週間情報通信ニュースインデックスno.615 2007/07/21

1.【ノートPCと仕事の関係調査】モバイル利用者の9割が「仕事に役立つ」(7.20 nikkeibp.jp)
 ノート・パソコン(PC)を社内だけでなく、屋外や自宅などに持ち出し、場所や時間に関係なく自由に仕事をこなす――。こうしたノートPCのモバイル利用は仕事の役に立っている。実際にノートPCを持ち歩いて仕事をしているビジネスパーソンの9割近くがこう答えた。ノートPCの存在価値を再認識させる結果と言える。

 この結果は、日経コンピュータと日経BPコンサルティングが実施した「仕事とノート・パソコンに関する調査」である。日経BPコンサルティングが保有するモニターから抽出した400人にアンケートをしたところ、職場以外(家庭や外出先など)で仕事のためにノートPCを使っている人は207人で、 400人のうち51.8%だった(図)。

 実際に仕事でノートPCを使っている人たちは、そのメリットを十分認識している。「職場以外で、仕事のためにノートPCを使うことは、あなたの仕事に役立っているか」と聞いたところ、88.9%と実に9割近い人がノートPCは役に立っていると回答した。「いいえ」は2.4%、「どちらともいえない」は8.7%だった。

 具体的にはどのような使い方をしているのか。ノートPCは役に立っていると回答した207人に聞いたところ、次の3点が上位に来た。「文書を作成する」が176人で85%。「Webサイトにアクセスする」が154人で74.4%。「会社の電子メールやグループウエアを利用する」が109人で 52.7%。「客先でのプレゼンテーションに使う」(30.0%)ことや、「業務システムにアクセスし、顧客や在庫など物や資金に関わる情報を閲覧したり処理したりする」(16.4%)といった使い方は、まだ少数派だった。

 最近、ノートPCの持ち出しを禁止したり、パソコンの代わりにシンクライアントの導入を試みる企業が増えている。セキュリティは確かに重要だが、仕事で便利に使われている状況を無視し、やみくもにノートPCを排除すると、かえって現場の混乱を招き、生産性を低下させそうだ。

2. モバイル検索に「隙あり」(7.20 nikkeibp.jp)
 「あれ、ないじゃん」。5月27日、会社員の田端正治さん(38歳、仮名)は携帯電話の画面を何度もスクロールしていた。田端さんが見ていたのは、携帯電話向けの検索サイト「Googleモバイル」。羽田空港で全日本空輸(全日空)のシステムに障害が発生しているとのニュースを聞き、飛行機の運航予定を知るために、全日空の携帯向けサイトを探していたのだ。

 だが、「全日空」と入力しても、なかなか全日空の公式サイトを発見できない。検索結果は約2万3700件と表示されたが、最初に登場したサイトのリンクは「全日空ホテルクレメント高松」。さらに松山全日空ホテル、京都全日空ホテル、全日空株主優待券のオークション結果と続き、1ページ目に全日空の公式サイトは出てこなかった。
リンク数は基準にならず

 田端さんのようなユーザーの指摘があったからなのか、6月に入って状況は改善、全日空の公式サイトが検索結果の一番最初に表示されるようになった。

 目的とするサイトをストレスなく探し出す――。グーグルがパソコンの検索エンジンとして利用者の圧倒的な支持を得ている理由だ。だが、携帯向けサイトの検索に関する限り、まだ強さを発揮し切れていない。

 もう1つの検索の雄、ヤフーも事情は同じだ。パソコン向けでは、「トヨタ」と入力してトヨタ自動車のホームページがトップに表示されない検索はない。だが携帯向けとなるとGoogleモバイルも、ヤフーの携帯版「Yahoo!モバイル」も、トヨタの公式サイトは4番目に表示される。

 なぜパソコン向けに比べて精度が甘いのか。一般のウェブサイトでは、役立つサイトにリンクを張る習慣が一般化している。張られたリンクの数がサイトの人気度を示すバロメーターだ。グーグルやヤフーは主にこの論理を検索結果のランクづけに利用している。

 ところが、携帯ネットでは勝手が違う。携帯サイトでは、リンクを互いに張る習慣がないからだ。パソコン向けと携帯向けサイトの数や情報量の差も、検索精度が低い要因。携帯向けのサイトは、そもそも数が少ないうえに、検索サイトが情報収集を行う「クローラー」を拒絶することも多いという。

 サーバーやパソコンなどの端末がクローラーとして携帯サイトを巡回、検索用の情報を収集する。しかし、携帯サイトは携帯以外の端末からのアクセスを拒否する設定にしている場合が多い。結果として、サイトが存在してもクローラーがアクセスできないため、検索結果に反映されないわけだ。

 パソコン向けに比べ、精度が劣る携帯向け検索。その利用も、思うように伸びていない。

 ソフトバンクモバイルが携帯ネットの入り口をヤフーの携帯版にしたのを皮切りに、昨年10月から携帯各社は検索サービスへの窓をネット接続のトップ画面に取り入れた。これで携帯ネットの利用が急拡大すると見られたが、結果はそうでもない。

 ヤフーの携帯からのアクセス数は昨年10月こそ前月比26%増と、それまでの3%増を大きく超えた。だがその後の伸びは3%増と元へ戻り、今年4月は前月のアクセス数を下回った。

 NTTドコモは昨年10月から、iモードメニューのトップで独自の検索サービスを始めている。だが、約半年経った今年3月時点での検索件数は、「2006年10月の1.5倍程度」(NTTドコモ)にしか増えていない。

 まだ黎明期の段階にある携帯ネット向けの検索。だからこそ、ベンチャー企業がその間隙を突こうと虎視眈々と狙っている。
 
 ウェブサイト向けに成功報酬型の広告サービスを提供するファンコミュニケーションズは6月6日、新手の携帯向け検索サービス「aqubee!(アクビー)」の試験版を開始した。
 この検索サービスはグーグルやヤフーと同様、クローラーを使ってサイトの情報も収集するが、人手による情報収集も行う。収集のカギは「お気に入り」だ。

 検索した結果をたどって携帯サイトを巡回している途中、お気に入りを見つけたら、その場で自分の「マイページ」に登録できる。そこで登録された数が多ければ多いほど、人気のあるサイトと判断し、検索結果を上位に表示する仕組みになっている。

 「ユーザーが望む情報を適切にナビゲーションする導線がないというのが、携帯ネットの最大の課題」。事業開発部の関厚志部長はこう話す。「大手検索サービスの技術はリンクがベースだが、携帯には当てはまらない。何を頼りにと思った時、原点回帰して、ヒトがいいと思うものを判断材料にしようと考えた」という。

 秋には正式版をオープンする計画で、その頃には、お気に入りのサイトのほか、お店や歌手などの単語も簡単に登録できるようにするという。
 「いかに検索を使ってもらうか。待っていてはダメだ」。そう考えたのは携帯向け検索サイト「froute.jp」を手がけるエフルート(東京都千代田区)だ。

人気のサービス「顔ちぇき!」で、似ていると表示された芸能人の顔をクリックすると、検索サイト「エフルート」の検索結果が表示される
 携帯ネットの世界は、利用者同士の口コミで急激に人気サービスへ成長することが多い。携帯で撮った顔写真をメールで送ると、似ている有名人を教えてくれる「顔ちぇき!」もその1つ。4月末のサービス開始からわずか1カ月で、累計1500万人もの利用があったことで話題を集めるサイトだ。

 エフルートは6月1日、顔ちぇきを運営するジェイマジック(東京都港区)と提携。顔ちぇきで似ていると表示された芸能人の名前をクリックすると、その人に関する情報をエフルートの検索サイトで閲覧できるようにした。

 「携帯ネットの利用者は、目的を持って何かを調べるのではなく、暇つぶしで見る人が多い。それならば、他社のサイトや、自社のメルマガなどを利用して、これ検索したらどう?と、いわば『あおり検索』の形で検索に慣れてもらおうと思った」(佐藤崇社長)
若年層の開拓で試行錯誤

 携帯ネットの利用は中・高校生ら若年層の方が大人よりも活発だ。パソコンのネットではなく、携帯ネットに慣れている若者には、パソコンの常識は通用しない。だからこそベンチャーはあの手この手の知恵を絞り、試行錯誤を繰り返している。その思いは、大手も同じだ。

3.ファイル・サーバーから所望のファイルをWebブラウザ経由で素早く探すソフト(7.19 nikkeibp.jp)
鉄飛テクノロジーは,ファイル・サーバーで管理している共有ファイル群をWebインタフェース経由で検索するための文書管理ソフト「FileBlog」を,7月19日に出荷した。フォルダをたどるアクションと,文字列検索によるフィルタリングを組み合わせることで,所望のファイルを素早く見つけ出せるようにする。価格は,10ユーザーまでの最小構成価格で,初年度9万9000円,次年度以降2万2000円。

FileBlogは,PHPで書かれた文書管理アプリケーションである。Windows 2000 ServerまたはWindows Server 2003上で動作し,動作に必要なWebサーバー・ソフトとして,Windows版のApacheを同こんする。共有ファイルを公開するファイル・サーバーのディスクは,NTFSでフォーマットされている必要がある。共有ファイルの領域は,FileBlogをインストールしたサーバー機のローカル・ディスクでも,外部のファイル・サーバーでも構わない。
 
4.「変な会社」が徹底する真っ当な情報共有(7.20 nikkeibp.jp)
QAサイトやブログ、ソーシャルブックマークなどのネットサービスをてがける「はてな」。同社は、「立ったまま会議をする」「ミーティングをポッドキャスティングする」などユニークな試みを実践している「変な会社」として知られている。「超オープン」と言われる同社の情報共有の仕組みについて、川崎裕一副社長に話を聞いた。(聞き手は小野口 哲)

はてな社内での情報共有はどんな仕組みになっているのでしょうか。

 
はてな 川崎裕一副社長
 はてなでは、社員が全員ブログを書いています。業務日報的なものだけでなく、基本的に何でも書くんです。例えばあるサーバー担当者は、仕事がきつい、眠いといった自分の状況やフットサルの感想の後で、エラーのログや監視プログラムの話を書いています。

 「個人のブログみたいなことを書いても意味がない」と感じる人もいるでしょうか、そうではないんです。ブログを読んで、この担当者が眠いことを知ったら、「もう眠ったらどうか」と声を掛けることができる。眠ることで、仕事の生産性が上がる可能性は十分にあります。

 社員の置かれている状況や考えを知ることで、管理職の人間が的確にアドバイスしたり、業務上の優れた提案を考えついたりできるかもしれない。だから業務以外の話も書くようにしているわけです。

情報共有の本質は変わらない

 “情報共有”という言葉は昔からありました。本質は、ツールじゃないんです。重要なのは、「情報を共有することで、自分にメリットがある」という社内の空気を生み出し、そのための仕組みを実現することです。

社員がブログを書くだけではなく、その内容を上司が適切に評価することも必要ではないですか。

 今の新入社員は、ネットを通じて積極的に情報を発信することに慣れています。企業は、こういった社員が高い生産性を発揮できる環境を提供しなければならない。そのためにも管理職には、社員が発信した情報を正しく受け取る能力が求められます。

 当社では、積極的に情報を発信させるために、「何でも書く」ということを実施しているんです。さらに、この情報を360度の評価制度に結び付けています。ただ、360度評価を実際に運用するのは難しい。

具体的にはどういった方法を用いるのでしょう。

 はてなは、グーグルのページランクという仕組みを参考にした給与制度を採用しています。ページランクは、他のWebページからどれだけリンクが張られているで、そのページを評価するものです。評価の高いサイトにリンクされる方が評価が高くなります。

 はてなの給与制度で、個々のWebページに当たるものは“人”です。具体的には、社内で高い評価を受けている人に評価された人間の方が評価が高くなるのです。

 もちろん、ブログに何が書き込んであるかも重要です。自分がどんな仕事を手掛けていて、現在やっていることが今期の売り上げにどの程度貢献するのかといったことが、誰にでも分かるように書いてあれば評価は高まります。

 社員同士が直接話していますが、もし1日のすべての業務時間を対話に費やしたとしても、社員が20人いれば、一人ひとりに十分な時間を取るのは無理です。結局は、自分の仕事に直接関係する人間と話す機会が増える。360度評価では、普段話せない人間の評価が重要なんです。こういった社員と情報を共有しない限り、社内でのプレゼンスは上がりません。だからブログを活用するのです。

Web2.0は人同士がつながるために有用

ブログのようなWeb2.0の技術は情報共有に有用ですか。

 突き詰めれば、会社を動かしているのは人です。社員同士がもっと互いを知ることでいろいろなことが可能になるはずです。ですが現実には、隣の人が何をやっているかすらはっきりとは分からないような大企業すら存在します。はてなは、情報を公開して高い透明性を保とうという考えの会社です。

 ブログで情報を公開しておけばこういった問題を解決できます。当社の社長である近藤は、「情報を見ることができないのはダメ」だとよく話しています。これが一番大事なところです。例えば会議では、すべての発言を録音しています。ただ公開した情報を共有するかどうかは個人の自由です。

情報共有を徹底するのは簡単ではありません。

 当社では、社外に送るメールを社員全員が読めるようにしています。例えば、私は新聞や雑誌の取材を受けることが多いので、取材に関する社外とのやり取りを読むようにしています。私以外の社員も検索すれば読むことができます。事前の心構えに役立ちます。自分が読みたいときに読めるようにしておくことが重要なんです。

 もしも私が突然いなくなったとしても、会社の売り上げに大きな影響が生じることはないです。私の取引先の情報は、過去のやりとりをすべてブログに書いています。それから社員全員にメールが届く組みになっています。どんなプロセスで仕事が進んだかはすべて記録できているんです。

5. 東とは全く異なるNTT西のフレッツ網(7.19 nikkeibp.jp)
 NTT西日本のフレッツ網は,NTT東日本と名称は同じだが,構成や運用体制は全く別ものだ。そのため「今回,NTT東日本で障害の原因となった事象は,西日本のフレッツ網では起こらない」(NTT西日本の坂下啓輔サービスマネジメント部ネットワークサービス部門長)という。

 では具体的な違いとは何か。一つは,IPv4とIPv6の網を物理的に分けているというルーター網の構成,二つめは,どちらの網も細かく経路の管理エリアを分けている点──である。

 東西のフレッツ網が異なるのは,NTT西日本が独自にサービス開発をしてきたからだ。NTT東日本のフレッツ網の物理的なネットワークは一つで,そこにIPv4とIPv6のネットワークが論理的に混在している。しかしNTT西日本は,「フレッツ・ADSL」などを提供していたIPv4による既存のフレッツ網とは別に,フレッツ・光プレミアム網を構築している。(表1)

NTT西日本のフレッツ・サービス用のネットワークは,IPv4のフレッツ網とIPv6のフレッツ・光プレミアム網の二つに分かれている。NTT東日本は5月15日の障害以降,フレッツ網の経路数を減らし,IPv6のエリア分けを進めていく予定。

 NTT西日本では,IPv6を主に使い,既存のフレッツ網とはルーターなどの伝送装置を別に用意し,別ネットワークとして構築・運用している。わざわざIPv6網を別に作ったのは,電力系通信事業者のFTTHサービスに,IPv6のセキュリティ機能による付加価値で対抗しようと考えたからである。

 フレッツ網とフレッツ・光プレミアム網は,IPのバージョンが違うとはいえ,物理的な網構成はほぼ同じである。どちらも「30個程度の『県内網』と,それらを接続する『県間網』に分かれている」(坂下部門長)。NTT東日本のフレッツ網も加入者系と中継系を分けているが,NTT西日本の方が細かく網を分けているようだ。

 NTT西日本は県内網と県間網,IPv4とIPv6でそれぞれ異なるルーティング・プロトコルを使っている。IPv4網もIPv6網も,県内と県間で細かく経路の管理エリアが分けられており,障害が起こっても他県の網には波及しない設計になっているという。このため,主要なルーターが持つ経路数は最大1000?2000程度と,NTT東日本に比べると圧倒的に少ない。
他事業者もエリアは小さい

 KDDIとソフトバンクBBのIP網も網の階層を分け,経路のエリアを細分化。障害を極小化できるようになっている。

 KDDIのIP網は,細かくエリアを分けることで経路数を最小限に押さえているという。またソフトバンクBBが運用する“Yahoo! BB網”は,「コア網」,「メジャーエリア網」,「マイナーエリア網」に分けられており,エリア分けと経路の最小化を徹底している。経路数は数百レベルだという。
 
 

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