週間情報通信ニュースインデックスno.640   2008/01/26

1.08年、世界の失業者500万人増、信用危機と原油高騰で、ILO予測(1. 25 nikkeibp)
国際労働機関(ILO)は、2008年中に世界の失業者数は少なくとも500万人増加する可能性があるとの予測を発表した。信用市場の混乱と原油価格の上 昇が主な原因という。
ILOが年次報告書「Global Employment Trends(世界の雇用情勢)2008年版」で分析した。失業率は6.0%から6.1%まで上昇する見込み。主としてアジア諸国で雇用が伸びるが、先進 諸国では信用危機から新規雇用が減少するという。

報告書は失業問題とは別に、働きながら貧困から抜け出せないワーキングプアの問題を挙げている。ここでいうワーキングプアは1人の生活費が1日1米 ドルないし2米ドルを下回る層。2007年は全労働者の16.4%に相当する4億8700万人で生活費が1人あたり1日1米ドル未満だった。

1日2米ドルを下回っているのは43.5%に相当する13億人。サハラ以南のアフリカのほか、急成長したインドなど南アジアでもワーキングプアの問 題は依然顕著という。

2.21世紀に必要なイノベーションとは(1.25 nikkeibp)
宮田 秀明
 「わが社は、より高いレベルの品質とサービスを提供することを競争力とし、社員一丸となって生産性の向上とパフォーマンスの向上に努め、成長し続けま す」
 こんな社長談話を聞くとがっかりする。生産性やパフォーマンスの向上だけで競争力を確保できる時代はもう終わっているのだ。
 
 21世紀の日本企業は、何らかの「イノベーション」を起こさないと生き残れない。日本経済全体としてもそうだ。政府の2025年までの長期戦略指針「イ ノベーション25」は、イノベーションが日本にとって大切だというメッセージを伝えている。しかし、内容をもっと戦略的なものにしないと、成果は遠くなる だろう。
 
 幸い、年頭の企業トップの挨拶では、イノベーションを語る経営トップが何人かいた。日本IBMの大歳卓麻社長は「日本の顧客がイノベーション(革新)で きるようリードする企業を目指す」と語り、住友化学の米倉弘昌社長も「スピード感あるイノベーションを実現し、製品の高付加価値化などを推し進めてほし い」という所感を述べた。

 では、イノベーションとは何か。それは「世の中に不連続な変化を引き起こすこと」であり、生産性の向上やパフォーマンスの向上とは全く異質のものだ。生 産性の向上やパフォーマンスの向上は地道な努力でもできるが、イノベーションを創出するには、それ以前とは全く違った経営、組織、プロセスが必要になる。
 
 まずイノベーションとはどのようなものかを理解しておこう。経済学者のシュンペーター流にイノベーションを分類すると、次の5つになる。
 
 (1)新材料/新要素 material/element innovation
 (2)新製法 process innovation
 (3)新製品 product innovation
 (4)新ビジネス business innovation
 (5)新システム systems innovation

 20世紀の世界の発展は主に(1)と(2)と(3)のイノベーションが推進力となった。日本の高度成長期は、欧米の(1)や(3)のイノベーションに対 し、すぐにキャッチアップして(2)のプロセスイノベーションで競争力を獲得してきた。
 
 1960年代から70年代にかけての鉄鋼や造船、1980年代からの自動車やエレクトロニクスの産業分野が、その典型的な例だ。ウォークマンのように日 本オリジナルの製品モデルもあるが、欧米で創造された商品モデルにプロセスイノベーションで価値を生み出そうとしたケースが圧倒的に多い。

 21世紀の日本は、新商品の創造によって(3)のプロダクトイノベーションを行わねばならないのだが、これがなかなか難しい。
 エレクトロニクス産業の最大の悩みは、有機EL(エレクトロ・ルミニッセンス)の先のプロダクトイノベーションが見えないことかもしれない。
 現在絶好調の自動車産業にしても、車単体で考えるなら、ハイブリッド車の次は、EV(電気自動車)か燃料電池車しかないのだが、普及のためには大きな ハードルがたくさんある。


ITによる社会システムの変化は、この先のほうが大きい

 21世紀にもっと注目しなければならないイノベーションのパターンは、5つのイノベーションのうちの最後の2つ、つまり(4)のビジネスイノベーション と(5)のシステムイノベーションではないかと思う。

 この2つのパターンの重要な側面は、情報システムの高度利用がキーになる。かつてドラッカーは、「今後20、30年の間に、コンピューターの出現から今 日までに見られたよりも大きな技術の変化、そしてそれ以上に大きな産業構造、経済構造、さらには社会構造の変化が見られることになる」と喝破した。

 現在、ITの用途は利便性向上や効率向上の方がまだ多く、ITビジネスの開拓の余地は、大いに残されている。ITの全く新しい利用方法によって新しいビ ジネスモデルが生まれると、連続的に革新が起こり、社会のいろいろなシステムが全く違ったものになっていく。これがビジネスイノベーションとシステムイノ ベーションである。

 様々なビジネスイノベーションとシステムイノベーションを起こすために一番大切なのは、(a)垣根を壊すこと、(b)前提条件・拘束条件を取り外すこ と、(c)全体最適を目標とすること、(d)それができる人材を育成すること、である。

3.ファミリーマート、愛媛県産食材を使った“愛がある”メニュー(1.24  nikkeibp)
ファミリーマートは、愛媛県産の食材を使用したおむすび、弁当、デザートなどのメニューを、2008年1月29日からファミリーマート約7100店舗で発 売する。バレンタインに合わせた企画で、「ファミリーマートには、愛がある」として展開する。2月18日までの期間限定。

2007年6月から四国4県限定で販売してきた愛媛県産食材のメニューを、商品カテゴリーを拡大して、全国の店舗(九州の一部、沖縄、北海道を除く)で販 売する。
「じゃこおかかおむすび」は愛媛産のじゃこ「上乾ちりめん」入りおむすびで価格は118円。鯛めし風おむすびの「真鯛めしおむすび」は、宇和海産の真鯛の アラから採った八方ダシで米を炊き込んだもので同148円。今治市のご当地メニューをアレンジした「豚肉玉子めし」は、柔らかな豚焼肉と半熟の玉子焼きを トッピングしてある。490円。いずれも米は愛媛産の「愛のゆめ」。

スイーツは、伊予かんを使って、酸味の効いたムースにコクのあるホイップクリームと組み合わせた「伊予柑のスイーツ」(価格240円)、ポンカン果汁入り カスタードクリームの「ポンカンのシュークリーム」(同120円)。ジュースには、温州みかん、ポンカン、清見、まりひめの4種類をブレンドした「愛媛の 柑橘350ml」(同168円)などがある。

4.NTTドコモとグーグルが提携、「インターネットのモバイル化」を促進 (1.24 nikkeibp)
NTTドコモと米グーグルは2008年1月24日に東京都内で会見を行い、検索サービスや検索連動広告、アプリケーション提供などで業務提携したことを発 表した。グーグルが提供する各種サービスをモバイル環境に移植し「インターネットのモバイル化」(NTTドコモの辻村清行取締役常務)を加速するのが狙い だという。

具体的な連携サービスとしては、まず、NTTドコモのiモードのポータル・サイト「iMenu」にグーグルの検索窓を組み込む。検索結果としては、 NTTドコモの公式コンテンツ、一般サイト、パソコン向けサイトの検索結果、そして関連広告が並ぶ。これまではiMenuからのジャンル別、あるいは提携 検索エンジン経由で目的のコンテンツに到達していたが、グーグルの検索エンジンによって「コンテンツへの動線が大きく変わる」(NTTドコモの夏野剛マル チメディアサービス部長)と見込む。

5.ユニファイド・コミュニケーションの正体 (1.25 nikkeibp)
 皆さんは展示会に行ったとき,どんなブースの回り方をするのだろうか。下調べしておいて,面白そうなところに真っ先に行く方もあれば,そこは最後の楽し みに取っておいて,まずは会場を一回りという方もいるだろう。筆者は仕事では前者,プライベートでは後者のパターンになることが多い。

 仕事でIT関連の展示会を回るとき,行動パターンはもう一つある。「人が集まっているブース」に立ち寄ることだ。最近は「アンケートに記入したら抽選で 豪華景品が当たります!」というイベントで人だかりというブースも少なくないが,基本的には来場者が今関心を持っている旬なテーマのブースといえる。もち ろん何が旬かは年々変わるため,人が集まるテーマも変わっていく。

 ところがここ数年のIT関連の展示会で,筆者の見るところいつも人だかりができている“おなじみ”のテーマがある。それが「ユニファイド・コミュニケー ション」なのだ。

デモが立派になるほど現実味が薄れてしまう

 ITpro読者の皆さんなら,ユニファイド・コミュニケーションという言葉を一度ならず耳にしていると思う。ユニファイド・コミュニケーションを一言で 説明すると,「電話,メール,インスタント・メッセンジャ(IM),ビデオ会議,Web会議といった複数のコミュニケーション手段をIPにより融合させた システム」となる。ただ多くの方はユニファイド・コミュニケーションと言われると,展示会などで見たデモンストレーションを思い浮かべるのではないだろう か。確かに,きれいな動画やいい音声による臨場感あふれるビデオ会議や,プレゼンス(在席情報)を活用した電話とメールの的確な使い分けといったデモは見 ていて実に面白い。強く印象として残る。それはデモとしては成功といえる。

 でも,ビデオ会議の臨場感が高いほど,プレゼンスを使った連絡の取り方が巧みなほど,ユーザーは現実から乖離(かいり)した印象を持たないだろうか。こ のようにユニファイド・コミュニケーションはデモが立派になればなるほど現実味が薄れていってしまう恐れがある。実演する側のベンダーからすると,以前と 同じデモを繰り返すわけにはいかないから,内容が高度化するのはやむを得ないところ。しかしその結果として,ユーザーがついていけなくなっては元も子もな い。


ホームページへ