週間情報通信ニュースインデックスno.602 2007/04/21

1.携帯電話での検索はロングテール型−米グーグルのモバイル担当(4.20 nikkeibp.jp)
 「モバイル検索の上位100が占めるのは全体のたった12%。モバイル検索でもロングテール現象は起きている」2007年4月19−20日の日程で開催された「次世代モバイル技術セミナー」に米グーグルのモバイルプロダクトマネージメントディレクターのディープ・ニシャー氏が登壇し、基調講演を行った。

 ニシャー氏は、携帯電話で行われる検索について「いろいろなタイプのクエリ(検索用語)が存在している」とグラフを用いて説明。グーグルの携帯電話向けサービスで検索される語の比率を棒グラフにして大きい順に並べると、ロングテール型になることを示した。携帯電話での検索では「ポケットにある携帯電話だと(パソコンを立ち上げて行うより)検索が楽なため、今まで調べなかったことでも頻繁に調べる」(ニシャー氏)傾向があるという。そのため、検索用語が多種多様になり、ロングテール現象が起きているのだ。一方で、現在の携帯電話における検索精度はパソコンに比べるとまだ低い。その点については、「改善の余地があると認識している。ユーザーがもっと検索をし、履歴が蓄積することによって精度は上がる」(ニシャー氏)と説明した。

 携帯電話はディスプレイの大きさやボタンの数にも制限があるため、「PCの使い方とはまったく違う」(ニシャー氏)という側面もある。グーグルの携帯電話向けサービスでは「パーソナライゼーションのサービスを提供することが主体」(ニシャー氏)。検索エンジンがユーザーに疑問を投げかけたり、ユーザーの過去の検索履歴を見て何かを提案することも考えられるという。例えば、「レシピ」と検索したあとに「どういうレシピですか?」「どの地域のレシピですか?」と聞いたり、以前に寿司屋を検索していれば寿司のレシピを表示したりといったようなことだ。ほかにも、ユーザーの行動形態によって検索精度が上がる「Personalized Search」のモバイル版を紹介。ユーザーの検索履歴に従ってログを蓄積し、検索の際に「天気」と入れると頻繁に検索する場所の天気を表示したり、「映画」と入れるとユーザーが住んでいる場所に近い場所で上映している映画を表示したりする。日本ではパソコン版のPersonalized Searchは既に提供されているが、携帯版でのサービス開始時期は未定。

2.国内ネット広告費、5年後は2倍の7558億円に(4.17 nikkeibp.jp)
 電通総研は4月16日、2007年から向こう5年間の国内インターネット広告市場について試算した結果を発表した。それによると2011年には年間のネット広告費が7558億円に達し、電通が推計した2006年実績の3630億円に比べ2倍以上に拡大する。

内訳はバナー広告、ストリーミング広告、電子メール広告などの固定ネット広告が4009億円、モバイル広告が1284億円、コンテンツ連動広告を含む検索連動広告が2265億円。
2011年までの固定ネット広告については、FTTHなどブロードバンド・サービスの加入増による動画コンテンツ視聴の一般化が下支えとなり、2006年実績の1.7倍に拡大するとしている。

モバイル広告は3G/3.5G携帯電話の普及とパケット料金定額制契約の伸びが広告閲覧機会の増加につながる。またキャリアのポータルによる検索エンジンの採用で、モバイル検索連動広告の需要も高まり、2006年実績の3.3倍に拡大するという。
パソコン向け検索連動広告については、従来の広告主による予算拡大に加え、地域連動広告が活発化し、2006年実績の2.4倍に達する見通し。

電通総研では2007年から向こう5年間、ネット広告費全体の平均年間成長率を15.8%、平均成長金額を786億円と予想する。2007年は24.9%と高い成長率を見込むが、2008年以降は次第に鈍化し、2011年には9.6%と一桁成長時代を迎えるという。

3.SNSの利用、04年以前の参加者が最も活発、参加期間短い人ほど低調(4.20 nikkeibp.jp)
 日経リサーチが4月20日にまとめたソーシャルネットワーキング・サービス(SNS)の利用に関するアンケート調査によると、2007年3月現在、SNS参加者のアクセス頻度は「週に5―7回」という回答が48.2%。「週に1回以上」では74.6%だった。

SNSへ参加した時期別にみると、2004年以前からの参加者は、65.7%が「週5―7回」アクセスしていると回答した。一方、2005年からの参加者でそう回答したのは52.7%、2006年からの参加者では45.2%、2007年からの参加者では44.3%と、参加時期が遅れるにつれ利用頻度が低くなる傾向がみられた。

また過去1カ月以内にSNSへアクセスした参加者に、日記の更新頻度を尋ねたところ、「週5―7回」という回答は12.6%。「週1回以上」は 39.1%だった。日記の更新頻度も2004年以前からの参加者が最も高く、2005年以降の参加者と比べSNSコミュニティへのロイヤルティ(愛着)に違いがみられた。

調査は3月15日―3月20日の期間、16歳―69歳の男女を対象に実施した。有効回収数は5312。

4.日本郵政公社がセールスフォースのオンデマンドCRMを採用(4.19 nikkeibp.jp)
セールスフォース・ドットコムは4月19日,オンデマンドCRM(顧客情報管理)アプリケーション「Salesforce」を日本郵政公社の新システムに採用されたと発表した。日本郵政公社が郵政民営分社化して2007年10月に発足する郵便局株式会社で運用を開始する。

Salesforceは,NTTデータが日本郵政公社から「顧客情報管理システム提供サービス等の委託」を落札し,採用することにした。新システム運用のために,新たに顧客情報データベースを構築する。郵便局の全国13局の営業部門と約4200局のマーケティング部門を中心に約5200人の職員が利用する予定で,国内では「セールスフォースにとって最大の契約となる」(米セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ会長兼CEO)という。

5.Googleは日本企業を幸せにできるか?(4.20 ITpro)
 米Googleが企業顧客(広告主)に対して発している主張は,とても明快だと感じている。「Googleの優れたソフトウエア(広告サービス)を,ユーザー企業は直接利用しましょう。無駄な中間業者を排除して,あなたもわれわれも幸せになりましょう」。これがGoogleの主張だと思っている。果たしてGoogleは,日本企業を幸せにできるだろうか?

 実は,Googleと似た主張を,サーバー用ソフトウエアの分野で行っている企業が存在する。米Microsoftである。筆者は, Microsoftの基本的な方針が,「ユーザー企業の情報システム部門がシステム・インテグレータの手を借りずに利用できるサーバー用ソフトウエアをリリースすることで,システム・インテグレータという中間業者を排除する」ことにあると思っている。「ソフトウエアの力」によって広告代理店を排除しようとしているGoogleと,システム・インテグレータを排除しようとしたMicrosoft。筆者は両社のスタンスが,非常に似ていると感じるのだ。

 そして筆者はこうも思う。「Microsoftの方針は,米国では成功しているように見えるが,日本では上手くいっていない。それと同じように, Googleの方針も米国では成功しても,日本で上手くいくかどうか分らない」と。なぜ筆者がそう感じているのか,まずはMicrosoftの事例から説明させて頂きたい。

「ユーザー企業向けの製品」なのは明らか

 Microsoftは公式には,自社の基本方針が「中間業者の排除」にあるとは言っていない。しかし,他社製品と比べて低価格で,管理ツールの GUI化などに力を入れているMicrosoftのサーバー製品が,ユーザー企業の情報システム部門をターゲットに作られているのは間違いないだろう。逆に,システム・インテグレータにシステム構築も運用も任せた状態でMicrosoft製品を選択しても,ユーザー企業もシステム・インテグレータも「幸せ」になれない恐れがある。

 まずユーザー企業にとって,「Microsoft製品の導入によるコスト削減効果」は,システム・インテグレータを介する限り,ソフトウエア・ライセンス料金の節約だけに限られる。どれだけ管理ツールの使い勝手が上がっても,それを根拠にシステム・インテグレータに対して料金の削減を迫れるだろうか(実現したとしても効果は薄いはずだ)。システム・インテグレータとしても,Microsoft製品の採用を根拠に料金の引き下げを迫られたら,確実に「幸せ」にはなれない。

幸せそうな米国,不機嫌な日本

 筆者は昨年,Microsoftが開催するITプロフェッショナル向けのイベント「TechEd」の米国版(米国ボストン)と日本版(横浜)の両方に参加して,あることに気が付いた。それは,米国の参加者が一様にウキウキとして幸せそうに見えるのに対して,日本の参加者が皆どこか疲れて不機嫌そうに見えることだった。

 これは,米国版TechEdの参加者がユーザー企業中心で,日本版TechEdの参加者がシステム・インテグレータのSE中心だからではないだろうか。米国企業は一般に情報システム部門の力が強い。Microsoftのサーバー製品を自社で運用しているケースは多いだろう。一方,「CIOすらいない」日本企業は,情報システム部門の力が相対的に弱いと言われている。同じMicrosoft製サーバー製品を使うのであっても,情報システム部門が強い米国企業は「幸せ」になれて,情報システム部門が弱くてシステム・インテグレータに頼らざるを得ない日本企業(と頼られるシステム・インテグレータ)は「幸せになれていない」。筆者はそう感じたのだ。

Googleの広告サービスを使いこなせるか

 そして筆者は,これと同じことがGoogleの広告ビジネスでも起こりそうな気がしている。4月に開催された「Web 2.0 Expo」(米国サンフランシスコ)でも,Googleは「われわれは広告主(Googleにとってのユーザー企業)に,Webアクセス解析ツールを無償で提供している。だから広告主は自社で人を雇って自分でマーケティング分析を行いましょう」(関連記事:【Web 2.0 Expo】「Webアクセス分析は自社でやるべき」,Googleが無料サービスをアピール)と主張していた。Googleの広告サービスは「直接販売」が原則である。自社で広告をコントロールできる企業であれば,Googleの広告サービスを思う存分活用して「幸せ」になれることだろう。

 しかし,企業がマーケティングや広告に関する「インテリジェンス」を他者に完全にアウトソースしていて,もはや自社で広告をコントロールできなくなっていたら,どうなるだろうか。Googleの広告サービスを自社で利用することによって本来得られたはずの「コスト削減効果」が,小さくなるのは間違いない。
 

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