週間情報通信ニュースインデックスno.585 2006/12/16

1.勝手に考える三洋電機再生計画(12.14 nikkeibp.jp)
 このところ三洋電機に関する報道が新聞を賑わしている。12月7日、NTTドコモが三菱電機製の携帯電話端末に使う電池パックを回収すると発表したが、不具合の原因は三洋電機の子会社が供給したリチウムイオン電池であったという。 どうして三洋電機だけがここまでダメになったのだろうか?

 作れば売れた右肩上がりの時代に、他の家電メーカーと同等の性能だが、より売価の安いものを作るOEM企業として三洋電機は成功した。もっと言えば「松下(電器産業)はこうしている」という言い方が社内で説得力を持つ体質があった。こうした成功体験から時代が変わっても抜けきれなかった。

 今や、安いだけの製品は中国を筆頭に海外から怒涛のように入ってくる。電機製品のコモディティー化が進行している中で、以前のビジネスモデルに固執せざるを得なかったところに問題の根がある。90年代後半に全世界のシェアの3分の2を占めたデジタルカメラ事業もOEMを中心とする戦略を変えないままだったので、台湾などのOEM企業にコスト競争で破れてしまった。

 技術力の問題ではない。技術力は充分だったと思う。ブランドを大切に育てることをせず、中核となる製品や事業のアイデアやコンセプトを創造できなかったことが大きい。創業家をはじめとする会社トップとその周辺が絶対的な権力を持ち、周りをイエスマンで固めてしまう構造が改められない限り、新事業に繋がるアイデアやコンセプトが自由に生まれ討議される風土は育たない。だが、今や、尖がった企業しか生きていけない世の中なのである。

 現在、三洋電機は外資系の銀行等の支援を受けて再建の途上にある。携帯電話事業を売却するかどうか揺れているようだが、これまでの総合メーカーの看板は下ろさざるを得ないだろう。といって、不採算部門を整理していくリストラ手法、外科的な治療だけでは限界がある。次代を担う中核部門を育てないまま事業を縮小していけば、存続すら危うくなりかねない。

 電池など優れた技術を持つ事業に絞り込んだだけではダメだ。その技術を事業価値の創造に結び付けないといけない。尖がった製品、独自の事業につながるアイデアやコンセプトを生み出すためには、ものが言える自由な風土を時間をかけて育てるしかない。

 どうすればこの風土を育て定着することができるのだろうか。三洋電機復活のために三つの提言を述べてみたい。リストラや事業再編といった短期的、外科的な提言ではない。次代に向けて、新しい事業コンセプト、製品やサービスコンセプトを自ら生み出し、OEM中心で他社並みを至上命題としてブランド構築を二の次としてきた昔の成功パターンから抜け出す内科的な改革の提言である。

1.アイデアを生み出しコンセプトを自ら創造する。
2.このコンセプトを基に具体的な事業戦略を立てる。
3.戦略を実行するための自立的かつ自律的な仕組みを持った実務部隊を作る。

2.竹中平蔵が打ち出した「NTT解体」の真の狙い(12.13 nikkeibp.jp)
「通信産業の売り上げの3分の2をNTTが占めています。民営化から20年が経過しても、NTTはとてつもなく巨大なまま存在しています。このままでいいのだろうかという疑問をみなさんがお持ちなんじゃないでしょうか」。

総務大臣に就任して間もなくの2006年1月、竹中平蔵氏は「日経コミュニケーション」のインタビューでこう答えている。

竹中は、総務大臣就任以前から名うての「NTT解体論者」として知られていた。慶応大学教授時代から、「通信産業の競争促進のためにはNTTを解体し、独占を排除すべき」という持論を展開してきたことは、通信業界内で知れ渡っていた。

2001年に経済財政担当相として入閣したときには、内閣府のIT戦略本部で「NTTの完全分割を正面から議論したい」と公言してはばからなかったほどだ。

NTT解体を訴え続ける竹中の狙いは、通信業界の競争促進にある。通信業界の市場規模は16兆円で、そのうち10兆円をNTTが占めている。業界第 2位のKDDIの売上高は、NTTの3分の1以下。およそ対等に戦っているとは言えない状況が、1985年のNTT民営化から20年以上が経過しても続いている。

巨大過ぎるNTTの存在が通信産業の振興の妨げになっていると考える竹中にとって、「NTT組織問題の着手こそが競争促進策」という確信があったことは間違いない。

3.【インタビュー】「Webサービスは新興企業の市場参入を促進する」、米アマゾンのエバンジェリスト(12.13 nikkeibp.jp)
インターネット経由でソフトウエアの機能をサービスとして提供する、Webサービス。その先駆的企業の1つが、Webサービスを2002年から手がける米アマゾンだ。「Amazon.com」のデータを自由に取得できる「Amazon E-Commerce Service」はよく知られているが、それ以外に、同社のストレージにデータを蓄積できる「Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)」や、同社のコンピューターパワーを利用できる「Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)」など、ソフトウエア開発の基盤となるサービスも提供している。同社がこうしたサービスを公開する意図や、現在の利用状況について、Webサービスエバンジェリストのジェフ・バー氏に聞いた。

■Amazon S3などのWebサービスは、どの程度使われているか。
 具体的な数は言えないが、広く使われ始めていることは確かだ。Amazon S3には既に15億ものオブジェクトが格納されているということからも、その規模が分かるだろう。開発者コミュニティも大規模になっており、20万人もの登録者を集めている。またユーザーの中には、実名は公表できないが、「Fortune 500」に名を連ねるような大企業もいる。

 開発事例をいくつか挙げよう。例えば画像共有サイト「SmugMug」は、Amazon S3を利用して開発されている。100TB以上の写真を扱っているが、非常に信頼性の高いサービスだ。バックアップも実現している。また運用コスト節約の効果もあり、最初の6カ月で50万ドル削減できたという。

 Amazon EC2を利用した開発事例には、米パワーセットの検索エンジンがある。自然言語で検索できるのが特徴で、グーグル対抗との呼び声もある有望な検索エンジンだ。パワーセットはまだ起業したばかりの会社だが、すべての投資を優秀な人材を確保することに回せているという。EC2を利用することで、データセンターの構築や運用が不要になったからだ。

■ストレージやコンピューターパワーを、Webサービスを通じて提供することの利点は何か。
 当社のWebサービスは個人から大企業までさまざまなユーザーに使われているが、共通して挙げられるのは、タイムトゥーマーケット(製品の市場投入にかかる時間)を大幅に短縮できることだ。これまで一から作らなければならなかった部分の開発が不要になるため、迅速な製品化が可能になる。同時に、コストも削減できる。

 またアマゾンのWebサービスなら、拡張性(スケーラビリティ)や応答性なども、アマゾンが保証する。メンテナンスも、アマゾンが面倒を見る。このためWebサービスを利用する開発者は、自分たちにしかできない技術やアイデア、つまりイノベーションを起こす源となる部分の開発に注力できるようになるのだ。

 これは、開発者にとってかなり価値のあることだと思う。新興企業が市場に参入するときの壁が大きく下がることは間違いない。

■開発者から、Webサービスに対する信頼を獲得するために重要なものは何か。
 開発者に安心して使ってもらうには、高い信頼性やパフォーマンスが必要。我々は開発者コミュニティを通じてこうした情報を共有しているし、開発者自身が性能測定試験を実行できるような仕組みも用意している。開発者との議論の場も設けており、良いことも悪いことも含めて意見を寄せてもらうことを大切にしている。

 Webサービスの開発者コミュニティは、我々にとって非常に重要なものだ。開発者から直接フィードバックを受けられるため、それをサービスに反映して品質を高めていける。情報共有もできる。開発者コミュニティがうまくいっているかどうかが、Webサービスの成功を決定づけると言っても過言ではないだろう。

■Webサービスを部品として使える今の時代、ソフトウエア開発者に求められるスキルはどんなものか。
 まずは創造性だ。従来のソフトウエア開発者はスクラッチで一から製品を開発してきたが、今は既にたくさんの技術やサービスが存在している。これらを受け入れながら、これまで誰も思いつけなかったような製品を開発していく能力が求められる。大きな視点でものを考えることができなければならない。

 同時に、組み立て能力も重要だ。言ってみれば、これからのソフトウエア開発者は配管工のような役割を担うことになる。さまざまな部品をパッチワークのようにつなぎ合わせ、それらがうまく機能するようにしなければならないからだ。

 そして忘れてはならないのが、芸術的なスキル。今後はフォント、色、レイアウトなど、デザインの重要性が増していくことは間違いない。ユーザーのニーズを柔軟に受け入れながら、多くの人に求められるものを生み出していく力が大切になるだろう。

4.NTT東日本も電力線通信アダプターを優待販売、KDDIより低価格(12.15 nikkeibp.jp)
NTT東日本は2006年12月15日、電力線通信アダプター「PN-100HD-S」を12月19日から発売すると発表した。価格は2台セットで 2万3100円。キャンペーンとして、先着500セットは約半額の1万500円で販売する。販売対象は、同社の提供するFTTH(光ファイバーを使ったインターネット接続回線)サービスを利用中、もしくは新規に契約するユーザー。導入後、使用感に関するアンケートに答えることも販売の条件となっている。

購入申し込みは、19日の午前9時より専用の電話窓口(TEL:0120-777442)で受け付ける。同様のキャンペーンは、KDDIも自社のFTTHユーザー向けに開始済み。KDDIの場合は2台1万3800円で、キャンペーン価格で比べるとNTT東日本の方が安い。

5.「Skype 2.2 for Windows Mobile」ベータ版と「Skype 3.0 for Windows」が公開(12.14 nikkeibp.jp)
米eBay傘下のルクセンブルクSkypeは現地時間12月12日,Windows Mobile向けIP電話ソフトウエアの新版「Skype 2.2 for Windows Mobile」(ベータ版)の提供を開始した。Skypeが同日明らかにしたもの。同社のWebサイトから無償でダウンロードできる。

同ソフトウエアは新たにスマートフォン対応となったほか,Pocket PC対応を強化し,120種類以上のWindows Mobileデバイスで利用可能という。Skypeは「Wi-Fi通信機能を備えるWindows Mobileデバイスの90%以上でSkypeソフトウエアが動く」としている。
 
 

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