週間情報通信ニュースインデックスno.575 2006/10/07

1.日産・ルノー、GMとの提携交渉決裂(10.6 nikkeibp.jp)
日産自動車・仏ルノー連合と米ゼネラル・モーターズ(GM)の提携交渉が破談した。元々、GMの大株主で、投資会社トラシンダを率いる米投資家カーク・カーコリアン氏の要請によって始まったこの提携協議に、GMは最初から消極的であったとされている。

提携のメリットはほとんどなし

 GMの年間調達予算は850億ドル、対する日産・ルノーの調達予算は500億ドルに達する。規模としては両者ともすでに世界最大規模を有する。規模の経済性だけから言うとGMの規模はすでに十分に大きく、これ以上の規模拡大によって得られるメリットは限定的だった。

 GMはすでにLCC(Low Cost Country)での部品調達を加速させており、2009年には100億ドルの中国産部品を購入する予定である。実は、調達コストの削減に関してGMは世界の自動車メーカーの中で最も進んでいるのだ。GMにとって追加的に得られるメリットが相対的に少なかったことが、今回の提携の交渉決裂を導いたと思われる。 

 また、単なる規模の経済以上のコスト削減メリットを生み出すためには、プラットフォームや部品の共通化に踏み込む必要があった。この点でも両社のプロダクトサイクルがかみ合わず、短期的に効果を生み出すことが非常に難しい状況にあったのではないか。日本メーカーの車体は幅が狭く、北米仕様のクルマとの車台共通化が難しいという要素もあったと思う。

GMのプライドが見えない壁に

 さらに、最も大きな理由として考えられるのが、GMが自力再建への自信を深めていたことである。自力再建の実現性はともかくとして、その自信が交渉んひブレーキをかけ続けた。両者の文化の違い、特にGM社員の高いプライドは、提携の成果を出していく上での見えない壁として立ちふさがったはずである。

 そもそも、自動車業界で成功した提携はほとんどない。大きな提携では、日産とルノー、米フォード・モーターとマツダ以外は大抵は失敗している。三菱自動車と独ダイムラークライスラーや、GMと伊フィアットなどはそれぞれに多くの損失を発生させた。

 かつては「400万台クラブ」(年間400万台以上を生産しなければ生き残れないという説)という言葉が流行って合従連衡が進んだが、合従連衡した会社のほとんどが業績を悪化させた。フォードは、ジャガー、アストン・マーチン、ランドローバー、ボルボなどを相次いで傘下に収めたが、ほとんどが収益面で貢献していない。現在進行中のリストラの過程で多くを手放すだろうと見られている。

2.プロジェクトの成功と失敗を分けるもの(9.25 nikkeibp.jp)
 「数年前、あるシステムの見積もりを見て『なんでこんなに高いの? なんで? なんで?』とベンダーに繰り返し聞いていったら、びっくりするほど最初より安くなってしまった。それまではこんなことをベンダーに尋ねたらバカにされるのかな、という気持ちがあったが、それを機に考えが変わった。システム導入プロジェクトは、目的を明確にし、段取りを重視して、不透明な点はどんどん早い段階で潰していくことが大事だ」

 こう語るのは、京都府の猿渡知之副知事。山田啓二知事の片腕として、業務コスト削減プロジェクトの実質リーダーであり、実質的なCIO(最高情報責任者)でもある。同氏は2003年から京都府庁に赴任したが、冒頭のコメントは総務省時代の体験談である。

 猿渡副知事のIT(情報技術)導入へのこだわりは、民間企業に優るとも劣らない。それもそのはず。京都府は例年、収支不足額が500億円規模に達し、財政再建団体転落の危機すらささやかれる状況だ。万が一、ITを導入しても業務コストが下がらないといった失態を演じれば、府議会からの猛批判を浴び、石もて追われかねない。

目的意識の食い違いをなくす

 冒頭のコメントに表れているように、猿渡副知事は、IT導入コストは、プロジェクト管理の進め方一つで大きく変わるものだと考えている。プロジェクトの進め方も、民間の人に相談しながら様々な工夫を取り入れた。

 例えば、「何を目的に活動するのか、初期に関係者の意思統一を図らないとプロジェクトは迷走する」というアドバイスを受けた。そこでIT導入プロジェクトの発足時は必ず「ODSCシート」という書式でプロジェクトの「目的」「成果物」「成功基準」を明確に設定することにしている。

 一例を挙げると、目的ではIT導入ではなくあくまで「効率的な意思決定プロセスの確立」といった業務改革を掲げる。成果物は「電子決裁システム・文書事務支援システム」。成功基準は「電子決裁率50%以上」「決裁件数、押印数、所要日数の半減」など定量的に明記する。

仕様の合意形成にリーダーシップを発揮

 また、システム仕様を現場担当者レベルで検討すると、どうしても利用部門の声が優先され過ぎて仕様が複雑になりがちだ。そこで会議のやり方を工夫した。設計仕様を決める検討会はすべて副知事室で行うことにした。

 猿渡副知事は、データの二重入力や例外処理などがシステムに盛り込まれているのを見つけ次第、その場で利用部門に連絡を取って業務の見直しを命じたり合意を取り付けて仕様を固める。「こうすることで後で仕様を見直したりすることもなくなりIT導入の総コストが安く済む」。2008年度に稼働予定の税務電算システムは、ほかの都道府県の半分のコストで導入できる見込みだ。

 ここではたまたまIT導入プロジェクトの例を紹介したが、もちろんプロジェクトはどの企業にもある。自動車メーカー、電機メーカー、サービス業などにもそれぞれ商品開発、業務改革プロジェクトがある。

3. 最大手のYouTubeと競合しない道を歩むNTTの動画共有サイト(10.6 日経ニューメディア)
NTT(持ち株会社)が試行サービスとして運用している動画共有サイト「ClipLife」が,2006年8月28日に開設してから約1カ月が経過した。この間に約1500件程度の動画が投稿され,国内で競合する動画共有サイトの中ではまずまずの滑り出しを果たしたようだ。

 同サイトは,著作権侵害や公序良俗に反するコンテンツの投稿を自動的に受け付けない仕組みを導入している。このため,動画の大半はユーザーが自ら撮影したり作成したりした映像が中心となる。不正なコンテンツがないという安心感や,作品の再利用や改変の許可などの使用条件を投稿者が設定できる「クリエイティブコモンズ」という枠組みを採用したことなどから,セミプロの映像作家などが自身の作品を公表する場として活用する動きが広がっているようだ。

 だが,動画共有サイト最大手の米YouTubeとは異なり,様々な種類の動画を網羅しているわけではない。NTTはこうした傾向について「動画のポータルサイトは既に存在しており,それらと競合するつもりはない」と説明する。「動画共有というだけで“NTT版YouTube”として紹介されることが多いが,わが社の意図は別のところにある」という。

4.9月末の携帯純増数,KDDIが2カ月連続首位(10.6 nikkeibp.jp)
電気通信事業者協会(TCA)は10月6日,9月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。純増数は,2カ月連続でauが首位をキープする結果となった(8月末時点の数値に基づく関連記事)。

 前月からの純増数は,auが31万2500。NTTドコモは12万6300,ソフトバンクモバイル(10月1日にボーダフォンから社名変更)は2万 3400となった。ツーカーは15万1700の純減だった。なおツーカーはauへの同番移行を実施しており,auとツーカーを合計したKDDIグループ全体では対前月比16万800の純増。企業グループ単位で見ても,KDDIがNTTドコモを抑えて首位となった。

 首位のauは,累計加入者数を2448万6300契約に伸ばした。一方,同じKDDIグループのツーカーの累計加入者数は191万6200と 200万契約を割り込んだ。両ブランドを合計したKDDIグループ全体では,2640万2500契約となった。純増2位のNTTドコモの累計加入者数は, 5210万2900契約。依然として,累計加入者数では過半数のシェアを占める。同3位のソフトバンクモバイルは累計で1530万7000契約となった。

 携帯電話全体では,対前月比31万500増で累計9381万2400契約となった。

 ブラウザフォン・サービスは,NTTドコモの「iモード」が同9万7200増の累計4718万6500契約。auとツーカーの「EZweb」が同17万 9800増の2150万8600契約となった。一方,ソフトバンクモバイルの「Yahoo!ケータイ」は,同2万5500減の1290万2700契約と純減だった。

 PHS事業者のウィルコム・グループ(ウィルコムとウィルコム沖縄)は,同6万9700増で累計425万9800契約となった。2004年12月以降,ソフトバンクモバイルを上回る純増数を記録している。2007年中にサービス終了予定のNTTドコモのPHSは,同2万4100減の60万5700 契約だった。

5.【CEATEC速報】KDDIがモバイルWiMAXの公開実験,実効8Mbps(10.5 nikkeibp.jp)
KDDIは幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催中の「CEATEC JAPAN 2006」において,モバイルWiMAXの実証実験を公開している。2006年2月に大阪市で実施した実証実験に続いて2度目。

 デモでは帯域制御を有効にして4.5Mビット/秒のMPEG-4映像を配信し,それと同時にインターネットからファイルをダウンロードしても映像が途切れない点をアピール。デモ・システムでの最大スループットは8.3Mビット/秒程度だった。

 前回の実験との違いは,モバイルWiMAX基地局および端末のメーカー。前回は韓国サムスン電子の製品を利用したが,今回は三菱電機製の基地局と端末の試作機を用いた。

 また利用する周波数の帯域幅は10MHzから20MHzに倍増。仕様上の通信速度も,下りが最大37.4Mビット/秒,上りが12.1Mビット/秒と2 倍弱に向上した。ただし試作機の処理性能の問題で「現時点では約10Mビット/秒にとどまっている」(KDDIの説明員)と言う。前回の仕様上の通信速度は,下りが最大19Mビット/秒,上りが7Mビット/秒だった。

 KDDIは機器の実用化に半年から1年かかると見ており,2008年度内にサービスを開始する計画だ。
 
 

ホームページへ