週間情報通信ニュースインデックスno.630   2007/11/10

1. 顧客や株主よりも、大切なのは社員(11.8 nikkeibp)
「弊社では、誰もがリーダーです」−−この発言は15年くらい 前から注目を集めている、米国のある航空会社のCEO(最高経営責任者)のものです。この航空会社の例を語らずに、フォロワーシップを説明することはでき ないといえるほどの会社です。

米国の航空業界では、いいニュースにめったにお目にかかれません。混雑した空港や発着が遅れている航空便が多く、かなり悪いイメージを持っている人 も少なくないでしょう。今では、米国内で飛行機に乗ることが実に“苦しい経験”となってしまったのです。航空業界の規制を緩和する前のほうが良かったと言 う声もあるほどです。

しかし、その規制緩和が生んだ一つの成功例が、テキサス州に本社を置くサウスウエスト航空と、そのカリスマ創業者、ハーブ・ケレハー氏なのです。元 弁護士であるケレハー氏と、彼が率いた企業の成功のカギは、経営資源の集中とスリム化された経営モデルにあります。

さまざまな種類の飛行機を導入するやり方を採らず、ただ一つの機種、「ボーイング 737」だけを使用することで、部品や機体整備のコストを大幅に抑えることに成功しました。また、主な運行ルートを短く設定し、ほかの航空会社と競合する ことなく、車、電車やバスなどの異なる交通手段を利用していた新しい層の顧客を呼び込みました。

そして言うまでもなく、顧客の支持を受けて急成長した原動力は、サウスウエスト航空の圧倒的な低価格戦略です。ほかの航空会社と比べて半額以下の航 路もあり、あっという間に顧客の支持を得ました。これらは、米国内だけではなく、全世界のローコスト・ビジネスモデルと言っていいでしょう。

2.リクルートと日本テレビ、相互に100億円を出資し業務提携(11.8  nikkeibp)
日本テレビ放送網とリクルートは11月7日、デジタル媒体向けのマーケティングに関して業務提携すると発表した。また業務提携を補完するた めとして、相互に約100億円を出資した。

リクルートと日本テレビはこれまで、テレビ番組のインターネット配信やワンセグ展開に関するマーケティングで協力してきた。今後は、同分野で協力関 係を強化し、テレビ番組と連携する新たな情報サービスを提供する。また互いのパソコン/携帯電話向けWebサイト、ワンセグにおいて提携サービスを展開す る。

株式の持ち合いでは、日本テレビが10月にリクルート株式の1.8%をリクルート子会社から99億9900万円で取得した。一方、リクルートは10 月末までに日本テレビ株の2.5%を市場から99億9991万円で取得した。

なお、リクルートは東京放送(TBS)やフジテレビジョンとも株式を持ち合い、ワンセグ関連サービスなどで協力している。

3.「時間消費者」の出現(11.7 nikkeibp) 
 以前から、消費者という呼び名は変だなあ、と思っていました。英語の 「Consumer」を翻訳したのでしょうが、お金という対価を払って、商品やサービスを消費する人。なんだか、むやみにお金を浪費しているというイメー ジが付きまといます。

 確かにマーケティングの世界では、いまや消費者は王様。消費者が何を望んでいるか、どんな不満があるかを徹底的に洗い出し、彼らの欲求に応えるこ とがマーケティングの役目と言われています。間違ってはいないでしょう。

 でも待てよ、と頭のどこかが鳴り響いていました。消費を促すだけのマーケティングの時代は終わったのではないか?買ってもらおうとする魂胆がみえ みえのマーケティングからは、人の気持ちは去っていくはず。いま消費者はそうそう財布のひもを緩めはしません。だから私には、お金を使っていただく消費者 というとらえ方は、傲慢(ごうまん)にしか思えないのです。

 もちろん、お金のあるところには腐るほどある。それが消費の二極分化という現象を引き起こしているのですが、マーケッター側が推進しているとしか 思えない。それがマーケティング?お金は無尽蔵だし、まるで鉱脈を探し回ることに必死の鉱夫ようです。

 一方、視点を転じてみると、そこにはインターネットという若き怪物が育っていました。その怪物は、マスマーケティングという偶像に食らいつき、そ の壁に大きな穴を開けてしまったのです。その穴から見えたものは、「個」という消費者の実態。

 彼らはとっくにマスから離れ、「個」消費者として奮闘していました。それは、ネットから流れる膨大な情報との格闘。テレビなんか見ている暇はない し、ショッピングでさえ確実に頻度は落ちたでしょう。その情報まみれの消費者に、マーケッターは挑まなければならない状況になったのです。

 課題は、いかにして忙しい彼らを消費に向かわせることができるか。難題です。それで、彼らの足跡を必死でたどろうとして、検索システムなどいろい ろな技術が開発されてきたのでしょう。
 
 そんなことには構わず、消費者は自由にあちらこちらと飛び跳ねている、アミューズメントパークを遊ぶように。それを追いかけるマーケッター。主導権は完 全に消費者に握られました。でも、これがネットという怪物がすさまじい勢いで成長している要因に違いありません。

そういう彼らにもたった一つ、弱点がありました。「時間」という制約。どんな大金持ちでも貧乏人でも、1日は24時間。公平なのです。これに気付き ました!

 いまの消費者にとって大事な通貨は、お金ではなく時間。つまり、時間を消費する「時間消費者」になったのです。

 そう見方を変えさえすれば、消費者は限りある時間を何のために使うのか、どんな使い方をするのか。着目点は明確になるはずです。消費者を追いかけ るのではなく、彼らに貴重な時間を使わせる。これこそが、マーケティングの目的になるはずです。

 近頃では、Webサイトの評価基準がページビューの数ではなく、滞在時間に変わりつつあります。つまり、ただ見るのではなく、関心をもって見る。 関心が高ければ高いほど長く滞在する。

 この傾向は、「知名度 VS. ブランディング」の構図そのものです。ただ知っているだけで売れるのか、好きになることで欲しくなるのか。明らかに後者でしょう。消費者は大好きになれば なるほど、そのブランドとの心理的きずなを強くし、その結果として友達にも薦めたくなる。これがバイラルとなって、波及的に「好き」の輪を広げていくので す。

 インターネットはまさにこの実験場といってもよいくらいです。「個」の好きが、同じ好きの仲間を呼んで広がる。それがSNSでしょう。

 これらの現象のベースになっているのが、時間。どんなに忙しくても、「好き」の時間は消費する。マーケッターとしたら、彼らの「時間」をどうとら えられるか。ここにすべてがかかっているといっても過言ではありません。

これを確信したのが、Web上のショートフィルムのさきがけ、キットカット「花とアリス」の公開でした。2003年当時はまだブロードバンドの環境 も整っていませんでしたが、それでも300万人が視聴し、その91%の人が友達に薦め、86%の人が見終わった後にキットカットを購入しました。

 当時はその結果にとても衝撃を覚えましたが、いまは、そのブランドのためにいかに時間を使わせるかが大事だ、と断言できます。キットカットの提供 した時間を長く楽しむことで、ブランドに対して「好き」「ありがとう」の感情が生まれるのです。

 もうひとつアメリカの例ですが、これはとても上手でした。Brawnyというペーパータオルのブランド。言ってみれば、関心の低い商品。なかな か、「好き」になってもらうのは難しいカテゴリーです。

 Brawnyは、ターゲットである主婦の関心を引くために、家事をしない亭主に目を付けました。もし、亭主族が家事に関心を向けてくれたら?間違 いなく、主婦たちはBrawnyに拍手を送り大好きになるでしょう。

 実施したのは、家事をしない亭主族を森の別荘に何日間か泊り込ませ、家事に目覚めさせるという試みです。1日目は旅行気分で飲み放題、遊び放題。 翌朝起きてみると、別荘はグチャグチャの汚れ放題。そこに、指揮官がやってきてペーパータオルを使って掃除をさせることから始めます。最後の日は、奥様方 をその別荘に招待して手料理でおもてなし。感激の奥様族はBrawnyの大ファンに。

  このドキュメンタリーがサイト上で公開され、爆発的な人気を呼びました。 キットカットにしても、Brawnyにしても、そのサイトに長くいたいもっ と見たい、という気持ちにさせています。その気持ちがブランドに対する「好き」を作る。消費者の貴重な時間をブランドがいただいているのです。

 ネットの可能性はここにあるといっても過言ではありません。時間を制するものは、ネットを制す、いやマーケティングを制す。いま、私はそう確信し ています。

4.携帯電話ソフトACCESSの株がストップ安、Googleの市場参入で (11.6 nikkeibp)
11月6日、東京証券取引所に上場する携帯電話ソフト開発会社ACCESSの株式に売り注文が急増した。午後3時の取引終了時に、値幅制限の下限(ストッ プ安)となる前日比10万円安の45万円で比例配分された。米Googleが同日、NTTドコモやKDDIを含む世界33社と企業連合を組み、携帯電話の OSなど各種ソフトを開発してオープンソースで提供すると発表したが、ACCESSは参加企業に含まれていない。

ACCESS株の比例配分による出来高は173株。ストップ安の水準で1万5524株の売り注文が残った。ACCESSは携帯電話用のWebブラウ ザをはじめミドルウエアやOSの開発を手がけ、各分野でGoogleの企業連合と競合するとの見方が出ている。

一方Googleの企業連合に加わった携帯電話用ソフト開発会社アプリックスの株式は6日、値幅制限の上限(ストップ高)となる前日比3万円高の 20万2000円で取引を終えた。

5.OSSのメリットと導入ノウハウを社内に理解してもらうには(11.8  nikkeibp)
 OSSセンターの姉崎章博です。先日(2007年10月30日)明治記念館で開催されましたIPAフォーラム2007 の基調講演にBank of America上級副社長のTim Golden氏による「Bank of AmericaはなぜLinux/OSSを採用したのか?」という,とてもおもしろいお話がありました。

Bank of Americaが享受しているOSSのメリットと活用ポイント
 Golden氏によれば,Linuxの採用によってTCO(総所有コスト)を42%削減できたそうです。OSSを使ったアンチスパム・システムは,プロ プライエタリのソリューションだと200万ドルのものが90万ドルでできたとのこと。OSSの品質はプロプライエタリと同じくらい,時にはプロプライエタ リより高いなど,大きな導入のメリットを得ているといいます。

 
 OSSの活用のポイントとして以下の3つを挙げていました。

(1)OSS化は,あまり急がないこと。あまり大事ではないことは忘れて,一つずつ実現すること。
(2)社内の理解を得ること。
(3)標準化。


 また,他人の経験を聞くことができるので,「コミュニティへ,もっと早く参加すれば良かった」と述べ,話の最後に「コミュニティに参加できるOSSのメ リットはその開発プロセスに投票権があることだ。」と締めくくっていました。

 このような,ユーザー企業が心得ておくべきノウハウは,ユーザーごとに少しずつ違いがあるものの,だいたい共通認識となる項目があります。しかし,い ざ,これを社内で話をしようとすると,聞いただけでは,自分の身に置き換えて話すことはなかなか難しいと思います。そういうときに,なにか文章で書いたも のがあると便利だと思いませんか?

「IPAの本にもこう書いてある」と使ってほしい
 このようなニーズに応えるべく,IPA OSSセンターではIPA OSS BOOKSの第3弾「オープンソースで構築!ITシステム導入 虎の巻」を発行しました。ちょうどBank of America上級副社長のTim Golden氏の講演と同じIPAフォーラムで初披露となりました。

 この本の全体構成は以下のとおりです。


第1章 ITシステムのあり方を変革するOSS
第2章 実際に活用できるOSSをもっと知ろう
第3章 安心して賢く使えるOSSの世界を知ろう
第4章 最大限のリターンを得るOSS導入への道
第5章 OSS iPediaにみる導入事例
第6章 実例取材からみるITシステム例
第7章 知っておきたいライセンス
付録  OSSの定義,用語集,OSSライセンスFAQ




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