週間情報通信ニュースインデックスno.619  2007/08/25

1.「白い恋人」事件と現場の声の信憑度(8.24 日経BP)
  夏休みでネタ枯れの最中、石屋製菓が「白い恋人」の賞味期限を改ざんしていたことが発覚、メディアの一斉追求を受けることになった。火に油を注ぐ結果 になったのは、またぞろ社長の対応だった。当初、「私は知らなかったが部下が…」と言い逃れを試み、悪役に仕立てられた人物が役員中唯一の非血族だったこ とから「政治家の『秘書が…』という言い訳と同じ」「きっとウソだろう」との憶測を呼び、それが図星だったということで、ついに社長は辞任に追い込まれた のである。

 この事件に、持病である詮索癖をいたく刺激され、石屋製菓についての古い記事を検索していろいろと読んでみた。さすがに名物社長だっただけのこと はあって、石水勲氏による「白い恋人」の誕生談と、そこに成功哲学、経営哲学がケーキのデコレーションのようにちりばめられた記事がやたらと多い。もちろ ん、「素材にこだわり、衛生に最大限の配慮を払っている」といった趣旨の発言もある。食品を扱う企業の経営者が「素材や衛生管理は二の次」などと言ってい るのは見たこともないので、まあ当然の発言ではあるが、今この状況で読むと、かなりカッコわるい。

 そんな、いささかワンパターンの記事を読み漁り、かなりの満腹感を覚えてきたところで、ある記事にぶち当たり、ちょっと狼狽してしまった。何も狼 狽することはないのだけど、「自分が担当編集者だったら同じことをやったかも」と、肝を冷やしてしまったのである。

 その記事はお決まりの社長インタビューで、内容もハウツーものの体裁をとった自慢話という何の変哲もないもの。ただ他とちょっと違うのは、付録的 に別掲記事があり、そこに現場責任者の「わが社では実際に、衛生には細心の配慮を払っている」という趣旨の発言を載せていたのだ。今この状況で読むと、2 倍カッコわるい。(中略)

今回のテーマに戻って総括するならば、要するに「メーカーは調査会社の主張、調査会社はメーカーの判断を見てお互いに自信を深めているだけで、それ 以外に特段の、納得できる根拠があるわけではなかった」ということだ。このような場合には、第三者に意見を聞いても「ウラのウラをとった」ことには全くな らない。

 そのようなこともあるのだと気付くことができたのは、そのときなぜか発揮してしまった「執拗さ」のおかげである。そのときたまたまイヤな上司に不 条理な因縁をつけられたとか、よほどイヤなことがあってのことかもしれないが、そうであっても「何だか腑に落ちない」という思いが拭い切れなかったのは確 かである。そしてこの、「何だか腑に落ちない」という感覚が、真実を見抜くことを志すときに、実はとても重要なのかもしれないと最近強く思うようになって きた。

2.いつの間に?ソフトバンクのFTTRがエリア限定で開始(8.24 nikkeibp)
 ソフトバンクがエリア限定で、光ファイバとメタル線を組み合わせたFTTRサービスを開始していたことが、日経コミュニケーションの取材で明らかになっ た。同社がFTTRの実証実験を開始したのは2006年。「2007年こそ商用化に踏み切るのでは」という観測は多いが、公式にはまだ商用サービスを開始 したとは発表していない。

しかし東海エリアのごく一部では、量販店などでFTTRの販売用のチラシを配布しており、「Yahoo!BB 光 タイプS」という名称で実際に料金をとってサービス提供している。チラシには「FTTR」という文字はないが、「NTT局舎からお客様宅付近の電柱まで光 ファイバを敷設し、電柱からは既設の電話回線を使用する」、「お客様宅へ新たに回線を引き込む工事は必要ない」などと説明されるサービスは、まさに FTTRそのもの。2007年2月あたりから、ひっそりとエリア限定で販売を始めていたようだ。

チラシではFTTRについて、「最大速度が下り100Mビット/秒、上り50Mビット/秒」とうたっている。ネット接続に加え、IP電話サービスで ある「BBフォン」、IP放送サービスの「BBTV」をそろえたトリプルプレイも提供している。

ソフトバンクはこのサービスについて、「複数のエリアでテスト・マーケティングを実施しているのは事実。ただ、FTTRの商用化時期はまだ決まって いない」と説明する。実際に料金を取っているため、商用サービスに見えるが、あくまでも今後のマーケティング戦略を練るためのテスト販売という位置付けと している。

3.調査・経営とPC:買い換えの理由はVista導入ではない(8.24  nikkeibp)
経営とITサイトと日経BPコンサルティングは、「経営とPC」をテーマにしたアンケート調査を、管理職、一般社員、情報システム担当者の三者に対して実 施した。回答者総数は2084人、内訳は管理職が600人、一般社員が1003人、情報システム担当者が481人。経営改革やPC利用に関して、管理職や 一般社員といったユーザー部門と情報システム部門の意識の差を探ることが目的である。調査結果について、数回にわたり、報告する。

企業はなぜPCを購入するのか。「来年度のパソコン導入に影響を与えると思う要因をすべて選んでください」という質問の結果、第1位は「パソコン買 い換え時期の到来(買い換えサイクル)」であった。63.1%の回答者がこれを理由に挙げている。第2位は「人員の拡大」で、43.8%となった。

以上の二つがPC買い換え理由の二強であり、3位以降はかなり回答数が減る。第3位は「Windows Vistaへのリプレース」(29.8%)、第4位は「既存情報システムの更新、リプレース」(18.2%)であった。以下、「会社全体の情報化投資の活 発化」(17.9%)、「会社全体の業績向上」(16.7%)、「モバイル環境の導入・拡大」(15.8%)と続く。

企業向けには2006年末、個人向けには2007年1月に、Vistaの出荷が開始された。一つ前のOSであるWindows XPは2001年に登場したから、すでに6年が経過しており、2008年にはXPの販売が終了する。しかし、本調査結果を見る限り、Vistaを買うため にPCを買うというより、PCのリプレース時期が来たら、その時のOSがたまたまVistaだった、ということのようだ。

 こうしたPC導入に関する、ある種の消極性は、「モバイル環境の導入・拡大」や「新規情報システムの導入」(12.5%)、「在宅勤務などワーク スタイルの多様化」(6.4%)といった,パソコンを有効に活用しようという「攻め」の購入理由を挙げた回答者が少ないことにも現れている。

4.10月スタート、緊急地震速報――対応製品が続々(8.24  nikkeibp)
「緊急地震速報です。あと16秒で震度6弱の地震が発生します」
 専用端末や放送機器などからこんな警報が流れたら、あなたならまず何をするだろうか。
 今年10月1日から気象庁は、地震の発生を検知して大きな揺れが始まる寸前に緊急速報を届ける「緊急地震速報」というサービスを一般向けに提供し始め る。
 これによって、大きな揺れが来る数秒前から数十秒前に、放送や種々の機器類などを通して、地震の到来を知ることができ、利用者や企業は身を守る必要な措 置を取ることができる。
 NHKはテレビ・ラジオを通じて10月1日よりすべての放送波で緊急地震速報を放送することを発表した。テレビでは警報音と共にスーパーで表示し、ラジ オは放送を中断して音声で速報する。

 一部自治体では総務省消防庁による全国瞬時警戒システム(J-ALERT)を用いた防災行政無線による放送が行われる予定だ。
 J-ALERTとは、人工衛星を用いて緊急情報を送信し、市区町村の防災行政無線を自動的に起動して住民に地域内のスピーカーなどから伝達する仕組み だ。
 現在、岩手県釜石市と兵庫県市川町でJ-ALERTを用いた緊急地震速報のモデル実験が実施されている。震度5弱以上の揺れが想定される場合、無線ス ピーカーから警報音に続いて「大地震(おおじしん)です」という放送が流れる。

5.マッシュアップを短期間に実現、NTTデータが構築支援サービス (8.22 nikkeibp)
 NTTデータは8月22日、複数のWebサービスを組み合わせて新しいシステムを構築する、いわゆる「マッシュアップ」の支援サービスを 開始した。公開されているAPI(アプリケーション・プログラミング・インタフェース)を使って構築するよりも、構築期間を最大で3割程度短縮できるとい う。

 新サービス「Scarash(スカラッシュ)」は、オープンソースのフレームワークである「Ruby on Rails」(開発はデビッド・ハイネマイヤ・ハンソン氏)と「マスカット」(同NTTデータ)を組み合わせたもの。Ruby on Railsでサーバー側アプリケーションを、マスカットでクライアント側アプリケーションをそれぞれ開発する。複数のWebサービスによって異なるデータ 構造をXMLに変換することで、Ruby on Railsで統一的に取り扱えるようにした。

 Scarashの料金は、数百万〜数千万円。NTTデータは、中小規模のシステムを対象に拡販し、2009年度(3月期)までの3年間に30社、15億 円の売り上げを目標にする。
 

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