週間情報通信ニュースインデックスno.624   2007/09/29

1.スパゲ ティ3000円也の英国で考えたこと(9.28 nikkeibp)
 先月、久しぶりに欧州を旅しました。これまで会社の仕事で海外に行くことは多くありましたが、どうしてもホテルと訪問相手先との往復になってしまいがち です。せっかく異文化に触れるチャンスなのに、それでは「ただ行っただけ」になってしまいます。

 仕事を離れての旅行でゆっくりと街を歩いたり、歴史的な建築物や美術館・博物館巡りを楽しんだりしていると、今まで見過ごしていたものが見えてき ます。今回はそんな旅でしたので、欧州についていつもとは違った角度から考えてみるよい機会になりました。

 ロンドンを訪れてまず驚いたのが、あまりに物価が高いことです。地下鉄の初乗り運賃は4ポンド(約920円)で、バッキンガム宮殿を少し見学する だけで15ポンド(約3500円)もかかります。昼食にスパゲティを食べたら、なんと日本円に換算すると約3000円でした。ポンド高の影響もあるとはい え、異常という形容詞をつけたくなるほどの物価高です。

 (ここで疑問が湧いてくるのですが、物価とは一体何で決まるのでしょうか。よく「需要と供給」の関係や「他社との競争」と言いますが、このロンド ンのような物価高の謎は私には解けません)

 この物価高で、ロンドンは住みにくい街になっているように感じます。よく新聞などでは、最近のロンドンは活気にあふれているなどと報じられていま す。それはシティのような金融・商業街に限られたことではないでしょうか。街行く市民の表情は何となく明るさに欠ける気がしますし、物価高の裏にどこか 「ねじれ」があるように思います。

 それに物価の影響なのか、欧州のほかの国と比べて、英国では海外からの観光客が減ってきているようです。旅行会社の人の話では、同じ欧州の中で も、スペインやイタリアへの観光客が増えているそうです。かつてスイスは物価が高いことで敬遠されていましたが、今では英国からスイスを訪れる観光客が大 変多いといいます。

 つまり、人の流れが物価高で変わってきているのです。物価高は庶民の生活を厳しくすると同時に、マクロ経済の視点で見ても大きな影響があります。 欧州の国々を旅しているうちに、物価高はいろんな場所に光と影をつくる現象なのだ、ということを実感しました。

 それに比べると、日本の物価は相対的に安く、かつ安定しています。かつて国際的には物価高の代表格だった東京も、今では物価が持続的に下がるデフ レ経済の中にあります。物価高の渦中にある英国を訪れてみると、日本も悪くないな――と改めて思いました。

また、今回の旅行では欧州ならではの多様な価値観や生き方にも触れることができました。英国もフランスもドイツもイタリアも、人々の価値観や暮らし ぶりは大いに異なり、多様です。この多様性は、ユーロのコインによく反映されています。コインの表の図柄はEU(欧州連合)で共通ですが、裏返してみると 通貨を発行した国ごとに図柄が別々で、それぞれに個性があります。

 ある国は自分たちの歴史や文化を誇り、ある国は芸術や建物を誇り、それぞれが自分たちの存在を主張しています。つまり、そこには「混在と共存」が あるのです。こうした欧州の多様性を肌で感じると、どうして日本は米国ばかりを見ているのだろうかと、米国一辺倒の危うさが心配になります。

 グローバリゼーションが叫ばれた15〜6年前、誰もがこれからの世界は「均一化」されていくだろうと語っていました。ところが現実は逆で、ますます「多 様化」が進み、多層構造になってきています。真の「グローバル」とは自分たちと異なる相手の存在や価値観を認め合いながら、世界を舞台に互いの個性を、独 自の質を競い合って生きることではないでしょうか。今回の旅はこんなことを改めて考えさせてくれました。

2.なぜ次世代ネットワークが必要なのか(9.26 nikkeibp)
 日本の通信事業者は、現在全力を挙げてNGN(次世代ネットワーク)の構築を進めている。 2008年早々には、NTTグループが先陣を切ってNGNの 商用化サービスを始める計画だ。 NGNとは電話のために銅線で作った電話網に代わって、IP(インターネットプロトコル)技術をベースとした光ファイ バーで作り上げる新しいネットワーク。NGNの登場は100年以上の歴史を誇る電話網が置き換わる大変革と言える。 こうした未来がもうすぐそこまで来て いるのに、実像はまだあまり知られていない。商用化まで約半年となったNGNの本質と、その実情をシリーズでお伝えする。

旧電電ファミリーが意気込む

 かつては沖電気工業、富士通、日立製作所とともにNTTグループに電話交換機を納入する「電電ファミリー」と呼ばれていたNEC。そのNECがこ こ数年、成長戦略の軸として前面に押し出しているのが「NGN」である。

 NECはC&C(computer & communication)を標語にコンピューターとコミュニケーションの融合を推し進めてきた。そして同社で長らく通信部門に携わってきた矢野薫氏が 社長に就任した2006年4月に、NGNをキーワードに新しい組織体制を発足させたのだ。NECは通信事業者から上げている7000億円程度の売り上げを 早期に1兆円に引き上げ、その4割をNGN関連ビジネスにしたいとの目標を公開している。旧電電ファミリーの中でもNGNにかける意気込みは突出してい る。

 しかしNGN自体はようやく2007年度内にNTTが商用サービスを始めようという段階である。組織体制を大刷新してまでNGNにNECが傾斜す る意図はどこにあるのか首をかしげる方も少なくないだろう。それほどの成長をNGNに期待できるのだろうか。

 「NGNって本当に必要なんですか」−−。筆者が最近NGN関連の取材を進めていることを説明すると、よく取材先からこういう逆質問をぶつけられ る。NGNそのものの知名度はようやく高まってきたが、その必然性までは広く行き渡っていないというのが実情だろう。

NGNと通信事業者を取り巻く環境

 しかし、前後数年の通信を取り巻く環境変化をよく見ると、従来の電話網を中心としたネットワークでは対応しきれない様々な課題が横たわっている。 日経コミュニケーションでは、よく「100年以上の歴史がある電話」という表現を使うが(日本で電話サービスが始まったのは1890年)、古くからの電話 網を置き換えるという意味からするとNGNは100年に1度の大変革とも言える。そしてこれは、ここ数年、ブロードバンド化やIP化、モバイル化など激動 の波にさらされている通信事業者にとっては、決して避けては通れない変革なのである。

 ただNGNの推進は、まだサプライヤーサイドの事情が前面に押し出されており、ユーザーのニーズや視点が不足しているのも事実。日経コミュニケー ションの調査では、通信事業者が提供しようとするサービスとユーザーが求めるサービスの間には、まだ大きな溝があることが見えてきた。

 2008年にも始まるNGNは、本当に既存の電話網を置き換える新しい通信基盤として広く浸透するのか。かつてのISDN(総合デジタル通信網) の二の舞にならないか。こうした疑問や不満が付きまとっているのも事実である。

3.最強の書類術:「段ボールと裏紙で情報共有」(9.25  nikkeibp)
 社員数わずか10人にして、23万人以上のユーザーを持つネットベンチャーの「はてな」。IT企業でありながら、仕事の進行管理には極めてアナログな ツール「あしか」(写真下)を活用している。元は「はてな・進行管理」の頭文字を取って「はしか」だったが、聞こえが良くないため、「H」が取れて「あし か」と呼ばれるようになった。

段ボール箱を利用し4つに仕切っただけ。それぞれ「すぐやる」「終わった」「そのうちやる」「ペンディング」と書いてある。中には、A4用紙を8つ に切ったサイズの紙にタスクを書き入れたものが入っている。思いついた人がすぐに書き込み入れておく。提案者の名前はイニシャルで紙に書く。

「すぐやる」の中に入っているタスクは毎朝10時から開くミーティングで読み上げ、担当者をその場で決める。提案書、通知書、報告書とその承認シス テムを備えたものがあしかだと言える。

きっかけは2004年秋、開発者が3人から4人に増えたことだ。たった1人の増員だが、担当者がすべき仕事をしなかったりと情報の行き違いが生じ た。近藤淳也社長は「個人を責めずに、仕事の仕組みを変えるべきだ」との考え。すぐに進行管理の情報共有を始めた。あしかを使うようになって共同作業がス ムーズになった。やり忘れがなくなり、タスクの確認も朝のミーティングで自然にできる。

4.J:COMグループ,関東エリアでも最大160Mビット/秒のネット接続 サービス(9.27 nikkeibp)
CATV大手のジュピターテレコム(J:COM)グループ会社のジェイコム関東は9月27日,下り最大160Mビット/秒のインターネット接続サービスを 発表した。HFC(hybrid fiber coax)を利用した「J:COM NET ウルトラ(160Mコース)」サービスで,10月15日に開始する。提供エリアは東京都の世田谷区/狛江市/稲城市/町田市,川崎市の麻生区/多摩区,横 浜市青葉区,相模原市---の各一部地域。

通信速度は下り最大160Mビット/秒,上り最大10Mビット/秒のベストエフォート型。料金はモデム・レンタル代を含め月額6300円。J: COMは既に,下り最大160Mビット/のサービスを関西エリアで提供中だが,関東エリアでは今回が初めてである。このサービスはCATVインターネット の新しい通信仕様「DOCSIS3.0」対応のケーブルモデムを採用し,高速通信を実現している。

5.ウィルコム,オフィスの固定電話とPHS間を定額にするサービス開始 (9.27 nikkeibp)
ウィルコムは9月27日,オフィスの固定電話とPHS間の通話を定額にするサービス「W-VPN」を10月下旬に開始すると発表した。ウィルコムが提供す る専用の固定回線をオフィスのPBXにつなぎこむことで,PBXとウィルコムPHS網の間で定額通話を可能にする。

PBX-PHS網間の通話定額以外にも,全国どこにいても内線番号による通話が可能という特徴がある。相手の内線番号あてに発信すれば,社内にいて も社外にいても電話がつながる。内線番号は,ユーザー企業が現在利用中の番号をそのまま使える。

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