週間情報通信ニュースインデックスno.623  2007/09/22

1.KDDIがCF型通信カードの新製 品,上り1.8メガのEV-DO Rev.Aに対応 (9.20 nikkeibp)
 KDDIは9月20日,コンパクトフラッシュ(CF)型のデータ通信カード「W04K」(京セラ製)を発表した。10月下旬に発売する。 同社のデータ通信カードとしては初めて,通信方式に上り最大1.8Mビット/秒,下り最大3.1Mビット/秒の「EV-DO Rev.A」方式を採用した。

 接続先限定機能とGPS(全地球測位システム)に対応している点でも,同社のデータ通信カードでは初めてになる。接続先限定機能を使うと,新規購入時に ドメインを指定して,そのドメインへのイントラネット・アクセスに限定するといった使い方ができる。GPSは携帯電話機と使い方が異なり,「GPSの位置 情報を利用して外勤の社員を管理する」ようなアプリケーションから利用する。

 このほか同機はSMS(short message service)も搭載する。これは「SMSで命令信号を受け取り,それに沿った処理をする」といったアプリケーションから利用するためのものだ。GPS やSMSを活用するアプリケーションの開発は,KDDIと個別相談のうえ同社に発注できる。

 またW04Kは,外出先からイントラネットに接続する際にパケット通信料を定額にできる「WIN DATA CARD定額サービス」にも対応する。

 2.2010年にGDPが日中逆転も(9.21 nikkeibp)
日本が世界第2位 の経済大国の座から滑り落ち、中国に逆転を許す。10年も20年も先の話ではない。日経ビジネスの試算では、中国の成長率が名目ベースで年率10%、人民 元の対ドルレート上昇率が毎年5%、日本の成長率が名目2%と仮定したところ、早ければ2010年にも中国の国内総生産(GDP)が日本の数字を上回ると いう衝撃的な結果が飛び出した(日本の対ドルレートは変動なし、2007年と2008年は国際通貨基金(IMF)による成長予測の数値を採用)。

米財務省出身の中国経済研究者で、議会からもしばしば証言を求められるカーネギー国際平和基金シニアアソシエイトのアルバート・ケイデル氏は中国の 将来をこう予測する。「少なくともあと20〜30年は7〜10%の成長を続ける潜在力を持っている。政策的な失敗さえ犯さなければ、中国のGDPは 2035年前後に米国を追い抜くだろう」。

1人当たりのGDPで見れば、13億の人口を抱える中国は昨年やっと2000ドルに達した段階で、日本(約3万4200ドル)の17分の1にとど まっている。だが、それは必ずしも中国人の購買力の低さを意味しない。

乗用車308万台、薄型テレビ360万台。豊かさを象徴する2つの製品の販売台数で、中国市場は今年1〜6月に初めて日本を凌駕した。携帯電話の総 加入者数は日本の5倍を上回る。日中逆転は既に現実のものとなりつつある。

3.猛烈に発展中、中国の通信事情(9.20 nikkeibp)
中国インターネット情報センター(CNNIC)の調査によれば、中国のインターネット人口は1億 6200万人(2007年6月末)。米国の2億1100万人に次いで世界第2位の規模になっている。また、携帯電話人口は5億164万人(中国信息産業部 の調査による、2007年6月末)と5億人を突破し、世界で最も携帯電話ユーザーの多い国となっている。

中国の携帯電話はまだ第2世代(2G)携帯電話が多く、通話とショートメッセージが中心の使われ方をしているが、最近では電子マネー対応の携帯電話 (いわゆるおサイフケータイ)も実用化するなど、新しい取り組みも積極的に行われている。

2007年7月30日、ノキアは中国市場向けに電子マネー機能が付いた携帯電話「Nokia 6131 NFC」を発売すると発表した。最初のステップとして、広州、アモイ、北京の3都市の交通機関に導入(それぞれのカードの名称は「羊城通」「e通カード」 「交通One Card通」)。順次多くの都市で展開し、次いで近距離無線規格「NFC」に対応した銀行カードのテストもスタートする予定だ。

中国では非接触型カードを使った「交通カード」と呼ばれるカードが、全国130都市において既に合計8000万枚発行済みとなっている(中国建設部 ICカード応用センターの調査による、2007年6月)。日本の「Edy」の累計発行枚数が2007年5月に3000万枚を超えているが、その2倍以上の 枚数が既に発行されていることになる。

また、日本では交通機関ごとに異なる規格のカードがあり、互換性が問題になるが、中国の交通カードは、地下鉄・バス・タクシー・フェリーなど、ほぼ すべての交通機関で共通して利用することができる。これも日本との大きな違いである。

4.「ムーアの法則」にも終わりがある (9.20 nikkeibp)
米国サンフランシスコにおいて、インテルは2007年9月18日から3日間、開発者向け会議(IDF)を開催しています。今回は開催直前 に、新しいCPUの発表延期が明らかになったこともあり、出席する意味はあるのだろうかと考えたりもしつつの渡米となりました。

 それでも参加したかったのは、インテル創設者の1人で、「ムーアの法則」を提唱したゴードン・ムーア氏の特別基調講演がIDFで開催される予定だったか らです。ムーアの法則とは、「半導体チップに集積するトランジスタの数は2年ごとに倍になる」というもの。同氏が指摘した1965年から現在に至るまで、 この法則は現実のものとなっています。

  ムーア氏は半導体業界を作り上げて来た伝説の人。どんなことを話すのか、興味津々で講演にのぞみました。パソコン関連のジャーナリストの中 には、「きっと、ムーアの法則に何らかの手が加えられるはずだ」などとまことしとやかに話す人もいて、会場は満員の聴衆で膨れあがりました。

 今回の講演は、進行を務める司会者が質問し、ムーア氏がそれに答えるという形式で進みました。質問は、何故インテルを立ち上げたのか、1980年代の日 本企業の印象は、など多岐に渡りましたが、聴衆が最も注目したのはなんといっても「ムーアの法則」についてです。ムーアの法則は2000年ごろから、 CPUの動作周波数の鈍化に合わせて、破綻説がまことしやかに流れ始めているからです。

 司会者が「ムーアの法則は終わってしまうことがあるのでしょうか」とズバリ聞いたとき、おそらく全員が息をのんだはずです。これに対するゴードン・ムー ア氏の回答は簡潔でした。彼は「終わりはありますよ」と答えたのです。「最終的にはどこかで終わるでしょう。物理的な限界はありますから」というのが彼の 指摘でした。「今までは限界を技術で突破してきました。しかしあと10〜15年くらいでまた、そういう壁に突き当たるのではないでしょうか」と淡々と答え ていたのが非常に印象的でした。

 もう一つ興味深かったのは、ムーア氏の物事に対する考え方です。司会者が「判断に迷うときにはどうすればよいのでしょう」とアドバイスを請うたとき、 ムーア氏は「何もしないのが一番いけないことです。判断に困ってしまったら、最後はコインの裏か表かで決めてもいいんですよ」と語ったのです。

 インテルの設立からこれまでの歩みをまとめた書を読むと、これまで課題と苦難の連続だったようです。それらをことごとく乗り越え、今のインテルを作り上 げてきた同氏の発言だけに、非常な重みを感じました。

5.IBMがリリースした無償オフィス・スイートは“焼き直し” (9.20 nikkeibp)
米IBMは9月18日(米国時間),新たなLinuxおよびWindows向け無償オフィス・プロダクティビティ・スイート「Lotus Symphony」(公開ベータ版)の提供を開始した(関連記事:IBM,オフィス・アプリ・スイート「Lotus Symphony」を無償公開)。同スイートは,この分野でオープンソースの「OpenOffice.org」と米Sun Microsystemsの「StarOffice」に続く3番目の主要ソフトウエアとなる。実質的にOpenOffice.orgスイートをベースとす るのだが,IBMはその点をほとんど強調していない。これら3種類のスイートは,有力な文書フォーマットであるMicrosoft Office形式の代わりにオープンソース文書フォーマットOpenDocument Format(ODF)を支持しているものの,Microsoft Officeで作成した文書も上手く扱える。

 スイートで提供されるアプリケーションは,ワープロと表計算,プレゼンテーションの3種類となる。10年以上前,IBMはSymphonyという名前を Lotusブランドのオフィス・プロダクティビティ・スイートで初めて使った。Symphonyという名称は同じでも,今回の新スイートと当時Lotus ブランドで販売していた「Lotus 1-2-3」などの製品との共通点は非常に少ない。ただしOpenOffice.orgおよびStarOfficeと比べると,はるかに魅力的であり,細 かいところまでよく作り込まれている。

 新たにもう一つOpenOffice.orgの派生スイートが必要とさているかどうかは不明だが,IBMがLotus SymphonyとOpenOffice.org側に立つことの意味は大きい。当然ここで浮かぶ疑問は,「何らかの無償オフィス・プロダクティビティ・ス イートが,大きなリードと豊富な機能を持つMicrosoft Officeに食い込めるのか」ということだ。OpenOffice.orgおよびStarOffice,そして現在ベータ版のLotus Symphonyはいずれも基本的な機能を備えているにもかかわらず,Microsoftから“画期的な”製品として発売され,ついにベストセラーとなっ た「Office 2007」スイートで広げられた差をあまり縮めていない。

ホームページへ