週間情報通信ニュースインデックスno.633   2007/12/01

1.売れ続ける芸人、島田紳助のすごさに 学ぶこと(11.30 nikkeibp)
『紳竜の研究』というDVDがある。そう、漫才の紳助・竜介の紳竜だ。彼らの全盛期の演目をDVD化したものに加えて、紳助が、漫才師志望 の吉本の後輩たちに対して、「プロの芸人とは何か」「売れるためには何が必要か」「どのようにして、自分の(芸人やタレントとしての)価値を上げていく か」といったことについて講義した内容も入っている。この後者の中味が、大変面白い。

例えば、売れるために必要な「XとYの法則」というものが語られる。「競争の中で勝ち残り続けるには、『他とは違う自分独自の特色(=X)』と『世 の中のトレンド(=Y)』を、どう合致させるかが大事。凡百の一発屋が消えていったのは、Yが変化しているのに気づかず、それに応じて、自分のXを進化さ せきらなかったから」──。まるで、企業の競争戦略そのもののような話が、具体例を交えて、実に説得力を持って語られる。

ちなみに、漫才の世界で勝ち上がる過程では、(当時の先輩芸人が取り上げていなかった)若者の生活・行動をネタにしたうえで、従来にはない「スピー ド感」で語る漫才を作り上げ、差別化を果たしたとのこと。

当然、このためには、それまでにある様々な芸風を分析し、そのうえで自分ならではのXを考えたに違いない。そして、社会に新しく生まれてきているY を、これまた分析的な視点で把握して、XとYの接点の作り方を考え出す、という作業も行われたはずだ。

非言語的な「いわく言い難い」部分がある話芸の世界で、ここまで、分析的・論理的なアプローチを取った芸人は、さほど多くなかろうし、自分自身の方 法論を「言語化」して、他人に伝える能力を持った人は、さらに少なかったに違いない。

島田紳助さんは、漫才ブーム終焉後も、様々な形で第一線で活躍し続けている。何かの番組で拝見しては「この人は、随分頭のいい人だろうな」と思って いたが、このDVDを見て、「この人は、只者ではない」という思いを強くした次第。

2.ゲーム機は「テレビ放送」そのものと闘いを始めた(11.30  nikkeibp)
11月28日。任天堂とNTT東日本、NTT日本が共同発表会を開催。3社の協業による、Wiiと光ブロードバンド「フレッツ光」の接続推 進を目指すサービスを正式に発表しました。

11月29日からユーザーのコンサルティングおよび設定サポートをするための「Wii×フレッツ接続サポートセンター」を開設。さらには回線工事か ら無線ルータなどの機器の販売・設定までをフルサポートし、何もない状態からWiiをオンライン接続可能にする「簡単!便利 Wii接続おまかせパック」 というサービスも同時にスタートしました。希望するユーザーには、自宅訪問したスタッフが機器を設定するサービスも行われます(自分で設定する場合は、か わりに1000Wiiポイントがもらえます)。

現時点での、日本におけるWiiの世帯別ブロードバンド接続率は、およそ40%。これを上昇させるため、任天堂はNTT東日本・西日本とチームを組 みました。据え置きゲーム機のオンライン化が、より促進されることになるでしょう。

こういった、ゲーム機のオンライン接続を促進するプロジェクトは、デジタルエンタテインメントの未来を、ゆっくりと変えていくでしょう。
当たるも八卦、当たらぬも八卦、の精神で大胆予想をしておきますと、ゲーム機のオンライン化が促進されることがもたらす、もっとも重要なポイントは、テレ ビゲーム機が「テレビ放送そのもの」との対決がスタートさせる! ということです。

3.採用担当者の7割が人員不足を実感、求める人材は「営業」がトップ(11.29  nikkeibp)
ソフトバンク・ヒューマンキャピタルは11月28日、企業の採用担当者を対象にした意識調査の結果をまとめた。それによると、採用担当者の 73%が自社の人員不足を実感している。「やや不足している」が51%で、よりはっきりと「不足している」とした回答は22%あった。

不足している職種は「営業関連」が28%で最も多かった。以下「一般事務/営業事務関連」の14%、「総務/人事/法務関連」の13%、「ネット ワーク/通信設備のエンジニア」の11%と続いた。

今後の採用計画を尋ねたところ、「新卒採用を積極的に行っていく」や「中途採用を積極的に行っていく」という回答がともに60%を超えた。ただし採 用担当者の約69%は、中途採用の課題として「条件に合致した応募者がいない」ことを挙げている。

調査は10月26日と27日にインターネット上で実施した。有効回答数は1030。

4.広告メールを見たら通話とメールはタダ,英国で無料携帯サービスが登場 (11.30 nikkeibp)
通話もメールも無料で利用できる携帯電話が,英国で登場している。フィンランドのノキアで社長を務めた経歴を持つペッカ・アラ・ピエティラ氏らが立ち上げ たMVNO(仮想移動体通信事業者)「Blyk」である。メールで送られてくる広告メールを見てアンケートに答えることで,一定数の音声通話とメールが無 料になる。こうしたサービスが登場した背景には,英国で携帯電話を広告媒体として利用する試みが本格化していることがある。

MVNO(仮想移動体通信事業者)の英Blyk(ブリック)は2007年9月24日,英国で広告収入モデルを活用し,通話とテキストメッセージ (メール)の送受信を無料提供するサービスを開始した。この企業は,若者に特化したターゲット広告を事業の中核とし,広告主企業とユーザーをマッチングす ることで収益を上げようとしている。

Blykのユーザーは,SMS(short message service)あるいはMMS(multimedia messaging service)で送られてくる一日当たり最大6通の企業広告を確認し,簡単な質問に回答することによって,毎月43分の音声通話と217通のテキスト メッセージを無料で利用できる。無料提供分を超えた利用は追加料金が加算される。国内の携帯/固定網宛ての音声通話は1分当たり0.15ポンド(約 34.2円),国内の携帯網宛てのテキストメッセージは1通当たり0.1ポンド(約22.8円)である。

5.“Googleの上”で覇権を握る手段はこれだ――最前線の研究者が議論 (11.30 nikkeibp)
情報が増え続ける、いわゆる“情報爆発”に、いかに対処していくべきか。「情報爆発へのソリューションに向けて」と題したディスカッション が2007年11月27日に白熱した。2007年11月27〜28日に東京大学で開催されたシンポジウム「DBWeb2007」の一幕だ。データベースや Web情報システムに関する最前線の研究者が、次世代の情報検索や情報管理に対する考察を披露した。
 インターネットの世界では、GoogleやYahoo!といった検索エンジンが市場を席巻している。こうした強大な存在を覆す新たなサービスをいちから 開発するのは困難にも思えるが、実はそうではない。「今はWindowsというOSの上でGoogleが覇権を握っている。これからは、Googleのイ ンデックスの上で別の何かが覇権を握ることになるだろう」(京都大学大学院 情報学研究科の中村聡史氏)。既存の検索エンジンを活用しながら新たな価値を付加することで、一挙にユーザーの支持を得られる可能性があるのだ。

 では、新たな価値としてどんなものが考えられるのか。京都大学大学院情報学研究科の田中克己教授が一例に挙げたのは、「トラスト(信頼性)指向サーチ」 だ。インターネット検索エンジンの検索結果に対する信頼度について調査したところ、「ランキングがどのように決められているかを正確に知らないにもかかわ らず、検索エンジンが出すランキングを信用している人が多い」(田中氏)ことが分かった。不正確な情報が上位に表示されることも決して珍しくなく、例えば ある症状に対する治療法を調べると、科学的な裏付けのない民間療法を紹介したページがヒットしたりする。

 つまり「結果に対する信憑性を評価する情報がこれから求められてくるだろう」(田中氏)。その情報がどの程度広く知られていて、どの程度信頼されている のかをユーザーが把握できる仕組みが必要になるということだ。この分野自体、今後一つの大きなビジネスになる可能性もあると田中氏は指摘した。


人の力で情報爆発を解決する

 京都大学大学院の中村氏は、大量の検索結果の中から自分にとって有益な情報を見つけ出すための研究に取り組んでいる。「多くの人は、検索結果の上位 5〜10件程度しか確認しない。だが、SEO(検索エンジン最適化)などの影響で本当に良いページが上位に来るわけではない」(中村氏)。そこで活用でき るのが、ユーザーの行動だ。

 例えば、ユーザーがWebページに対して付与したタグや、そのページをブックマークしたユーザーの数などが手掛かりになる。タグとして付けられる言葉に は、「便利」「すごい」「ひどい」などページから受けた印象を示すものがあり、こうした言葉を解析するだけでそのページに対する評価が分かる。これらを組 み合わせてランキングを決めることで、通常なら上から90位にランクされていたページを2位に浮上させるといったことも可能になったという。

 ただこの手法だけでは、検索結果を変動させるために特定のタグを意図的に付与するといった不正行為が可能になってしまう。そこで中村氏がもう一つ提案す るのは、ユーザー自身が検索結果を編集できる仕組みを作ること。中村氏らは現在、「Rerank.jp」というWebサイトを開発している。検索結果の中 に含まれる文字を範囲選択すると、「強調」「削除」というメニューが現れる。「強調」ならその語を含めて、「削除」ならその語を除いて検索を再実行でき る。任意の語を強調したり削除したりすることで、「検索空間を、どんどん移動することができる。150〜200位程度だった検索結果を、手軽に上位に持っ てこられる」(中村氏)という。

 奇しくも米グーグルは、ユーザーの評価を検索結果に反映する実験サービスを開始している。ユーザー一人ひとりに対して、その人が求める信頼性の高い情報 をいかに提示できるか。次世代検索のカギは、このあたりにありそうだ。

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