週間情報通信ニュースインデックスno.627   2007/10/20

1.日本の自 動車メーカー、“我が世の春”は終わる米ビッグスリーと全米自動車労組の協約改定後を読む(10.18 nikkeibp)
ゼネラル・モーターズ(GM)とクライスラーが全米自動車労働組合(UAW)と今後4年間にわたる新労使協約に調印することで合意に達した。フォード・ モーターも近いうちに、同じような内容で合意に達すると予想されている。その結果、日本の自動車メーカーは、米国市場において、これまでのように安穏とは できなくなるだろう。

なぜなら、今回の協約改定によって、日本勢とビッグスリーのコスト競争力の格差が確実に詰まるからだ。ミシガン大学・自動車研究所のデビット・コー ル教授によれば、これまでGMはトヨタ自動車に比べ、医療費や年金などの支出で、クルマ1台当たり約4000ドルの負担増を強いられていた。しかし、今回 の改定によって、それが約800ドルまで縮まるという。

2.株価低迷にあえぐ「優等生」の憂鬱、キヤノン(10.19 nikkeibp)
厚さ2センチ前後の液晶ディスプレーに同3ミリの有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)ディスプレー──。

今月上旬に千葉市・幕張メッセで開かれた電子機器展示会「CEATEC(シーテック)ジャパン2007」。シャープやソニー、日立製作所などの電機 メーカーが出展した超薄型テレビが注目の的となった。その賑わいの陰で、昨年は薄型テレビの主役に名を連ねたメーカーのブースがひっそりと姿を消してい た。表面電界ディスプレー(SED)テレビを開発中のキヤノンだ。

キヤノンは今年10〜12月のSEDテレビ発売を目指していた。ところが、今年5月に発売を当面見送ると発表した。米ハイテクベンチャー、ナノ・プ ロプライアタリーとの特許訴訟が長期化したことなどが理由だ。発売の延期は2006年3月に続いて2回目。新たな発売時期のメドは立っておらず、キヤノン と共同開発相手の東芝はSEDテレビのシーテックへの出展を今年は見合わせた。

3.“メード・イン・チャイナ”は蘇るか?どん底に堕ちた中国ブランドが再生への挑 戦を開始(10.18 nikkeibp)
メード・イン・チャイナ──。この3つの単語は、マーケティング担当者にとってとんでもない悪夢のキーワードだ。この1年、玩具の大量リコール、有害物質 が混入した練り歯磨きやペットフードの問題が次々に明るみになり、世界の消費者は中国製品の購入を控えるようになったからだ。

英ブランドコンサルティング会社インターブランドは、世界のマーケティング担当者とビジネスパーソン569人を対象にオンライン調査を実施した。そ れによると、69%もの回答者が“メード・イン・チャイナ”とあるだけで印象が悪いと答えた。

中国ブランドから連想される言葉は“安さ”だと、BusinessWeek誌のために調査を行ったインターブランドのアジア太平洋戦略局長ジョナサ ン・チェジット氏は言う。そして、「“メード・イン・チャイナ”への不安が払拭されるには、最低でも5年はかかるだろう」と予測する。

中国製品への逆風は、中国ブランドを世界展開するうえで大きな障害となる。北京政府と中国主要企業は、ここ数年、低価格よりも製品の価値を高めるこ とに重点を移してきた。もちろん、その戦略の一角に品質向上があるのだが、それと同じぐらい重要なのが“ブランド価値”を高めることである。中国企業に とって、今後数年間の最大の課題である。

4.「私の履歴書」読んでます?〜『熱湯経営』樋口武男著(評:柴田雄大)文春新書(10.17 nikkeibp)
日本経済新聞の最終面に掲載されている「私の履歴書」について、「経済人はおもしろくない」という声をよく聞く。半面、文化人やスポーツ選 手はおもしろい。その差は何かと言えば、「恥」を書いているかどうかだ。

文化人などは自分の失敗談を笑い飛ばしてしまうが、大企業の経営者は社員や株主などの手前、自分の過去の失敗や後悔、恥をかいた場面をなかなか書き 込まない。結果として経済人の原稿は全編これ自慢話になりかねず、読者は鼻をつまみたくなる。

本書『熱湯経営』は大和ハウス工業という日本を代表する住宅メーカーの経営トップによる著作だ。タイトルだけみると経営論かと思ったが、内容は ちょっとした「私の履歴書」だ。

ただし、「経済人」の履歴書ではない。それは、冒頭から左遷された場面が展開されることでも明らかだ。

1993年4月、飛ぶ鳥を落とす勢いで出世街道をばく進、専務取締役として絶頂にあった著者が、ある日突然、オーナー経営者に呼ばれ、大幅赤字で倒 れる寸前の関連会社の社長を命じられる。「なぜ俺が」という思いを飲み込み、気を取り直して赴いた大和団地は、有利子負債が売り上げの2倍、不動産評価損 500億円、累損赤字86億円の、まさに泥舟だった。

樋口氏は経営立て直しに奔走する。まず「絶対に人は切らない」と社内で宣言し、人事に「毎年100人採用しろ」と発破をかける。そんな無茶なとあき れ果てる人事部に「まあみていろ」と胸を張る。

本書のタイトル『熱湯経営』は、ぬるま湯経営の反対だ。大きな組織ゆえに挑戦する姿勢に欠け、仕事もマンネリになっている企業を樋口氏は「大組織 病」と呼ぶ。

5.イーベイ、スカイプバブルに泣く26億ドルの巨額買収から2年、ようやく目が覚 めた(10.16 nikkeibp) イーベイ、スカイプバブルに泣く
 2005年に米イーベイ(EBAY)がルクセンブルクのスカイプ・テクノロジーズを26億ドルで買収した時、多くの人はこう思った。なぜオンラインオー クションの会社が、金食い虫のインターネット電話サービスに深入りするのか──。2年経って、イーベイはその決断が誤りだったことを認めようとしている。

 10月1日、イーベイはスカイプの買収は10億ドルも高い買い物だったことを明らかにするとともに、スカイプの業績が2005年当時に描いていたバラ色 の予想とは程遠いことも告白したのである。  イーベイはスカイプ関連で14億3000万ドルの特別費用を計上し、役員の大幅な入れ替えを行うことを発表した。スカイプの共同創業者ニクラス・ゼンス トローム氏、ヤヌス・フリス氏は現在のポストを辞すことになる。

 登録者は世界に2億人以上、だが儲からない

 大幅な戦略の見直しをしなければ、当初イーベイが目論んでいたような“カネのなる木”にスカイプが変身できるとは考えられない。スカイプは今のところ黒 字ではあるが、四半期の売り上げは1億ドルにも満たない。今のままでは、「目標を達成できるはずがないし、今後も無理だ」と、米調査会社フォレスター・リ サーチ(FORR)のアナリスト、ヘンリー・デューイング氏は言う。



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