週間情報通信ニュースインデックスno.636   2007/12/22

1.“健全な無駄”と“不健全な節約” (12.20 nikkeibp)
 知り合いの会社の運動会に、お笑い芸人の小島よしおが来たそうだ。
早朝の準備運動をする段になっていきなり登場した彼は、筋肉を動かす指導をしながら海パン姿になって、2007年の「新語・流行語大賞」になった「そんな の関係ねえ!」を連呼。最後に、「それじゃ、今日は学園祭の掛け持ちが2件ありますので!」と叫んで疾風のように去っていったそうだ。それでどうなったか というと、運動会はいきなりハイテンションになって、社員イベントとしては大いに成功したそうである。

 今現在、小島よしおのギャラがどれくらいになるのか想像もつかないので、その知り合いに尋ねてみると、「僕も 知らないですけど、予算でいえば社員1人当たり1万円といったところじゃないですか」との答えだった。運動会に何人の社員が参加するのかも想像がつかない のだが、まあ100人の会社であれば100万円といったところだろうか。経営者としてみれば、ちょっとした投資である。

 この会社、結構メリハリのあるお金の使い方をするので興味深いと以前から思っていた。利益は結構上がっている と聞くが、今年の下期からは経費支出を抑えている。この12月1日からは色々なものが一斉値上げされてニュースにもなっているように、石油製品、穀物など の輸入原料を中心に物価が上がり始めている。飲食などのサービス業では価格転嫁が難しいということで、それ以外の支出を削る方向に動き始めている会社が多 い。

 来年は、いよいよ久しぶりに日本にもリセッション(景気後退)が来るかもしれない。そう察知した会社では、早 くも支出を抑える指示が出ているのだ。
そのように目端の利く会社が、一方では小島よしおを運動会のたった10分間のためだけに本気で呼んだりする。そんなところが、お金の使い方にメリハリが あって面白いと思ったのだ。仮に社員1人当たり1万円掛けたとすると、この支出は“健全な無駄”と呼べるのではないかと僕は思う。

 そんな話をきっかけに、今日は“健全な無駄”と、“不健全な節約”の話を考えてみたい。

 小島よしおの登場が“健全な無駄”といえるかどうかは、いくら僕がそうだと思ってみても意見の分かれるところ かもしれない。だが、“不健全な節約”の話は、多くの人にとって理解しやすいはずだ。そこでまず、そちらから話を始めることにする。

 駄目な経営者は、不況が来て、業績が下がり始めてようやく状況に気が付く。そして突然、“不健全な節約”を始 めるという悪しき特徴がある。コピーに裏紙を使うようになったり、洗面所のペーパータオルをなくしたり、蛍光灯の本数を半分に減らしたり。それでどれくら いの効果があるかというと、直接効果は社員当たり数百円にしかならない。

 それでも、このような経費節減をする企業は後を絶たない。「間接効果がある」というのがその言い分だ。いわ く、「社員に対して危機感を伝える効果がある」とか、最近では、「環境に優しいことがアピールできる」という言い分が、それとなく加わることもある。

 このような“不健全な節約”がもたらす最大の間接効果は、何より社員が投資をしなくなることだ。「ペーパータ オル1枚にすら金を掛けるな」という経営陣のメッセージを受け取った社員たちは、何をするにもお金を掛けなくなる。「投資してリターンを求める」という思 考が停止してしまうのである。

本来、不況のときほど積極的にすべき投資というのがいくつかある。

 例えば、情報収集。

 こういうときほど社外の人となるべく多く会って、今、何が起きているのかという事実を集めたり、様々な人の見 方を理解したりすることが重要になる。数少ないビジネスチャンスにあたっては、それまで以上に取引先に足しげく通い、フォーマルにもインフォーマルにも、 受注の確度を上げるための情報量を増やしていくことだ。

 その1番簡単な方法が、飲みに行くことである。「非近代的なやり方」といわれるかもしれないが、このやり方は 実に効果がある。取引先と“いつも飲んでいる”という状況をつくっておいて、そのうえできちんと質問をぶつけていれば、仕事に必要な情報はきちんと入って くる。

 収益が悪い時期はまた、思い切って構造改革をすべきタイミングでもある。

 ある機能をアウトソースする。外部に委託していた業務を逆に、内製化してしまう。または、業務プロセス自体を 大きく見直していく……。「変える」という行為は、それ自体、投資が必要になるものだ。ITや設備投資などで経費支出は抑えられても、キャッシュとしての 投資がたくさん必要になる場合も多い。

 本当に不況で引き締めが必要ならば、社員を2人、ないしは3人辞めさせた方がよほど節約になる。利益を生まない事業を閉鎖するのも手だ。そういった“血 が流れる手段”を取れない経営者に限って、まずペーパータオルから始めることになる。

 それとは逆に、“健全な無駄”というものは、社員に対して「ビジネスを広げるためには投資をしてもいい」とい うことを伝えるプラスの間接効果がある。

 「小島よしおを運動会に呼ぶ余力があるぐらいだから、取引先を二つ星レストランに招いてびっくりさせても大丈 夫だろう」ぐらいに社員が考え始めれば、しめたものだ。もっとも、小島よしおも二つ星レストランも今年度内の予約は無理だろうが、それはまた別の話であ る。

 では、“健全な無駄”タイプの投資とはどういうものか?

 僕の記憶をかき集めてリストアップしてみると、「消えモノが多い」という共通項があるようだ。

 重要な決定をする会議を、オフサイトで行う。山の中とか、海の真正面の部屋とか。わざわざ役員全員でベトナム に出掛けて、現地の経済成長ぶりを目の当たりにしながらホテルの会議室で役員会をやった会社も知っている。違う空気を吸いながら議論をすると、頭が活性化 されたり、難しい決断ができるようになったり、“プライスレス”な現象が起こりやすい。

 取引先と一緒に移動する際に、ヘリコプターを使うという例もある。そもそも、ヘリコプターという物自体が価格 面でいえば無駄そのものに思えるかもしれないが、実際に乗るとその瞬間がものすごく記憶に残る。すると先方は、「そういえばあの時、こんなことをおっしゃ りましたな」と覚えていてくれるのだ。もちろんそのための投資だから、機内では重要な話をする準備をしておくことも重要である。

 1番効果的なのは、無駄をプラスに感じられるお膳立てがそろった段階で、その瞬間だけに思い切り無駄な投資を することだ。だから“健全な無駄”に投資しようと決めたなら、一瞬で消える花火のような投資がいい――そう僕は思うのだが、どうだろうか。

2.システム手帳の利用者は半数弱、「携帯電話で代用」が29.3%(12. 19 nikkeibp)
 インターワイヤードは12月19日、システム手帳に関する調査結果を発表した。それによると、システム手帳やスケジュール帳を使用している人は 46.9%だった。性別・年代別にみると、男性は40代(44.1%)、女性は10代(60.9%)の使用が最も多かった。

システム手帳・スケジュール帳を「面倒くさい」(39.4%)や「持ち歩くのにかさばる」(34.6%)という理由で使用しない人も多く、「携帯電 話で代用している」は29.3%、「パソコンで代用している」は17.5%だった。

最もよく使う手帳のタイプは、「ノート式」(62.9%)が「リフィル式」(36.2%)を上回った。

手帳に書き込んでいる内容を尋ねると、「プライベートのスケジュール」(84.1%)、「仕事のスケジュール」(62.5%)、「自分・友人等の誕 生日や記念日など」(41.8%)が上位を占めた。性別で見ると、同じ会社員でも男性は「仕事のスケジュール」(86.3%)を書き込む人が最も多く、女 性は「プライベートのスケジュール」(92.6%)がトップだった。

3.次世代無線LAN「IEEE802.11n」の規格策定は2009年7月 に先送り(12.19 nikkeibp)
 アセロス・コミュニケーションズは2007年12月18日、無線LANに関する動向の説明会を開催した。IEEE(電気・電子技術の標準化団体)が標準 化を進めている次世代無線LAN規格の「IEEE802.11n」については、ドラフト3.0の承認が遅れたために、正式規格の発表は2009年7月にな る見通しだという。

IEEEは11月に会合を開き、ドラフト3.0を認めるかどうかの投票を実施した。投票では84%の賛同を集めたが、議長が90%以上を求めたた め、議論を継続することになったという。ドラフト3.0に対して、IEEEを審議する会員が800以上の意見を寄せているため、その反映に時間がかかる見 通し。

4.次世代DVD戦争、ソニー陣営がリードワーナー・ブラザーズを取れるかが天王山 (12.21 nikkeibp) 
この戦いのシナリオには、ハリウッド映画よりもよほど“ひねり”が利いている。 そう、2年も続いている次世代光ディスクの規格争奪戦である。

 ご存じの通り、ソニーを筆頭に約170社が参画する「ブルーレイディスク」陣営と、東芝や米マイクロソフトを軸とする「HD-DVD」陣営が主導 権獲得を目指してしのぎを削っている。どちらの方式も、次世代の薄型ハイビジョンテレビに鮮明な映像を映し出す。

 勝てば、数十億ドルの市場を支配し、莫大な利益を手にすることになる。どちらの陣営も、大手映画会社の支持を奪い合ってきた。米タイム・ワーナー傘下の ワーナー・ブラザーズ・ピクチャーズだけが、今のところ両方の規格を採用している。ワーナーをどちらの陣営が取り込むかによって戦局は大きく変わることに なる。

 ソニー、東芝両陣営とも、2008年1月7日からラスベガスで開催される「2008 CES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)」で是が非でもワーナーの支持獲得を発表したいところだ。目下、あの手この手の説得工作が続けられて いる。これまで勝負の行方は混沌としていたが、にわかにソニー陣営の優勢が目立ってきた。

 理由は2つある。

 まず、ブルーレイ派の映画会社の方が多いことだ。HD-DVD陣営は今年の夏、米パラマウント・ピクチャーズと米ドリームワークス・アニメーショ ンの支持を得て巻き返しを図っているものの、いまだ逆転には至っていない。

 さらに2007年に入ってからの光ディスク販売枚数も、ソニー陣営がHD-DVD陣営に倍以上の差をつけている。

 「ワーナーも間もなくブルーレイ派に加わるという噂だ。そうなれば、HD-DVD陣営が生き残るのはかなり厳しい」とカナダの映画会社ライオンズ ゲイトのマイケル・バーンズ副会長は言う。ライオンズゲイトはソニー方式を採用している。ソニーはコメントを拒否。東芝側は、「映画会社とは定期的に接触 を続けている」とだけコメントした。

5.速報:2.5GHz帯事業免許はKDDI陣営とウィルコムに決定(12. 21 nikkeibp)
 総務省は12月21日,臨時の電波監理審議会を開催し,2.5GHz帯周波数をワイヤレスブロードバンド企画とウィルコムに割り当てる答申を受けたと発 表した。
ワイヤレスブロードバンド企画は,KDDIが出資するモバイルWiMAX事業者。一方のウィルコムは次世代PHSで事業化する。


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