週間情報通信ニュースインデックスno.617 2007/08/11

1.不完全のススメ うつになる男性と仕事をやめる女性(8.10 nikkeibp.jp)
 “うつになる男性”と“仕事をやめる女性”は、実は一本の線で繋がっている。

 最近、知人男性がうつ病で職場から撤退した。私はその男性を学生時代から知っているが、当時から暴れん坊で突っ張ってもいた。“男気”のようなものが魅力的なタイプだったが、企業での上司によるパワーハラスメントが原因でうつ症状が出た。もはやめまいで立つことも出来ず、病院に駆け込み病名を聞かされた時はショックだったという。

 また最近、私に「働く女性が仕事をやめないような話を」という講演依頼が増えた。企業で女性登用が実践されると同時に企業側から出た悩みだ。「女性も男性並みに仕事をというからチャンスを与えたのに、結局、やめていくじゃないか」と途方に暮れている管理職の姿が目に浮かぶ。女性登用が結果として女性不信を招いている。

女性が歩む“きつい坂道”

 「乗った馬から降りるな」は、女性登用を推進する立場からの女性社員に向けての言葉だ。つまり総合職で出世コースを選んだなら、何があってもそこから降りるな、ということだ。

 女性が思わず降りたくなるきつい坂道は、結婚・出産・育児・介護と人生のそこかしこに待ち受ける。おそらく当初、女性たちは本心から野心を持って仕事に挑んだに違いない。しかし、人生の急な上り坂に差し向かうと「この子にとっての母は私しかいない」とか「妻として」とかいう感傷が、迷いのなかったはずの野心に揺さぶりをかける。

 馬から降りるのではない。揺さぶられて馬から落ちるのだ。その揺さぶりたるや、“強い意思”なんかでは太刀打ちできないほど物理的なものだ。残業と保育園の迎えの時間が揺さぶりをかける。朝の会議と予期せぬ子供の発熱が揺さぶる。

 だから揺さぶられる要素を人生で持たない独身女性がずっと手綱を握り続けられるということになる。

 結局、どれほど時代が変わろうが、女性にとっては仕事か結婚かという選択が、正解がなかなか出ないクイズ・ミネオリアのようにいつも立ちはだかる。

「乗った馬から降りるな」という意識啓発はあくまで女性個人に働きかけるスローガンだ。

 だが彼女たちを取り巻く環境が彼女たちを馬から落とすのだとしたら、環境ごと変えねばならない。キャリアアップと同時によき母にもなろうと思うから馬から落ちる。キャリアアップを望んだ時に、「よき母であること」を捨てた女性が馬に乗り続けられるのだ。つまり、「保育園になんか行ってられない」「熱を出したって病院になんか連れていけない」母親を許す環境だ。

 育児放棄ではなく、共働きならベビーシッターを雇うことで揺さぶりは沈静化するはずだが、仕事をやめる女性が少なくない現実を見ると、そういう解決法を阻止しているものがあるのも浮かび上がる。

 それは夫でも姑でもなく、女性自身にある。いくら家族が「それで母親か」と責めたてたところで、選択するのは女性自身なのだから。

 まずは誰よりも最初に「不完全を許す」自分を作らないと、その選択が生涯付きまとう。

2.荒ぶる「ソフトの革命児」(8.10 nikkeibp.jp)
米セールスフォース、短期導入と低料金で台頭
2007年8月10日 0時24分

「マイクロソフトは死んだ。同社のOS(基本ソフト)『ウィンドウズ・ビスタ』にはブレークスルー(画期的な技術革新)がないから、普及が進まない。とりわけインターネットのメリットが生かされていない」。こう言い切るのは、米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEO(最高経営責任者)だ。

6月上旬、米サンフランシスコのレストランで、朝食に特大のフレンチトーストをほおばりながら取材に応じた2m近い巨漢は、耳を疑うような挑戦的な発言を繰り返した。自分たちが「ソフトウエア業界の秩序の破壊者である」という強烈な自負が、ベニオフCEOにはある。

ビジネスソフト界のグーグル――。そう呼ばれるセールスフォースは業界の誰もが注目する急成長企業だ。2007年1月期の売上高は約5億ドル(約 600億円)と小さいが、年間成長率は6割以上。成熟傾向が顕著で、買収による整理統合が進む企業向けソフトの世界で、驚異的に高い伸び率を誇る。7月9 日時点のセールスフォースの時価総額は約52億ドル(約6000億円)で、株価は約3年で3倍近くに達した。
成長の原動力は、ソフト業界の常識を覆すビジネスモデルにある。セールスフォースは、営業活動において顧客・商談の管理や販売予測に使う「CRM(顧客情報管理)」製品を手がける。ただ、それをパッケージソフトではなく、ネット経由で“サービス”として提供するのが特徴だ。「SaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス=サーズ)」という注目を集めるモデルで最も成功しているのがセールスフォースである。

 競合するのは、米オラクルやマイクロソフト、独SAPなど業界を代表する巨人たち。彼らの主力製品は、パソコンやサーバーにインストールして使うソフトだ。対するセールスフォースの製品には、ネット経由のサービスならではの数多くの利点がある。

 まず導入期間が短いこと。「従来のCRMソフトを大企業が導入するには通常1年程度かかる。それがセールスフォースの場合は3カ月で済んだ」。約 2000人の社員がセールスフォースを利用し、その後同社製品を販売するようになった日立ソフトウェアエンジニアリングの小野功社長は説明する。

 顧客にとってのコストメリットも大きい。導入期間が短くなれば、初期費用が安くなる。導入コストの大半を占めるのは人件費。期間が4分の1になれば、コストもそれに比例して減らすことができる。顧客データなどもセールスフォース側が保管・管理するため、サーバーなどを新たに購入する必要もない。利用料は1カ月1ユーザー当たり1200円からと手頃だ。

 使い勝手も高く評価されている。「ヤフー」や「アマゾン」のように、素人でも直感的に分かる画面デザインを採用。さらにソフトを新しいバージョンに更新する頻度は、インストール型のソフトが通常3?4年に1回であるのに対し、セールスフォースは3年間で22回に達する。
 

 「セールスフォースは、従来のソフト業界のビジネスモデルを激変させる破壊的なイノベーター(革新者)。これまで勝者だったオラクルやSAPは、現在の主力事業を脅かしかねない新しいモデルに転換するのは難しい」。ベストセラーになった『イノベーションのジレンマ』(翔泳社)の著者で、ハーバード大学のクレイトン・クリステンセン教授は、こう分析する。

3.多様な進化を遂げたボールペンを活かそう(8.8 nikkeibp.jp)
 ボールペンは安価になり100円程度で数本買える。安価でも文字を書くという基本機能において遜色はない。それで十分だと思いがちだ。あるいは機能が十分なら、他には高級感のあるボールペンが欲しいということもあるだろう。機能指向か高級指向という二次元でボールペンを考えがちだ。

 だが、ボールペンは多様な進化を遂げている。いろいろ試してみると、新しい使い勝手の世界が広がってくるものだ。いくつかビジネスシーンで活用できそうな新機軸を紹介してみたい。

滑らかな書き味の「ジェットストリーム」と、消せるボールペン「フリクション」

 まず、100円台のボールペンでも、非常に優れた書き心地の製品があるので、文房具店で体感していただきたい。お勧めしたいのは、157円で販売されている三菱鉛筆の「ジェットストリーム」だ。解説ホームページにもあるが、既存の油性ボールペンと比較すると、同筆記速度でも低筆記抵抗でスルスルと滑るように書ける。この書き心地は気持ちがいい。特に1.0mmボールのやや太めのタイプは長文を書くのに向いている。グリップも工夫されているので疲れにくい。類似の油性ボールペンではZEBRA の「ジムノック」も書き心地がよい。こちらは105円とさらに安価だ。

 だが、油性ボールペンはメモ帳などに小さな文字を書くのには向いていないので、細い線でくっきり書きたい場合は、三菱鉛筆の「シグノ」のようなゲルインクがよいだろう。ゲルインクは発色もよく各種の色が活用できる。

 多色という点では、3色ボールペンの活用が、斎藤孝氏の提唱で一時期ブームになった。書籍としては、 「三色ボールペンで読む日本語」や「三色ボールペン情報活用術」などが現在でも参考になる。多色ボールペンに慣れてくると、3色では足りず、4色がスタンダードになってくる。たいていは緑をスペシャルカラーにすることになる。

4色ボールペンとハイテックCコレトの3色ボールペン

 4色もあれば十分ではないかという人もいるだろうが、いずれこのコラムで紹介する予定のマインドマップなどを実践するときは、あと3色は欲しくなる。このニーズを満たすのが、PILOTの「ハイテックCコレト」だ。インクは15色から選べる。このうち3色を選択して自分専用のボールペンができる。私が選んだのは、オレンジ、クリアブルー、バイオレットの3色だ。
 
4.MNPの純増一人勝ち続くKDDI、流出止まらぬドコモ(8.9 nikkeibp.jp)
PHSも含めた累積のシェアでは,依然としてNTTドコモは52.2%を占める圧倒的な存在。2位で27.7%のシェアであるKDDIや,3位で 15.6%のシェアのソフトバンクを大きく引き離す。前四半期と比べ,NTTドコモは0.6%のシェアを落とし,KDDIとソフトバンクはともにシェアをアップさせたが,まだ容易には埋まらない大きな差がある。

とはいえ,月間純増数に着目すると印象は大きく変わる。業績同様にNTTドコモの勢いが落ち,KDDIやソフトバンクの伸びが顕著となる。

日本の携帯市場では,グローバル戦略との整合性で苦しんだボーダフォン日本法人が一人負けし,長らくNTTドコモとKDDIの2社が,月間純増の首位を争い続ける状態が続いてきた。

しかし,ソフトバンクが2006年5月にボーダフォン日本法人を買収し,同年10月にMNPが始まると状況が一変した。MNPで一人勝ちとなった KDDIが大きな月間純増を続けた一方で,MNPで流出が最も多かったNTTドコモが純増の勢いを大きくそがれた。さらにNTTドコモは2006年11 月,創業以来初めての純減を記録する事態にまで追い込まれている。NTTドコモは,MNPによる流出が2007年上半期まで続いている。

5.iPhoneとExchange(8.10 nikkeibp.jp)
 あなたがApple製品のファンであろうとなかろうと,そしてAppleのCEOであるSteve Job氏に対するあなたの評価がどのようなものであろうと,議論の余地のないことが一つある。それは,消費者向け製品をマーケティングするAppleの手腕は,多くの会社がどんな手段を使ってでも手に入れたいと願うほど優れている,ということだ。

 考えてみてほしい。Appleの新しいiPhoneのように,発売時にメディアがこぞって取り上げる消費者向け製品(あるいは,企業向け製品でもいい)が他にあるだろうか? iPhoneに関する大げさな報道が氾濫しているので,筆者は誇大記事を書くのではなく,「iPhoneは,Exchange Server管理者にとって何を意味するのか?」について解説しようと思う。

 筆者はここ数年間,Palm Treo 700wを含む様々なWindows Mobileデバイスを使っている。TreoにはRAMが全然足りないなど欠点はいくつかあるものの,筆者が旅行中や他の用件でオフィスにいないとき,様々なことを管理するのに使っている。空港やホテル,その他の商用旅行者が集まる場所で,筆者が目撃するWindows Mobileデバイスの数から判断すると,Treoを使っているのは筆者だけではないようだ。

 そして今,iPhoneが登場した。iPhoneは,美しく流動的で滑らかなUIを持つ非常に魅力的なデバイスである。iPhoneと比較すると, Windows MobileやPalm OS,Symbian OSが不細工で時代遅れに見えるほどだ。iPhoneには,消費者レベルの粋な機能が多数搭載されている。例えば,iPodの完全な機能や高性能なWeb ブラウザ,完全なWiFi接続などだ。

 その半面iPhoneは,ビジネス・ユーザーが期待,要求するいくつかの主要機能を欠いている。

    * iPhoneは,物理的なキーボードを搭載していない。BlackBerryやWindows Mobileのユーザーの多くは,このことが理由でiPhoneを購入しないだろう。Appleのキーボード・ソフトウエアは優秀で,オンスクリーン・キーボードを使用可能なレベルに高めているそうだが,筆者はまだそれを十分に使っていないので,使いやすさについてはコメントできない。
    * iPhoneでは,他のデバイスで広くサポートされているいくつかのデータ・タイプがサポートされていない。例えば,同デバイスにはタスク機能がない。さらに,iPhoneで作成したメモをデスクトップ・コンピュータにエクスポートすることもできないのだ。
    * サードパーティの開発者が,iPhone上でネイティブで作動するアプリケーションを記述するためのサポートされた方法がない。ただし,Webベースのアプリケーションは機能する。

 iPhoneは,Exchangeとの無線同期をネイティブ・サポートしていない,ということをすでに耳にした方もいるかもしれない。iPhoneは IMAPをサポートしている。そのため,iPhoneには「Exchange」というアカウント・タイプがあり,セットアップ中に選択すると,そのアカウント・タイプは,Exchangeサーバー上でIMAPが有効になっている必要があることをユーザーに通知する。

 Safari Webブラウザは証明書を適切に確認するが,Mailアプリケーションは確認を行わない。これによって,Windows Mobileデバイスをデプロイする際の非常に面倒くさい作業が一つ不要になる。つまり,自分で署名した証明書を新しい電話機に登録するという煩雑な作業のことだ(もちろんそれは,Mailアプリケーションが中間者によるSSL攻撃にだまされてしまう可能性があることも意味しているが,それは今回のコラムの話題ではない)。

 AppleがMicrosoftからExchange ActiveSync (EAS)プロトコルのライセンスを取得した,といううわさが少し前から流布している。筆者がMicrosoftのPRチームのメンバーに話を聞いたところ,彼らは二つの顕著な事実を指摘した。

 一つ目は,Microsoftはうわさに関してはコメントしない,ということだ(これは大きな驚きだ)。二つ目は,MicrosoftはWindows Mobileと競合する他の多くのデバイス・ベンダーにもEASのライセンスを与えてきた,ということである。

 サードパーティが自らのソフトウエアを同デバイスに追加することはできないので,AppleがEASサポートを提供しなければならない。そして,よく知られていることだが,Appleは製品のプランに関しては口が堅い。とりあえず今のところは,IMAPを使うしかなさそうだ。iPhoneにおける Appleのソフトウエア・アップグレード・パスはどのようなものなのか,そして,Windows MobileやPalm OS,Symbianの世界と比較して,iPhoneのソフトウエア・アップデートの仕組みはどうなっているのか見ものである。
 
 
 
 

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