週間情報通信ニュースインデックスno.631   2007/11/17

1.任天堂とマイクロソフトの2強時代 (11.16 nikkeibp)
 2強の一角はWiiです。これまでゲームに興味のなかった層を引きつけたことにより、一気にトップにのぼりつめました。発売から1年で、 全世界で1300万台を超える普及に成功。いまや盤石な体勢を整えたといっていい。

 2強のもう一角は、北米市場で強さをみせるXbox 360です。爆発的に普及しているWiiに抜かれるかと思いきや、2007年秋に息を吹き返しました。1年先に発売されたアドバンテージを活かし、 「HALO3」などのビッグタイトルを連発。マシン本体の売り上げも伸ばしてきました。ヘビーユーザーに愛されるマシンとして、そのポジションを確保した 格好です。

 両マシンの勢いは、まだ止まりそうにありません。2008年以降は、任天堂とマイクロソフトの2強時代となるでしょう。プレイステーション3(PS3) は、この2強の戦いに加われず、厳しい立場に追い込まれています。

“Winner takes all”がゲームビジネスの常識だったが
 2つのマシンが「2強体制」になるのは、ゲームの歴史上、きわめてめずらしいことです。

 これまで、2つのマシンが肩を並べて共存した例はありません。ゲームビジネスは「一強皆弱」の市場だからです。他のライバル機を叩き潰し、生き残ったと ころが唯一の勝者になる市場だったのですね。

 しかしWiiとXbox 360は、そんな常識を覆しつつある。両マシンとも1000万台以上を普及させているのに、ともに販売の勢いが大きく失速しません。ユーザーの目から見て も、「競い合っている」ようには見えても、「相手を叩き潰しそう」な気配が感じられないのではないかと思いますが、いかがでしょうか?

 これは、ゲーム市場が巨大化したことと無縁ではありません。キッズ層からシニア層まで、老若男女を問わず楽しめるエンタテインメントになったため、発売 から1〜2年のマシンでは、すべてのユーザーを満足させることができなくなっているのです。

 このため、WiiとXbox 360の間には、テレビゲーム史上初の「共生関係」が作られているのだと分析していいでしょう。

「共生関係」とは、おおざっぱにいうと、同じ場所で、別々の生物が共存している関係のこと。なぜそうなるかといえば、互いの存在が、互いのメリットになる ためです。いま、WiiとXboxは、そんな関係にある。

 Wiiは、これまでゲームに興味のなかった人たちを引きつけるマシンとして、現在のゲームビジネス発展の一翼を担っています。ただし、ヘビーユーザーを 満足させることにかけては弱い面があるのも事実。

 Xbox 360は、オンライン対戦などを真っ先に完備。ゲームの虜になったへビーユーザーが楽しめる環境作りに邁進してきました。「ヘビーユーザーの離脱を防ぐ」 という点で、こちらもゲームビジネス発展の一翼を担っています。ただし、ゲーム自体の敷居が高い分、新規顧客をつかむことには弱い面を持っています。

 このため、両マシンが互いの弱点を補完しつつ、両者が頑張ることがゲームビジネス全体の発展に寄与し、互いにとってのメリットになる――という、きわめ て興味深い関係になっています。両者がトップ争いをしながら、潰し合いを挑んでいるような気配を感じさせない理由が、ここにありそうです。そんな両マシン が2強体制となり、売り上げでトップを争っているという状態は、きわめて強固です。しばらくの間は、この2強時代が続くだろう、と予想します。

ならばニンテンドーDSは?
 ただし、据え置きゲーム機市場の戦いは、ゲームビジネス全体から見ると、もはや大きなトピックではないことは、忘れてはいけません。

 いまのゲームビジネスの主役は携帯ゲーム機です。その中で圧倒的勝者であるニンテンドーDSが、現時点での唯一の勝ち組なのです。全世界では5000万 台以上を普及させ、いまなお売れ行きが鈍らないという驚異的な勢いを持続中。据え置きゲーム機の主要3マシンであるWii、Xbox 360、PS3の売り上げ台数を合計しても、DSの累計販売台数には届きません。その視点から見ると、やはりゲームビジネスは「一強皆弱」だということも できますね。

2.NTTを悩ませる「終わりのない宿題」(11.15 nikkeibp)
“光”普及目標を大幅下方修正、崩れるシナリオ

 11月8日、NTT持ち株会社の三浦惺(さとし)社長が、2004年に公開した「中期経営計画」の修正を発表した。これまで「2010年には3000万 のお客さまに光アクセスと次世代ネットワークサービスを提供」(2004年11月10日の発表資料より抜粋)としていた目標を下方修正し、「2010年度 にNTT東西の光ファイバーの契約数が2000万」という数字を示したのだ。

 「光ファイバーの需要が明確でなかった当時は約6000万の加入電話の半数という数字からはじき出したが、今回は具体的な数字を積み上げた」−−。三浦 社長が説明した目標修正の趣旨である。NTT東西の光ファイバーの契約数は、2007年度初頭が約608万で、年度末には1000万弱になる計画だ。 3000万という数字がビジョンありきであるとすれば、残り3年で1000万を増やして合計2000万という数字は現実的な目標といえる。

 とはいえこの修正は、ここ3年間の日本の通信業界の大前提をひっくり返すもの。それだけに影響は計り知れない。例えば、2011年に予定する地上デジタ ル放送への移行時に、その補完手段として光ファイバーの利用を視野に入れている総務省の計画に影響が及ぶことは必至だ。そのほかにも光ファイバーの普及を 前提に事業計画を立てていた様々な企業は、その計画を見直さざるを得ないだろう。

 この会見に先立つこと2週前の10月25日、NTT東西がNGN(次世代ネットワーク)の商用サービスの概要を公開した。NTT東西は総務省からの認可 が得られ次第、2008年3月をメドに一部地域からNGNサービスを始める予定である。

 日本の通信事業者の先陣を切って始まるNTTグループのNGNが高い注目を集めるのは当然のこと。そしてNTT東西が明らかにしたNGNの姿からは、2 つの課題が浮き彫りになっていた。現在の加入電話のユーザーをどうNGNの前提となる光ファイバーに移行させるかという課題と、移行を促すためのアプリ ケーション開発をどう推進するかという課題だ。今回はユーザーを光ファイバーに移行させる道筋について考えたい。

NGNは加入電話のユーザーを呼び込めるのか

 「Bフレッツと同等のサービスは同じ料金にする」、「Bフレッツのユーザーは移行に当たって負担がないようにしたい」---。10月25日の会見の席 上、NTT東日本の渡邊大樹取締役経営企画部長は、商用化するNGNについてこう説明した。

 NTT東西が2008年にサービスを始めるNGNはフレッツ網(Bフレッツなどを接続するIP網、「地域IP網」とも呼ぶ)やひかり電話網などのIP網 を、高度化・大容量化するネットワークであることを示したのだ。予想されていたことだが、その時点で全加入電話ユーザーの半数が移行するネットワークとい う位置付けは大きく後退していた。

 NTTグループは現在Bフレッツのユーザーが使うネットワークを、フレッツ網からNGNに移行させていく考え。NGNの商用化以後に光ファイバーを新規 で契約するユーザーはNGNに収容するようだ。NGNのユーザーを増やすには、現在加入電話(メタル回線)を使っているユーザーを光ファイバーに移行させ る取り組みが必要になる。

 NGNによって提供する新サービスとしては、高品質電話や地上デジタル放送のIP再送信などが加えられていた。しかしこれらは、ユーザーが加入電話から NGNに移行するきっかけとしては力不足である。

 例えば、インターネット接続にCATVを利用している筆者の場合、通信速度は8Mビット/秒だが現行の用途では速度的に問題を感じない。メタル回線を光 ファイバーに切り替え、加入電話をひかり電話に切り替えると電話基本料は安くなるが、インターネット接続料金が高くなる分を差し引くと実質値上がりにな る。電話音声の品質には満足しておりテレビ番組をあまり見ない筆者には、高品質電話が利用できたりNGN経由で地上デジタル放送のIP再送信が受信できた りしても、あまりメリットは感じない。

 筆者のようなユーザーを、加入電話から光ファイバーに切り替えさせる方策はあるのだろうか。2004年の中期経営計画でNGNへの移行計画をNTTグ ループが明かして以来ずっと指摘され続けているこの課題は、「終わりのない宿題」として今回も後ろに送られた格好だ。


数字がひとり歩きしてしまったNGNの苦難

 ここまで書いてきて筆者は、ふと数年前にも似た構図が通信業界にあったことを思い出した。NTTドコモが2001年に始めた第3世代携帯電話 (FOMA)への移行である。

 2001年10月に商用サービスを開始したW-CAMA方式のFOMAは、端末機種が少なかったことやバッテリの持ち時間が短かったこと、PDC方式の MOVAに比べて電話がつながりにくかったことなどから、ユーザー数がすぐには伸びなかった。

 当時はFOMAがMOVAより高速でも、ユーザーに移行を促すキラー・アプリケーションが見えないことや、電話としては十分のMOVAをあえてつながり にくいFOMAに変える必要があるのかという指摘があった。

 しかしサービス開始から約5年後の2006年6月に、ついにFOMAのユーザー数がMOVAのそれを逆転。2007年10月末現在のデータでは77%の ユーザーがFOMAを利用している(携帯電話/IP接続サービス/PHS/無線呼び出し契約数:電気通信事業者協会調べ)。むろんNTTドコモのMOVA からFOMAに移行させるという戦略があってこそだが、それだけの時間とコストをかけた成果といえる。

このときにNTTドコモはW-CDMAベースへと基幹網を作り直していたからこそ、メガクラスの高速通信が可能になり、1ビット当たりの通信コストを引き 下げられた。導入当初に苦戦したものの、現時点では事業者間競争を戦う源泉となる強固なインフラとなっているのだ。

 ここから分かるのは、通信の高速化にユーザーを増やす即効性はそれほどないが、インフラの競争力を高められること。NGNが実現しようとする信頼性やセ キュリティ確保の容易さも、ネットワークが当たり前のように備える標準機能になり、それがNGNの価値を高めることになるかもしれない。

 日本国内をカバーする通信ネットワークを作り変えるNGNは、FOMA同様に時間とコストをかけて加入電話網を置き換えていくのが現実的だろう。だとす ると、当時の「加入電話の半数」という目標が一人歩きしてしまったことに、現在のNGNの苦難の理由がある。

 ただしユーザーの携帯電話さえ変えれば次世代への移行が可能になっていたFOMAでも、半数の壁を破るには5年弱の時間を要していた。これが光ファイ バーへの移行の場合、ユーザーに意識させずにMOVAからFOMAに変えたようには行かず、ユーザーに移行手続きや工事の立会いなど面倒な負担を強いる。 やはり、ユーザーを説得し明示的に移行してもらうためのサービスの開発が欠かせない。

 これまでにも本連載で言ってきたように、電話のために構築された電話網をNGNに作り変えるときが来ているという業界全体の認識に変化は無い。だとする と、通信事業者は数字を積み上げるという視点だけにとらわれず、NGNを利用してもらうためのサービスを開発するための方策を切り開くべきである。

3.エキサイトとスカイプが業務提携、Skypeにエキサイトのコンテンツを投入 (11.16 nikkeibp)
エキサイトは2007年11月15日、無料の音声通話ソフト「Skype」を提供するスカイプ・テクノロジーズと業務提携したと発表。同日、エキサイトの ニュースなどが見られるタブ機能を組み込んだ「エキサイト Skype」の提供を開始した。

エキサイト Skypeは、タブ画面でエキサイトの検索を利用したり、ニュース一覧を見たりできる。今後、エキサイトがサービスを展開している占いやカウンセリング サービスなどを、エキサイト Skypeを利用してビデオチャットで実現していく予定だ。例えば、カウンセリングサービスの「excite カウンセラー」であれば、現在は通常の電話を使ってのサービスだが、エキサイト SkypeでWebカメラを使えば顔を見てカウンセリングを受けられるようになる。英会話など、顔を見ることで質が上がるようなサービスもエキサイト Skypeを利用して積極的に始めていく。現在、「Skype同士の会話のうち、25%はビデオチャット」(スカイプテクノロジーズのグローバルマーケッ ト戦略担当スコット・バグビー氏)だという。

4.3G携帯電話や無線LAN経由で会議に参加(11.15 nikkeibp)
いつでもどこでもを実現するうえで、携帯電話は外せない端末である。第3世代携帯電話(3G)や無線LANを内蔵する端末からビデオ会議に 参加できる環境が整ってきた。

タンバーグが販売する3Gゲートウエイ製品「TANDBERG 3G Gateway」は、H.323やSIP対応のビデオ会議端末と、W-CDMA方式の3G携帯電話の接続を可能にする。携帯電話向けのビデオ会議用プロト コル「H.324M」と、ビデオ会議が使うH.323やSIPをリアルタイムで相互変換。映像ではMPEG-4とH.263を相互変換する。W-CDMA 側の通信は回線交換方式のため、通話料が多少気になるが、急ぎで会議に参加する必要が生じたときなどに有用となる。

さらにタンバーグは携帯電話を活用するための製品を9月に発売した。不在時の転送先をユーザーが設定できる「FindMe」という機能を持つサー バー製品「TANDBERG Video Communication Server」である。外出中などに会社のビデオ会議端末にかかってきた着信を、W-CDMA携帯電話へ自動転送するといった使い方ができる。

5.フェムトセルの商用化に向けて準備着々 (11.15 nikkeibp)
 英国南西部は欧州でも有数の通信関連ベンダーが集まっている地区である。この地で開催されたイベント「Wireless 2.0」にはフェムトセル関連ベンダーが数多く参加し,注目を集めていた。フェムトセルは既に開発段階を過ぎ,商用化に向かって進みだしている様子がうか がえた。

 9月末,英国南西部の都市ブリストルで,同地区に集まる通信関連企業を中心としたイベント「Wireless 2.0」が開催された。最も注目を集めたのは,超小型携帯電話基地局である「フェムトセル」だ。英国南西部にはソフトバンク・グループのトライアルに参加 するフェムトセル・ベンダーである英ユビキシスや,フェムトセルのチップセット・ベンダーである英ピコチップ・デザインズが本拠を構えている。これらの企 業がイベントで自社の取り組みをアピール。来場者はフェムトセルの最新状況をつかむことができた。

商用製品の生産を開始
 
英ユビキシスが開発したフェムトセルはプロトタイプから大幅に本体を小型化している。大規模な商用展開は2008年中ころになる見通しだ。
ユビキシスのウィル・フランクスCTO(最高技術責任者)は,「我々はフェムトセルの開発をほぼ終えた。商用バージョンのフェムトセルの生産を始めたとこ ろだ」と語る。

 同社の商用バージョンのフェムトセルは,プロトタイプと比べて大幅に小型化された(写真1)。本体にはバッテリーや電源スイッチを搭載していない。本体 と電源アダプターをつなぎイーサネット・ケーブルを接続すれば動作する。「電源が入れば自動的に設定を開始するため,ユーザーは何も操作することなく使え る」(フランクスCTO)。コア・ネットワークとの接続には,ブロードバンド回線を介して携帯網へアクセスできる技術「UMA」(unlicensed mobile access)を採用している。携帯網との認証には,フェムトセル本体に内蔵したSIMカードを利用する。

 トライアルも既に始まっている。「5社の通信事業者とトライアルを実施し,主に電波関連のテストを終了した段階」(フランクスCTO)という。2007 年末にはラボでのテストから,数百人規模のユーザー・トライアルに移行する計画。フランクスCTOは,その後ゆるやかに商用化がスタートし,2008年中 ころには大規模なフェムトセルの展開が始まると見ている。

 商用展開時の課題としては,既存の基地局とフェムトセルとの間の電波干渉が挙げられる。これについては,フェムトセルの電波出力を自動調整する機構を チップセット内に持たせることで解消する。英ピコチップのダグ・プーリーCTOは「フェムトセル自身が周りの電波状況を把握し,既存の基地局への影響を最 小限にするため電波出力を抑える。我々はこの機構を改良することに最も注力している。既に実用レベルに近づいている」と語る。同社のチップセットは,ユビ キシスを始め多くのベンダーが採用している。

日本勢も業界団体に積極関与
 Wireless 2.0に先立つ9月25日と26日には,フェムトセルを推進する業界団体「フェムトフォーラム」の第一回会合が米国ボストンで開催された。
 会合には米国や日本,欧州からベンダーや通信事業者が多数参加。日本からは,NECがフォーラムのボードメンバーに加わったほか,KDDIが同社のフェ ムトセル戦略についてプレゼンテーションしたという。


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