週間情報通信ニュースインデックスno.587 2007/01/06

1.大前研一:“八方ふさがり”ソフトバンクが生き延びる道(12.27 nikkeibp.jp)
ソフトバンクの携帯電話会社、ソフトバンクモバイルが苦戦している。「通話料0円、メール代0円」「月額2880円」という宣伝で大注目を集めたのはいいが、「0円になる条件が明示されていない」「まぎらわしい」と、同業他社やマスコミからの批判を受けた。それを受けてCMも「9時までに電話するから」というせりふのある穏便なものに差し替えられた(ゴールドプランの場合、200分/月を超えた21?1時の通話は有料となる)。好意的に言えば「かなり慎重になっている」とも言えようが、結局のところはソフトバンクの混乱ばかりが印象に残った。

これまでだってソフトバンクは何度となく難局にぶつかり、そして乗り越えてきた会社ではある。しかし、今回ばかりはそう簡単には壁を越えられそうにない。そこで改めてソフトバンクモバイルが置かれている状況を再整理し、そして、もしわたしがソフトバンク社長の立場だったらどう対処するかを考察してみたい。

まず、現在の携帯電話業界、同市場について簡単にまとめておこう。

2006年11月、業界1位のNTTドコモの新規契約者が1万7000人ほど減ってしまった。NTTドコモの加入者が減ったのは、実はこれが初めてのことである。とはいえ、NTTドコモの加入者数は膨大だ。それからみれば1万7000人くらいは誤差の範囲といってよい。

始まったばかりの番号ポータビリティ制度は、動向がはっきりと見えてきた。一人勝ちしたのはKDDI(au)である。NTTドコモとソフトバンクモバイルは加入者数を減らした。その結果、NTTドコモ 55.2%、KDDI 28.5%、ソフトバンク18.3%という構成になっている。前述したように、ソフトバンクは制度開始直前に「通話料0円、メール代0円」「月額2880 円」というゴールドプランを大々的に発表してユーザーの取り込みと流出防止を試みたが、サービス内容の変更や広告方法の修正などの混乱ばかりが目について、奏効しなかった。

2.どうなる2007年のウェブ動向(12.26 nikkeibp.jp)
今年も残り少なくなり、「ゆく年くる年」を語る時期になった。次世代ウェブ技術に焦点を当てているブログであるリード・ライト・ウェブ(Read/WriteWeb)などの記事を参考にしながら、2007年のウェブ動向を予想してみよう。

まずは、エンタープライズ分野でのウェブ動向から。

個々の社員によるワークスタイルが、ウェブ上での処理になっていくだろう。ウェブ・オフィス(ウェブによる文書作成や表計算)の利用は珍しいことではなくなるかもしれない。この分野に目をつけているグーグルとマイクロソフトとの競争は一段と激しくなり、ウェブ・オフィス系の優れた技術を有するゾホー(Zoho)、ジンブラ(Zimbra)、シンクフリー(ThinkFree)などのスタートアップ企業は買収される可能性が高まるだろう。

また、複数の社員がウェブ上で共同作業するスタイルも定着しそうだ。ウェブ上でのプロジェクト管理などを行なうサービスを提供する37シグナルズ(37signals)も将来有望なWeb2.0系企業として目をつけられている。

また、企業内では、調査会社ガートナーが提唱する「消費者向け技術の企業利用(Consumerization on IT)」が進むだろう。消費者向け技術を利用して、低いコストで高い生産性を実現するというわけだ。

その代表例が、スカイ・クリック(SKY-Click)によるサービスだ。同社は、スカイプ(Skype)によるインターネット電話と、セールスフォース(Salesforce)によるCRM(顧客管理ソフトウエア)を組み合わせて、顧客からの問い合わせにコールセンターが迅速かつきめ細かく対応するプラットフォームを提供している。

3.「PASMO」来年3月に発売、首都圏の鉄道/バス共通IC乗車券(12.22 nikkeibp.jp)
首都圏の私鉄、バス事業者は2007年3月18日より、共通ICカード乗車券「PASMO」を発売する。サービス提供を準備するPASMO協議会などが12月21日に明らかにしたもの。1枚のICカードで、関東地域の各交通機関を乗り継げる。また当初よりJR東日本の「Suica」との相互利用を可能とする。

まずは東京地下鉄(東京メトロ)など23の鉄道事業者と、京浜急行バスなど31のバス事業者がサービスを開始。2007年4月以降は、さらに47のバス、鉄道事業者が参加するという。

カードの発行枚数は、2007年度末までに500万枚、2009年度末までに800万枚を目指す。発売金額は1000円?2万円。JR東日本の路線を含む鉄道、バスの連絡定期券も発行する。

また電子マネー機能を備え、PASMOに加盟する700店舗と、約600台の自動販売機で利用可能。加盟店舗は2008年3月までに5000店に拡大する予定。Suica加盟店舗での決済にも使える。このほかバスでは29事業者が共同で、利用額に応じたポイントサービスを提供する。

4.「ひかり電話」トラブル、Skype本格導入−2006年の重大トピックス(12.27 nikkeibp.jp)
2006年はNTT東日本/西日本のIP電話サービス「ひかり電話」にトラブルが数回発生した。この電話がかかりにくくなったというトラブルである。また、オープンソースのIP電話サーバー・ソフト「Asterisk」の本格的に導入が始まった、それから、「Skype」に050番号で着信が可能になったこともあり、導入が本格化している。2006年1日−12月22日のアクセス数を集計した結果から見えてきた傾向である。

2006年、もっとも注目を集めたトピックスは、NTT東日本/西日本のIP電話サービス「ひかり電話」のトラブルである。電話がつながらない、あるいはかかりにくくなるというトラブルが数回発生した。

一方で、オープンソースのIP電話サーバー・ソフト「Asterisk」が本格的に導入が始まった。従来、PBXなどの電話システムは、限られたベンダーの独自システムを利用するのが常識であった。これを覆す動きで、製品やアプリケーションの可能性が大きく広がった。また、フリーのソフトフォンである「Skype」に関連した製品やサービスが多く登場している。ひところのブームは過ぎたものの、相変わらず高い興味を持たれている。2006年1−12 月22日の間のITpro IP電話サイトへのアクセス数を集計したからも、こういった動きに読者の関心が高いことが明らかになった。

5.ネット視聴率から見る2006年−キーワードは「在宅」と「時間消費」(12.25 nikkeibp.jp)
 インターネット利用動向情報を提供するネットレイティングス(東京・渋谷区)の萩原雅之社長は、「時間消費」と「在宅」が2006年を象徴するキーワードだと振り返る。

 同社の調査によると、1人当たりのインターネット月間平均利用時間は前年の16時間20分から17時間41分へと1時間以上伸びた。クチコミ・サイト、 Q&Aコミュニティ、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、ブログといった、消費者が情報を発信するCGM(コンシューマ・ジェネレーテッド・メディア)の台頭が利用時間を伸ばした要因だ。例えば、SNSの代表例であるmixiに月平均3ー4時間費やしたり、動画サイト YouTubeでも「1本当たり視聴するのに約5分はかかるため、あっという間に長い時間とどまることになってしまう」(萩原社長)といったことが調査結果から伺える。2006年は、時間消費型のコンテンツがネット上にそろい、これらのサイトを利用する習慣が根付いた年だといえるだろう。同社の調査によると、YouTubeの場合、2005年11月には推計20万人だったのが、いまや800万人が利用する巨大サイトへと進化している。

2006年を象徴する、もう1つのキーワードが「在宅」である。

 企業では、インターネットの私的利用が厳しく制限される傾向にあるため、昼間にネットサーフィンができなくなる人が増えている。したがって、私的にネットを楽しむのは、主に在宅時ということになる。魅力的なコンテンツが増えるのに伴って、自宅にいる短い余暇の時間のなかで、ネットに充てる時間が伸びる傾向が出てきたそうだ。

 萩原社長によると、ある証券会社のウェブサイトにおける視聴率を調べたら、顕著な結果が出たという。これまでは、証券取引所が開いている午前9時から12時、13時から15時がページビューの大きな山を形成していた。これが、今年になって6時?7時、18−19時にも新たな山ができたという。「出勤前と帰宅後に株価をチェックしているから」(萩原社長)だと見ている。「自宅にいる限られた時間のなかでネットの優先順位が向上している証拠」(同)である。

 2007年には団塊世代の大量退職が待ち受けているため、在宅時間が伸びる人口が増える。新たに、どのような山を形成するのかが注目となる。

 一方、企業にとっても、自社ウェブ・サイトの位置づけが変わった1年だった。トヨタ自動車やソニーといった自動車や家電製品のサイトは月間訪問者が推計で200万人を超えた。サントリーや花王のような、飲料や化粧品会社のサイトでも月間訪問者が推計で約150万人。月間訪問者が100万人を超える企業ウェブサイトが急増してきた。例えばソニーの場合は今年度(4ー8月)の平均値で348万人、サントリーで175万人が訪れた。同社の調査方法は、全国にいる年齢構成が均等にいる約2万人のモニターの動向からはじき出した数値である。

 「訪問者数が100万人を超えることには大きな意味がある」と萩原社長は強調する。「100万人は地方紙よりも多い数」(同)であり、企業サイトがマスコミュニケーションのメディアに成長したといえるのだ。そのため、企業の広告戦略もウェブサイトを軸に展開するケースが目立ってきた。「2000年当時は会社案内程度しかなかったが、いまや消費者とのコミュニケーションツールに進化してきた」(同)という。メーカーなど直接、利用者の声を収集できなかった企業が新たな武器を得た。自社に興味のある100万人以上の人に向けて情報を発信し、コールセンターで消費者の不満や要望を吸い上げるというサイクルを回せる環境が整った年だといえる。

 ただ、課題もある。企業の情報分析能力の強化だ。大きなメディアに成長したので、情報を集める負担は小さくなった。ただし、この情報を分析できなれければ宝の持ち腐れになってしまう。情報を分析できる人材の育成が不可欠なのである。「ハードディスクの低価格化も進み、企業はあらゆる情報をため込んでいる。集まった情報から消費者のし好を見つけられるかが今後の成長のカギを握る」(同)のである。
 

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