週間情報通信ニュースインデックスno.580 2006/11/11

1.NTTのNGNトライアル、ソニー/NEC/日立/松下など13社が参加表明(11.10 nikkeibp.jp)
NTTグループが2006年12月に開始する次世代ネットワーク(NGN)のフィールド・トライアルの参加企業が明らかになった。NTTの和田紀夫社長が、2006年度の中間決算記者会見で言及した。NGNの実験ではNTTが高品質のIP電話やテレビ電話、ハイビジョン相当のIPテレビ放送などに取り組む。このほか、外部企業の参加を募っており、11月10日時点で13社が正式に申し込んでいる。

具体的には、NEC、NECビッグローブ、NTTコミュニケーションズ、シスコシステムズ、ソニー、日立製作所、松下電器産業の7社がNGNに接続したユーザーに向けてサービスを提供する。コンテンツの配信や、新たな端末の提供が見込まれる。これら各社は、(1)サービス会社がサーバーをつなぎ込む SNI(サーバー網インタフェース)、(2)ユーザーの端末をつなぎ込むUNI(ユーザー網インタフェース)、の2点でNTTのNGNに接続して実験を行う。

2.「売上高3分の2以上を目安に業務を選定」、内部統制の基準案公表(11.6 nikkeibp.jp)
2008年4月期以降の決算期から上場企業に義務付けられる、内部統制の実施基準の原案が公表された。経営者が、どのような基準で自社の内部統制システムを評価したり、統制の対象範囲を決めたりすべきかなどを示しており、「全社的な内部統制が機能している場合は、売上高の3分の2以上を占めることを目安に、対象にする事業部門や事業拠点、対象業務を決める」「内部統制の不備で、税引き前利益が5%以上変動する恐れがあり、期末までに是正できない場合は、その理由とともに公表する」など、目安となる数値目標にも踏み込んでいる。

今回の原案は、金融庁の企業会計審議会内部統制部会の下に置かれた作業部会がまとめたもので、11月6日に開かれた内部統制部会で審議にかけられた。早ければ11月20日に開かれる次回の部会で修正を加えた「公開草案」が公開され、一般からパブリックコメントを求める予定だ。最終的な実施基準は来年1月にも固まる見通し。

いわゆる「日本版SOX法」では、経営者がどのような基準で自社の内部統制システムを評価し、報告書にまとめるかが、重要なポイントになる。今回の原案では、その流れを次のように定めている。(1)全社的な内部統制の評価、(2)決算・財務報告に関わる業務プロセスの評価、(3)生産現場や販売部門など、決算・財務報告以外の業務プロセスの評価----である。

3.「今のSNSをそのまま持ち込んでは失敗する」--NRIが企業でのブログ/SNS活用を分析(11.10 nikkeibp.jp)
野村総合研究所(NRI)は11月10日,都内で企業ユーザー向けの「ITロードマップセミナーAutumn 2006」を開催した。テーマは企業におけるブログやSNSなど,いわゆるWeb 2,0技術の活用である。

 NRIはセミナーで,2011年までの企業内Web 2.0のロードマップを披露した。現在はコンシューマ向けのマーケティングに活用する段階だが,2007年度から2008年度にかけて企業向けのブログ /SNS製品が充実し,企業内利用が進むと分析。2009年度からは一般化していくとの見方を示した。

 ただ,「コンシューマ市場で成功しているブログ/SNSを真似て器だけを企業に導入しても失敗する」(嶋本正常務執行役員)と指摘。効果を得るための三つの条件を列挙した(写真)。具体的には,社員によるブログ/SNSの活用「スキル」向上,業務で積極的に活用する「カルチャー」の醸成,個人の活動を統制する「ガバナンス」の整備である。例えばカルチャーについては,「ブログやSNSによる情報共有の効果を高めるには,ある程度のユーザー規模が必要」(技術調査部の亀津敦副主任研究員)と説明した。

 このうちスキルについては,「Web 2.0のソフトウエアを導入することで,徐々に敷居は低くなる」(技術調査部の田中達雄上級研究員)と,次第に解決されるとの見方を示した。カルチャーについては,「(企業文化として根付かせるには)時間がかかる」(同氏)と難しさを指摘した。

 ガバナンスの整備は,従業員がブログを公開する際のガイドラインの策定という人的作業と,現時点で不足しているセキュリティ機構を追加する技術的要件が柱。特にセキュリティについては,「書き込みの内容をリアルタイムにチェックして,不適切な発言を即座に検知するシステムなどが必要」(田中氏)とした。

 こうした分析の一方でNRIは,セキュリティ面から企業内ブログ/SNSの整備が急務であるとする。例えばコンシューマ向けのブログ/SNSが浸透するにつれ,同期入社の従業員同士のコミュニケーションに外部SNSを利用したり,Webブラウザのブックマークを共有するソーシャル・ブックマークを公開設定のまま利用したりといったことが起こりかねず,「情報漏えいのリスクが生じる」(亀津氏)という。

4.NTT中間決算は増収減益,Bフレッツ契約数は500万を突破(11.10 nikkeibp.jp)
「東西NTTのひかり電話がつながりにくくなったことについてお客様,関係各位にお詫びさせていただきたい」――。11月10日,NTTの2007年3月期の連結中間決算(2006年4月?9月)の発表は,和田紀夫・代表取締役社長(写真)の謝罪から始まった。ひかり電話のトラブルを「重く受け止めている」とし,東西NTTとともに「光IP電話信頼性向上対策プロジェクト」を立ち上げることを公表。東西NTT間で情報の共有を進め,障害の再発防止に努める。また和田社長は,このプロジェクトの成果は「次世代ネットワーク(NGN)の構築にも生かしていきたい」とした。

 中間決算自体は対前年同期比で増収減益。売上高は対前年同期比0.3%増の5兆2493億円,営業利益は同9.4%減の6915億円,中間純利益は同11.9%減の2915億1500万となった。売上高はブロードバンド・サービス「Bフレッツ」やSI関連事業が好調だったものの,音声関連収入の落ち込みが大きかった。営業利益について和田社長は,「減益だが年間では58%の進捗であり想定内の水準。年間計画である1兆2000億円の営業利益は達成できる」とした。

Bフレッツは年間270万増にめど

 Bフレッツや加入電話の契約数も公表した。「Bフレッツの契約数は昨日(11月9日)までの速報値で500万契約を突破した」(和田社長)と好調ぶりをアピール。9月末時点では472万3000契約で2006年3月末から130万の純増を達成。「年間目標である270万純増のめどもつきつつある」とした。一方,9月末のフレッツADSLの契約数は558万6000で,2006年3月末比では9万6000の純減だった。

 加入電話とINSネットの契約数は純減が続いており,2006年9月末の契約数は合計で5263万9000。2006年3月末比では213万 1000の純減。ただし,「当初想定したほどの落ち込みは見られない」として対前年度の純減予測を上方修正。492万7000の純減に改めた。

NGNトライアル参加企業明かすもサービスには新味なし

 和田社長は東西NTTが12月から開始するNGNの実証実験(フィールド・トライアル)についても従来よりも具体的に説明した。インターネット接続事業者がNTTのNGN網と相互接続するNNI(網間インタフェース)のトライアルには6社が,サービス提供事業者がサーバーを接続するためのSNI (サーバー網インタフェース)やユーザーの端末を接続するためのUNI(ユーザー網インタフェース)を使うトライアルには7社が参加する。

 参加企業はNTTグループ以外では,NEC,NECビッグローブ,シスコシステムズ,ソニー,日立製作所,松下電器産業など。和田社長は具体的なサービス像として,現行のひかり電話よりも音質がいい音声通信,高品質なテレビ電話,IMS(ip multimedia subsystem)準拠のマルチメディア・サービス,ハイビジョン映像の配信,地上デジタル放送の再送信などを挙げた。

5.グーグルが「Google Docs & Spreadsheets」で目指すもの(11.9 nikkeibp.jp)
サンフランシスコ発--Googleの最高経営責任者(CEO),Eric Schmidt氏は米国時間11月7日,サンフランシスコで開催中の「Web 2.0 Summit」で,同社がリリースを開始しているウェブベースの各種アプリケーションについて語った。Googleがこれらのアプリケーションで目指しているのは,新たなネットワークコンピューティングであって,Microsoftをターゲットにしたものではないという。

 同氏は「対話」と題されたセッションの中で,「Google Docs & Spreadsheets」のようなアプリケーションは,一般に言われているように,Microsoftのデスクトップアプリケーション「Office」と直接競合するよう設計されたものではないと述べた。

 「われわれは,これをオフィススイートとは位置づけていない。もっと気軽に使えるもの--別のひとつの情報管理の方法,と考えている」(Schmidt氏)

 Googleの製品は,どこのどんな機器からでも情報にアクセスできるうえに無料だが,Microsoftのアプリケーションはデスクトップ上に保存され,しかも無料ではないとSchmidt氏は指摘する。

 Google Docs & Spreadsheetsのようなアプリケーションのデータは,ネットワーク上のどこかにあるサーバ上のストレージに依存する。これがネットワークコンピューティングの大前提だとSchmidt氏は言う。ブロードバンド接続が普及し,信頼できるサーバーファームが増えたことで,1990年代半ばに夢見られたネットワークコンピューティング--Schmidt氏が以前勤めていたSun MicrosystemsとOracleが描いた構想--を実現できる環境がついに整ったと同氏は語る。

 Schmidt氏によると,当時はネットワークコンピュータなど「まったく機能しなかった」という。「ここに来てようやく,アーキテクチャが機能するようになった」のだと同氏は説明する。

 「基本的に,現金はポケットに入れておくより銀行に預けておくほうがいい」のと同じで,ソフトウェアもサーバに置いておくほうがいい,と同氏は語った。

 またSchmidt氏には,なぜGoogleはビデオ共有サイトのYouTubeを買収したのか,YouTubeの買収は「Google Video」が成功しなかったからか,との質問が投げかけられた。Schmidt氏の回答は,Google Videoは「非常にうまくいっていた」が,YouTubeの事業は「それ以上に急成長している」というものだった。同氏はYouTubeの確立したユーザーベースと「口コミ式に広がるコンポーネント」を理由に,GoogleとしてはYouTubeを独立した資産として保持していく考えであることを明らかにした。

 さらにSchmidt氏は,Googleが16億5000万ドルの買収金額のうち,ほぼ5億ドルを著作権関連の訴訟費用としてプールしている,とのうわさを否定した。Googleは現在,この複雑に入り組んだ問題について大手メディア企業と話し合っているという。

 Schmidt氏は,ユーザーが検索履歴を異なる検索エンジン間でインポート/エクスポートできるようにしたいと述べた。「考え方としては,電話番号ポータビリティのようなものを提供したい」(Schmidt氏)

 Googleは何よりユーザーの権利を尊重するとSchmidt氏は話す。「彼ら(ユーザー)の利益に反することをしないかぎり,問題はない。 Googleにできることが増えれば増えるほど(よいのだ)。たとえば,ユーザーがデータをあちこち持ち運べるようにする--そしてわれわれがそれを横取りしない,といったことだ」と同氏は語った。

 Googleは,利用者の多い同社のオークション形式での広告販売を行う新たな分野を開拓すべく,積極的に動いているという。「ラジオにはとくに力を注いでいる」とSchmidt氏は述べた。
 
 

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