週間情報通信ニュースインデックスno.584 2006/12/09

1.Wiiのソフトの売れ方は“異常”− 野安 ゆきお(12.8 nikkeibp.jp)
12月2日。Wiiは日本市場に姿を現しました。出荷された35−40万台程度が初日完売、3週間前に発売されたプレイステーション3の累計販売台数はもちろん、およそ1年前に発売されているXbox 360の累計販売台数も軽々と抜き去り、両者にダブルスコア以上の差をつけることに成功。昨今のゲームビジネスではめったに見られない完勝劇を演じてみせました。 

 販売当日の大手量販店の前には長蛇の列が作られ、店舗によっては深夜の時点で予定人数に達し、整理券が配布されました。特定の店舗だけで比較すると、PS3の販売時のほうが行列が長かったのですが、これはPS3が特定の店舗のみに大量販売され、限られた店に購買者が殺到したために起きた現象。 Wiiは、各店舗に一斉に行列が作られているため、それぞれの行列は少なくても、そのエリア全体では、より多くの人たちが行列に参加していた計算になるでしょう。

 またPS3の行列とは違い、小さい子供を連れた家族連れなど、ごくふつうのゲームファンが目立ちました。外国人の姿はきわめて少なく、転売屋と思しき人たちも少なかったようです。これは今後もWiiが潤沢に出荷されるとアナウンスされており、転売のメリットが少ないと推測されていたためでしょう。 Wiiは北米地区で先行発売されたので、海外からの直輸入業者が北米に向かったことも、その要因かもしれません。

 Wiiの販売時の各種データを見ると、ソフトの売れ行きが驚くほど順調だったことが目を引きます。
 普通、ゲーム機の発売時には、マシンの販売台数と全ソフトの販売本数が、ほぼ同数となります。「マシンと同時に、まずは遊びたいソフトと1本買う」人が多数派を占めるためですね。PS3では約0.8−0.9本、いまや爆発的ヒットとなっているニンテンドーDSでさえ、マシンとソフトの販売数の比率は、0.9−1.0になっていました。

 しかしWiiは違うのです。マシン発売と同時に、ソフトの売行きがマシン台数を大きく上回り、マシン1台につき1.6−1.8本以上のソフトが買われているというデータが業界筋では出ています。ソフトがこのような売れ方をしたゲーム機は、ちょっと記憶にありません。

 従来と、たかが1本弱の差じゃないか、とあなどってはいけません。購入者の過半数以上が、「まず遊びたいソフト」だけでなく、いくつかのソフトをみつくろっていった。これはゲームビジネスの常識から大きく外れているといっていい現象です。コントローラー同梱で割安感があるソフト「はじめての Wii」が17万本前後の販売本数を記録しているので、これが数値を押し上げているのも確かですが、Wii本体が35−38万台売れているのですから、これだけが決定的な要因とは考えづらい。

 Wiiのソフトの売れ方の最大の理由はなにか。これは仮説に過ぎませんが、もしかしたらWiiは、最初から「家族」という単位が購入を希望した、史上初のマシンだからかもしれません。

2.クレムリンは“怖い”最大の被害者はロシア国民(12.6 nikkeibp.jp)
再び冷戦になる状態には至ってない。だが、西側諸国は気をつけた方がいい

 クレムリンに危険な元KGB(旧ソ連国家保安委員会)高官がいる。彼は国内で反対意見を抑圧しており、先にロンドンで死亡したロシアの元スパイ、アレクサンドル・リトビネンコ氏の放射性物質による毒殺を彼が命じたという嫌疑を信じるなら、ロシア国外でも同じことをしている。彼は米国の外交政策を妨害し、米国の敵対国に武器を売り、そのライバルに擦り寄っている。

 11月末に開かれた北大西洋条約機構(NATO)サミットでは、彼は亡霊のように影を落とし、ロシアはまるでソビエト連邦時代のような火急の懸念材料として扱われた。彼はロシアの膨大な炭化水素資源(石油、天然ガス)を利用して隣国をいじめている。ウラジーミル・プーチン氏の下で復活するロシアとの新たな冷戦に備えよ――。西側諸国の多くのコメンテーターは、こう結論づけている。

 危機の到来を予言する人たちは、半分正しい。プーチン氏率いるロシアは確かに危険である。しかし、新たな冷戦と言うにはまだ程遠い。危険にさらされているのは主にロシア国民だ。そして西側諸国にとっては、なかなか消えないロシアの弱みは、今喧伝されている同国の新たな力と同じくらい懸念すべき問題だろう。

 酔っ払いが政権の座にあり、通貨が紙くずと化した1990年代後半と比べると、プーチン大統領の下でロシアは強くなった。しかし、それはあくまでも相対的な話。経済は回復し、外交姿勢は積極的になったものの、ロシアは恐ろしいほど多くの問題を抱えている。そのどれを取ってみても、大抵の先進国では深刻な激変と見なされる問題だ。

 飲酒と医療サービスの不備もあり、人口動態の大惨事が迫っている。AIDS蔓延の衝撃がフルに表面化するのはまだこれからだというのに、既に人口は急減している。ロシア経済の成長は当てにならない。今の成長は、続かないかもしれない石油及びガスの高値と、維持できないかもしれない増産に基づくものだからだ。

 不平等は危険なほど広がっている。はびこる腐敗はビジネスを妨げ、テロ活動を助長している。ロシア政府はチェチェン問題に際し、暴力団まがいの有力者による支配を促すことで分離独立派の反政府活動を封じ込めた。その有力者の手下はチェチェン地域だけでなくモスクワでも反対派にテロを仕掛けたり、殺害したりしている。北部カフカスは大きな火種を抱えている。軍は収賄で正常に機能していないのだ。

 今のロシアは、確かにグルジアやウクライナなどの隣国を脅かすことができるし、現に脅かしている。ロシアの政治家の多くはいまだ、こうした隣国をわがままな植民地と見なしている。だが、ロシアがその他の国に与える脅威は誇張されてきた。ロシアは冷戦時代のように廃れてしまったイデオロギーを輸出してもいないし、米国と代理戦争を戦っているわけでもない。欧州諸国へのガス供給を一時停止するとほのめかしたのも、ほとんどハッタリだ。実際、ロシアが西側に呈する最大の危険は、多種多様な病気やイスラム過激主義の温床としての存在かもしれない。

3.NGN時代にふさわしい通信端末とは、総務省が研究会を発足(12.8 nikkeibp.jp)
総務省は12月7日、「IP化時代の通信端末に関する研究会(第1回)」を開催した。冒頭、同省の森清総合基盤通信局長があいさつし、「ネットワークと連携しながら高度で多彩な通信を実現するプラットフォームの登場が期待されている。ユビキタスの基盤にとどまらず、経済、産業の活力の動機付けになるような議論を期待する」との抱負を語った。座長には東京大学大学院新領域創成科学研究科の相田仁教授が選出された。

同研究会では、(1)通信のIP化を踏まえた通信端末のイメージ、(2)今後のIP化に対応した通信端末に必要な機能、(3)これらの端末の利用に向けた課題やその対応策??などを議論する予定。また、9月に策定された「新競争促進プログラム2010」に記述された端末の認証制度の在り方についても検討する。
 

4.TELECOM2006:「金融や物流など異業種からも反響」、日立の竹村氏に聞く(12.8 nikkeibp.jp)

「Hitachi Innovates the Digital World」というコンセプトを掲げ中国・香港で開かれた「ITU TELECOM WORLD 2006」に出展した日立製作所。同社の竹村哲夫情報・通信グループCOO(最高執行責任者)に,展示の狙いなどを聞いた。

通信の世界で進行中のいくつかの変化を象徴しているように思った。変化の一つは,中国や韓国の存在感の高まり。ジュネーブから香港に移して開かれたのは,中国を中心としたアジア市場の大きさへの期待を示しているし,各社の展示からベンダーとして力を付けてきていることも分かる。

もう一つは,通信とコンピュータの融合だ。これまでのTELECOMは,その名の通り通信の展示会だった。しかしここ数年の間に通信とコンピュータ技術は不可分になり,従来の通信ではくくれない展示が出てきた。

5.TELECOM2006:富士通ブースのコンセプトは“ネット・トゥモロー”(12.8 nikkeibp.jp)
中国・香港で開催中のITU TELECOM WORLD 2006に出展している富士通。その富士通の出展内容,中国市場などについて,同社経営執行役常務の近間 輝美氏に聞いた。

富士通ブースのコンセプトは?

一言でいうと“ネット・トゥモロー”,つまり近未来のネットワーク像の展示です。現在,ネットワークには多種多様の情報が氾濫しています。我々はもっとユーザーに優しいインタフェースを提供しなければならない。ユーザーに優しいとは,(1)時間の節約,(2)安全と信頼性,(3)発展できる技術的な裏付け---を提供することだと考えています。

また,「人に優しく」ということで,富士通ブースは滝のように水が大量に流れているようにしました。展示会場の端のほうなので,ここでいったん休憩しながら,落ち着いて展示やデモを見て頂ければと思います。

“ネット・トゥモロー”をもう少し具体的に説明していただけますか

ITとネットワークが融合することで新たな価値を見出していく,ということです。その基礎となるのは,Webベースの基本アーキテクチャを構築することだと考えています。また,他社との差別化は1点あればいいと思います。差別化よりも,ユーザーが必要としているものを,必要な量だけ,適切なコストで素早く提供できるかが重要です。

例えば,企業ではシンクライアントがもてはやされていますが,エンド・ユーザーは受け入れにくいと思います。セキュリティ確保のためとはいえ,自由度が大幅に制限されるからです。それならば,いろいろとユーザーが自由にカスタマイズできるシンクライアントなんてものを提供すればいいんです。

そうしたことを実現していこうとすると,“one by one”つまり個別対応になる必要が出てきますが,その中からでも普遍性を見出して行かなければなりません。
 
 

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