週間情報通信ニュースインデックスno.99 2007/03/31

1.本当は結婚したいんでしょ?(3.30 nikkeibp.jp)
遥 洋子
 私は講演をする場合、お客様が男性か女性かで話を変えている。女性向けの話は男性には理解されにくいし、本音を語るほどに反発されることも少なくない。男性向けも同様、女性からは「もっと本音を」という欲求不満が残る。結果、性別でテーマを変える方法が確立した。

 その日の客席は、男女比がまったく半々だった。どちらに焦点を合わせるか思案する私に、主催者は「女性中心の話でお願いします。女性客には遙さんのファンが多いから」と私に言った。

 私は主催者の要望に答えることにした。私が講演で女性に伝えるメッセージは単純だ。「結婚も仕事も、固定観念で生き方を決めず、自由に自分らしく生きましょう」というものだ。
講演が終わると質問タイムがもうけられた。客席から年配の男性がいぶかしげな表情で手を上げて言った。

「遙さんは、実は、本音のところは、結婚したいのではないですか?」 ・・・私は1時間半にわたって、「結婚だけがすべてじゃない」というメッセージを届けた。その結果「でも本当は結婚したいんでしょ?」という感想に、ステージからマイク持ったまま落ちそうになった。

 「今が幸せですよ」と答えると、「じゃ、あなたの話は“弁解”なのですね」と男性は言った。 弁解しつづけることで幸せになれるかどうかは私には分からない。しかし、講演は聞く側の聞き方によって、弁解にも聞こえ、屁理屈にも、自己弁護にも聞くことができる。

 要は、そこからどの理屈を自分の使い勝手のよい理屈として盗むかだ。使い勝手のいい理屈なら、それが弁解であれ屁理屈であれ、今日から自分の武器として使える。 しかし、「しょせん弁解じゃないか」と聞いてしまえば、その人にとって1時間半は無駄だったことになる。おそらくは過去、その年配男性に異論を唱えた妻や女性部下たちもまた、「弁解だ」と切り捨てられてきたのだろうかと思いをめぐらせた。

次も男性が手を上げ不機嫌に反論した。 「遙さんの言うような男性ばかりじゃない」 いつ、誰が「すべての男性はダメ」と言ったというのだろう。私の講演は社会批判で、その社会の一員として男性も女性も批判する。しかし、それらの文脈から“男性が批判された”ことのみに敏感に反応する男性を見ると、過去、その男性を取り巻く多くの女性たちがどれほどその人の機嫌をとることに人生のパワーを使ってきたかが伺える。

「男性を手のひらでころがす手法もある」とその男性は続けて言った。男性を手に乗せたくない女性もいる、ということが如何に届きにくいかが分かる。「男性こそ、今の時代では萎縮している。女性ばかりが辛いわけではない」とも言った。

 女性が元気になったぶん、より活発に自由に活動している男性もいるし、女性に依存されたり頼られたりすることが重荷だと感じる男性もいる。従順な女より、意見を持つ女が好きな男性だって少なくない。

 女性が元気になるほどに自信喪失する男性が、どれほど「手のひらでころがせ」と望んだところで、そこに費やす価値や時間を見出せない女性は私だけではないだろう。

 女性からの異論に憤慨する男性ほど、実は、社会で自信を確保するより、女性との関係性においてのみ自信を築ける女性依存体質だとも言える。そんな男性に「俺が必要だと言え」といわれれば、「別に」と返事する私。「本当は結婚したいんだろ?」といわれ「いいえ」と答える私が、そういう男性の怒りを買うことはしごく当然とも言える。そういう意味では、私への批判がどれほど並ぼうがすべて同じで、私には、退屈だ。

 質問時間終了後、帰るころになって女性たちが大挙して私に感想を言いに来た。
口々に共感や共鳴を訴えた。

 彼女たちが何故、マイクを持って男性たちの前で堂々とそれを発言しなかったのか。何故、男性たちの意見への反論は、後で影でコソコソ私に言わねばならなかったのか。
男性たちの機嫌を損ねないように、会場の半分を占める女性たちが彼らを“手のひらに乗せている”ことに気づく男性はいない。

 隣の女性が黙って微笑んでいるからといって安心してはいけない。
意見を言わないからといって、同意しているとは思わないほうがいい。
聴く勇気のある男性だけが、手のひらでころがせられずに済むのだから。

2.ネットエイジ、「セカンドライフ」参入企業の支援事業(3.28 nikkeibp.jp)
ネットエイジグループは3月28日、米Linden Labの仮想世界サービス「Second Life(セカンドライフ)」関連の事業に参入する日本企業への支援事業を開始すると発表した。投資事業子会社のネットエイジキャピタルパートナーズ(NCP)が、セカンドライフ参入支援を手がけるメルティングドッツ(MD)と業務/資本提携する。

NCPは、MDの第3者割当増資を引き受け、同社株式の20%を取得。セカンドライフで流通する現金交換可能な仮想通貨Linden Dollars(L)を1億5000万L(5000万円相当)購入し、仮想世界での両替サービスや都市開発事業を準備する。

またMDが運営する仮想の島「Meltingdots SIM」にNCPの事務所を新設し、顧客企業への情報提供や事業モデル提案の受け付けなどを開始。ベンチャーキャピタル投資の窓口拡大と、支援サービスの強化を図る。

このほか、セカンドライフ日本語版の開始に先立ち、MDが日本人ユーザー専用の入会登録Webページと仮想の練習施設を用意。セカンドライフを初めて利用する企業などに日本語で操作方法を解説するほか、アバター(分身となるキャラクター)やアイテムを無料配布する。また入会登録WebページのシステムをOEM供給する。

3.頭の中のモヤモヤを見える化!(3.27 nikkeibp.jp)
宮澤正憲氏
博報堂
博報堂ブランドデザイン 部長
 ハーバード・ビジネススクールのジェラルド・ザルトマン名誉教授は、人間は脳の中で考えていることの5%程度しか言語化できず、95%のイメージは無意識下に深く沈んだままであると指摘する。

 このため博報堂の宮澤正憲さんは、無意識下にあるイメージを探る方法を考え出した。言語だけでアンケートの対象者に質問をするのではなく、抽象的な写真素材を媒介として回答を活性化する。

 例えば「新宿」の街のブランド向上の依頼を受けたとする。 まず、現状について意見を聞くためアンケート調査をかけることになる。 この時、言葉で質問してもありきたりな回答しか得られない。 そこで、アンケートの対象者に抽象的なイメージ写真を見せて、新宿のイメージに近いと思うものを選んでもらう。

 100人ほどに話を聞くと様々な写真を選ぶことが分かる。大事なのはそれからだ。なぜそれが新宿のイメージに近いのかを語ってもらう。曰く「高層ビルのイメージだから」「人間の情念が渦巻いているから」「無機質的なイメージ」「生命力を感じる」…などなど、言葉だけで質問する時より多彩な回答をしてくれる。
 
 得た回答をマップに書く。イメージが重なるところは自由に線でつないでいく。 「人は脳の中ではイメージで思考しています。だから、そのイメージを再現する時には、このような混沌とした『ネットワークマップ』を用いた方が実際に近い」

 各人の中に渦巻くイメージをいざ紙の上に「見える化」すると、新宿を構成するイメージの要素には多様なものがあることが分かる。その中で、プラスのイメージを強化し、新宿のブランドを高めていくためには、どうするか。

 「要素と要素を、新たな線で結ぶのです。その時に新たなアイデアが生まれます。例えば【ビジネスパーソン】と【酒】を結びつける。大人のためのバーを作って、『ビジネスパーソンの有機的な出会いを作り出すというアイデアはどうだろう?』などと発想を広げていくのです」

 調査に際しては必ずしも抽象的な写真を使わなくてもいい。例えば「我が社の問題点は何か」をチームで考える場合は、雑誌を持ち寄って、会社のイメージに近いと思う写真について各自が説明する。すると普段より多様なイメージが浮かび、議論は活発になるはずだ。

4.インデックスとサイボウズが法人向けサービスで新会社、第1弾は携帯/PC共用のシンクライアントに(3.30 nikkeibp.jp)
 携帯電話関連事業を展開するインデックス・ホールディングスとグループウエア大手のサイボウズは3月30日付で、法人向けのモバイルサービスを提供する新会社「ZINGA」を設立した。第1弾としてパソコンと携帯電話の両方を端末に使えるシンクライアントのサービスを開発し、5月にもサービスを開始する。

 ZINGA設立時の資本金は5000万円で、インデックス・ホールディングスが90%、サイボウズが10%を出資。社長にはインデックス・ホールディングス取締役の大森洋三氏が就任する。インデックス主導で出発する格好だが、サイボウズにはサービス開発のほか「グループウエア製品などで抱える顧客や、構築・販売を手掛けるパートナーへのアプローチで協業が期待できる」(インデックス・ホールディングス広報部)という。

 インデックスは「契約は個人でも、ビジネスに使われている携帯電話機が5000万台ある」と見ており、今後も新会社ZINGAを通じてシンクライアントに続く法人向けソリューションを投入していくという。
 

5.日本のネット業界とWeb 2.0が下り坂って本当?(3.29 nikkeibp.jp)
「日本の大手サイトのアクセスが伸び悩んでいる」,「Web 2.0サービスの成長が鈍化している」---最近,こんな論調をマスメディアやブログでよく見かけるようになりました。

インターネットの視聴率サービスであるAlexa(アレクサ)でのリーチ(Reach)指標が漸減していることを根拠に,パソコンによるネット利用の減退の可能性について警鐘を鳴らしています。

Alexaは,オンライン書店米Amazon.comの子会社で,世界中のウェブサイトのアクセス数の多寡を調べ,提供しています。インターネットのサイトの「人気度」に関し,無料で公開されている指標が他にあまりないことから,Alexaの統計データをもって特定のネットサービスの浮沈や業界全体のトレンドを評するブログ記事は絶えません。

しかし,実は,Alexaグラフでのリーチの増減はページビューやビジター数の絶対値の増減とはまったく関係ないのです。

5.「見える化」を進めたい(3.29 nikkeibp.jp)
 先にお断りしておく。タイトルに「見える化」とあるが、以下は業績評価指標やプロジェクトマネジメントなどの話ではない。パソコン用のセキュリティ対策ソフトの話である。

 なぜ、セキュリティ対策ソフトで「見える化を進めたい」などと主張するのか。それは、数あるパソコン用ソフトの中で、機能がきちんと働いているのかどうかが見えにくい代表例が、セキュリティ対策ソフトだと考えるからだ。セキュリティ対策は性格上、裏方に徹すべき機能である。このため、どうしても「見えない化」が進みやすく、本当に動作しているのか、どの程度機能しているのか、などの効果の有無が見えにくくなってしまう。

 この弊害も出始めている。「見えない化」を逆手にとって、機能しないセキュリティ対策ソフトやユーティリティソフトを売りつける詐欺がインターネット上で横行しているのだ。「あなたのパソコンは危険です」などとサイト上で警告を出し、偽のセキュリティ対策ソフトを購入させようとする詐欺である。

 実際、「ウイルス対策ソフト」と銘打っているだけで安心して購入してしまうユーザーはいる。ここまで極端でなくても、例えばウイルス対策ソフトに対して「どれを買っても同じ」と考えているユーザーは意外と多い。

 しかし、日経パソコン編集部が調査したところ、ウイルス対策ソフトは製品によって機能に大きな差がある。現時点で、「どれを買っても同じ」ではないのだ。重要な役割を果たすべきソフトなのに、効果が見えにくいからこそ、見える化が重要なのではと考える。

 とはいえ、セキュリティ対策ソフトの場合、見える化は一般ユーザーには困難な作業である。Excelのようなソフトなら、実際に関数を使ってみたりすれば効果は見える。一方、ウイルス対策ソフトの機能で最重要なのはウイルスを検出すること(検出できなければ検疫も削除もできない)。機能するかどうかを試すなら、ウイルスを実際に“踏んで”みなければならない。ただ、それを一般的なユーザーが実行するのは容易ではない。ウイルスを入手しなければならないし、機能しなかった場合に備えて、実験用のパソコンを用意したり、システムやデータをバックアップしたりするといった準備も不可欠になる。そこまでして試さないのが普通だろう。

 こうした思いから、ここ2−3カ月で立て続けにセキュリティ対策ソフトのベンチマークテストを行った。一つはウイルス対策ソフト、もう一つがフィッシング対策ソフトである。
 ウイルス対策ソフトをテストした目的は、2006年10月に実施したテストで評価の低かったソースネクスト「ウイルスセキュリティZERO」が改善されたかどうかを確かめること。2006年10月時点で、ウイルスセキュリティZEROのウイルス検出率は、他のウイルス対策ソフトよりも低かったのだが、2006年12月に第三者認証機関の検出テストに合格したことを示す認証を得た。この効果を調べるのが目的だった。

 結果、認証を得るための評価条件(The WildList Organization Internationalに登録された既知のウイルスを検出できるかどうか)は満たしていたことを確認。ただし、亜種を含め、WildList以外のウイルスも世界で広く出回っている。これらのウイルスの検出率については、他の対策ソフトに比べて、まだ十分なレベルにまでは達していなかった。

 一方、フィッシング対策機能のテストでは、Internet Explorer 7(IE7)をはじめとする4製品を評価した。過去に出現したフィッシングサイトのコードを流用した未知のフィッシングサイトを自作し、これらのサイトをどの程度検知するのかを調べたのだ。結果、評価したソフトすべてが「まあ、十分だろう(検知率は70%以上)」と感じるレベルだったものの、対策ソフトによって検知率に20%近くの開きがあることも分かった。詐欺対策を主眼に置いたセキュアブレイン「インターネット・サギウォール」やシマンテック「ノートン・コンフィデンシャル」の検知率が90%程度であったのに対し、汎用ソフトの一機能としてフィッシング対策を実装しているIE7やトレンドマイクロ「ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ」は70%前後であった(詳しくは日経パソコン2007年3月26日号を参照)。

 言うまでもないが、こうしたデータが価格などの情報とともにあれば、ユーザーは、そのセキュリティ対策ソフトを買うべきか買わざるべきか、使うべきか使わざるべきか、などをさまざまな角度から検討できる。裏方に徹するために余計な情報をユーザーに見せないことにメリットもあるのだろうが、「必要」な情報は積極的にユーザーに提示すべきだろう。ベンチマークテストをしながら、必要な情報をユーザーに積極的に提供する大切さを、改めて考えさせられた。

ホームページへ