製品設計ではこのような例がたくさんあるだろう。例えば、エンジンの開発設計だ。60%の開発が終わったところで、多少の懸念が出てくることがある。あ る部分の強度が少し不安かもしれない。

 しかし、開始から2年もたっていて、もう60%も開発を終えているので、この懸念個所にパッチを当て、先に進もうという例だ。
 このようなプロセスで開発されたエンジンは、後でトラブルや故障を引き起こし、競争力のないエンジンになってしまいかねない。
 もう一度、イチから設計し直すのが正解である。60%までの努力は無駄ではなく、ゼロベースからの再スタートの過程で十分に生かされる。心配しないでゼ ロまで戻るべきなのだ。

 日本は今、この「ゼロベース思考」が必要な時ではないだろうか。
 明治維新以来登ろうとしてきた山は、どんな山だったのだろうか。太平洋戦争の敗戦後、登ろうとしてきた山はどんな山だったのだろうか。製造業の競争力が 中心的な力で、しかも創造性よりむしろ生産性中心の山を大切にしてきたのではないだろうか。

 国内行政では、例えば道路を作って産業に寄与すると同時に市民生活を便利にしようとするのは1つの政策の山だった。

 しかし、21世紀になって、日本にとって必要なのは“新しい山”、つまり新しいビジョン、新しい目標を定めることだ。つまり、“道路山”や“生産性向上 山”で踵を返し、ふもとまで下り、「ゼロベース思考」して、新しい山に登り始めることだ。

 もちろん楽なことではないが、これができなければ先がないと思うし、私たち日本の国民にその力があることは、過去140年の歴史が証明している。

 このゼロベースからの創造のために必要なのは、前提条件や拘束条件を取り外すことだ。明治維新や敗戦の時は、たくさんの血を流してそれを行った。今は、 血を流すことなく、前提条件や拘束条件を取り外す賢明さが必要なのだ。

 過去の2度のゼロベースからの再出発と、21世紀の再出発との違いはどこだろうか。恐らく、文化的または民族的な前提条件も見直したり、部分的に取り外 さなければならないという点だろう。BRICs諸国には日本の文化的または民族的な強みを共有する国が含まれているので、これまでの日本の強みを守るだけ でなく、新しい強みを獲得しなければならないというわけだ。

 コンビニの商品回転率は日本のセブンイレブンでは年45回転だが、米国では25回転が限界だ。製造業の世界では、労働生産性においてアジア人に優る民族 はいないというのが通説で実証済みだ。

 しかし、もう民族の勤勉性だけには頼れない。米国の強さの一番大きなものは、フロンティアへの挑戦の姿勢だ。勤勉さではアジア人より劣るのに大きな競争 力を持っているのは、新しい山に登ることを称賛する文化を大切にしているからだ。

 新しい山は、国にとってはイノベーションの目標そのものであり、個人一人ひとりにとっては、人生の目標だろう。個人のレベルから国のレベルまで、すべて のレベルで過去から決別し、新しいビジョンと目標に向けて動き出すこと。これが一番大切だ。

2.テレビはWii経由で見た方が便利!?「テレビの友ちゃんねる Gガイド for Wii」の重大な意味(3.7 nikkeibp)
「テレビの友チャンネル Gガイド for Wii」には、ぜひ大きな注目を寄せておいてください。
これは3月4日に始まった、Wiiの新しいサービス。ここには従来のゲーム機の常識を大きく覆す、とてつもないポテンシャルが秘められています。

このサービスの特徴は、2つあります。
ひとつは、これが非常に使いやすい番組ガイドだということ。

画面には1週間分のテレビの番組表が表示され、きわめて軽快に眺めることができます。検索機能も快適。気になる番組に「スタンプ」を押しておけば、 登録しておいた携帯電話やPCのメールアドレスに、その番組の開始30分前にお知らせメールが届くといった、細かいサービスも用意されています。

なお、日本中のユーザーが、そうやって注目番組をチェックしていくだけで、その情報は自動的に集計されます(その情報を提供しないよう設定すること も可能です)。その結果、性別や年齢別に、どんな番組が注目されているかががデータベース化されていく。その結果、視聴率調査ならぬ、日本中のWiiユー ザーが参加する「注目度調査」が、あっという間に実現することになっているのです。

国内だけで、瞬く間に500万台を普及させ、リビングルームにおかれるようになったWiiだからこそ実現した、まったく新しいテレビの楽しみ方が提 案されているのです。

3.NGN向け動画配信、NTTぷららなどが3月31日開始(3.7  nikkeibp)
NTTぷららとアイキャストは2008年3月7日、NTT東日本・NTT西日本の光ファイバー網を用いたテレビ向け動画配信サービス「ひかりTV」を3月 31日に始めると発表した。NTTグループの既存の3サービスを統合し、新サービスとして提供していく。NTT東西が3月末に開始予定のNGN(next generation network)サービス「フレッツ光ネクスト」に向けた主力コンテンツとしてひかりTVを位置付け、NGN網の普及を図っていく。

ひかりTVで提供するのは、(1)ビデオ・オンデマンド(VOD)方式の映像番組、(2)多チャンネル放送、(3)カラオケ、(4)地上デジタル放 送のIP再送信。

4.松下、PCなしで「Skype」通話ができるWi-Fiフォン・セットを発売(3.7 nikkeibp)

松下グループのパナソニックコミュニケーションズは3月7日、パソコンを使わずインターネット通話ソフト「Skype」による通話ができるWi-Fiフォ ン・セット「KX-WP800」を3月28日に発売すると発表した。専用の無線LANルーターとハンドセット子機で構成する。Skypeの利用者どうしで あれば無料で通話できる。

販売価格は2万9800円。松下グループの直販サイトで取り扱う。月産台数は当初1000台を予定する。

専用ルーターを設置した屋内だけでなく、街頭でもハンドセット子機を利用できるよう、無線LANコミュニティ・サービス「FON」に対応した。 FONに参加すれば、国内に約3万2000カ所(2月現在)あるFONの無線アクセス・ポイント(AP)に接続することが可能。日本のほか米国、カナダ、 英国、ドイツ、フランスの安全規格に準拠しており、これらの国でもFONのAPを利用できる。

ハンドセット子機は、Skypeを起動する操作を行うことなく、容易に通話ができる。またパソコンと同様に「SkypeIn」「SkypeOut」 の機能を使うことができ、有料で一般の電話に発信したり、着信を受けたりできる。

専用ルーターとハンドセット子機を組み合わせて利用する場合、連続待ち受け時間は55時間、連続通話時間は4時間30分。ルーターはIEEE 802.11b/g対応、ハンドセット子機はIEEE 802.11bに準拠する。それぞれセキュリティ機能としてWEP、WPA-PSK、WPA2-PSKに対応する。なおルーターは接続設定やセキュリティ 設定を事前にセットアップ済み。

5.次世代ホーム・ネットワークの姿が見えてきた──実証実験で要素技術と サービスが集結(3.7 nikkeibp)
 総務省,次世代IPネットワーク推進フォーラムおよび情報通信研究機構(NICT)は2008年3月6日,けいはんな(京都府)にある NICTの知識創成コミュニケーション研究センターで次世代ホームネットワークの実証実験を公開した。

 実証実験では主に,さまざまな標準技術を活用して家庭内の情報家電や携帯電話などをホーム・ゲートウエイと接続し,生活を支援する様子が紹介された。
 実験内容を大きく分けると,(1)OSGi(open service gateway initiative),DLNA(digital living network alliance),エコーネット,PUCC(P2P universal computing consortium)などの標準規格を用いた機器連携の検証,(2)センサーや制御機構を備えたコンセントによるサービスの検証,(3)UPnP対応機 器の接続検証,(4)電力線や電話線など家庭の2線式配線を使ったホーム・ネットワークの検証,(5)小電力無線を使うタグやネットワークに接続された健 康機器でユーザーの状況をモニタリングするサービスの検証――の五つになる。

 多くの企業や団体が取り組んでいたのが,(1)の各種標準技術を使って実現するホーム・ネットワークの検証だ。なかでも,OSGiの技術を使ったホー ム・ゲートウエイと各種デバイスを連携させるものが大半を占めた。OSGiはJavaでプログラミングされたさまざまなサービス(バンドル)を実行する共 通プラットフォームで,他の標準規格に準拠した機器と接続できるのが特徴だ。OSGi対応のホーム・ゲートウエイにDLNAバンドルやエコーネット・バン ドルを搭載することで,DLNA対応機器やエコーネット対応機器に接続できる。このようにOSGiは複数の規格を組み合わせやすいことから,今回の実験で 多く使われたようだ。

 日立製作所と日立コミュニケーションテクノロジー,PUCCは,OSGi対応のホーム・ゲートウエイを用いて携帯電話でエアコンを操作する様子をデモで 実演した。ホーム・ゲートウエイにはエアコンを動かすためのエコーネット・バンドルと携帯電話と接続するためのPUCCミドルウエアが搭載されており,携 帯電話からホーム・ゲートウエイに接続すると,携帯電話の画面にはエアコンの電源をオン/オフするためのアイコンが表示される。このアイコンをクリックす ると,ホーム・ゲートウエイに接続しているエアコンの電源をオン/オフできる。日立製作所はOSGi対応のホーム・ゲートウエイを2008年6月に商用化 する予定。バンドルはサービス事業者が作り,ユーザーはそれらをネットワークを介してダウンロードすることでサービスを追加できるようになるという。

 情報通信研究機構と東芝コンシューママーケティングは,DLNA対応のテレビとエコーネット対応のエアコンや照明を連携させて,テレビで映画が再生され たら照明を落とし,同時にエアコンを付けるといった一連の動作を披露した。NTTコミュニケーションズ,三菱電機,NTTはOSGi対応のホーム・ゲート ウエイにバンドルを追加することで,センサーや認証デバイスなどの機器を制御可能な様子をデモ。また,テレビの機種を自動認識してネットワーク化し連携さ せるデモも見せた。



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